【レッチリのおすすめアルバムはどれだ?】初期の魅力を知りたきゃこれを読め!
この記事はプロモーションを含みます。
どうもSimackyです。
もうのっけからこの文字色に不穏な空気を感じ取っていただけるかと思います。
本日は取り扱い注意の劇物的グループのご紹介です。
皆さん、周囲には可燃物を置かないように注意してくださいね。
飛び火しますので。
「ソックスはコックスに着けるものだぜぃ?」
人類にソックスの新たな使用方法をもたらしたファンキーモンクスたち!
そう!
レッド・ホット・チリ・ペッパーズ
略して『レッチリ』が今回の主役です。
(WARNING!)
と、ここで再度、注意事項がございます。
本日取り扱うアーティストは非常に危険となっております。
女性の方が読み進められた場合、
妊娠させられる
可能性があるため、ここからは自己責任にて閲覧くださいませ。
レッチリの『魅力』とは?
さて、あなたにとってレッチリってどんな存在だったでしょう?
ファンキー?筋肉ムキムキ?ファンキー?ノリがいい?ファンキー?
彼らを形容する言葉はたくさんあるでしょう(ほぼファンキーだけど)。
おそらくどの時期で入ったかで、この印象は大幅に違うと思いますが、私にとっては
『アホかっこいいお変態』
でした。
なので今回の文字色もお変態チックにショッキングピンクにしました。
この色こそ、私の中での彼らのイメージカラー。
この文字色に『暑くるしさ』と『うっとうしさ』と『うさん臭さ』を感じましたか?
そう、
それがレッチリです。
え?ピンク文字で目が痛い?
これを痛いとか言ってたら、動くレッチリを見た瞬間
失明しますよ。
なので、そういった方も、女性の方同様、ご退出されたほうがよろしいかと。
やることなすことハチャメチャで理解不能。
まるでお目々にドロップキックを食らったかのような視覚的衝撃。
でも腕前は超一級品!
そして何より『超かっこいい』。
本人たちはふざけているつもりは1ミリもないのかも知れませんが、その行動は全てがアホもとい『特殊』と表現するしかなく、
一挙手一投足をまるで珍獣を見るような温かい眼差しで、見守ったものです。
まだその頃の日本では『ミュージシャンズ・ミュージシャン』とか『知る人ぞ知る』みたいな位置づけだったのは覚えてます。
なので、まだ全然レッチリを知らない友達に貸したところ、私以上にハマって、「それ買っちゃう?」っていう特別版を入手してくれたりして、盛り上がる盛り上がる。
自分が教えたレッチリを、教えられた側にプレゼンされながら、私もその魅力の虜になっていったのでした。
高校生の私達をそこまで夢中にさせたレッチリの魅力とは一体何だったのか?
その出会いから魅力まで、本日は語り尽くしていきますよ~!
それでは行ってみましょう!(文字色は普通に戻しますからね:笑)
レッチリとの衝撃の出会い~意外にもきっかけはあの漫画~
私がレッチリを知ったのは1991年の5作目『ブラッド・シュガー・セックス・マジック』の後、1995年の6作目『ワン・ホット・ミニット』の直前、高校2年生の時ですね。
この頃の私は漫画に夢中。
その中でも私の心を鷲掴みにしていたのが
『ジョジョの奇妙な冒険』!
家では毎日「KISSのテープを流しながらJOJOを読むのが日課」という生活を送っておりました。
そして学校ではそのJOJO信者を増やしていく布教活動をやっておりました。
自分が教えた立場なのに、教えられた側のクラスメートのO君が私以上にはまってしまい、ある時気がつくのです。
O君「Simacky、JOJOのスタンドって実際のバンドの名前からとってあるみたいばい。」
私「え~、うそ~?あの荒木先生がそんな浅はかなことするぅ?」
O君「いやいやいや、だってほら、このレッド・ホット・チリ・ペッパーって実際おるばい?パクリとかいう意味じゃなくてこれわざとやね。好きなバンドだけんわざとつけよらすとよ。パール・ジャムもそうだし」
当時のJOJOはジャンプで第4部が佳境を迎えたところで、夢中になっていた仲間たちとこんな会話をしたところがまずきっかけ。
そして次のきっかけが、兄貴が定期購読していた月刊ギグスですね。
ある時、私が大好きなXを脱退したタイジ(沢田大司)の特集記事が組まれており、
『タイジに影響を与えたベーシスト達』みたいなので色んなベーシストの名盤が紹介されていました。
その中の一つにこれがあるではないですか!
