【オジー・オズボーンおすすめアルバム】~その歴史と全作品レビュー・最高傑作はどれだ?~
この記事はプロモーションを含みます。
この『解体新書』でオジーワールドにどっぷり浸かりやがれ!
どうもSimacky(シマッキー)です。
本日はヘヴィメタルの帝王オジー・オズボーンの歴史を語りながら、全オリジナルアルバム12作品のレビューをやっていきますよ!
かなり長いですけど、気合い入れてくださいね(笑)。
この『解体新書』を読みながら全アルバムをストリーミングでダーっと聴いてどっぷりオジー漬けになりましょう。
以下のアルバムレビューには全て私の個別詳細レビュー記事のリンクを貼っております。
アルバム1枚ごとに熱い熱い思いを込めて書いておりますので、暑苦しいのが好きな方はそちらもぜひ読んでみてください。
さて、1970年ヘヴィメタルの生みの親であるBlack Sabbathでのデビューから52年が経ってるのに、未だ現役の最前線をひた走るオジー。
私の父親と同い年の1948年生まれなので2023年2月現時点でなんと74才!
還暦超えてはや14年とは…。
こうして自分が40も過ぎていまだにオジーの作品を聴き続けているなんて想像もしてなかったですね。
ましてやブログまで書くなんて。
私にとっては、中学の時にオジーの「ノー・モア・ティアーズ」に出会ったことがロックへの入り口です。
それだけに思い入れもひとしお!
なので今回はいつになく熱が入りますよ~。
張り切っていきましょう!
Go Crazy!!! I Love You All !!!
(きれちまえ!てめぇら愛してるぜ!:意訳)
- ギタリスト発掘の歴史
- 【オジー・オズボーンのおすすめアルバムは?】最高傑作を探せ!
- ブリザード・オブ・オズ〜血塗られた英雄伝説 – Blizzard of Ozz(1st 1980年)
- ダイアリー・オブ・ア・マッドマン – Diary of a Madman(2nd 1981年)
- 月に吠える – Bark at the Moon(3rd 1983年)
- 罪と罰 – The Ultimate Sin(4th 1986年)
- ノー・レスト・フォー・ザ・ウィケッド – No Rest for the Wicked(5th 1988年)
- ノー・モア・ティアーズ – No More Tears(6th 1991年)
- オズモシス – Ozzmosis(7th 1995年)
- ダウン・トゥ・アース – Down to Earth(8th 2001年)
- ブラック・レイン – Black Rain(9th 2007年)
- スクリーム – Scream(10th 2010年)
- オーディナリー・マン – Ordinary Man(11th 2020年)
- ペイシェント・ナンバー9 – Patient Number 9(12th 2022年)
- 私にとっての最高傑作とおすすめ名盤
ギタリスト発掘の歴史
ヘヴィメタルのゴッドファーザーであるブラック・サバスの発起人オジー・オズボーンは1978年の私が生まれた年に、ブラック・サバスの8作目「ネヴァーセイダイ」のリリースをもって脱退(解雇?)します。
そして1980年よりソロとしての伝説のキャリアがスタートするんですね~。
あれほど大成功を収めたバンドの後に、ソロとしてもさらに巨大なスケールで成功を収める人なんて世界に類を見ません。
そんなありえない成功を収めた一番の要因が、オジーの妻:シャロン『スーパーギタリストとの出会い』でした。
リフの神様トニー・アイオミ(中学の先輩)とサバスを結成、ソロになってからはいきなり妻:シャロンランディ・ローズという不世出の天才との出会い、その後もジェイク・E・リー、ザック・ワイルドと若き才能を発掘。
悪魔の申し子のような強運(笑)。
オジーの歴史は伝説の妻:シャロンギタリストの歴史と言っても過言ではありません。
「オジーの強烈な個性VSスーパーギタリストの個性」という対比は、ブラック・サバス時代から脈々と受け継がれる伝統芸能ですね。
ギタリストの個性によってオジーの新たな魅力が発掘されるという相乗効果が生まれているように感じます。
なので、ギタリストごとにざっくり時代を分けてみますね。
一時期ライブだけに参加した人とか、加入したけどアルバム制作に関わらなかった人とかを含めるととんでもない数になってしまうので、ここでは代表的な3人のギタリストとその他に分けます。
(ランディ・ローズ期)1~2作目まで
オジーバンドの在籍わずか3年足らず。
オリジナルアルバムたったの2作を残して悲劇の事故で亡くなった初代ギタリストであり、伝説のギターヒーロー。
かつてオジーバンドの人気の半分はランディ・ローズによるものとさえ言われました。
彼のギタープレイはギターという楽器を進化させ、トレードマークの水玉模様のフライングVは視覚的インパクトも抜群!
