【ドリームシアターの最高傑作はどれだ!?】おすすめアルバムは?~全アルバムの歴史を語る~
本記事はプロモーションを含みます。
どうもSimackyです。
この記事ではドリームシアターの全オリジナルフルアルバム15作を発表順にレビューしていきます。
頭の中を整理していただくために、まずは大まかな説明をしてレビューに入っていきますね。
これを読めばドリームシアター初心者の方も興味津々になること請け合い!
そして「大好きだったけど全部は聴いてない」という方にとっても、まだ聴いていない傑作と出会っていただくきっかけになれば幸いです。
あなたにとって最高に響きそうな作品を見つけてくださいね。
各アルバムごとに私の詳細解説記事のリンクも張っておきますのでご利用ください。
このアルバム紹介シリーズは『ストリーミング配信の時代に失われた解説書(ライナーノーツ)を復活させる』をコンセプトにやっております。
ストリーミング配信で一気に全作品を聴いていただけるように、リンクも張っておきますので無料期間なども利用しながら楽しんでくださいね。
- ドリームシアターってどんなバンド?
- ドリームシアター全アルバム解説
- 1.『ホエン・ドリーム・アンド・デイ・ユナイト』 – When Dream and Day Unite (1989年) TIME/51:25
- 2.『イメージズ・アンド・ワーズ』 – Images and Words (1992年)TIME/57:03
- 3.『アウェイク』 – Awake (1994年)TIME/75:00
- 4.『フォーリング・イントゥ・インフィニティ』 – Falling into Infinity (1997年)TIME/78:12
- 5.『メトロポリス・パート2:シーンズ・フロム・ア・メモリー』 – Metropolis Pt. 2 : Scenes from a Memory (1999年)TIME/77:00
- 6.『シックス・ディグリーズ・オブ・インナー・タービュランス』 – Six Degrees of Inner Turbulence (2002年)TIME/96:00
- 7.『トレイン・オブ・ソート』 – Train of Thought (2003年)TIME/69:19
- 8.『オクタヴァリウム』 – Octavarium (2005年)TIME/75:45
- 9.『システマティック・ケイオス』 – Systematic Chaos (2007年)TIME/78:41
- 10.『ブラック・クラウズ・アンド・シルヴァー・ライニングズ』 – Black Clouds & Silver Linings (2009年)TIME/75:00
- 11.『ア・ドラマティック・ターン・オブ・イベンツ』 – A Dramatic Turn of Events (2011年)TIME/77:00
- 12.『ドリーム・シアター』 – Dream Theater (2013年) TIME/68:00
- 13.『ジ・アストニッシング』 – The Astonishing (2016年)TIME/130:00
- 14.『ディスタンス・オーバー・タイム』 – Distance over Time (2019年)TIME/56:00
- 15.『ア・ヴュー・フロム・ザ・トップ・オブ・ザ・ワールド』 – A View from the Top of the World (2021年)TIME/70:00
- 私の最高傑作を発表
ドリームシアターってどんなバンド?
メンバーチェンジと音楽の変遷
ドリームシアターは『プログレッシブメタル』というプログレッシブ・ロックとヘヴィメタルを融合させた音楽ジャンルの代表的存在です。
バークリー音楽院の学生3人を中心に組まれたバリバリの理論派バンドで、音楽を作るのに理論的な打ち合わせをしながら進める変わったバンド。
音楽的な特徴としては基本的にヘヴィメタルなのですが、高度な音楽理論と超絶テクニックに裏打ちされた長く複雑なインストゥルメンタルや、軽く10分は超える長尺曲を当たり前のように最後まで聴かせるメロディセンスには、多くのメタルファンが衝撃を受けました。
また、コンセプトやギミック(ちょっとした仕掛け)を細部に渡るまで入念に作り込んだ深い作風も持っているため、ピンク・フロイド、イエスなどのプログレが好きなちょっと上の世代の音楽愛好家たちからも愛されるという、普通のメタルバンドではあまり例がないファン層を持つことが特色と言えます。
しかし、そのように両極端なファンが共存しているため、どちらのファンも納得させる作品を生み出すのは非常に難しく、作品を出すごとに賛否が分かれる傾向がありますね。
中心となって楽曲を組み立てるのは結成メンバーであるギターのジョン・ペトルーシとドラムのマイク・ポートノイの二人。
他にも結成メンバーにはベースのジョン・マイアング、3作目まで在籍したキーボードのケヴィン・ムーア、そしてヴォーカルのチャーリー・ドミニシがいます。
まずヴォーカルに関してはは1作目のみドミニシで、2作目以降現在に至るまでジェイムズ・ラブリエになりますので、1作目はそれ以降の作品と大きく異なります。
また、このバンドではキーボードは装飾的位置づけだけではなく、ギター同様にリードメロディを担う側面が強いため、キーボーディストによりカラーが変わります。
そして3代にわたるキーボーディストが皆すばらしいメロディセンスの持ち主。
『ギターヒーロー』ならぬ『キーボードヒーロー』という存在が成り立つのは彼らならではの魅力です。
特に5作目以降、現在に至るまで在籍しているジョーダン・ルーデス加入後は、ギターソロとキーボードソロのバトルが一つの名物となっているので、5作目は大きな分岐点と言えます。
そして最後の大きな分岐点は、ドラマーであるポートノイの10作目での脱退。
卓越したドラマーであったこと以上に、アルバムコンセプトやバンドの方向性といった全体的かつコア部分の決定に強い影響力をもっていた実質的リーダーだったので、ここも大きな分岐点と言えるでしょう。
ただし、ドラマーとしての力量という点では、後任のドラマーがマイク・マンジーニという、さらに輪をかけたハイテクドラマーだったため、技術面で見劣りする点は見つからないと感じます。
セールス規模と知名度
セールス面での話をすると、これだけの大御所でミュージシャンからもリスペクトを集める彼らではありますが、やはりこういう音楽性のためシングルヒットやMTV、ラジオといったプロモーション手段とは相性が悪いため、それほど大きなセールスは記録しておりません。
かつてはチャートでも50位前後を行ったり来たりといった感じでした。
ただ、近年はストリーミング配信が主流となり、全体的なCDの売上が激減しているため、一定量のコアなファン層を獲得している彼らが相対的にチャートで目立った位置に登場するようになりました。
5万枚とかでもトップ10に入れたりする時代ですから。
そして2021年にはついに最新アルバム収録の『ジ・エイリアン』で見事グラミー賞を受賞したことで、実力に知名度がやっと追いつき、一気に一般的な認知度が上がった感はありますね。
また、日本は『プログレッシブ・ロック』という言葉の発祥の地であり、歴史的に見てもヘヴィメタルを愛するお国柄でもあるため、日本ではかなり人気の高いメタルバンドの一つだと私には映ってます。
さて、概要を説明したところで、全オリジナルアルバムのレビューいってみましょうか!