「おいおい、レッド・ホット・チリ・ペッパーズってあのJOJOに出てたスタンドじゃん。タイジもすごいって言ってるなら一回聴いてみようかな。」
で、まだCDプレイヤーも持っていないくせに、無謀にもCDショップで購入するという(まあ、兄貴の部屋に忍び込んでこそこそたまに聞くくらいはできたのですが:笑)。
正直、当時の私はこのアルバムをどう扱って良いのやら、さっぱり分かりませんでした。
「これっていいの?よくないの?」
それもそのはずです。
この高校2年の段階で洋楽経験は中学から持ってたオジー・オズボーンのアルバム数枚、テープではKISSのベスト盤『ダブルプラチナム』ぐらいしかなかった時期ですよ。
だからロックに関してはまだまだ無知の無知。
ロックの初心者で、登竜門のKISSをくぐったばかり。
つまりレッチリは自分にとってかなり早い段階で出会った洋楽バンドの一つだったわけです。
なのでこのアルバムが傑作かどうか判断できるほどの『基準』なんてなかったんですよ。
しかもこの『ブラッド・シュガー・セックス・マジック』はいわゆる『スルメアルバム』と言われる『噛めば噛むほど良さの分かる』的な作品ではあるのですが、キャッチーさや派手さがないんですよね。
「そもそもこのラップみたいなボーカルはなんだ?そしてなんか暗くて重いぞ。地味だぞ。ギターがすりつぶしたような音だぞ」
後にドラマーとしての私の『教科書』にもなり、死ぬほど聴きまくるこの歴史的名盤との出会いは、意外にもこんなものでした。
なんだか感じたことのない異質の『かっこよさ』
高校2年の正月にCDプレイヤーを購入すると、そこから一気に洋楽開拓が進みます。
兄貴の月間ギグスを読んで、ミュージシャンが影響を受けたと言っている作品を片っ端から買い揃えていきました。
で、それらと一緒にレッチリもどんどん周りの友達に薦めていったんですね。
そしたらハマったんですよ、友達のO君とH君が。
はまったどころか速攻で買ってきたのが4作目『マザーズミルク』とビデオ『ホワット・ヒッツ』なんですよ。
あの難解でさっぱり意味不明だった『ブラッド・シュガー・セックス・マジック』が超かっこいいと言われた時点で、敗北感に打ちひしがれる私。
正直、自分はまだレッチリにのめり込んでいなかったので、すごく温度差を感じたのを覚えています。
で、満面の笑みで薦められるこれらを受け取って、
「えぇ!?自分で薦めたもののレッチリそんなに好きじゃないのに、これ全部聴いたり見たりしなきゃいけないの?」
こいつはえらいことになったな、と(笑)。
そして気は乗らないながらも、家でまずはVHSビデオ『ホワットヒッツ』を見たわけです。
視聴後…
う~ん…
はっ!