後の時代を背負って立つギタリストの卵たちの多くが、彼の影響でギターを手にしたことでしょう。
クラシカルなメロディをロックに持ち込んだ第一人者で、『心で弾くギタープレイ』は聴くもののハートを鷲掴みにするパワーを持っています。
続く2ndアルバムも傑作なのですが、1stアルバムの大ブレークで超多忙なツアーの最中をぬって制作されたため、本人は納得いっていないらしいです。
3代目ギタリストのザック・ワイルドが最も憧れる存在で、4代目ギタリストとして在籍したジョーホームズのギターの先生でした。
(ジェイク・E・リー期)3~4作目
先代が伝説のギターヒーローだっただけに、かなりのプレッシャーがあったでしょう。
しかしそれを跳ね除け、ものすごいクオリティの作品を残しました。
LAメタルの代表格であるラットに在籍していたことがあるため、特徴としてはLAメタルの最先端のテクニックを存分に発揮したソリッドでギンギンなサウンドを聞かせてくれます。
先代の影に隠れがちだけど、ここの2作もファンには根強い人気を誇っており、特に3作目『バーク・アット・ザ・ムーン』を最高傑作に上げる人も少なくありません。
来日履歴を調べたところ、オジーはサバス時代からランディ期までに来日公演をできておらず、初来日はランディ死後に一時的に代役を努めたブラッドギルズのとき。
なので正式なギタリストとしてはジェイクになってからが初めての来日となります。
そのため、日本人にとっては初めて見たオジーバンドのギターヒーローがジェイクだったわけで、彼に特別な思い入れを持つ日本人ファンは多いんですよ。
ヘヴィメタル専門誌の『BURRN!』の創刊号もオジーとジェイクで飾ってましたしね。
しかもこの人は日系で日本人顔っぽい。
大人しい性格みたいですが、ステージでは歴代ギタリストで最も華やかなパフォーマンスをしていました。
(ザック・ワイルド期)5~9、12作目
在籍期間が最長となったため、オジーバンドのギタリストと言えばザックを思い起こす人が一番多いかも知れませんね。
若干20歳でデビューした美少年も今ではプロレスラーみたいになってます(笑)。
作詞・作曲、様々な楽器への精通、歌、感性と発想とテクニック…すべてを兼ね備えたスーパーギタリストです。
デビューとなった5作目「ノー・レスト・フォー・ザ・ウィケッド」での超絶プレーは世界中のギタリストの度肝を抜きました。
私は6作目「ノー・モア・ティアーズ」でオジーと出会ったこともあり、3人の中で特に思い入れが強いです。
ソロ名義やプライド&グローリー、ブラック・レーベル・ソサイアティといった自身のバンド・プロジェクトでもメタル、ハードロック、バラード、ブルース、カントリーとかなり幅広い音楽を表現しており、非凡さを証明し続けています。
その活動も活発なため、7th「オズモシス」以降は加入と脱退を繰り返してます。
5~9作目と最新12作目の合計6作でギターを弾いています。
You Tubeでギタープレイの解説とかしているのをたまに見ますが、化け物みたいに上手いです(笑)。
(歌モノへの転換期)
私の私見ですが、「オジーの個性VSギタリストの個性」という構図は6作目「ノー・モア・ティアーズ」までで一旦やりきった感があるように思います。
実は気づいている人少ないと思うのですが、7作目「オズモシス」からは「オジーVS外部ソングライター」という構図になっており、9作目『ブラックレイン』からは『プロデューサーがギターを兼任してオジーの歌をメインに据えた曲を作る』というスタイルに少しずつ変化していきます。
「新たなギターヒーローを生み出す」という方向性はやめているんですね。
11作目「オーディナリーマン」からは『オジーの新作には豪華ゲストが参加』というのが定番になってきており、スラッシュ、トム・モレロ、ダフ・マッケイガン、チャド・スミスなどの大物バンドからの参加、さらにはジェフベック、エリック・クラプトン、トニー・アイオミといったレジェンドクラス、果てはあのエルトン・ジョン、R&B・ヒップホップ界隈のポストマローンまで呼んでおり、
節操の無さが尋常ではありません!
話題集めのためだろうが、何と言われようが、何が何でも全米1位を目指す妻:シャロン70歳を超えた野心多きメタルの帝王(笑)。
それではおまたせしました。
全アルバムレビューを一気に行きますよ!
【オジー・オズボーンのおすすめアルバムは?】最高傑作を探せ!