ドリームシアター全アルバム解説
1.『ホエン・ドリーム・アンド・デイ・ユナイト』 – When Dream and Day Unite (1989年) TIME/51:25
このアルバムが先程も話したチャーリー・ドミニシがヴォーカルをとった唯一のアルバムです。
デビュー前から『メタリカ・ミーツ・ラッシュ』、すなわちメタリカ(メタル)とラッシュ(プログレ)が合体した音楽だと騒がれましたが、思いのほかセールスは伸びず鳴かず飛ばず。
つまりこのアルバムはほとんど売れなかったため、ほとんどの人がドリーム・シアターを知るのはこの次の代表作『イメージズ&ワーズ』になっちゃうんですよね。
そのため、後任のジェイムズ・ラブリエこそがドリーム・シアターのヴォーカルだという認識が一般的で、その認識でこのアルバムを見る人が多く、『番外編』的な作品に見られがち。
しかし、当時リアルタイムで聴いた人のレビューやブログを読むとかなり衝撃的だったらしく、この頃からキラリと光る音楽性を持ち合わせていたことは間違いありません。
後のライブ盤などでこのアルバムの曲が再現されるとあまりのかっこよさにビビったのは私だけではないはず。
ラブリエのヴォーカルで再現されるから凄いというのもありますが、やはり原曲の持つメロディが素晴らしいからでしょう。
ドミニシも別に下手なヴォーカルではないのですが、ラブリエの声でドリーム・シアターに入った多くのファンからするとかなり違和感があるのは仕方がないです。
オススメ度:★★
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2.『イメージズ・アンド・ワーズ』 – Images and Words (1992年)TIME/57:03
これがドリーム・シアターの代表作にして奇跡の傑作です。
「ヴォーカルにラブリエを迎えたからレベルアップした」とかいう次元ではなく、なんかマジックが起きたかのように奇跡の1枚が出来上がりました。
こういうのを覚醒っていうんでしょうね。
いや~覚醒なんてできるのはルフィかドリームシアターくらいですよ。
ポートノイはどうかと?
かっこよすぎです!
ペトルーシはどうかと?
リフもソロも完璧ですよ!
どこを切り取っても「良くないフレーズ」なんてありません。
このアルバムでもってドリーム・シアター、ひいては『プログレッシブメタル』という言葉が世に轟き渡りました。
これはプログレとかメタルとかいう範疇を超え、ロック、いいえ、90年代の『音楽』を代表する名盤といっても過言ではありません。
珠玉のメロディ、超絶テクニック、美しすぎる世界観、複雑だけど聴きやすい大仰な構成などなど。
何をやっても全てがTOO MUCH(やりすぎ)にならず調和されている。
これは狙ってやれるものじゃないと思うんだよな~。
音楽の神が降臨した奇跡の一枚と言えるでしょう。
ちなみに#5『メトロポリスPart1』の続編が5作目のアルバム『メトロポリスPart2』になります。
オススメ度:嫁さんを質に入れてでも買って聴け
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3.『アウェイク』 – Awake (1994年)TIME/75:00
あまりに完成されすぎた前作をどうにか超えようと試行錯誤した結果、奇妙奇天烈摩訶不思議(きみょうきてれつまかふしぎ)な作品が生まれてしまいました。
しかし、実はこのアルバムこそ、現在に至るまでのドリーム・シアターの基盤を作ったと言っても過言ではないでしょう。
それまでのドリームシアターにはなかった『ダーク』の要素が初めて注入されたからです。
過去2作は「キラキラ」していましたが、このアルバムは黒光りしております(笑)。
で、ありながらも何故か『イメージズ&ワーズ』にはなかった神秘性があります。
おそらく前作に感銘を受けた世界中の多くのファンが「?????」と面食らったことでしょう。
作っている本人たちすらも意図しない『何か』が生まれているため、予測不能であり、これが一体何なのか表現するのに的確な言葉を私は持ち合わせません。
長い時間をかけてこのアルバムの魅力が分かってくると、前作では味わえない独特の快感のとりこになっていることに気づくでしょう。
瞬間最大風速では奇跡と言われた前作を軽く凌駕してくるんですよ。
これを一発で好きになった人を見たことも聞いたこともないので、最初に聴くアルバムとしては絶対におすすめしませんが、
最強の中毒性を秘めてます。
全然違うようでいて実は一番『イメージズ&ワーズ』に近い側面も持っており、対をなす作品と捉えるのは私だけではないはず。
とにかくこのアルバムに関しては語りたいことが山ほどあるので、詳細レビューで読んでみてください。
語りまくってます(笑)。
それから本作を最後にバンドを去るケヴィン・ムーアの名曲『スペース・ダイ・ヴェスト』は、この1曲だけでアルバム買う価値があります。
オススメ度:最初に聴くな。で、聴く時は肚をくくれ
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4.『フォーリング・イントゥ・インフィニティ』 – Falling into Infinity (1997年)TIME/78:12
前作がセール的にかんばしくなかったため、売れる作品づくりをレーベルに強制されるという極めて外部的要因が強く影響を及ぼした作品です。
そのため、ドリームシアターの作品の流れの中で異色というか、浮いた作品が出来上がりました。
超絶テクも長尺曲もダークさもヘヴィさも『そこそこに』封印して、不思議な世界感になってます。
透明感があり、浮遊感があり、中性的で…全部の作品の流れの中で聴く分にはこういうのもあると非常に興味深いのですが、当時のファンが求めていたものとはあまりに乖離(かいり)していたため心中はお察しします。
ただし、改めて聞くとこれはこれでなかなかの良盤ですよ。
なんと!