・・・夢に見ました。
えらいもの見てもうた…。
カルチャーショックに近いですね。
異文化です。
「知らんかった・・・アメリカ人ってみんなこんな感じなの?」
いえ、絶対違いますよ。
これはかのメリケンの地でもきっと変態…もとい『独特の人達』と呼ばれる人種です。
そんなこと言われたらアメリカ国民も心外だと思います。
それはIKKOさんを見ただけで、
「日本人ってみんなこんな感じなの?」
と思われるのと一緒です。
このビデオはレッチリのデビューしてからのシングルPV10曲+ライブ4曲で、一言で言い表すならば
『キモエネルギーの塊』
なんか得体のしれないフェロモンが出てます。
でも、変態的に不可解な動きに目が点になりながらも、音楽がスイスイ入ってきたんですよ。
つまり当時の私にとっては『ブラッドシュガー』よりは、それ以前の作品の方がキャッチーで好みだったのでしょう。
ギターロック色が強くてかっこよかったし。
で、あまりの暑苦しいフェロモンに吐き…もとい引きそうになりながら、見続けるとこれが病みつきになってくるというか。
筋肉ムキムキの男たちの『筋肉乱舞』状態で、『変顔大会』で、そしてなぜか『JOJO立ち祭り』です。
気がつくとこれらの『変態画像』をなんと、『かっこいい』と思ってしまっている自分がいるではないですか!
変態さの奥にあるそのミュージシャンシップ
変態だけどなんでかっこいいんだ?
日本人がドン引きするであろうPVに何故か魅せられた後、このビデオなんとラスト4曲はライブ映像なんですよ。
これがやばすぎ!
タフでストレートなファンクロックをしていて、これまためちゃくちゃかっこいい。
レッチリはライブバンドっていうのが伝わってくる映像ですよ。
ここすごく大事なとこなんですけど、変態みたいなかっこして、変態みたいな動きして、お友達としてはちょっと遠慮したくなるようなフェロモンが出ているにも関わらず、
高校生の私に『超かっこいい』と思わせるということは、『大事件』だったんです。
『何がかっこいいのか?』
という定義をまるごと覆される『大事件』だったんですよ。
全く新しい『カッコよさの形』でした。
その『かっこよさ』ってなんだったのか?
って考えると、やっぱり『自分のすべてを隠さず見せる』っていうことに対しての『躊躇(ちゅうちょ)のなさ』ですね。
『潔さ』『覚悟』と言い換えてもいいかもしれません。
別に潔くチ●コを出すということではなく(笑)。
自分たちが『いい』と思っているものを、人に指さされることになろうが堂々と人前で表現する。
PVを見た多くの一般人に「気持ち悪い」と言われようが、自分たちがそう表現したいのだからそうする、と。
つまり存在していること自体からメッセージが放たれている感じがあるんですね。
「お前もこそこそ恥ずかしがってないで自分を晒せ」と。
「世界に向かって『これが俺だ』と宣言しろ」
と、その入れ墨まみれの裸で語ってくるではないですか。
「単なる変態なだけじゃ?深読みしすぎじゃ?」
と思われるかもしれませんが(笑)、彼らの歌詞を読むと
大真面目にそれっぽいことを言っている
ので、「どうやらマジだぞこいつら」と。
誰も知らない隠れ名曲
VHSビデオの『ホワットヒッツ』でそのカッコよさにしびれた私は、次に『マザーズミルク』に入っていきます。
『マザーズミルク』を聴き始めるとそのあまりのかっこよさにガツンとやられます。
当時の高校生の私の拙いボキャブラリーでお伝えするとすれば、『ド派手でキャッチーで明るくてノリノリ』(拙い:笑)。
『ブラッドシュガー』と全然違うんですよ、のっけから。
「これがホントのレッチリか~っ!!」
ってなりましたね。
まあ、バンドやり始めてからは『ブラッド~』が人生で一番聴きこむことにはなるんですが。
シングルでリリースされたものは『ホワットヒッツ』で聴いていたのですが、それ以外も全曲かっこいい。
それから友達が後に買ってくるやつで、今は廃盤になっている企画CD『プラズマシャフト』にも未発表音源の隠れ名曲が入ってましたっけ。
この原曲はストリーミングでどれだけ探しても見つかりません。
神がかかった名曲『シカミカニコ』です。
なんでこんな名曲が『ブラッド~』に選曲漏れしたのか理解不能なほどにかっこいい。
現在ではYou Tubeで見るしかない名曲中の名曲。
スネアのタイミングをずらしたチャドのドラム!
