【メガデスのおすすめアルバムは!?】最高傑作を探せ!~全アルバムガイドと歴史~
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どうもSimackyです。
本日はスラッシュメタルの雄メガデスの歴史を、全オリジナルアルバムのレビューという形でお届けしたいと思います。
- メガデスの大まかな歴史
- 全アルバムガイド
- キリング・イズ・マイ・ビジネス- KILLING IS MY BUSINESS …AND BUSINESS IS GOOD! /1st 1985年発表
- ピース・セルズ…バット・フーズ・バイイング? – PEACE SELLS …BUT WHO’S BUYING? /2nd 1986年発表
- ソー・ファー、ソー・グッド…ソー・ホワット! – SO FAR, SO GOOD… SO WHAT! / 3rd 1988年発表
- ラスト・イン・ピース – RUST IN PEACE /4th 1990年発表
- 破滅へのカウントダウン – COUNTDOWN TO EXTINCTION /5th 1992年発表
- ユースアネイジア – YOUTHANASIA /6th 1994年発表
- クリプティック・ライティングス -CRYPTIC WRITINGS /7th 1997年発表
- リスク – RISK /8th 1999年発表
- ワールド・ニーズ・ア・ヒーロー – THE WORLD NEEDS A HERO /9th 2001年発表
- ザ・システム・ハズ・フェイルド – THE SYSTEM HAS FAILED /10th 2004年発表
- ユナイテッド・アボミネイションズ -UNITED ABOMINATIONS /11th 2007年発表
- エンドゲーム – ENDGAME /12th 2009年発表
- サーティーン – Th1rt3en /13th 2011年発表
- スーパー・コライダー – SUPER COLLIDER /14th 2013年発表
- ディストピア – DYSTOPIA /15th 2016年発表
- ザ・シック、ザ・ダインイグ…アンド・ザ・デッド! – The Sick, the Dying… And the Dead!/16th 2022年発表
- 私にとっての最高傑作を発表!!
メガデスの大まかな歴史
メガデスはメタリカのデビュー直前にクビにされたギタリストのデイブ・ムステインが結成したバンドです。
なので、同世代なのにメタリカの2年後のインディデビューと、スタートはかなり出遅れております。
しかし、高度で個性的な音楽性で独自のファンを掴み、あっという間にメタリカ、スレイヤー、アンスラックスと並び『スラッシュメタル四天王(ビッグ4)』と呼ばれるようになります。
これだけの才能の持ち主がメタリカにいたらその後どうなっていたんでしょう。
メタリカがオリジナルアルバムがたったの10枚に対し、メガデスはコンスタントに作品をリリースする傾向があり、2023年現時点で16作品をリリースしてます。
音楽の傾向は時期によって変化しますので、一般的で大まかなくくりで分けます。
(スラッシュメタル期)1~4作目まで
非情に攻撃的でスピード感があり、『インテレクチュアル・スラッシュメタル』を標榜(ひょうぼう)し、他のスラッシュメタルバンドより複雑で高度な技術を駆使した知的なメタルを展開している時期です。
自分をクビにしたメタリカへの逆恨みが推進力となり猛烈な勢いで進化を遂げていきます。
(メロディアス期)5~8作目
複雑・高度な曲構成を排除し、非常にシンプルな音楽性になります。
スピードを落とし、重量感のあるサウンドで、歌をメインに押し出してます。
セールス的にはブレイクしていくのですが、従来のスタイルを好むファンからはこの時期を「ポップすぎる」と敬遠される傾向にあります。
(迷走・手探り期)9~10作目
黄金期ラインナップの崩壊や解散などもあり、バンドが安定していない時期。
『スラッシュメタル』『ヘヴィな歌モノ』ときて、次はどこに向かうのか?を探っているような時期です。
(復活・融合期)11~15作目
「メガデスが復活した」と言われるほど、どんどん音楽内容が充実してきます。
初期の攻撃的テイストを中期のヘヴィ・歌モノと融合させる試みがなされ、回を追うごとに完成度が上がっていき、15作目でその試みが結実。
見事2017年グラミー賞を受賞することになります。
(総括)
『迷走・手探り期』以外はそれぞれのスタイルで確固たる独自の音楽性を極めており、どれも素晴らしいため、どこが一番いい時期かというのは好みの問題になると思います。
メガデスは「もうこいつら終わった」とか何度も言われながらも、虎視眈々と進化している希少なバンドだと感じています。
なので『スラッシュメタルじゃなきゃ嫌だ』派なら初期、『分かりやすいのが良い』派なら中期から入るのがおすすめだと思います。
後期に関してはどちらのファンも納得させられる安定のハイクオリティだと私は感じています。
選択肢の中には後期から必ず1枚は入れたほうが良いでしょう。
はい、という訳でお待たせしました。
全オリジナル・アルバム16作品を一気にレビューしていきますよ!