嫌な思いして作ったのにセールスはさらに落ち込みます(笑)。
オススメ度:★★★
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5.『メトロポリス・パート2:シーンズ・フロム・ア・メモリー』 – Metropolis Pt. 2 : Scenes from a Memory (1999年)TIME/77:00
セールス的に行き詰まった彼らが起死回生で放ったコンセプトアルバムです。
『イメージズ&ワーズ』収録の『メトロポリス』の世界観でアルバム1枚作っちゃいました。
すごく映画的な作風で足音やピストルの音など(あと喘ぎ声も)、まるで映画を音で聞いているかのような効果音がいたるところに入ってきます。
ファンには非常に評価の高い作品で、一般リスナーではなくファンの中だけでいったら1番人気のある作品かもしれません。
ドリームシアターの音楽要素を大きくメロディとヘヴィに分けるとすれば、『イメージズ&ワーズ』と本作がメロディ側の代表作に挙げられます。
けれどもすごくアグレッシブな面ももっており、本作から加入したジョーダン・ルーデスとペトルーシのソロバトルがここから名物となっていきます。
個人的な感想を言わせてもらうと、メロディアスではありますが、一般的にはわりとマニアックな作品の部類に入ると思います。
あくまでドリームシアターファンに向けた作品だと感じました。
というより、ここから以降は全て『ドリームシアターファンに向けた作品』という範囲の中で作っている印象がありますね(『アストニッシング』を除いて)。
『最高傑作』の呼び声は高いですが、初心者の方は後回しに、ドリームシアターにはまった人は是非とも聞いてくださいって感じですかね。
オススメ度:★★★
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6.『シックス・ディグリーズ・オブ・インナー・タービュランス』 – Six Degrees of Inner Turbulence (2002年)TIME/96:00
ドリームシアター初の2枚組です。
このアルバムの何が面白いかって、1枚目に実験性の高い長尺曲、2枚目にかなりキャッチーでポップな曲、という風にディスクごとにカラーを分けていることなんですよ。
一応コンセプトアルバムなんですが、それは歌詞の面だけ。
音楽的には真反対の2枚組です。
特に人気の高い2枚目は8曲ありますが『1曲』という扱いになっており、フレーズ、メロディを共有するナンバーが並びます。
個人的には、ドリームシアターの真の魅力はヘヴィさではなく、普遍的な突き抜けて明るいメロディセンスだと思っているので、その魅力が発揮された2枚目はかなり好きです。
さらに日本人の大好きなゲームサントラのドラクエ要素までが入っているのならば、これは聴かない手はないでしょう。
ただね、あんまり人気ないけど、1枚目は絶対に侮らないでね。
敷居高いけど、聴き込んでみてください。
中毒性高いっスよ。
オススメ度:★★★★
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7.『トレイン・オブ・ソート』 – Train of Thought (2003年)TIME/69:19
「ライブの時にメタリカやアイアン・メイデンなんかのヘヴィなナンバーをカヴァーすると観客のノリが良くなるんだよね」
ということで、今回はファンが望んでいるであろう方向性に持っていきました。
ドリームシアター史上、最もハードでヘヴィな作風として金字塔のようにそびえ立つ作品です。
ついていける人とそうでない人がまっぷたつに分かれるほどメタルに振り切ってます。
いや、これは正統派メタルではなく、ニューメタル要素が強いかな、特に音が。
私の場合、最初は一番嫌いだったな~。
「違う違う!あんたらの本領はそこじゃねーって!」
みたいに思ってました。
KORNみたいにシンプルな音楽性でヘヴィなのならともかく、ドリームシアターのような複雑な音楽でここまでヘヴィに歪ませると、もうごちゃごちゃ感が半端なくてメロディが見えてこないんですよ。
けど、大好きっていう人のブログやらレビューがわりと多かったからちゃんと聴き込みましたよ。
そうすると物悲しいメロディにだんだんハマってきます。
彼らがメタリカの影響を強く受けていることは有名だったのですが、「よもやここまでとは…」と驚愕しました。
オマージュを入れるのはいつものご愛嬌なのですが、本作はそのレベルをはるかに超えてます。
メタリカがかつて持っていた、けれども今では失われた『叙情性』を再現することに成功しているという信じられないアルバムです。
『物悲しい』という表現が陳腐に感じるほどの絶望的な悲しみ、世界観を音で表現しています。
このダークさに拒否反応が出るのは分かりますが、本作、『アウェイク』、『システマティックケイオス』というダーク&ヘヴィな作品はもれなく『スルメ盤』ですので、是非とも聴き込んで見られることをおすすめします。
オススメ度:★★★★
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8.『オクタヴァリウム』 – Octavarium (2005年)TIME/75:45
「集大成を作る」
5作目以降、コンセプトや2枚組、ヘヴィ路線、メロディアス路線…と様々な試みを作り続けてきた彼らが、それら全てを極上の『黄金率』でブレンドした傑作です。
これを『らしさがなくなった』と捉える人も当然いるでしょうが、私は彼らの飽くなき挑戦心を称賛したいです。
自分たちのある一点の特徴に振り切った作品を作れば、少数であっても誰かには必ず刺さるでしょう。
しかしそれは自分たち本位で作ったもの。
アーティストの永遠の葛藤である『本当にやりたい音楽を表現する』ことと『一人でも多くの人に聴いてもらえる音楽を表現する』こと。
アーティストのあり方としてどちらが正しいのか?
答えは
『どちらも満たす』ことなんです。
ほぼ無理ゲーなんで、誰しもがある程度は妥協をして作るんだと思います。
どちらかというと、『やりたいこと』の選択を取ることが多かった彼らが、今回は『一人でも多くの人に聴いてもらえる音楽を表現する』事にもとことん向き合いました。
真っ向勝負をする覚悟を感じましたね。
こういうのを作るのが一番しんどいんだと思うんですよね。
しかし、そこに葛藤する姿こそ、アーティストとして『美しい』と感じてしまう私はドSなんでしょうか(笑)。
『イメージズ&ワーズ』以来の絶妙の調和を見せていますが、前回と違うのは前回は偶然、今回は意図的、なんだと思います。
全身全霊を込めて集大成を作った感があります。
アルバムを追うごとに存在感が薄くなるラブリエでしたが、今回は歌モノにぐっと寄って、久しぶりにヴォーカルが存在感を放っています。
ラスト曲はなんと純然たる1トラック24分なのですが、最後まで聞き手をつかんではなさない大作です。
これをやるためにそれまでをライトにしてある。
24分のラスト曲までに実験性の高い10分の曲が3曲連続で続いていたら、24分でうんざりするでしょ?
つまりそういうことに最新の注意を払いながら作ってあるんですよ。
「こっちでプラスが出たらこっちでマイナスを作ろう」
というバランス感覚を感じますね。
オススメ度:★★★★★
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9.『システマティック・ケイオス』 – Systematic Chaos (2007年)TIME/78:41
またもやダークな方向性に行きました。
この作品に関して、ポートノイは「ドリームシアターと聞いてファンがイメージする全てが詰まっている集大成にした」と語っています。
それ前回も言ってなかったっけ?
しかし、集大成を狙ったにしては前作と真反対のような、攻めすぎのような(笑)。
どちらかというと前前作「トレイン・オブ・ソート」を思い出した人が多かったのではないでしょうか?
やはり暗い雰囲気がありますからね。
おそらく人気アルバムランキングをすればかなり下位にくるかもしれません。
それほど各種レビューで酷評されてます。
曰く「メロディが枯渇している」「マンネリ」「何も印象に残るフレーズがない」などなど。
皆さん、レビューを読む際に注意していただきたいのは、レビューを書いている人は
買って1,2回聴いてコメントしている人がほとんど
ということです。
ブログを書くにあたってレビューは死ぬほど読んでるのでその傾向が分かります。
けれどもあなたの経験を思い出してみてください。
作品を1,2回聴いた時の印象と20回聴いた時の印象が違うことなんてざらにありませんか?
それがドリームシアターともなればなおさらです。
なので、本当に参考になるのはレビューよりも、とことん聴き込んだ人の解説記事(ブログ)だと思いますよ。
このアルバムは
『そもそも良質なメロディって何?』
っていう命題を突きつけられた気分になりました。
パッと聞いてすぐに好きになるメロディのこと?
おそらくそんな浅い話ではないはずです。
あなたもこれまでに最初は何が良いのかさっぱり分からなかった作品を、大好きになった経験ありませんか?
一度大好きになると
「どうしてこのメロディの気持ち良さが分からなかったんだ?」
と不思議に思えてきます。
さらに言えば、美しいメロディだけがあなたの心を震わせる要素ではないということです。
今作は計算して(システマティック)混沌(ケイオス)とした音楽を生み出す手法を取っています。
混沌とするほどあらゆる要素を混在させることで、そこから何が生まれてくるのかを試しているようにも感じます。
皆さん、「マンネリ」とか簡単に切り捨てますけどね、そうならないようにどれだけ彼らが苦労していることか…。
どうせ、マンネリ打開のために音楽性を変えたら変えたで
「ドリームシアターらしくなくなった」
とか言うんでしょ?(笑)
なかなか一筋縄ではいかないスルメ盤なのでじっくりと聴き込むことをオススメします。
33回目くらいで少しずつ中毒症状が出てきます(笑)。
「このヴォーカルラインもこのリフも最初は大嫌いだったはずなんだけどな~」ってなりますよ。
ミュージシャンたちが作品に込めた情報量、意図といったものは2度や3度聴いたくらいで全部伝わるものじゃありませんから。
コキおろされる作品ほど文章が長くなる(笑)。
聴き込む覚悟を持った人だけどうぞ。
これは傑作です。
オススメ度:★★★★★
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10.『ブラック・クラウズ・アンド・シルヴァー・ライニングズ』 – Black Clouds & Silver Linings (2009年)TIME/75:00
メロディ路線にもってきた作品で、中期ドリームシアターではかなり評価高いです。
7作目『トレイン・オブ・ソート』以降、暗い→明るい→暗い→明るいって交互に色合いを変えてます。
毎回集大成言うてますが(笑)。
「『プルミーアンダー』や『グラスプリズン』といった名だたる名曲の魅力が全て詰め込まれたアルバムを作る。」
ん?それって要はまた集大成ってことでしょ?
3作続けてって、どんだけ集大したいの?
じゃあ、前作、前前作は『集大成らず』ってこと?
ちょっと!『オクタヴァリウム』を絶賛した私の立場は(笑)
しかし、アルバム収録曲がたったの6曲でタイム75分とは、集大成にしてはまたしても攻めてますね?
大作主義もここに極まれりです(笑)。
しかし、前作とは打って変わってかなり聴きやすい作品になりました。
やはりギターの音の質感が一番大きな要因でしょうね。
ペトルーシの音づくりは作品の印象を決定づけます。
私の印象としては『シックスディグリーズ』のDISC2や『オクタヴァリウム』に見られた突き抜けた明るさの側面を持った作品です。
要はキャッチー、フックの効いたメロディが復活しているためでしょうが。
こういう作品を聞くと、彼らはメロディが枯渇なんか全然してなくて、作品のテーマに合わせ使うべきところで使い分けているだけなんだと分かります。
前作から出始めたポートノイのコーラス(デス声)がおおむね不評なんですが(笑)、私は結構好きですよ。
『シックスディグリーズ』から続いたアル中克服ソング(言い方!)も見事クライマックスを見せたことだし、まるで「これでやりきった」とばかりに、このアルバムへの参加が最後となりました。
オススメ度:★★★★
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11.『ア・ドラマティック・ターン・オブ・イベンツ』 – A Dramatic Turn of Events (2011年)TIME/77:00
レビューなどでは「ファンが嫌いになる要素はないがインパクトに欠ける作品」とよく言われてました。
新体制になっていきなりがらっと変わると何かと物議を醸すので、『緩衝材』としての役目を持たせたアルバムです。
結論を言うと、実質的リーダーだったポートノイが脱退したことでどうなることか心配されましたが、それほど大きな影響は出なかった、と。
正確には旧来のファンが離れていかないように、これまでのフォーマットで『慎重に置きにいった』作品といえます。
ポートノイがいた頃のドリームシアターから大きく乖離(かいり)しないように、かなり意識的に作ったように感じました。
なので安心して聴いてもらっていいですよ。
とか言うと、目くじらを立てて違いを主張する旧来ファンからは
「どこがだよ!?」
と言われるかもしれませんが。
けど、別にポートノイがいてもアルバムごとにガラッと作風変わっていたじゃないですか?
『アウェイク』の後に『フォーリング・イントゥ~』が出た時の変化ほどではないでしょ?
なのでこの変化が『ポートノイの脱退による大きな変化』だとは全然言えないと思うんですよ。
それに私が危惧していたのは、メタ●カの変化のように「もはやメタルと呼べないジャンルにまで変化してしまう」ことだったわけで(『LO●D』のこと)、あの衝撃度に比べればこれは変化のうちにすら入りません。
同じメンバーで作ったのに、あんなにガラッと変わるバンドだっているんですよ?
リーダー脱退してこの程度の変化なら可愛いものだと思いませんか?
結局、これまで10作品を生み出す中で培ってきた制作ノウハウが完成しているので、ポートノイがいないと再現不可能という制作環境ではなかったということでしょう。
ただし、凝ったコンセプトや『オクタヴァリウム』に見られたような仕掛けなどはなくなったというか。
しかし、参加1作目でこれだけのドリーム・シアター節を再現できるマンジーニの実力には、同じドラマーとして感服します。
出来上がった譜面を叩いただけとか言われてますが、プロの制作現場でそんなことはありえないでしょう。
原案としての譜面があっても必ずプレイヤーのアレンジは入ってると思いますよ。
ドリームシアターの曲はテクニックが高いだけでは再現できず、音楽理論やタイム感も必須になるから、音合わせや入念なリハをやるなかでどんどんプレイは変わっていくでしょうからね。
アルバムの持つ雰囲気なんですが、個人的にはドリームシアターのダークな世界観は好きなのですが、行き過ぎたヘヴィさとギターサウンドの歪みや、変態すぎるプレイにあまり必要性を感じていなかったため、本作のクリアさは好感が持てました。
そこは前作以上かも。
『トレイン・オブ・ソート』や『システマティックケイオス』が苦手だと感じる方には、おすすめできるかな?
私の大好きな透明感とか爽快感が見え隠れするんですよね。
ドリームシアターのアルバムには良くも悪くも必ず何かしらの『クセの強さ』がありましたが、それがかなり減りましたね。
しかし、耳障りが良いだけではなく、結構挑戦もしていると感じましたよ。
今作はオーケストレーションがかつてないほど大々的に導入されており、これまでになかったドラマティックさを演出しています。
これはかなり好きです。
このアルバム、地味な印象持たれがちですが、しっかりドリーム・シアターやってます。
クオリティは十分高いので最初の1枚に選んでも全然いいと思いますよ。
オススメ度:★★★
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12.『ドリーム・シアター』 – Dream Theater (2013年) TIME/68:00
『セルフタイトルは自信と決意の現れ』
とはロックの世界でよく言われますが、本作にはその自信に見合うクオリティがありますし、「いよいよ新体制での音を作り出していくか!」という決意が感じられます。
まず特色としてはサウンドプロデュースがガラッと変わってる。
1曲目が流れた瞬間、違いに気付けるレベルです。
これはすごい…と、最初は感じると思います…。
ただ、ずっと聞いていると感じると思うのですが、これはいわゆる『ステレオタイプなメタルの音』にまとめ過ぎちゃってませんかね?
分かりやすく言うと「これがメタルの音の鉄板でしょ」っていう型にきっちりはまっているというか。
特にドラムですよ。
前作より思いっきり大ボリュームで音圧があるんですが、アタック感が表に出すぎている。
昨今のメタルアルバムはどれも最新の制作システムを使った結果、『絶対に外さない鉄板の音』を作ることが確立されすぎてるのか?
どれも似たような音像に感じることが多く、今回もそれかなって気がします。
だって、同時期のオジーやメガデスの作品に加えてドリームシアターまでもが皆同じような感じに仕上がってるんだもん。
う~ん、こうなると『システマティックケイオス』の頃の癖のある音が恋しくなるというか(笑)。
それからもう1つ見逃せない変化。
ドリームシアター史上かなり大きな変化なんですが、
曲を短くしました。
これだけ様々な挑戦をしてきたドリームシアターが、これまで唯一試していなかった作風です。
10分を超える長尺曲は前作の4曲に対し、ラストの1曲だけ。
ラストの22分の曲を除けば、平均タイムがなんと6分を切ってます。
大作主義がピークだった10作目『グラッククラウズ~』は平均タイム12分を超えていましたから、半分になっている。
さらにトータルがこれまで79分のCD限界ギリギリまで使っていたのを68分と、
10分も短縮!
私としては本当に新生ドリームシアターを感じたのはこのタイム感です。
曲がサクサク進んでいきます。
いつもお腹いっぱいになっていたドリームシアターのアルバムが腹八分で終わるこの新鮮さ(笑)。
曲が短くなったことで、本当に必要なメロディしか入れれないというか。
かつてないほど無駄を削ぎ落とした作風で、リスナーを引き付ける集中力がある作品だと思いますよ。
前作同様、ビギナーが最初に聴くにはうってつけです。
オススメ度:★★★★
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13.『ジ・アストニッシング』 – The Astonishing (2016年)TIME/130:00
出ました!
新生ドリームシアターでもっとも物議を醸した問題作。
レビューでこんなにボロクソに叩かれている作品をドリーム・シアターで始めて見ました。
ドリームシアターらしさを期待して聴くと、おそらく腹が立ってくると思うので気をつけてください(笑)。
内容としては、5作目『メトロポリスPart2』のようなロックオペラをもう一度やってます。
前回が素材となる20分の原曲にストーリーを加えていったのに対し、今回は先にストーリーありきで作ってます。
なのでストーリーの場面に沿った形で音楽が当てはめてあるため、非常にBGM的というか。
『シックスディグリーズ』DISC2のオープニングだった『オーバーチュア』っぽいゲームサントラ感も持ち合わせているというか。
よくアーティストが映画音楽を依頼されて作る作品のようなノリで、音楽が主ではなくストーリーが主になってます。
映画を見ていて音楽がしゃしゃり出すぎるとストーリーが頭に入ってこないでしょ?
なので必要以上の個性、つまり複雑な演奏や長尺のインストゥルメンタルなどは多くならないようにしているんじゃないかな。
アルバムタイムが2時間10分もあるんだから、さぞかし鬼のインストゥルメンタルが思う存分繰り広げられるかと思いきや、そうならないので肩透かしを食らった人は多いかもしれません。
意外に全体の印象として『歌モノ』感が強い。
インストゥルメンタルもシンプルでメロディ重視。
これは通常のドリームシアターの作品と同じ目線で評価しない方がいいんじゃないかな?
他のアーティストの場合は映画タイアップのアルバムの場合、オリジナルアルバムにカウントしない例も多いので、そういう目線で見るといいのかなと。
この作品を批判する皆さん!
これは一種の『企画モノ』だと思うようにしましょう。
そうすると色々文句言いたい気持ちもなくなるのではないでしょうか?
なので、これまでのアルバムのように音楽に真剣に耳を傾けるより、イージーリスニングのように何も考えず流し聴きしてみてください。
あまりにも長いのでそれくらいでいいんです。
物語がチープとかいう批判もありますが、メロディの良さは全カタログ中でトップクラスですよ。
ペトルーシを舐めちゃいかんです。
かつての『アナザーデイ』のような名バラードは、やろうと思えば今でも作れるんじゃないか?とさえ思える凄みを感じました。
とにかく完全に統一された世界観という点ではピカイチのアルバム。
私の場合、『アストニッシングに浸りたい気分』というのが定期的に湧き上がってくるほど好きになりました。
頭空っぽにしたい時、疲れていて通常のドリームシアターのアルバム聞くにはちょっと辛いなっていう気分の時にこそこいつを聴きます。
オススメ度:★★★★★
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14.『ディスタンス・オーバー・タイム』 – Distance over Time (2019年)TIME/56:00
私の中では前作『アストニッシング』はドリームシアターの流れでは別枠(企画物)と考えていますので、12作目『ドリームシアター』に続く作品という認識です。
『ドリームシアター』での変化をさらに推し進めてます。
つまり曲の短さ、アルバム合計時間といった『タイムの縮小』です。
『ドリームシアター』では「たまたまかも?」と思いましたが、今回でどうやら確信犯だということがわかりましたね。
ポートノイの抜けた影響って、音楽の細部のレベルのことではなく、こういうバンドやアルバムの大きな方針変更にこそ見られるんじゃないですかね?
ポートノイとマンジーニのドラムはどちらが凄いとかいう話は、核心部分とは論点がずれていると思います。
またしても平均タイム6分、トータルはなんとたったの56分。
これって2作目『イメージズ&ワーズ』の頃のタイムですよ。
完全に『引き算の発想』です。
もしかしたら、彼らには『足りなかったもの』なんてなくて『余っていたもの』にこそ着目すべきだったのか?
『余っていたもの』を捨てていくと、良質なメロディだったり、ラブリエのヴォーカルだったりが際立ってくるんだと思いました。
ポートノイは「次の作品には何を加えようかな?」って発想するタイプのアイデアマン兼リーダーだったのではないでしょうか?
彼が抜けたことで加えるアイデアを出す人がいなくなり、「むしろあれとこれは減らしたほうが良くね?」みたいな流れになったのか?
その結果、本来のロックが持つシンプルなグルーブ感が出てます。
その傾向は12作目からあったのですが、それがより鮮明に感じられました。
サウンド面は非常にクリアで迫力もあり、音質的には過去最高じゃないかな?
『ドリームシアター』で懸念していた『ステレオタイプになってしまったメタルサウンド』からは完全に抜け出していて安心しました。
言葉ではニュアンスがうまく伝えられないのですが、聴いていただければ違いは分かると思います。
音質の良さはそのままに生々しい演奏が聴けます。
4~6分台でまとめた楽曲には意外性が多く、新鮮な驚きが感じられます。
しかしラスト曲がどうしても好きになれません。
残念…。
オススメ度:★★★
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15.『ア・ヴュー・フロム・ザ・トップ・オブ・ザ・ワールド』 – A View from the Top of the World (2021年)TIME/70:00
12~14作目と楽曲単位での縮小化・短縮化の方向性で進んで、よもやここで大作化の選択を取るとは…。
セールス上の選択というのもあると思います。
現代は『既存ファンを失わないこと』が重要なので。
それももちろんですが、やはり彼らは『開拓者』なんでしょうね。
「技術がどれだけ高く難しいことをやっていようとも、結局はリスナーのハートを打てるかどうかだ。」
そういう議論もあるかとは思います。
彼らもそう考えたからこそ、12~14作目は『楽曲の縮小化・短縮化の方向』に踏み切った部分もあると思うんですよね。
しかし彼らは自らの得意とする複雑なプレイや構成といったものを突き詰めて行きたいのでしょうね。
なぜならそれがプログレメタルというジャンルを背負うバンドの宿命であり、そもそもファンが望む姿だから。
嬉しいじゃあないですか。
だっていかにもドリームシアターらしい作風の楽曲でグラミー賞を獲得するんですから。
3~4分の全然らしくない曲を作って「グラミー獲ったど~!!」言われてもファンとしてはシラケるわけで。
冒頭『The Alien』からしてもうドリームシアターらしさを宣言してます。
この曲でグラミー獲得できたってことが本当に意味があるというか。
けど、12・14作目で短縮化に向かったのは結果的に良かったんじゃないかな?
なぜなら、一度タイムにシビアになったことで、「絶対にこれ以上は1ミリたりとも削れない」っていう必然性がある時だけ長くなっている印象があるからです。
以前の長さに戻しいているのに、冗長な感じがほとんどない。
一時期のドリームシアターの曲は
「これってこんなに長くある必要あるのかな?」
って感じる部分が時々ありましたからね。
『足し算』だけでなく『引き算』という手法さえもものにしたドリームシアターが、あらためてドリームシアターらしさを追求した結果生まれた作品だと思いますよ。
オススメ度:★★★★
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私の最高傑作を発表
さて、ここで私にとっての最高傑作を発表します。
ずばり
『イメージズ&ワーズ』
『アウェイク』
同率1位です。
私の中では、この2枚とそれ以外の作品には明確に線引があります。
この2枚は表と裏、セットみたいなもの。
全体では『イメージズ&ワーズ』に、パーツでは『アウェイク』に軍配が上がるといったところでしょうか。
続いて2位は
『オクタヴァリウム』
やっぱりこいつは動かないですね、何度聞き返しても。
3位以下とは別格に位置づけます。
3位はこちら。
『アストニッシング』
番狂わせ(笑)。
でも、なんだかんだで聴いている回数が多いんですよ。
しかし今回の記事を書くにあたってかなり順位の入れ替わりがあり、自分でも予想外だったので、今後もその時その時で入れ替わりはあるでしょうね(上位3枚以外は)。
今回の記事のために、あらためて1日24時間で2週間ほど聴き続けたのですが、駄作がないですね~。
私は基本的に作品をこき下ろさない信条なので、このような全アルバム解説は「どの作品も一定水準以上は好き!」というバンドしか取り扱えないのです。
オススメ度だって相対評価なんで、★5の作品ほどオススメはできないから★3になったりしているだけなんですよ。
絶対評価でするとしたら全部★5を超えているわけです。
でもそれだとどれが一番オススメとか分かんないし、そもそも意味ないじゃないですか(笑)。
このクオリティの維持は、レッド・ツェッペリン8枚やブラック・サバス8枚(オジー期)といった伝説のバンドに匹敵するレベルですよ。
あらためて偉大なるバンドだと思いました。
この解説記事を読みながらどっぷりドリームシアターワールドに漬かっていただきたいので、ストリーミングでドドーっと聴いてみてくださいな。
皆さんにとってこのSimackyブログが『ストリーミング時代のライナーノーツ』になれたら、この上なき幸せです。
ストリーミングがよく分からない方には分かりやすく解説してますで参考にしてください⇩
ドリームシアターはどうしても長尺の曲が苦手だったのもあり、少しずつ気が向いた時に聞いていたのですが最近ようやくある程度曲を聴き終わることが出来たので、そのタイミングでこのブログが見れたのは良かったです。
自分としては12作目のアルバムのDream theaterがかなり好きです。音がモダンな上に聴きやすいですからね笑
しかしキーボード、ギターのみを弾けるドラムは門外漢の私でもポートノイのドラムの独創性や才能は本当に感じます。
テクニック的なことは説明出来ませんが、ドラムにメロディがあるようなトリッキーでかつ手数の多いフレーズと、それを小気味いいリズムで入れてくるあの感じは後任のドラマーとは明らかに違うと素人目にもわかります。
ライアンさん、コメントありがとうございます!
『Dream theater』がお好きですか。
ポートノイが抜けてからの2作目で、音楽的な方向性を長尺から短尺に切り替えた初の作品ですよね。
おっしゃる通り、ここでガラッとサウンドが良くなるんですよ。
ポートノイのドラミングは当時駆け出しのドラマーだった私にとっては衝撃的すぎました(笑)。
あれだけトリッキーなプレイを、まるでアドリブのように繰り出してくる、ドラマーとしての引き出しの多さ、凄みに圧倒されるんですよね。それを持っているからこそ、テクニックだけに一辺倒にならず、歌心のあるフレーズをたくさん生み出せるんだと思います。
来年4月にリリースされる新作で、久々のポートノイ節を聞けるのが楽しみです。
コメント失礼します。
面白いレビューでしっかり最後まで読めました!
僕がジャズが好きなのもあるのですが、ジャンル関係なくドリームシアターは大好きです。
もちろんアルバムは全て聴きこんでますし、ライブも何回も観てます。
そんな僕の中での最高傑作は『AWAKE』です。
さてポートノイ問題ですが僕の見解は少し違っていて、言葉は難しいですがドラマーが変わってテクニカルという意味での技術的な部分は変わってないかむしろ上がってるくらいです。
ただし、明らかに音圧というかグルーブが抜けて無くなっています。
僕がミュージシャンということも有りますが
ポートノイの凄いところは超絶技巧や変拍子をまるで通常の8ビートのような『ノリ(グルーブ)』で叩ける、感じさせられる事だと思います。
音源よりライブが如実に解りやすいですが、それがドリームシアターの最大の魅力だったのでは思っています。
ただの演奏というか音符上の曲としてだけなら変わりないか進化してるのでしょうが、トータルの音楽とすると何度聴いても聴きなおしてもポートノイの穴は大きかったなと感じてしまいます。
とはいえ
ドリームシアターのどこが好きかで意見は変わってくるので人それぞれって事で面白いですよね。
昨年、ポートノイの復活がアナウンスされたので次回作にとても期待しています。
ドリームマニアさん、返信遅くなり大変申し訳ございません。
また、記事を読んでいただき、詳しいコメントいただき、誠にありがとうございます。
最高傑作は『AWAKE』ですと!?
気が合いますね~(笑)。
っていうより、ジャズが好きな人にまでアピールできるドリーム・シアター、恐るべしってとこですか(笑)。
おっしゃる通り、ポートノイは音符で表現できないテイストを持つ、数少ないドラマーだと思いますね。
テクニシャンなんだけど、メタリカのラーズのような『熱さ』とか『歌心』を感じるプレイだと思います。
彼のプレイを聞いていると、いや、とくにコピーしている時に、
「いや、テクニックを聞いて欲しいんじゃねぇんだよ!」
っていうメッセージを強く感じるんですよね(笑)。
プログレやハードロックが大好きなのに、なぜかドリームシアターを知らなかった。30年損した。好きなのはメトロポリスパート2かな。
コメントありがとうございます!
『メトロポリスパート2』がお好きなんですね。
私も大好きなアルバムです。
この記事が『損した30年』を取り戻す一助になれたら嬉しいです!
詳細な解説、ありがとうございます。AWAKE、いいですよね。ポートノイが戻ったら、どんなサウンドになるんだろう?
今年リリースされる?であろう次回作の解説もよろしくお願いします。
コメントありがとうございます。
ポートノイが戻ってきたら…
デスヴォイスの復活でしょうか?(笑)
ジアストニッシングが1番好きです。
コメントありがとうございます!
アストニッシングが好きという人が異常に少ないので嬉しいです(笑)。
よかったら個別詳細記事も御覧ください。