ブリザード・オブ・オズ〜血塗られた英雄伝説 – Blizzard of Ozz(1st 1980年)
ブラック・サバスの解雇でどん底にいたオジーが妻:シャロンによってこのアルバムで奇跡のカムバックを果たします。
強力なラインナップを引き連れて。
この後6作目まで関わってくる元レインボーのボブ・デイズリー(B)、元ユーライア・ヒープのリー・カースレイク(Dr)、そして若き無名のギタリスト:ランディ・ローズです。
私は高校の頃、ベースがルディ・サーゾ、ドラムがトミー・アルドリッジのツアー時のポスターを壁に貼っていたので、長いこと彼らがレコーディングしているのかと思っていました(笑)。
始まりから最後まで捨て曲なし!
お手本のような、というより実際ハードロックギターの教則と言える1枚です。
特に冒頭2曲「アイ・ドント・ノウ」「クレイジートレイン」は強烈。
ヘヴィメタルの登竜門として語られることが多い本作ですが、私の場合「ザッツ・ロックンロール!」って感じましたけどね。
次作ほど湿っぽくなくてからっとしてるんですよね。
リアルタイムじゃない私の場合、ザック期で入って遡ってきたので、正直言うと90年代の音の迫力がなくて最初はつまんなかったんですよ。
こういう人わりと多いんじゃないかな?
けど、聴き込んで音に慣れてくると、やっぱりランディのギターは時代を超えます。
どんどん惹き込まれていくんですよ。
彼は弾きすぎない。
「これ以上弾くとメロディを壊す」というギリギリのラインを常に守ってるんですよ。
#6「ミスタークローリー」に代表されるソロも圧巻なのですが、見た目のイメージと真逆のワイルドなリフがたまりません!
音圧があって骨太なんですよね~。
その荒々しくダーティなリフを堪能するなら#5「スーサイドソリューション」です。
名曲バラードの「グッバイ・トゥ・ロマンス」はクサすぎて、他のオジーバラードに比べ個人的にはツボらなかったです。
でも最近40thアニバーサリーエディションを聴くと(ストリーミング)、オジーとランディのギターのみというアコースティックヴァージョンが収録されていて、これ聴いた時にとんでもない名曲のパワーに圧倒されました。
#6「ミスタークローリー」#8「リベレーション」だけがこのアルバムで唯一「ヘヴィメタル」を感じましたね。
くっさくさ(笑)。
この方向性が次作でさらに爆発するんですよね。
で、そこからまたラスト「スティールアウェイ」のノリノリのロックンロールに持っていく流れとか、まるでライブ観にきているかのような興奮を覚えます。
今回改めて聴き直して思ったのは、実はベースのボブ・デイズリーの存在感半端ないですね。
リフに合わせた細かいものではなく、大きなフレーズでボトムを支えています。
完全にランディのリフと棲み分けをしているためすごく聴こえやすい。
めっちゃ気持ちいい。
オジーの曲をバンドでコピーすると、ベースの奴が楽しそうにしていたのを思い出します。
この頃はオジーの相棒として一緒に作曲していたボブ。
それがあんな泥沼の裁判になるとは・・・。
ヘヴィメタルの登竜門として名盤中の名盤に挙げられるアルバムではありますが、1つ苦言を呈するとすれば、ドラムの音が悪いな~…。
おそらくギタリストであれば最高傑作に挙げるのでしょうが、私はドラマーなので、ドラムの音が悪いと駄目なんです。
このドラムの音がもったいなさすぎるから星マイナス1。
ちなみにこのアルバムが全曲収録されたライブ盤『ランディ・ローズトリビュート』の方が個人的にはお薦め。
2ND『ダイアリー・オブ・ア・マッドマン』の曲もブラック・サバスの曲も聴けるし、ランディとバンドのテンションもサウンドも最高潮の1枚です。
おすすめ度:★★★★
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ダイアリー・オブ・ア・マッドマン – Diary of a Madman(2nd 1981年)
前作から作品の構成・フォーマットは踏襲してるし、メンバーも同じですが、コテコテなまでに漂うホラーチックな雰囲気とドラマ性がパワーアップ。
ただ事ではない陰鬱(いんうつ)な雰囲気というか、魔界の瘴気(しょうき)が漂っているというか(笑)。
最初はこの濃さに拒否反応が出ましたが、ハマると沼なんですよ。
オジーの作品にはこの雰囲気がないと、辛さのないカレーのようになってしまうというか(笑)。
そんな濃い楽曲の中だからこそ「ポッ」と出てくるバラード#6「トゥナイト」が、めちゃめちゃ染み渡るんですよね~。
パワーバラードやらせたらメタル界で右に出る者がいないオジーの中でも、この曲は3本の指に入るほど好きです。
制作時間がほとんどなかったらしくあまり詰められていない部分があるとのこと。
「ビリーバー」のソロなんかは前作の「ミスタークローリー」にそっくりで、
「これ怒られるやつじゃないの?」
と心配になりました(笑)。
ランディは出来に納得いっていないらしいけど、時間無くてこんな名盤を作れるこの人達って一体、、、。
誤解しないでほしいですけど、今回もランディはすごいですよ。
さらにヘヴィになりましたね。
西洋的な湿り気を帯びた度合いが上がっています。
前作のようにカラッとしてるのは#2「フライング・ハイ・アゲイン」だけですね。
これも大好きなんですが。
ギターソロはどれもかっこいいし、名リフのオンパレードです。
そして特筆すべきはリー・カースレイクのドラムの音質が生まれ変わっており、ドラムの迫力が前作を軽く超えてきてます。
これはヘヴィメタルドラミングの名プレイと言えますよ。
よりオリジナリティを出してきてて、ドラマーの私としてはヨダレが出そうなほど美味しいフレーズのオンパレードです。
特に#1「オーバー・ザ・マウンテン」や#5「リトルドールズ」の冒頭で聴けるど迫力のプレーは
「トミー・アルドリッジ最高!」
ってなってました。
違うっちゅーねん!
ちゃんとリー・カースレイクの写真をブックレットに載せないからこういうことになる(笑)。
そしてラストのタイトルナンバーはこのバンドでオジーが目指した世界観の極みというか。
すさまじく完成された世界観です。
壮大なコーラスをバックにしたラストのオジーの「はぁぁぁぅ」でゾクゾク鳥肌が立ちます。
これは世界70億人の中でオジーにしか表現できません(笑)。
1stの人気は圧倒的ですが、こっちが先に聴いたのでこっちの方が思い入れがあり好きですね。
何よりドラムがかっこいいし。
オススメ度:★★★★★
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月に吠える – Bark at the Moon(3rd 1983年)
ランディを悲劇の事故でなくしたオジーは、またしてもどん底に落っこっちゃいます。
しかし、ここからまたもやすんごいギタリストを見つけて来るんですよ。
その名もジェイク・E・リー。
ランディに比べ音がかなり硬質でメタリックなものになります。
LAメタルって感じですね。
まあ、当時はすごいインパクトだったと思いますよ、タイトルナンバー#1は。
私の場合、ライブビデオ「ライブ&ラウド」でザックが弾いているものを聴いたのが先だったのですが、名曲だらけのセットリストの中でも
「こ、この曲は聞いたことないけどなんなんだ!?」
ってぶっ飛びましたからね。
オジーと言えばスローでヘヴィな印象があるけど、このアルバムってアップテンポの曲が多いんですよ。
タイトルナンバー#1はもちろん、#5「センター・オブ・イターニティ」も#7「スローダウン」もアグレッシブでかっこいいです。
そうした曲で聴けるワイルドなリフもかっこいいけど、#8「ウェイティング・フォー・ダークネス」のように曲を彩るメロディカルなリフがすごく映えてます。
それから、今作はこれまでになくキーボードが前面に出てきてファンタジックな世界観を作り出してますね。
ドン・エイリーという人で、サバスのオジー最後のアルバム「ネヴァーセイダイ」からの付き合い。
特に#3「ナウ・ユー・シー」ではすごく儚い世界観を演出していてこれ大好きです。
#5では「ミスタークローリー」ばりのパイプオルガンまで出てきますからね。
今回はギターとキーボードの両輪で波状攻撃のようにメロディで攻めてくるから、ドラマティックさがかつてないことになっております。
感情移入度が半端ないです。
全編がコンセプトアルバムのように統一されたイメージで完璧に固められており、完成度では過去3作で最高だと思いますよ。
これまた捨て曲は一切なし!
なんてクオリティを維持するんだろう…。
オススメ度:★★★★★
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罪と罰 – The Ultimate Sin(4th 1986年)
オジー本人が「気に入っていない」と公言してはばからない4作目です。
前作があれだけ質の高い作品であったにも関わらず、セールス不振だったため、『売れる』ことが1つの課題として存在してます。
前作は単純にヒットシングルがなかっただけなんですが。
オジーとしては「売れるための妥協を強いられた結果の作品」と捉えられがちですが、本当のところは本人のみぞ知るといったところでしょうか?
シングル「ショット・イン・ザ・ダーク」がヒットしたので売れはしましたが、オジー本人が作品に否定的な面も手伝ってあまり評価されていませんね。
私はそういった先入観なしにして、「大好き」と言えるほどには好きになれませんでしたね。
ジェイクは前作以上にクオリティの高いサウンドでかっこいいリフを弾きまくっているのですが、オジーの歌メロディにいまいちフックを感じなかったというか。
「売れた=キャッチー」のはずなのにどうして俺には理解できないんだ?