発想が天才すぎてため息しか出ません。
ジョンのリフも神がかってるし、フリーのベースがあえて弾かない部分をたくさん作って、ここぞというときにだけ入ってくるタイミングも神です。
衝撃のスラップベース
やはり特筆すべきはフリーのベース。
今でこそフリーがオリジナルアルバムでスラップベースをガンガンにプレイすることはなくなりましたが、この頃は最盛期。
私もスラップベースなるものを初めて聴きました。
当時はチョッパーって呼んでいたのですが、あれって日本だけの呼び名らしいです。
弦を指で弾いたり叩いたりする演奏方法で、ベースの音がそれまで聴いていたものと全く違って色気がありかっこいい。
『マザーズミルク』収録の『ハイヤーグラウンド』はスティービーワンダーのカヴァーなのですが、フリーのスラップベースによってオリジナルを超える名曲に生まれ変わっています。
ベースってともすれば一番影の薄い楽器なのですが、そのベースが一番前面に出てくるサウンドというのは、ロック界隈ではレッチリ以外ではあんまり聴けません。
当然こんなの聴いたこともなかった当時の私達はぶっ飛びまくりでしたね。
アンソニーの多面性
フリーとともに中心人物であるアンソニーの個性はレッチリのアイコンでした。
レッチリのメッセージ性の一端を担っているのは間違いなくフロントマンのアンソニーです。
この人って一番良くわからない人ですよね。
分からないからいつも意外性に満ちていて飽きない。
頭の中が宇宙みたいな人だなっていつも思っていました。
ハチャメチャなんだけれど、その匂い立ってくるような知性と、相手の心を見透かしているような洞察力が、インタビューでも見え隠れします。
う~ん、黙ってりゃ育ちの良い、いいところのお坊ちゃんみたいにも見えるのに(笑)。
他の写真見ると、ストリートのワルのようにも見える。
たまにヤク漬けになったりして、人として落ちるところまで落ちたり(それが元になってできたのが名曲『アンダー・ザ・ブリッジ』)。
音楽の素養がなくてがなり立てているかと思いきや、すごくエモーショナルなメロディを歌いこなすし。
すごく周囲に気を配れるジェントルマンのようなインタビューをしておいて、一方では乱闘騒ぎを起こしたり(笑)。
でも基本的には『気取り』や『茶化し』は一切なく、いたって大真面目なんです。
「この世にこんな人種も存在するのか、、、」っていう衝撃の出会いでしたね。
笑いの要素
レッチリを語る際に欠かせないのが『笑い』の要素です。
そもそも『爆笑しながら』音楽を聴く経験ってあります?
そんな体験なかなかないんじゃないですか?