各アルバムごとに私が書いた詳細レビューのリンクも貼っておきますのでお腹いっぱい楽しんでくださいね。
全アルバムガイド
キリング・イズ・マイ・ビジネス- KILLING IS MY BUSINESS …AND BUSINESS IS GOOD! /1st 1985年発表
『インテレクチュアル・スラッシュメタル』(知的なスラッシュメタル)を打ち出したデビュー作です。
自分で『知的』とか言うだけあり、単にスピードとパワーでゴリ押しするのではなく、曲展開に荒っぽい強引さがあり一筋縄ではありません。
もはや『凶暴性』とも言える攻撃性は全作品中ナンバーワンですね。
オリジナルは音がひどかったのですが、2度のリマスターを経て大幅に印象が変わり、ど迫力のインテレクチュアルスラッシュメタルに生まれ変わってます。
ちなみにこのジャケは2回目のリマスター時のもので通称「ファイナルキル」といいます。
メガデスはリマスターと言いながらリミックスまでやっているので、どのリマスターも結構音が変わるのですが、この「ファイナルキル」にはちゃんと「リミックス&リマスター」と表記されています。
おまけにジャケットまで変わっているので、大佐がいかに気に入らない部分が多かったかが伺い知れるというものです(笑)。
本作は、激しさ優先で、特にヴォーカルラインにメロディアスさがあまりない印象があります。
「クリプティック・ライティングス」あたりから流れてきたら驚くでしょう。
まあ、これがいい、というよりこれだからこそいいんでしょうけどね。
地獄の底から咆哮が聴こえてくるようなヴォーカルです。
「聴きやすさ、ポップな部分もなきゃダメ」という方にはお薦めしませんが、「刺激のあるスピード感や激しさ・荒々しさが好き」という方にはぴったりと思いますよ。
本物のスラッシュメタル好きはこのアルバム以外をスラッシュメタルとは呼ばないみたいです(笑)。
私はカテゴリーにはあまりこだわりませんけど。
20代の頃には頭振りたくてほんの一時期だけヘヴィロテでしたが、流石にこの歳になるとそこまで魅力は感じないかな。
血気盛んな若者は是非!
オススメ度:★★★★
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ピース・セルズ…バット・フーズ・バイイング? – PEACE SELLS …BUT WHO’S BUYING? /2nd 1986年発表
前作に比べ音質が飛躍的に向上してます。
サウンドがかっこいい上に、ドラマティックで、スピード感、攻撃性ともに申し分なし。
思い出すだけで鳥肌が立ってきそうな作品です。
私の場合4作目の「ラスト・イン・ピース」が最高傑作だと教えられて愛聴していたので、その後にこのアルバムと出会った時の衝撃は忘れません。
「初期だからもっと未熟な作品かと思ってたら、なんてクオリティだ!」と。
っていうかすでに完成しているじゃないですか!
『初期は激しく、中期は歌モノ』とも言われるメガデスですが、この作品は攻撃性の中にもメロディアスなギターと歌が同居していてかっこいいです。
最高傑作に挙げられることも少なくない傑作アルバムですが、「スラッシュメタルらしい、メガデスらしい」から良いということではなく、純粋にジャンルを超越して素晴らしい作品じゃないかなと。
何が起こったのかベースのエレフソンが覚醒しており、こんなに『かっこいいベースが聞こえてくる』スラッシュメタル作品はなかなか珍しいです。
オススメ度:★★★★★
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ソー・ファー、ソー・グッド…ソー・ホワット! – SO FAR, SO GOOD… SO WHAT! / 3rd 1988年発表
ドラッグの奈落の底に堕ちていったギターのクリスとドラムのガルを切って、新たにジェフ(ギター)とチャック(ドラム)に交代します。
まあ、デイブブラザーズも辞めた二人と同レベルの重症でしたが。
「ドラッグを買う金が欲しかったからキャッチーにした」とデイブ・ムステイン(Vo)が言ったとか言わなかったとかありますが、2作目よりもキャッチーになったとは私は正直感じませんでした。
それどころか超本格派な一枚ですよ。
キャッチーとはセックスピストルズのカバーを入れていることを指しているのでしょうが、それ以外は怒涛のカオス攻撃です。
「メガデス=マシーン」のパブリックイメージを象徴するアルバムと言えるでしょう。
前作よりもスピードと荒々しさを重視したようなサウンドにも感じますが、基本的には同じ路線で、前作からのファンを全く裏切らない方向性とクオリティになっていると感じました。
もう、円熟の域といいますか、職人芸とでも言いますか、ギターリフから貫禄と凄みさえ感じられます。
「押し寄せる怒涛のインテレクチュアルスラッシュメタルを思う存分味わいたい」という人の望みを完璧に叶えてくれるアルバムでしょう。
「リアルタイムでこのアルバムにやられた人達は中期のメガデスを認めたくないだろうな、そりゃそうだな」と同情したくなるほど中毒性がありますね、この頃のサウンドは。
最高傑作と呼ばれることの多い2作目、4作目の間に挟まれてはいますが、私的にはまったく見劣りしていないと感じます。
オススメ度:★★★★★
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ラスト・イン・ピース – RUST IN PEACE /4th 1990年発表
おそらくメガデスの最高傑作と呼ばれることが最も多いのがこのアルバムです。
このアルバムから、現在でも人気の高いドラマー(ニック・メンザ)とギタリスト(マーティ・フリードマン)が加入し『黄金期』と呼ばれるラインナップになります。
よもやこの人気のギタリスのマーティが日本でタレントになるなんて誰が想像できたでしょうか(笑)。
マーティはこのアルバムだけで一流ギタリストの仲間入りを果たしたと言っても過言ではありません。
ギターリフ・ソロともにくっきりと明確なサウンド、なおかつ非常にキャッチーで、多くのギターキッズがコピーしまくったであろうフレーズが目白押しです。
これまでギターとベースがメインで引っ張ってきた複雑な曲の展開に、今回はドラマーまでもが一石を投じており、『バンド全体として高度で複雑なアンサンブル』となっています。
『黄金期ラインナップ』ではここから4作発表するのですが、そう呼ばれるのはこのアルバムのインパクトがよほど強かったからと思われます。
一般リスナーにとってもギターかっこいいしドラムもかっこいいんですが、楽器を演奏してるプレイヤーにとっても非常に『おいしい作品』で、インストゥルメンタル部分をがっつり聴かせてきますので聴き応え抜群!
私の周りでこのアルバムコピーしてる人はどの楽器でも多かったですよ。
おそらく、バンドとしては非常に小難しいことをやっているはずなのですが、秀逸なメロディ/アンサンブルが各所に散りばめられており、怒涛の攻撃性でありながらキャッチーで聞きやすく仕上がっています。
旧来のファンも、スラッシュメタル初体験の人も、プレイヤーさえも満足させられる問答無用の内容です。
オススメ度:★★★★★
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破滅へのカウントダウン – COUNTDOWN TO EXTINCTION /5th 1992年発表
ここからメロディアス期に入ります。
メンバーは前作と同じであるにも関わらず大幅に特徴が変わります。
ニルヴァーナに代表されるオルタナティブ・ロック勢がシーンを席巻してしまったため、ヘヴィメタルは『ダサいもの』的な雰囲気が漂っていましたから、メタル勢として生き残りをかけて、時代にフィットする音楽性を模索せざるを得なくなりました。
そんな中で無理くりひねり出した作品なので、「制作は苦痛を極めた」とはデイブ大佐の談。
苦悩の末、導き出した答えは『スラッシュメタルの封印』でした。
ギターサウンドの荒々しさが鳴りを潜め、洗練されましたね。
シングル曲に関してはギター音量のつまみをこそっと下げて、より『歌モノっぽっく仕上げた』ような感じがしなくもないです(笑)。
スピード感もぐっと落ちてスローになります。
複雑な曲の展開はなくなり、パンクバンドのようにシンプルな曲構成。
複雑さや攻撃性が減退した分、歌メロで聴かせる狙いがあるようで、『メガデスって歌わせてもかっこいいじゃん」と世間に知らしめた作品ではないでしょうか?
ちなみにこの作品から4作品を私は勝手に『歌モノ4部作』と名付けているのですが、その第1弾である本作はまだ”マシーン”のメガデスが残っています。
スピードやテクニカルの度合いが半減したとは言え、冷徹な雰囲気や緊迫感がみなぎっているからです。
アルバムを代表する突出した数曲があるため、一般受けはよく、メガデス史上もっとも売れた作品となりました。
時代の変化に対応できず、迷走しておかしな音楽性になるバンドがたくさんいましたから、やはり地力がすごいんでしょうね。
それまでの攻撃性を支持してきたファンからはかなりのブーイングだったようですが、逆にこのアルバムを推す人からは
「スラッシュメタルが苦手だったからこのアルバムが入口になった」
と言う人も結構いたようですね。
CDになり収録曲数が増えたためか?はたまた慣れない方向性で高いクオリティの曲をあまり用意できなかったのか?
アルバムを引っ張る曲とそうでない曲との落差が激しく、『聴く曲と聴かない曲』がはっきり分かれましたね、あくまで私の場合ですが。
私にとっては最初に買った作品という『思い出補正』がある割には、アルバムとしてあまり好きではありません。
というよりどのアルバムよりも聴き込んでいる分、評価が少し厳し目かもしれません。
『代表作』と言われる作品なので意外に思われるかもしれませんが。
ただし、名曲は突出して素晴らしく
#1「Skin o’ My Teeth 」
#2「Symphony of Destruction」
#7「Countdown to Extinction」
だけは別格に感じていますので、それだけでも買う価値はあるかなと。
オススメ度:★★★
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ユースアネイジア – YOUTHANASIA /6th 1994年発表
「スラッシュメタルに戻ってくれ」というファンから熱望される中で発表された6作目。
ファンの魂の叫びを裏切る形でまたしてもスロー&ヘヴィな歌モノ路線(笑)。
前作と同じ路線のため衝撃度はなく、その割には売れ行きも前作ほどのインパクトはなくわりと影の薄い扱い受けてます。
しかし、内容的には非常に充実しており、前作ほど曲の出来にムラはありません。
いよいよこの方向性にも慣れてきた感があります。
後半の#9~10でさらに盛り返しなおすところが前作との違いですかね。
このアルバムの特徴は何と言っても曲の美しさ、ドラマティックさで、サウンドが宝石のように洗練されていてうっとりします(笑)。
スロー&ヘヴィな歌モノ路線になったとはいっても、暗く陰鬱な曲調の割と多かった前作とは違い、時に『爽やかさ』さえ感じさせるほどの『透明感のある中性的な世界観』という印象です。
個人的にはこの世界観が大好きで、これ以降のアルバムでも継続してほしかったと思うほどです。
曲の前半はダーク&ヘヴィで始まってもギターソロの展開でいきなりしく豹変するようなギャップが多くの曲に盛り込まれており、「お!?」と思う瞬間がけっこうありますよ。
この『意外性の快感』が病みつきになり、気づくと1枚が割りとすんなり聴けますね。
『殺戮マシーン』だったメガデスにして『人間味』を感じられはじめた作品と言えるのではないでしょうか?