と何度も何度も聴いても結局さほど好きになれませんでしたね。
しかし、聴いていて苦痛ということではありません。
捨て曲はない代わり、キラーチューンもないかな。
人気がある「ショット・イン・ザ・ダーク」だけは、この歳になってちょっとだけ好きになったかな?
ちなみにこのアルバムを最後にジェイクが脱退し、2代目ギタリストはこのアルバムまでとなります。
作曲に関わっているのにクレジットされていない時があるなど、著作権絡みでオジーと(妻シャロンと)モめていたらしいです。
あと、このアルバムのツアーでは、歴史的傑作となる3rd『マスター・オブ・パペッツ』でメジャーデビューしたメタリカと一緒にツアーを回ってるんですよ。
オススメ度:★★
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ノー・レスト・フォー・ザ・ウィケッド – No Rest for the Wicked(5th 1988年)
『ポップ』と言われた前作から180度方向転換で今回は邪悪なオジーワールドが復活してます。
そこいら中から匂い立つ”いかがわしさ”(笑)。
さあ、ここからは3代目ザック・ワイルドです。
のっけから#1「ミラクルマン」で魅せるスーパーテクで世界中のギタリストの度肝を抜きました。
おそらくオジーの歴代アルバムでもっともスピード感のある作品ではないでしょうか?
また前作のジェイクのように洗練されたサウンドメイキングはなく、非常に荒々しい音ですね。
ザック好きのギタリストからは非常に評価が高く、私の周りではこのアルバムをオジーの最高傑作、ザックの最高のギタープレイと推す人は多かったです。
しかし、オジーの歌にイマイチ乗れないことと、ドラムの音が80年代的でどうしても好きになれず私としてはそこまでおすすめはしないかな~…。
また、このアルバムのツアーではサバスのギーザー・バトラーが加入しています。
基本的には好きの度合いで言えば前作と変わらないのですが、こちらはたまに魔力に引き込まれる時があります。
オススメ度:★★
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ノー・モア・ティアーズ – No More Tears(6th 1991年)
私にとっては人生を変えたオジーとの出会いとなった作品。
凄まじいまでの音質と技量のクオリティ。
90年代の超重要作であるメタリカのブラック・アルバムと並ぶほどの完成度を誇っています。
私なんかは80年代のオジーの声はずっと『喉の奥になんか支えてる感じ』がしてあまり好きになれなかったのですが、このアルバムでオジーの声質が劇的に向上しています。
アルバムのカラーとしては前作のようなドロドロした西欧的雰囲気はなく、カラッとしたアメリカンハードロックに振り切っているため、
「オジーがメタルじゃなくなってる!」
と嘆くファンが結構いたとのことですが、この普遍的なメロディセンスはジャンルという次元を軽く飛び越えて訴えかけるものがあります。
ザック・ワイルドのメロディメーカーとしての才能が完全に開花しており、ランディ・ローズばりにハートを鷲掴みにするメロディも弾くし、『ディザイア』『ノー・モア・ティアーズ』で聴かせる超重低音リフもありで七面六臂(しちめんろっぴ)の活躍を見せてます。
また、前2作でサウンドがいまいち好きになれなかったランディ・カスティロのドラムもサウンドクオリティが格段に向上してます。
もう全てがかっこいい。
全曲がS級の奇跡的作品です。
オジーが引退を宣言した作品だったため『オジーのラストアルバム』という悲しみの要素を感じ取ったファンが多かったのではないでしょうか?
伊藤政則さんのライナーもめちゃめちゃ物悲しいんだもん。
けれども、実際は作品自体に哀愁は漂ってないと思うんですよね。
名バラードの『ママ・アイム・カミング・ホーム』と『ロード・トゥ・ノーウェア』の歌詞がそれっぽい雰囲気を醸し出していたからかもしれませんが、その後のオジーの定番となる『アルバムに2,3曲のバラードを入れる』程度にとどまっており、痛快なアメリカンハードロックが並んでおります。
メタルが苦手でも90年代のエアロスミスあたりが好きな人なら絶対ハマると思うんだけどな・・・。
オススメ度:ゼッタイキケ
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オズモシス – Ozzmosis(7th 1995年)
帝王が4年ぶりに音楽シーンに復帰!