仲間たちと腹がよじれるほど笑いましたね。
音楽雑誌でレッチリの記事を見るたびに
「アホや(笑)またやってる」
みたいな。
いやー、ビートルズの名盤にこんなことして、よく音楽界から追放されずにいられたものです。
(もういっそのこと『わいせつ物チン列罪』で捕まっちまえばいいのに。)
来日した際のインタビューでもサービス精神旺盛で、インタビュアーを必ず笑わせようとする。
そしてよく喋る。
「ヴェリィファンキー#$■%^~!ファッキン◆$#●★~ファンキー!、★^%◆ファンキーミュージック~」
90%くらい「ファンキー」しか言ってませんが。
『ホワットヒッツ』でもツッコミどころ満載で
「この曲にその謎のダンスは必要なのか?」
っていう意味不明なくねくね踊りが入ってきたり。
テレビに出演した映像なんかを見ると
「どうしてそれを着て公共の電波に出ようと思ったんだ?」
っていう格好をなさっております。
度肝を抜かれるアティチュード
プレイヤーとしての姿勢
もう一つ衝撃的だったのが、その『ミュージシャンシップ』です。
その後、特に大学になってからレッチリの映像をかなり見まくります。
その時レッチリに見せつけられた『全身でビートに乗る躍動感』や、全神経をプレイに集中する『プレイヤーとしての姿勢』、
瞬間の閃きでアレンジを変える『音楽的な引き出しの多さ』に強烈なミュージシャンシップを感じましたね。
これ見た後だと、他のバンドの演奏が「ただ決まったことをやるだけ」にさえ見えて物足りなくなってしまう。
打ち込みリズムやオーヴァープロデュース気味の‘80年代の音楽を受け付けなくなりましたね。
『ミクスチャー系』と呼ばれ、ファンクとロックとラップの融合とも呼ばれていたレッチリですが、
本人たちは『有機的なビート』と『生々しいサウンド』がコンセプトでもあったのでしょう。
3作目のアルバムに『オーガニック・アンチ・ビート・ボックス・バンド』なんてモロの曲があるくらいですから。
ロックシーンでは’90年代に入って、オルタナ全盛となり、
それまでの’80年代的オーバープロデュース気味のサウンドが全否定される流れになるのですが、
レッチリはそのかなり前からオルタナティブブームに先駆けて、そういうコンセプトがあったというのはすごいですね。
『レッチリは時代の先を行っている』
みたいな評価がありましたね。
当時のミュージシャンたちから一目置かれていた。
世界最強のリズム隊が繰り出す即興演奏
その姿勢を象徴するのがこのリズム隊の二人でしょう。
もちろんベースのフリー、ドラムのチャドのことです。
ドラムのチャドはレッチリ唯一の『良心』とも言えるほど、破天荒さはありません。
しかし、彼の圧倒的なドラムプレイは、そんな破天荒な話題性などまったく必要ないことが見れば分かります。
チャドの加入は4作目『マザーズミルク』からなのですが、前任のドラマー達とは次元の違うドラムを叩きます。
レコーディングは加入後たったの2週間ということもあり、全然チャド本来の引き出しの多さは発揮されておりません。
しかし、テレビ出演時やライブでは持ち前のアレンジ力を発揮して、既存の曲を全く別物に仕上げていきます。
チャドが加入したことで、ガツンとくるパワーもさることながら、跳ねるビート感も増し、ジャズ的即興演奏も加わり、リズム隊としての表現の幅が一気に広がっているのがわかります。
チャドの加入でフリーもその真価を発揮しだします。
それまでは1人でスラップを弾きまくっていたフリーが、ドラムとのコンビネーションをかなり意識するようになりましたから。
レッチリの発起人はアンソニーとフリーだし、メインソングライターはジョンなので、割と見落とされがちなのですが、
世界最強のバンドと言われるレッチリの核は、フリー&チャドのリズム隊が生み出す『グルーブ』です。
ローリング・ストーンズの中心人物はミック・ジャガーとキース・リチャーズですが、
ドラムのチャーリー・ワッツがいなければそれをストーンズとは、ファンは呼ばないでしょう。
それと同じで、チャド・スミスのいないレッチリはレッチリとは呼べないとさえ、私は思っています。
まだ当時は楽器も触っていない高校生の私でさえ、『ただごとじゃないレベルの凄み』を感じ取ることができました。
ベースのフリーはおそらく現在世界で最も有名なスラップベーシストであることはご存知だと思いますが、当時から凄まじかったです。
ものすごく肉体派な力技のマシンガンスラップもすごいのですが、そんなスーパープレイをしながら、
飛び跳ねたり、得体のしれない変態ステップを踏んだりと、キモカッコイイんですよ(笑)。
You Tubeでライブ映像見てもらうと分かるんですが、レッチリって曲の冒頭部分とかにアドリブ入れますよね?
オリジナルアルバムの通りにはまず演奏していませんでしたから。
このアドリブ部分で彼ら二人の技量の片鱗が見てとれます。
ジャズやブルースミュージシャンに通じる即興演奏の素養があるのは素人でも分かるほどでした。
「あ、この人達って曲っていう枠がなくても演奏し続けられる人たちなんだ」って感じます。
二人でジャムり始めてお互いがお互いの音に反応しながら、ものすごいアドリブを展開する映像は過去にもたくさんあるので、見つけてもらいたいですね。
「そのプレイ、アドリブで演る?」
っていうフレーズがガンガン飛び出します。
「もう、このまま1曲できちゃうじゃん」ぐらいの勢いです。
二人でベース教則/ドラム教則のビデオを出していますが、お互いが出演しており、二人の良好なパートナーシップが見て取れます。
そうか、チャド。
もしかしてと思ってたけど、、、
やっぱりあんたもアホなのか、、、。
っていうのが分かります(笑)。
あれだけ解散の危機があったり、ギタリストが入れ替わったりしても、チャドだけはパーマネントのメンバーである理由が、この動画見てなんとなく分かる気がしたものです(笑)。
レッチリの最高傑作はどれだ?全盛期はいつ?
一度脱退したジョンの復帰作で、7作目の『カリフォルニケーション』が、セールス的には1000万枚超えのビッグヒットを飛ばしたので、世間一般的にはこの当たりが人気も知名度も高いのかも知れません。
しかし、高校の頃のまだロックのこともあんまり良く分かっていない時期に、ビデオ『ホワットヒッツ』の衝撃があったこともあり、
3作目『ジ・アップリフト・モフォ・パーティプラン』から5作目『ブラッドシュガー~』までが特に好きです。
3作目~5作目は甲乙つけがたい。
その後にバンドやるようになってからは1~2作目も全曲コピーをしました。
ファンクドラムのお手本としてはすごくいいのですが、音が良くないし、まだまだレッチリのエネルギーが音に現れてないんですよね。
ロックバンドの作品というよりファンカデリックやジェイムズ・ブラウンのニュアンスに近いです。
なので、3作目からをお薦めとして紹介していきます。
3作目『ジ・アップリフト・モフォ・パーティプラン』
最近では影の薄くなってきた3作目『ジ・アップリフト・モフォ・パーティプラン』は唯一のオリジナルメンバーでの作品ということもあり、かなりタイトにまとまっていて、グルーブ感がたまりません。
『タイトにまとまっている』というのはどういうことかと言うと、「このアルバムではこれをやる」という、やろうとしていることのビジョンがメンバー全員一致していて、各パートのプレイが曲のイメージから逸脱していないということです。
だからすごくストレートに曲が伝わってくる。
各パートが余計なことを色々やろうとしていないので、リスナーが曲の世界観に入っていきやすいんです。
さすがオリジナルメンバーです。
音はぜんぜん違うのですが、『無駄が全くない』という意味では『ブラッド・シュガー・セックス・マジック』と一番近い作品ですね。
そしてかなりパンキッシュで攻撃的。
アグレッシブな曲でのメンバーのコーラスワークはレッチリ史上最もかっこいいです。
「一丸となっている感」も全作品中で一番ですね。
アンソニーのマシンガンラップのかっこよさはキレッキレの全盛期だし、ヒレルのジミヘンばりのギターも最高。
ギャーンとぶっといコードを鳴らしながら、キャンキャン鳴かせます。
そしてフリーとジャック・アイアンズのリズム隊のファンクビートも、シンプルで大きなうねりのグルーブがすごくきもちがいい。
それとこの頃の全員でのコーラスワークはかっこよすぎてたまりません。
『ファイト・ライク・ア・ブレイブ』『ノー・チャンプ・ラブ・サッカー』の2曲は私の中ではレッチリで5本の指に入ってくるほどかっこいい曲ですね。
この要素は後期レッチリには全くなくなりますので、オリジナルメンバーならではの味ではないでしょうか?
これすごいアルバムですよ?
カッコよさだけで言ったらこのアルバムが最高じゃないかな?
そういえばエアロスミスのスティーブン・タイラーがこのアルバムを当時一番のフェイバリットに挙げていた記憶があります。
この頃は『本当にいい音楽に目をつけている人かどうか?』を推し量る踏み絵のような存在で語られていましたよね、レッチリは。
3作目に関して別記事で書いてますのでご参考までに⇩
4作目『マザーズ・ミルク』
4作目の『マザーズミルク』はジョンとチャドという黄金メンバーが揃って、さらに音楽の幅が広がっています。
ライブ映像などもこの頃ぐらいからのものがYou Tubeでもよく上がってます。
まあ、感心するほどの名曲揃いで爆発力と勢いが凄まじいです。
大暴れしてます。
そしてフリーのスラップベースが世界中に衝撃を与えた作品でもあります。
初参加のジョンのギターはハードロック色が強く、非常にキャッチーだがファンクネスもあり、これまたやばいくらいかっこいい。
一番ハードロック/ハードコア色が強いアルバムです。
なんていうか『パワーファンクロック』とでも表現したくなるものがあります。
もしくは『メタルファンクロック』かな?
‘90年代に流行ってパターン化するミクスチャーロックとは一線を画するホンマモンのごった煮ミクスチャーロックですね。
バリエーションの幅が広く、緩急の起伏も激しいので、レッチリのいろんな側面を楽しめもするアルバムですね。
私が高校生の頃は『ブラッドシュガー~』と並んで最高傑作と呼ばれていたほどの傑作です。
この作品に関してはレッチリの入門として紹介しておりますので、こちらの記事もご覧になってください。
5作目『ブラッド・シュガー・セックス・マジック』
5作目の『ブラッド・シュガー・セックス・マジック』は言うまでもなく最高傑作として知られています。
曰く『完璧なアルバム』。
『集大成』的な作品では全然なく、実はこのアルバムは前2作から大幅な方向転換をしています。
なのに、コアなファンから批判が起きたような形跡もなく、これまでのファンも唸(うな)らせながら、新たなファン層を獲得した珍しいケースかも知れませんね。
派手なホーンやシンセをなくし、『音の隙間』を利用することで楽器の素材の味で勝負しているため、前の2作と比べると「ん?地味?」と感じるかも知れませんね。
全体的にレッチリのトレードマークだった疾走感とマシンガンラップとスラップベースという派手な部分が鳴りを潜め、非常にテンポが遅く重い。
ただその分、『タメ』が非常に気持ちよく、うねるグルーブに体が勝手に縦揺れを起こすことでしょう(笑)
極上のファンクロックのグルーブ感が病みつきになります。
ギターを重ねすぎていない分、レッチリのリズム隊が本領発揮していますね。
このアルバム以降ではリズム隊がリードメロディ(ボーカルとギター)にメインを譲っている感があるのですが、このアルバムくらい前面に出してもらいたいものです。
私の場合は好きになるのに結構時間がかかりました(3年くらい)が、一度好きになるとこの作品の深みにどんどんハマって抜け出せなくなります。
前回書いたメタリカのブラック・アルバムとは、実はなんと1ヶ月違いくらいで発売されており、こちらも負けず劣らず一切の無駄を削ぎ落とした完成度の高い作品ですね。
ニルヴァーナの『ネヴァーマインド』も出てるし、1991年って凄い年ですよね。
とにかく一音一音の説得力がはんぱない’90年代ロックシーン最高峰の傑作です。
6作目『ワン・ホット・ミニット』
おまけで6作目『ワン・ホット・ミニット』もオススメに挙げておきます。
このアルバム過小評価されすぎてて、個人的には頭にきていたので(笑)。
これ隠れ名盤です。
ジェーンズ・アディクションからデイブナヴァロが加入しました。
当時はめちゃめちゃ騒がれましたよ。
「ガンズからの100万ドルの誘いを蹴った男」とか言って(笑)。
とにかくあらