『罪と罰』(オジー・オズボーン)これはポップなのか!?

どうもSimackyです。

本日はオジー・オズボーンのソロ4thアルバム『罪と罰(The Ulimate Sin)』のレビューとなります。

オジー全開のジャケットの上、邦題が『罪と罰』とくれば、オジーの魔力全開の魔界の作品、、、、、かと思いきやなぜかポップ?

オジー自身があまり語りたがらないこの作品の秘密と実際のところ内容としてはどうなのか?

たっぷりと語っていきますよ~!

この作品がポップと言われるのはなぜ?

本作は当時、オジー・オズボーンのキャリアの中でも異色作と受け取られていました。

歴代ギタリストで言うと、2代目のジェイク・E・リー期、その2作目となります。

ランディ・ローズの死で「オジーも終わったな」と思われていた矢先に、衝撃的すぎる3rd『バーク・アット・ザ・ムーン』で新たなギターヒーローを誕生させたオジー。

全世界のメタルフリークが注目する中、満を持してリリースされたのが本作となります。

ジェイクは期待を裏切らないどころか、さらにその存在感を前面に押し出し、リフにソロに縦横無尽の活躍を見せています。

LAメタル風な曲調はさらに強まり、前作までにあったヨーロッパの匂い=ヘヴィメタルの湿り気を帯びた雰囲気はさらに薄くなりました。

時代の流れにのった作風のためセールス的には全米6位と、オジーの中でも過去最高のチャートアクションを見せましたが、このことでリリース当時は雑誌などで

「ポップになった」

と酷評されることになりました。

このアルバムが長い間、評価が低かった理由

本作は長い間、評価があまり高くない作品です。

それは御大オジー自身が「好きではない」と公言してはばからない作品であることも要因だと思われます。

私は1996年ぐらいかな?高校生の時に読んでいた雑誌でも、インタビューで語っていたのを実際に読んだ記憶があります。

リリースから10年経っていてもまだいうか?って感じでしたね(笑)。

オジーがこのアルバムを嫌いな理由で、一般的によく語られるのが以下の2つの推測です。

①プロデューサーのロン・ネヴィソンと折り合いが悪かった

②自分の意図に反してポップな作風になってしまった

まあ、①も②も要は同じことですね。

売れっ子プロデューサーのロンネヴィソンが、売れる作品を作るために反対するオジーを説き伏せてかなり強引にポップな方向性にもっていったと。

しかもジェイク主導で作らせたらしいです。

だからロンともジェイクともかなりバチバチやりあってるんですね。

このことが音楽雑誌の批評家などに

「オジーが本当にやりたかったことではなく、魂がこもっているわけではない妥協的作品」

と受け取られる結果になってしまったのではないでしょうか?

そのため、昔はオジーの全カタログレビューなどを読むと

「良くも悪くもポップ」

みたいな書き方をされていた記憶があります。

「すばらしい!」と書いてあるレビューを読んだことがなかったですね(笑)。

しかし、昨今のアマゾンレビューなどを見てみると、この作品を気に入っているファンも一定数いることが伺え、批評家が作り出しているイメージとエンドユーザーの間には若干の温度差があることが分かります。

オジーがこの作品を気に入っていない本当の理由?

それでは私が感じたままをお話しましょう。

私は1993年、当時中学3年生のときに6th「ノー・モア・ティアーズ」でオジーと出会い、そこから

2nd「ダイアリー・オブ・ア・マッドマン」

5th「ノー・レスト・フォー・ザ・ウィケッド」

7th「オズモシス」

という流れで今作品と出会ってます。

その流れで聴いたときに、今作がその前に聴いてきた作品よりも『ポップ』だとは全く感じませんでした

そもそもオジーはビートルズ好きでも有名なのですが、彼の生み出す歌のメロディには普遍性があり、決してマニアックで難解なメロディであったことはありません

オカルトチックで陰鬱な雰囲気を持った作品にも、オジー特有のキャッチーさがあります。

だからバラードもドラマティックに映える。

私の場合はその『オジー特有のキャッチーさ』をこのアルバムにだけはあまり感じませんでした。

これはブラック・サバス時代から2022年の最新作までの中で一番弱いと感じています。

ちなみにこの作品と同等に感じたのが最新作「ペイシェントNo.9」、その次に弱いと感じたのが次作「ノー・レスト・フォー・ザ・ウィケッド」なんですが。

そこで私なりの推論なのですが、制作過程のプロデューサーやジェイクとの人間関係は別にして、純粋に

オジーがこのアルバムのメロディを良いと思っていない

のではないか?

もちろんキャッチーさをあまり感じないというのはあくまで私の感性であり、この作品を好きな人はたくさんいます。

中には最高傑作とまで言う人もいます。

大好きなアーティストの作品は全部好きにならなければ気が済まない性格なので、メタリカの問題作『LOAD』の時さながらに聴いて聴いて聴きまくりましたが、いまだに私の中ではハートを掴んでこない作品ですね。

まあ、そんな私みたいな人間もいるので、この作品の評価が低かったのは単純にポップになったということだけでなく、

過半数のファンの心をつなぎとめるメロディに乏しかった

という側面もやはりあるのかな?と。

『罪と罰』アルバムレビュー

とはいえ、ジェイクのギターワークには目を見張るものがあります。

公式の映像作品がないので、動いているジェイクを見たことがある人は少ないのではと思います。

私もずっと見たことがなかったのですが、You Tubeで最近この頃の映像がわりと見つけやすくなってきてます。

見ました?

ぶっ飛ぶでしょう?

凄まじいまでの高等テクニックのオンパレード!

この目立ち方はランディやザックを超えてます。

あのザックでさえ、オジーにはかなり気を使って必要以上には目立とうとしませんからね。

途中、ジェイクの髪を引っ張るオジーは

「おい!てめぇ目立ち過ぎなんだよ!後で楽屋で説教な!」

と思っているようにも見えます(笑)。

こんなに華のあるギタリストだったとは。

そんなジェイクのかっこいいリフを1曲挙げるとすれば#5「ネバー」ですね。

冒頭のイントロはしびれました。

硬質ですね~。キレッキレ!

残念ながら歌メロにぐっとくるものがなかったのですが…。

ギターソロではどの曲もかなりいいのですが、いくつか挙げるとすればまずは#3「ネバー・ノウ・ホワイ」でしょうか。

中間部のギターソロも良いのですが鳥肌モノはラストです。

#7「キラー・オブ・ジャイアンツ」もいいですね。

この圧巻の構成は前作にもなかったですね。

ジェイクは当時LA最先端のテクニックに注目が行きがちでしたが、この人はメロディセンスが抜群なんですよね。

その魅力は前作に劣ること無く、いや、純粋にジェイクのことのみで言えば今作こそ本領が発揮されているのではないでしょうか?

作品としてめちゃめちゃ推しというわけではないですが、彼のギターだけでも一聴の価値と言えます。

 

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