心があったかくなります。
最高傑作とか言われることも少数派ですがありますよ。
「スラッシュメタルのメガデスが聴きたい」という先入観がない人であればこのアルバムはかなりおすすめできる作品です。
個人的には学生の頃に聴き始めた頃から20年ぐらいかけてずっと右肩上がりに好きになっており、自分の中でのメガデス人気5本の指に入ってきてます。
誰も目をつけていないからこそ声を大にして言いたい。
「傑作です」と。
オススメ度:★★★★★
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クリプティック・ライティングス -CRYPTIC WRITINGS /7th 1997年発表
はい、来ました。
「好きだ」というと「にわかメガデスファン」と見なされてしまう『踏み絵』的アルバムの登場です。
ということは、私も立派な「にわか」認定されてめでたく火あぶりの刑ですね(笑)。
まあ、このアルバムを許せないオールドファンの気持ちも分かりますが、かつての作品が素晴らしいことは本作を否定する理由にはならないはずです。
本作はメガデス史上、もっともキャッチーでクセがなくソフトな作風に仕上がりました。
ギターリフがこれまでになく引っ込んだので、副リーダーのエレフソンのベースが非常にいい仕事してます。
さらに言うとメタルの持つ『毒』を感じません。
それは前作もそうなんですが、前作との明確な違いは、『ポップ』とさえ言える雰囲気まで出ていること。
前前作~前作までは『歌モノ』『メロディアス』『キャッチー』ではありましたが、この『ポップ』の要素が出始めるのは本作からですね。
これはギターの音に顕著で、私はこの音を聞いて「メタル」だとは感じません。
前作まではまだメタルの音と言えましたからね。
このアルバムと次の『リスク』は音が最もメタルから遠ざかっていると言えるでしょう。
だからスピードナンバーも入ってて、プレイとしても確かにスラッシュメタルのリフを奏でてている箇所もあるんですが、メタルっていうよりパンク・ハードコア的なノリに近く聞こえますね。
オフスプリングのスピードナンバーのような雰囲気といえば伝わりますかね?
しかしそれは本作が『軽い』作品だと言っているわけではありません。
私は初期のスラッシュ期が大好きですが、前作のような音楽性も大好きなんです。
そんな私のようなタイプの人からすれば『その方向性を更に進化させた作品』と好意的に受け止めました。
前作までの流れで見て、大きな違いはズバリ『スピードの起伏』ですかね。
『破滅へのカウントダウン』以降、曲のスピードに関しては起伏がない印象でしたが、今作はスピードナンバーが4曲も配置してあり、アルバム全体としてピリッと締まっており、聞き手の集中力を繋ぎ止めます。
はっきり言って捨て曲がなく、最後まで緊張感が途切れませんん。
これは『破滅へのカウントダウン』以降のメガデスでは驚異的なクオリティの高さだと思います。
デイブ・ムステインのヴォーカルはここにきて開花したかのごとく輝きを放っています。
とにかく全編から良質なメロディが溢れ出ており、「そろそろネタ尽きたかな?」という感じがまったくありません。
中期の『歌モノ』路線はここにきて完成形を見た感があります。
なんというか、ファンがツイてこれるかどうか?1作品ごとに『ふるい』にかけているような感じがしますね、この頃は(笑)。
『にわか』とか言いたい人には言わせておきましょう。
私は好きですよ!
本作を最後に人気ドラマーのニックが脱退し、黄金ラインナップ最後のアルバムとなりました。
オススメ度:★★★★
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リスク – RISK /8th 1999年発表
当時は、「問題作だ」「メタルでさえないポップロックだ」「これじゃあU2だ」「マーティに引っ張られてjpop化した」とか散々言われてましたけど、正直私は「まだそんな事言いますか?」という気持ちでした。
一般的にはこのアルバムも『迷走期』として語られるのですが、それは『スラッシュメタルのメガデス』を欲するコアなファンたちの片寄った意見だと思っています。
前作をもってスラッシュではないメガデスの新たなスタイルは1つの完成を見た感があるのですが、さらに実験を進めちゃいましたね。
スラッシュメタルを基準として作品を評価することは、もはやこの段階に至って不毛の極みです。
インダストリアルロックの要素が加わっているため、メガデスのイメージとかけ離れている箇所が散見され、
「あれ?今メガデス聴いてたはずだけど…」
と一旦CDトレイを引き出すこと請け合いです(笑)。
しかし、あなたが「かつてのメガデスらしさ」など求めず、先入観さえなくして聞けば、いいアルバムだと分かります。
メタルバンドである自分たちらしさを一回全部忘れて挑戦しているのは、タイトル通り『リスク』以外の何物でもありませんが、リリーススパンが非常に長いメタリカとは違い、メガデスは作品を小刻みにリリースしながら少しずつモデルチェンジしてきたので、世間で言われるほどここで大きく変わったということはないです。
『破滅へのカウントダウン』からの3作品をしっかり聴き込んでみれば、一歩一歩丁寧にステップアップしていることに気づけるはずですよ。
それにしても、まったくやったこともないさまざまな実験に手を出して、このクオリティで仕上げているのですからすごいですよ。
インダストリアル・打ち込み要素に加え、カントリーやブルースなどのフレーズがほんの一瞬隠し味のように見え隠れしたりと、『ここ数作の新しいメガデスにさえなかったテイスト』を感じられます。
聴いてて『気づき・発見』といった変化球が多いため、中だるみしません。
ツルッと1枚聞かせるところがすごい。
中だるみのなさ、曲調の多彩さ、サウンドプロデュースに関しては、全作品中トップクラスです。
曲を聴きながら目をつぶると視覚的なイメージを想起させるアートな作品でもあります。
「とにかく激しいスラッシュメタルが聴きたいんだよ!」
という人には絶対おすすめしませんが、
「純粋に良い作品であればジャンルは関係ないよ」
という方はぜひ聞いていただきたい作品です。
この方向性で続けていけばU2みたいな存在になっていたかも(笑)。
そう感じさせるほど、大佐のメロディメーカーとしての才能を感じられる一枚ですよ。
マーティのメタルではないリードギターがワクワクしたのですが、残念ながらこの作品を最後に脱退します。
オススメ度:★★★★
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ワールド・ニーズ・ア・ヒーロー – THE WORLD NEEDS A HERO /9th 2001年発表
ついにマーティ・フリードマンも去ってしまった、『迷走期』の作品。
15年ぶりに「聴いていなかった9作目以降を聴くか」とストリーミングで聴き始めたのですが・・・。
私は1曲目が始まった途端『売れていないインディーのメタルバンドの曲』か何かと思いました。
『のっぺりとしていて起伏もなく生気も感じられない』という印象です。
スラッシュメタルか?歌モノか?という議論をするまでもなく、どっちでもないし、そもそもメロディもサウンドも輝きが感じられません。
たしかにヘヴィメタル以外の何物でもなく、前作のようなポップさはなくなりました。
しかし、メタルっぽくなりさえすればファンは納得するかというとそんなわけはなく・・・。
これはもはやスランプとさえ言ってもいい状況なのではないでしょうか?