でもツアーは92年いっぱいまでやってたし、作曲やレコーディングは94年には取り掛かってるだろうから、実際はほとんど『育児休暇』に近かったのでは(笑)。
なので、カムバック作品とは言え全然『浦島太郎』感は出ておらず、逆にタイムリーな作風になっていると思います。
なぜなら90年代オルタナティブブームの台頭に合わせ、リスペクトの渦中にあるブラック・サバスに作風を寄せてきたからです。
おまけに本家からギーザー・バトラーまで連れてくる念の入れようです。
この辺のオジーのヒットメーカーとしての嗅覚はすごいです。
内容はというとまあ、重いですね。重くて遅い。
オジーの全カタログ中では9作目『ブラック・レイン』と並び最重量級でしょうね。
ドラムのディーン・カストロノヴォのパワフルプレイとギーザーのうねるベースが絡みつく禍々しいリズム隊に、ブラックレーベルの雛形のようなザックの現代版ヘヴィロックのリフが乗っかって迫力がすごいですよ。
まるで「こっちが本家ブラックサバスだ」と言わんばかりです。
その怒涛のヘヴィネスに一服の清涼剤とばかりに入ったバラードがこれまた極上。
『シー・ユー・オン・ジ・アザーサイド』『オールドLAトゥナイト』の2曲の美しさは筆舌に尽くし難く、個人的にはこの2曲はオジーバラードでトップ3に入ります。
ザックのギターソロに輝きがあったのはこのアルバムまでかな?
ちなみに日本ではチャート7位と、過去最高に売れた作品となっております。
オススメ度:★★★★
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ダウン・トゥ・アース – Down to Earth(8th 2001年)
影薄いけど、実はオジーソロとしては1つの大きな分岐点となる作品です。
なぜならオジーはここから『ギターヒーロー』にスポットライトを当てることを辞めるからです。
そのため、『ザック節』を求めるファンからすると肩透かしを食らった感はあったでしょう。
まあ、様々なレビュー読みましたけど、色んな意味で中途半端な作品だという声が多かったです。
一度は
「4代目ギタリストにジョー・ホームズ就任!」
と盛り上げておきながら、レコーディングでまさかのザック返り咲き。
しかもザックには出来上がったフレーズを弾かせただけ。
これには全世界のファンが
「オジー…一体何がしたいの?」
と当惑したことでしょう。
スーパーギタリストの極上のリフ、ソロのきらめきがあるというわけでもなく、とことんヘヴィとか攻撃的とかメロディが強く刺さるとかいうこともなく、確かに取り立てて特筆すべきものがないアルバムでしょう。
表現の起伏があまりなくのっぺりとした印象を受けるかもしれませんね。
けれどもそれが「良くない」ということではなくて、普通に聴いてて気持ちいいし、かっこいいと感じる高クオリティですよ。
オジーがすごいのは、いついかなる時もこのクオリティが高い水準で維持されていることです。
彼のカタログに『駄作』の二文字はありません。
私にとってはわりと『あと引く』佳曲が並んでおり、長い目で見ると聴いている回数が実は多いという不思議な作品です。
これってオジーファンあるあるじゃないかな?
実は曲の長さやギターソロをコンパクトにして、非常に聴きやすい作品にしているという隠れた仕掛けが潜んでます。
星は3にしてますが、他の作品に5や4をつけたら3にするしかないからそうしているだけで、いいアルバムですよ。
オジーは各作品の水準が異常に高いんですから仕方ない。
オススメ度:★★★
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ブラック・レイン – Black Rain(9th 2007年)
『オズモシス』以来の重量級アルバムですね。
結局『ダウン・トゥ・アース』に続きザックが続投となりましたが、このアルバムを最後に正式メンバーとしては外れることになりました。
理由はオジーのソロが「ブラックレーベルソサイアティ(以下BLS)にオジーの作風が飲み込まれてしまったから」らしいです。
オジーは前作からバックサウンドの個性を抑えて、自分の歌にフォーカスしたかったんだと思います。
それなのにこのアルバムはオジーの考えと反対に向かってしまったと。
私も最初聴いたときは
「うわ、これいくらなんでもやり過ぎじゃね?」
と感じました。
しかし、聴き込んでみると良質なメロディがしっかり流れていますよ。
ザックのカラーに塗りつぶされているように一見すると感じるんですよ。
でも実は曲はコンパクトだし、ギターソロは前作以上に短い。
その意味じゃあ、好き勝手やっているように見えるザックにもしっかり抑制が効いている。
とんでもなくヘヴィではありますが。
ライブではここからさらにチューニングを下げてますから、スタジオではこれでも半分くらいしかやりたいことやれてないんだと思います。
オジー節は健在でバラード2曲はもちろんのこと、全曲にわたってフックが効いています。
そこは『オズモシス』と違う点ですね。
そして最終的には『やり過ぎ』に感じたこのヘヴィさがだんだん病みつきになってくるクセになるグルーヴなんです。
ベースのブラスコ加入の影響か?
若干ロブ・ゾンビ(あるいはマリリンマンソン)のような雰囲気が出ているのもすごく新鮮だし。
最初は「やり過ぎ感」が嫌いだったのですが、聴くほど好きになっていくアルバム。
今では「もう一回この作風で作ってくれないかな?」と思うほどに気に入ってます。
『ダウン・トゥ・アース』以降はアルバム出すごとに「ギターヒーロー不在」という評価がつきまとうのですが、実はこのアルバムからオジー作品のクオリティはもう一段階上がってますよ。
このアルバムは凄い。
ギター云々ではなく『メロディが心に響くかどうか?』に集中して聴き込んでみてください。
オススメ度:★★★★★
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スクリーム – Scream(10th 2010年)
ギターがガスGに変わってます。
まあ、この段階にいたって、「今回のギターはどうだ」とか言っているのも少々ずれた議論なのですが。
前作ほどのインパクトあるギタープレイはありませんが、かっこいいリフはたくさんありますよ。
3分でスパッと終わる曲があったり、スピード感のあるナンバーがあったり、凄くバラエティに富んだ作品です。
前2作で封印していた6分を超えるような長さの曲も復活し、曲の中にリズムチェンジなどの大仰な展開が復活しています。
さらにオジー作品ではなかったスラッシュメタルの要素、現代シンフォニックスピードメタルの要素などなど。
自分より後輩世代のメタルシーンの音楽性を貪欲に取り入れたサウンドからは、オジーが依然として最前線を突っ走っている貫禄を感じとれることでしょう。
このアルバムはオジー・オズボーンソロとしての究極完成形まで行き着いたと私は思ってるんですがね。
オジーにもその手応えがあったからこの後10年空くのかな?
しかし、62歳でここまで攻撃的な作品を作ってくるとは恐れ入りました。
オジーがライブのときだけに聞かせるシャウトのようなヴォーカルもかっこいい。
今作では吠えてますよ~。
前作でザックのヘヴィネスを嫌って彼を外したわりには、かなりヘヴィだし前作以上にバックサウンドが自己主張しているんですが(笑)。
前作のブラスコ加入に続き、今回はドラマーのトミー・クルフェトスまでもがロブ・ゾンビから移籍しており、リズム隊が強力です。
オジーバンドってギタリストだけじゃなく、実は歴代のリズム隊もものすごいんで、そのあたりにも着目して聴くとさらに楽しめますよ。
ちなみに本作リリース後の2010年代はサバスの再結成で話題を持っていかれ影が薄くなりがちですが、個人的には2番目くらいにおすすめしたい傑作です。
オススメ度:★★★★★
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オーディナリー・マン – Ordinary Man(11th 2020年)
いくらなんでも前作から10年は待たせすぎ!
”引退していた期間”を軽く超えとります。
オジー…あんたもう72歳になっとるがな。
とは言え、サバスの再結成に始まり、オズフェスト、新作レコーディング、終幕ライブと、かなり活発に突っ走った60代を送ったと思われますが。
還暦過ぎって普通隠居して庭いじりしてるんですよ、その辺のサラリーマンなら(笑)。
さて、このアルバムからメンバーが一新されます。
まずギターはプロデューサーも兼任するアンドリュー・ワット。
彼がキーマンです。
彼との出会いで、ポスト・マローンのコラボをヒットさせたことが、オジーの重い腰を上げさせることになります。
集めたメンバーはレッチリのチャド・スミスとガンズのダフ・マッケイガン!
さらにはゲスト出演でスラッシュ、トム・モレロ…、エ、エルトン・ジョン!?
復活するなりとんでもないサプライズをカマしてくれます。
そういった話題作りも手伝ってチャートは過去最高の全米全英3位を記録しますが、音楽的内容に関しても各レビューで大絶賛。
その1つ目の要因はアンドリューの手腕で、オジーのヴォーカルが若返ったかのような輝きを見せていることです。
冒頭#1からコミカライズされた魔女のようなオジーの声はこのアンドリューの仕事というわけです。
オジーはこれを嫌って次作からはここまでの加工はしなくなるのですが、作品としては非常に面白いですよ。
オジーが楽しそうです(不本意かもですが)。
このアルバムをおもしろいものにしているもう1つの要因は『バンド演奏の生々しさ』です。
せっかく個性的なミュージシャンを起用しているのに完全にコントロール下においていたここ3作に比べ、かなり自由に演奏させている感じが伝わってきます。
バンド内で生まれたケミストリーをそのままパッケージングしている試みでしょうか。
生々しいし、勢いがあってパンクバンドのようなノリさえ感じます。
というよりメタル色はほぼないです。
この辺は意外とダフの加入の効果なのかな?
ただ、キャッチーで入りやすい作品である反面、聴き込んでいくと飽きるのが早いというか。
最初はクオリティに圧倒されるのですが、時間が経つほど…。
レビューで大絶賛はされていますが、前2作ほどのオーラは感じられないため星マイナス1。
オススメ度:★★★★
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ペイシェント・ナンバー9 – Patient Number 9(12th 2022年)
「オジーの新作にはザック・ワイルドが復活し、パール・ジャム、ブラック・サバスからギタリストが参加、また元ヤードバーズのギタリスト2名も参加しました」
もし、こんな記事をあなたが見かけた日には思わず『二度見』しません?
「は?ヤードバーズ?嘘でしょ?ん?ブラック・サバスってトニーじゃないの?」って。
字面だけ見りゃこれは
ほぼフェスですよね(笑)
前作の話題作りが霞むほどのインパクトですね。
オジーのアルバムにヤードバーズの3大ギタリスト(エリック・クラプトン、ジェフ・ベック)が参加するなんて、業界の誰一人として想像できた人はいなかったでしょう。
そもそも70を超えた大御所のオジーが2年というスパンで新作を出すこと自体誰も想定しなかったろうし。
作品のクオリティは言うまでもなく高いです。
ゲストと共作はしていないため、あくまでオジーの作品にフレーズを提供しているイメージです。
本来のオジーソロとしての『スパゲッティ』の上に、ハーブのようにゲストミュージシャンの『風味』を加えただけのため違和感はありません。
ただ、トニー・アイオミだけは『風味』ではなく『ソース』として参加してますね。
彼が参加する2曲だけは、まごうことなき『イカスミスパゲティ(ブラック・サバス)』に変わっちゃってますから(笑)。
もう真っクロクロ助ですよ。
特に#4「No escape~」は秀逸。
サバスのラストアルバム『13』収録のどの曲よりもブラック・サバス的で凄みを感じます。
他にも特に秀逸なコラボとしては#6『ア・サウザンド・シェイズ』のジェフ・ベックのギターソロ。
オジーのヴォーカルに絡みついて、これぞコラボの醍醐味といった趣です。
ぽっとデータを送られてきたものにこれだけのものをぶっ込んでくる力量がさすがのジェフ・ベックです。
まさかジェフ・ベックが生前に残す最後の公式音源がオジー・オズボーンの作品になるとは・・・。
ついに念願のソロ全米1位を達成してしまったオジー。
メタルの帝王が次に向かう先はいずこ…?
オススメ度:★★★★
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私にとっての最高傑作とおすすめ名盤
「最高傑作は?」と問われたら即答で
6作目『ノー・モア・ティアーズ』
です。
作品の評価はその人の出会いのタイミング、時代背景で違ってきます。
だから私は誰がなんと言おうと堂々とこれを推します。
これは90年代のロックシーンを代表する名盤と言っても過言じゃありません。
次にオススメする作品としては・・・
2作目『ダイアリー・オブ・ア・マッドマン』
3作目『バーク・アット・ザ・ムーン』
9作目『ブラックレイン』
10作目『スクリーム』
同列2位でこの4枚ですかね。
別に4代に渡るギタリスト達から1枚ずつをバランスよく選んだつもりもないのに、こんな結果になるものなんですね(笑)。
それほど歴代のギタリストたちが強者揃いということなのでしょう。
正直9~10作目がここに入ってきたことに自分でも驚いています。
このあたりは当時
「かつてのオジー作品とどうしても比較して聴いてしまう」
というバイアスがかかってましたから。
それは皆さんの多くのレビューを見ても感じました。
皆『過去の栄光』という呪縛にとらわれて、客観的に聴けていないと感じました。
そこを乗り越えて客観的に聴けるようにならないと本当の良さに気が付けない。
これはどのアーティストを好きになっても必ず起きることなのでね。
今、まっさらな何も知らない人に聴かせたら『スクリーム』あたりは一番人気の可能性が高いとさえ思っています。
あなたもこの『解体新書』を読みながらあなたのお気に入りを探してみてください。
オジー・オズボーンをもっと楽しもう
オジーの全作品を一気に聴きたいならストリーミング配信(サブスク)がおすすめですよ。
全部CD買っていたらお金がいくらあっても足りません。
また、すでに持っているアルバムの「リマスター版」や「アニバーサリー盤」を買おうか迷っていた方は、ストリーミングでも配信されているのでそちらがおすすめです。
ちょっとした音質の違いや、未発表音源の数曲のために数千円を払うのはいくらなんでもお財布に優しくありません。
ストリーミングがよく分からない方には分かりやすく解説してますで参考にしてください⇩