『血塗られた英雄伝説BRIZARD OF OZZ』(オジー・オズボーン):ランディの名を世界中に知らしめた歴史的名盤!
どうもSimackyです。
本日はオジー・オズボーンのソロ1stアルバム『ブリザード・オブ・オズ』を解説します。
ヘヴィメタルの金字塔と呼ばれ、ヘヴィメタルギターの教科書とも言われる作品です。
さぁ、とくと語っていきますよ~!
大名盤『ブリザード・オブ・オズ』までの経緯
ヘヴィメタルの「生みの親」とも呼ばれるブラック・サバスのフロントマン:オジー・オズボーンは、1978年8作目「ネバー・セイ・ダイ」を最後にブラック・サバスを脱退します。
ドラッグ、アルコールへの依存がついに限界にまできており、ライブ当日に現れないといった問題まで起き始めたため、最終的にはリーダーのトニー・アイオミによって解雇される結果となりました。
まあ、オジーから言わせれば
「ドラッグ/アルコールでめちゃくちゃだったのはテメェらだって同じじゃねぇか!」
ということらしいのですが。
どっちもどっちだなぁ、としか言えない(笑)。
ただ、メンバーとの人間関係の悪化のみならず、音楽的な方向性に関してもそりがあっていなかったということです。
ブラック・サバスのマネージメントは現金を支払わない代わりに、何でも要望を出せば買ってくれるという報酬システムをとっていたため、毎日豪遊はできても自分で持っているお金はないという、現代では信じられないほどずさんなマネージメントだったと自伝で語っています。
「高級車がほしい」「家がほしい」と言えばたちどころに用意されます。
破格の待遇!
それほどブラック・サバスは「金のなる木」だったんですね。
しかし、クビになったらいきなり無一文!
無茶苦茶ですね~。
そんなオジーをカムバックさせるべく奔走したのが、ジェットレコード社長ドン・アーデンの娘、シャロン・アーデン。
現在のシャロン・オズボーン夫人その人というわけです。
まあ、このシャロン夫人が才気走ってます。
のちの一大メタルフェスである「モンスターズ・オブ・ロック」(イギリス版)や「オズフェスト」の仕掛け人という、とんでもないオバちゃんです。
彼女の行動力とバイタリティがなければ、ドラッグとアルコールでへべれけになっていたオジーが、現実的な打開策を打ち出すことは困難だったでしょう。
まずはメンバー探しということでアメリカに渡り、発掘したのが伝説のギターヒーローランディ・ローズです。
ランディ・ローズ~後追いファンにとって伝説のギタリストはどう映ったのか?~
このアルバムはランディのアルバムであると言っても過言ではないほど、代名詞のような扱いのアルバムです。
私の場合は中学3年生で『ノー・モア・ティアーズ』に出会ったのが1993年。
完全に後追いです。
当時、販売フォーマットはレコードからCDに完全に移行しており、再発盤CDを買い揃えていきました。
ライナーノーツは全て伊藤政則さん(マサさん)のレコード盤ライナーノーツに、新たにCD用に書いたライナーが加えられていたんですね。
つまり、「発売当時のリアルタイム記事」と「再発時から当時を振り返って書いた記事」を同時に読むことができたため、今思えばすごく贅沢だったんですよ。
で、そこで必ずといっていいほど書かれているのが、
『偉大なる初代ギタリスト:ランディ・ローズ』
だったんですね。
ザック・ワイルドのギタープレイに完全に虜になっていた中学生の私にとっても
「ここまで書いてあるってことは、やっぱりザック・ワイルドよりすごいのかな?」
と、気になるわけですよ。
そして『ノー・モア・ティアーズ』の次に聴いたのがランディの2作目となる2nd『ダイアリー・オブ・ア・マッドマン』。
正直、当時中学生の私の耳にはどこが伝説なのかさっぱり分からなかった(笑)。
「マサさん、話がちゃいますやん!」
となったわけです。
こういういきさつがあるため、結局この1stアルバムを手にしたのは、1~7枚目まで(オズモシスまで)の中で一番最後。
その時には高校3年生になっていたのですが、まだまだ分からなかったですね。
単純にこの1stアルバムの古い音がぜんぜん受け付けなかったんです。
2ndは慣れてきても1stはダメでした(私にとっては大きな差です)。
70年代~80年代初頭の音に耳が慣れてくるのは、大学でサバスやZEPを聴き込みまくってからなんですよ。
なので、このヘヴィメタルの大名盤に対して非常に失礼なのですが、
肩透かし感がハンパなかったです(笑)。
アルバムを再評価したきっかけ
『クレイジートレイン』のリフや『ミスタークローリー』でのソロなど、それなりに「すごいな」と思うプレイはあったのですが、愛聴盤とまではなっていなかったこのアルバム。
それが他のアルバム同様に愛聴盤となったきっかけは実はこれ。
ランディ・ローズの死後に追悼として発表されたライブ盤「トリビュート」。
『ダイアリー・オブ・ア・マッドマン』リリースに伴うツアーを収録してあります。
もんのすごい不意打ちを食らいました。
確か大学になって中古で叩き売りされてたから300円くらいで手に入れたんですよ。
そこまで安くならないと手を伸ばす気にもならなかったアルバムなんです。
中学の時に買ったライブ盤「ジャスト・セイ・オジー」が好きになれなかったので、ライブ盤っていうものにあまり印象が良くないというか。
それが意外や意外。
めちゃくちゃかっこいい!
聴きまくりました。
ランディのギタープレイがギンギン光っていて、オリジナルアルバムで聴いたときより音圧がすごい。
オープニングの「アイ・ドント・ノウ」から迫力がぜんぜん違う。
オリジナルアルバム収録曲もそうなんですが、特にブラック・サバスのメドレー「アイアンマン~チルドレン・オブ・ザ・グレイブ」の流れで鳥肌が
ゾワワワワワっ!!
そしてそこで見せるランディの熱すぎるギターソロは泣けます。
これぞ伝説のギタリストにふさわしい熱演です。
そして実はなんと!
このライブ盤のセットリストは「ブリザード・オブ・オズ」の曲を全部聞くことができます。
なので、もし「ブリザード・オブ・オズ」をまだ聴いたことがない方は、こっちのライブ盤を聴いたほうが良いと思います。
そして「ブリザード・オブ・オズ」をすでに持っている方は、このライブ盤「トリビュート」は是非とも聴くことをおすすめします。
私のようにオリジナル・アルバムの古い音に抵抗がある人ならば、このライブ盤で「ブリザード・オブ・オズ」の各曲が大好きになった後で、オリジナルアルバムに戻ると、あら不思議!
今度は痒いところに手が届くように、ランディのギターソロが隅々まで堪能できるではないですか!?
というわけで、この1stアルバムも愛聴盤となったのでした。