『メタルっぽく戻そう』という『意志』だけが感じられるアルバムですね。
このアルバム出した後、デイブ・ムステインが腕が動かなくなったとかで、一旦解散します。
『メガデスファンで全部のアルバムを抑えたい』という人以外は聴かなくてもよろしいのではないでしょうか。
オススメ度:★
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ザ・システム・ハズ・フェイルド – THE SYSTEM HAS FAILED /10th 2004年発表
『手探り期』の作品です。
大佐のソロとしてリリースしようと作ったアルバムを、レーベルの意向を受けメガデス名義で出すことになりました。
なので本作に参加していない相棒のエレフソンと揉めました。
裁判沙汰になるくらいなので、よほど頭にきたのでしょう。
エレフソンがここから3作品は戻ってこないのはこのためです。
このアルバムも前作同様『全部抑えたい人が最後に聴けばいいアルバム』です。
しかし、それは聴く優先順位の話であって、この作品が悪いと言っているわけでは決してありません。
クオリティで言うと前作と同じレベルで語られるべきものではないからです。
全然違います。
人によっては『リスク』と前作が迷走期で、本作は『手探り期』なんてとんでもないという意見もあるでしょう。
疾走感やリフのキレ、ダイナミックな曲展開といった『かっこいいメタル要素』が若干戻ってきており、ここ4作ほど続いていた『ヘヴィ&歌モノ』路線を嫌う人からは割と好評に受け取られています。
スラッシュメタルをやっていた頃からすでに10数年が経過し、シーンにおいては「ベテラン、大御所」という位置づけであるにも関わらず、ここまで若く荒々しい音楽性に戻せるというのはすごいことだと思います。
美しいツインリードのユニゾンも結構目立ってますね。
一発で耳に残る印象的なメロディがぐんと増えてます。
それと、何も考えずに聴いててもドラムの破壊力に多分驚いて調べますよ(答えは内緒)。
リアルタイムで聴いていたファンは、傑作とまでは思わないにしても、次のアルバムの発売までこれを聴きながら『少しずつ戻ってきはじめている全盛期の雰囲気』に期待を膨らませながら、首を長くして待ったのでしょうね。
反撃の狼煙が上がったアルバムとでも評しましょうか。
オススメ度:★★★
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ユナイテッド・アボミネイションズ -UNITED ABOMINATIONS /11th 2007年発表
「おおーーい、メガデス見限ってどっか遠くに行っちゃったみんな~~!戻ってきなよ~~!」
と離れてしまったファンの方たちを呼び戻したい衝動に駆られたのは私だけではないでしょう(笑)。
全世界のメタルファンにメガデスはメタリカとはまったく違う道を辿る可能性を予感させた作品ではないでしょうか?
「メタリカは『メタル・マスター』レベルのスリルをもう一度産み出すことはどうやら無理そうだけど、メガデスは『ラスト・イン・ピース』レベルのスリルをまた味あわせてくれるんじゃなかろうか?」と。
そう感じさせるだけのものを出してきましたね。
やっぱりこれに比べたら前作は『手探り期』なのかな?
1曲目から全盛期もかくやというインテレクチュアルスラッシュメタルのリフが復活しております。
発表時期を伏せて知らない人に聴かせたら初期の作品と思う人も多いでしょう。
強引にうねってねじ伏せるような『殺戮マシーンの1stアルバム』を彷彿させるような#1「Sleepwalker」に始まり、尋常ではない緊迫感を放つ#2「Washington Is Next!」と、オープニング2曲は凄まじいですよ。
しかし完全復活とまではまだいかず、『もうひと押し』感が残るのは、中盤の盛り上がりに若干欠ける部分があるからでしょうか。
アルバムの最初と最後がスピードナンバーでサンドイッチされているため「アグレッシブ」な印象が残るのですが、よく聴き込むと初期の方向性に安易に戻そうとしているわけではないことが分かります。
『安直なセルフカバー』感が全く無い分、好感がもてます。
もともと自分たちが持っていた強み・長所(アグレッシブ・スリリング)を振り返り、それを90年代以降に押し進めてきた『ヘヴィ&歌モノ』の中に少しずつ注入しているような印象を受けます。
これはいいアルバムですよ。
持ってて損はない一枚だと言えるでしょう!
オススメ度:★★★★
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エンドゲーム – ENDGAME /12th 2009年発表
やっちゃいましたね~完全復活。
「ここまできたら究極まで行っちまうか」とでも言いたげに、徹底的にアグレッシブに攻めております。
デビューから24年が経過してこんなの作れるものなんですね。
アメリカ人は歳を取ったら皆がブルースかカントリーをやるんだと思ってました(超偏見:笑)。
このアルバムの時点でデイブ・ムステインは47歳のはずなんですが、47歳でこの音楽性を体現できるということを世の中に証明した大佐は偉いです。
スラッシュナンバーの構成比が前作よりも更に上がり、それ以外の曲も基本的に速い曲が多いです。
『スロー&ヘヴィ』な要素はこのアルバムではあまり感じられず、キャッチーなメロディという点では前作の方がやや軍配が上がるかな?
『キャッチー』さより『攻撃性』を優先している作風なので、それは全然気になりません。
一回#8で一服休憩を挟んだ後、#9で再びエンジン全開。
ここまでレビューを読んできて気が付かれたかと思いますが、『破滅へのカウントダウン』以降、メガデスがアルバム1枚をダレさせることなく聴かせる作品はあまりなかったのですが、この作品は『クリプティック・ライティングス』『リスク』以来に良曲が多く、聴き手をつかんで離しません。
散々な始まり方をした2000年代ですが、このアルバムで最高の終わり方をしたと言えるでしょう!
オススメ度:★★★★★
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サーティーン – Th1rt3en /13th 2011年発表
前作のインパクトで、一度メガデスから離れてしまったファンまでもが戻ってくる現象が起き、新旧双方のファンから期待される中で発表された13作目。
さらに相棒のエレフソンまでもが復帰したとなれば期待値は相当大きかったことでしょう。
前作までで『スピーディでスリリングなメガデスを取り戻す』という目的が一旦達成されたので「さあ、ここからはメロディを加えていくぞ!」といったところでしょうか?
そのため、前作のような過度の攻撃性は少し抑えてあります。
ドラムもギターもサウンド/リズムがともにタイトでクリア。
つまり「わちゃわちゃしていない」のですごく洗練されて聴こえますね。
それとエレフソン効果か?やはり発言権がある人がベースを担当するとミックスのボリュームが上がるようで(笑)、ベースがガンガン鳴ってて、そのことが曲に強い躍動感を与えてます。
メタルのヘッドバンギングをするようなノリももちろんあるのですが、体全体を縦にゆすりたくなるブラックミュージック的なグルーブ感があります。
『跳ねたリズム』ですね。
これに気づくとホント気持ちよくなってきますよ、このアルバム。
今回はヴォーカルも冴えており、久々に「やっぱ大佐の歌ってかっけーなー」と思えます。
ラスト曲の『13』なんかはもはやマリリン・マンソンに聞こえますけど(笑)。
すべてのパートにおいて「自分たちのかっこいい要素(武器)とは何か?」を完全に掴んでいる様に見え、持てる限りの武器を詰め込んであります。
集大成の仕上げにかかっているようにも感じますね。
ただ若干ソフトに仕上げすぎた嫌いはあるかな?
いつものようにスラッシュナンバーが序盤に配置されていないのでインパクトが弱く、初見では地味な印象が残るのですが、実は中盤に配置されている点で珍しく、先程の『跳ねるグルーブ感』も相まって、徐々に良さが分かってきます。
そんなスルメ盤なので聴き込んじゃってください!
オススメ度:★★★★
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スーパー・コライダー – SUPER COLLIDER /14th 2013年発表
2000年代から進めてきた『スラッシュメタルとヘヴィ&歌モノを融合させて究極のメガデス像を作り上げる』試み。
そのスラッシュメタル寄りの頂点が『エンドゲーム』だとすると『ヘヴィ&歌モノ』寄りの頂点がこのアルバムかな?
そうは言っても#1はアグレッシブに攻め立てますが。
全体的に前作よりさらにスピードを落とし、メロディアスになったため、初期スラッシュファンからは「え~~、またそっち行くの?」と言う声が聞こえてこなくもないのですが、
スピードを落としキャッチーなメロディになりながらもサウンドがスリリングでかっこいいという新しい境地に達しております。
よく『リスク』に例えられているのを見かけますが、私の見解は違います。
『破滅へのカウントダウン』~『リスク』の頃は、新しい音楽性にチャレンジする時にそれまでの自分たちらしさをかなぐり捨ててまでやっていたため、作品の質はともかく『それまでのメガデスとは別物』になっていた感は確かにあります。
’90年代は完全にオルタナ全盛期で『メタルはダサい』の空気感だったため、そうする『必要性』があったのでしょう。
しかし、再結成してからはメガデスらしさを取り戻すところから進めてきたため、『リスク』と同じくポップ要素があっても、今回はファンを『まぎれもなくかっこいいメタルだ』とうならせる要素が多分に含まれています。
しっかり歌を聞かせながらもサウンドが常にメタルの範疇から逸脱しないしかっこいいんですよ、このアルバム。
かなり『新メガデス』ができあがっているというか、完成形と呼んでもいいでしょう。
もうここまでくると後は好みの問題ですね。
スラッシュに寄せれば『歌が弱い』と言われるし、『歌モノ』に寄せれば『スピードナンバーが欲しい』と言われ(笑)。
そういう意味で1つの完成形だと思います。
大佐この時点で53歳ですよ?
他のスラッシュ四天王と違い、現在進行系で進化していることは驚嘆に値します。
それに加え、まるでミュージックシーンの最前線に居続けるようなリリースペースが、彼らがまさに全盛期の真っ只中にいることを証明しているように思えます。
メガデスファンは幸せモンですよ(笑)。
オススメ度:★★★★★
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ディストピア – DYSTOPIA /15th 2016年発表
ジャケットの飛んでるロボットはドリームシアターの『アストニッシング』にも出てくるんですが一体何者かご存じの方教えてください(笑)。
ここに来て新・メガデスの決定版が出た感がありますね。
なんなんだこの洗練されまくったサウンドプロダクションは!
『エンドゲーム』『スーパーコライダー』はメガデスの2つの特徴(攻撃性とメロディ)それぞれの決定版だったと思うのですが、その中間に位置する絶妙のバランス感覚で作られたど真ん中の作品です。
メガデスのかっこいい要素のすべてが詰まっていると言っていいでしょう。
ギターリフもソロもヴォーカルも『ザッツ・メガデス』。
Amazonレビューもかつてないくらい桁の違う件数になってます(笑)
特筆したいのはキコ・ルーレイロのギターソロを大きくフィーチャーしてるとこ。
ここまで大々的にソロを前面に出してきたのは、マーティの頃以来のような気がします。
というより、マーティ時代のファンなんでしょうね。
フレーズから4作目『Rust in Peace』あたりへのオマージュが感じ取れるし。
リフの破壊力も全盛期のパンテラもかくや、と思わせるパワー持ってますね。
#7「Poisonous Shadows」では珍しくピアノが導入されたり、#8「Conquer Or Die」ではクラシカルなギターがあったりと、6作目『Youthanasia』のようなドラマ性もある作品でとにかく快感指数がいろんな面で高い。
アルバム全編に漂うこの張り詰めたテンション、緊張感すごいです。
なぜカヴァー曲でラストを締めようと思ったのかは分かりませんが(笑)。
ボートラもかっこいいから文句のつけようがありません。
スピード感、スリリングさ、ヘヴィなリフ、病みつきになるヴォーカル、美しい旋律・・・ほんとに全部詰まっていてため息が出ます。
メガデスの初期の魅力(攻撃性)に、「破滅へのカウントダウン」以降、築き上げたメロディセンスが絶妙にブレンドされて、まさに集大成。
お見事の1枚。
大抵のアーティストって20代が全盛期っていうことが多いんです。
けど、大佐は30代で1990年代から実験と挑戦を繰り返し、55歳まで進化を続けてきたっていうところに私なんかは涙しそうなんですけど。
めでたく「破滅へのカウントダウン」の時には逃したグラミー賞も受賞したし、もう演ることなくなっちゃうんじゃないでしょうか(笑)。
聴くなら未収録の2曲が入ったデラックスエディションがおすすめです。
めっちゃその2曲はいいから。
オススメ度:★★★★★
詳細レビューはこちら⇩
ザ・シック、ザ・ダインイグ…アンド・ザ・デッド! – The Sick, the Dying… And the Dead!/16th 2022年発表
「”やることがなくなった”だと?何を言ってんだ!?アホかSimacky!」
とでも言われたような気がしました(笑)。
ごめんなさい、反省してます。
今回の作風はかつてないほどの”原点回帰”です。
よもやかつての凶暴性と攻撃性をここまでのレベルで再現してくるとは、世界中のメガデスファンも驚いたのではないでしょうか?
どこまで戻ったかって?
なんと…
1作目です(笑)。
これは不意打ち過ぎる。
現代の音で蘇るかつてのメガデスです。
久々に無機質でマシーンなメガデスになっております。
「メガデスの激しいのが聴きたいんだけども、初期はちょっと音が古くて苦手なんだよね」
という方は是非とも聞いていただいて損はないのかな、と。
単純に初期のスピード感に戻ったということじゃなくて、MVからも一貫した冷徹な世界観が匂いまくってますね。
個人的にはスラッシュじゃなくなったメガデスに否定的ではなかったため、メロディが若干弱くなったのに寂しさを感じはしますが、欠点というほどではないかな。
それに、そんなこと言いだしたら全部『ディストピア』の焼き増しになってしまうわけで。
あえてバランスを崩してまで攻撃性を取った男気には『エンドゲーム』っぽさを感じます。
「やってくれたな」と拳を握りしめましたよ私は。
オススメ度:★★★★
詳細レビューはこちらから⇩
私にとっての最高傑作を発表!!
さて本日は『あなたにとってメガデスの最高傑作はどれだ!?simackyの名盤紹介/全アルバムガイドと題してお送りしてきました。
個人的な最高傑作を発表すると・・・
2作目『ピースセルズ・バット・フーズ・バイング?』
3作目『ソーファー・ソー・グッド・ソーワット』
4作目『ラスト・イン・ピース』
が同率1位になります。
「え?そうなの?だって、その3枚のレビューって薄くなかった?」
と感じたでしょうけど、個別詳細レビューに思いの丈をぶつけて燃え尽きたので今回はあんなに短くなってます(笑)。
「んなベタな!結局あんたもスラッシュメタル時代が好きなだけかい!!」
とやじが飛んできそうですが、今回こうして全アルバムを聴き通してみても改めて、初期は『激しかっただけじゃない』のだということに気が付きました。
『初期は激しく、中期は歌モノ』とよく言われますが、初期は激しく歌もよくメロディも全てすばらしいですね。
何と言っても独創性がすごい。
まずはこの3作のうちどれか1枚を聴いてみてください。
はっきり言ってこの3枚ならどれでもいいです。
しかし、こうして聞き返してみると近年の4,5作はとにかくサウンドプロダクションが素晴らしいので、こうした現代の音に慣れている人からすると初期の音に古臭さや粗さを感じるかもしれませんしね。
なので、初期から1枚聴いたら次に後期の「エンドゲーム」「スーパーコライダー」「ディストピア」の星5をつけた作品からとりあえず1枚聴いてみてください。
特に推すのは『ディストピア』ですかね(う~ん最新作も捨てがたいが…)。
初期から1枚、後期から1枚をとりあえず聴いたら、中期の歌モノへと入っていくのが攻撃性のギャップが少なくていいのかなと。
で、中期歌モノ路線で1枚を選ぶのであれば私は「ユースアネイジア」を推します。
「私は激しいの苦手なんですけど」
という人はこの逆の聴き方で中期(歌モノ)→後期(バランス)→初期(攻撃)と一枚ずつ聴いてみてください。
だんだんと激しさに慣れていく聴き方です。
皆さんは自分が胸を張って「これが好きだ!」といえる作品を探してみてくださいね。
今回、あらためて一気聴きしてみて驚くべきはメガデスの安定した力量ですね。
『迷走期』以外はすべてハイクオリティだと感じました。
『手探り期』とか言ってもかなりかっこいいですからね。
あなたのハートに火が付いたのなら、手っ取り早く、ストリーミング配信で初月無料で聴くことをオススメします。
どのサービスも初月無料のところが多いですから、色々使ってみて決めればいいでしょう。
ちなみに、昨今ではライブ音源や未発表音源を追加したリマスター盤や「デラックスエディション」「〇〇周年記念盤」がたくさん出ています。
「すでにオリジナルを持っているのに、こうしたものを再度購入するのはためらわれる」
という方にもストリーミングはお薦めですよ。
そうした『再発盤』も軒並み配信されていますのでね。
ストリーミングがよく分からない方には分かりやすく解説してますで参考にしてください⇩。
『no music no life!』
”音楽なしの人生なんてありえない!”
Simackyでした。
それではまた!
15~20歳の頃はHR/HMどっぷりの青春時代でした。(もう30年以上も昔になりますがw)
当時メガデスは1stはなぜか1回聞いたらもういいかな、となりましたが2nd、3rd、4thはもう神アルバムでした。
(3rdのSo far~が一番のお気に入りでした)
残念ながら、もっとも売れたと言われる破滅への~が発表された頃には私自身メタルから離れてしまっており、以後33年もの間HR/HMを聞く機会すらありませんでした。
半年ほど前にランニングのおともに強度上げるならメタルなんてどうかな?とふと思い、実家の物置からいくつかのCDをあさり、レンタルやYオク・メルカリを駆使し、気が付けばメガデスのアルバム1st以外の13枚が揃っていましたw
先入観を入れずに感じたままに聞いてみるには情報量が多すぎるので、Simackyさんのインプレを参考にしながら、90年代のメタル低迷期、解散の危機など私の中では空白となっている時代背景なども顧みて聞いてみました。
まずは懐かしい記憶の残る2、3,4から・・・
もう懐かしすぎて最高過ぎて齢50過ぎてもあっさり受け入れることが出来ましたw
そして自分の中で止まった時計を動かすように中期歌モノ・・
え??ラストインピースの次がこれ!?
と最初は戸惑いましたが、3回くらい聴いてどれも好きになりました。
こんなメガデスもあったんだ!
当時ならどう受け止めていたかわかりませんが、だからこそむしろ今に出会えたことを幸いに思えました。
週3回仕事で中距離運転してますが今は90%メガデスです。
ちなみに今月入ってから後期モノを聞き始めています。
End Game、サーティーンと激しさ戻ってきて先日スーパーコライダーで「あれ?」と思ったんで、明日はスパコラを聞き尽くしてみようと思います。
周りの友人では昔はメタル好きだったという方もいますが、今はまともに語れる友人がいないのが寂しいところですが、自分1人でも楽しんでいきたいと思います。
この30年越しの再会があまりに嬉しかったので、つい長々と(語彙力もまったく無しw)書き綴ってしまい申し訳ありません。
シロタマンさん、コメントありがとうございます!
返信遅くなりましたけど、ちゃんと頂いたコメントは拝読しておりますよ~!
仕事忙しくてブログが全く手につかない間に、こんなに熱い長文コメントいただいてて感激至極であります。
33年ものブランクを埋めるお手伝いができて光栄です。
おっしゃる通り、2~4thアルバムは神アルバムですが、メガデスは『それで終わっちゃったバンド』なんかじゃ全然ないんですよね。
『中期歌もの期』もスラッシュメタルと別の観点で聞くとスンバラシイですし、『エンドゲーム』以降の後期あたりからはもはや神がかったものさえ感じます。
私はメガデスが生涯で出会えたことを奇跡に思える稀有なバンドだと思ってますので、シロタマンさんにとってもそうなってくれれば、このブログを書く一番の喜びでございます。
破滅へのカウントダウンしか持ってないですが、当時ハマりました。
No.5 Sweating Bullets も割と耳に残ります。
巷で評価の高いラスト・イン・ピースも買ってみようと思います。
大変参考になりました。
コメントありがとうございます。
「破滅へのカウントダウン」がお好きならそうですね、3作目「ソー・ファー・ソー・グッド~」あたり行ってみてはどうでしょう?
激しさは全然違いますが、まとっている雰囲気は近いものがありますよ。
無機質でマシーンな感じが。
「ラスト・イン・ピース」もハマるとは思いますが、あえておすすめします。
今回ライブに行きました。MEGADETHをあまり知らなかったのですが、解説素晴らしい!勉強になりました!
記事を読んでいただきありがとうございます!ライブ楽しまれたみたいでよかったです。今後はメガデスの各アルバムごとの詳細レビューを暇を見つけて書いていこうかなと思ってますのでよろしくお願いします。
武道館で久々に再会しようと思っている復帰組です。自分の離脱中の作品を把握しておきたく拝見しましたが、読み応えがあり、例えも分かりやすく、たいへん参考になりました。ありがとうございました。
ぜひ、最新作もレビューしてください!とっても読みたいです。
コメントありがとうございました!
そう言っていただくことがこのブログを続ける支えになります。
おかげさまでモチベーション上がりまくりです(笑)。
肝心の新作がまだレビュー出来てませんでしたので、来日までに別記事で1本書きますね!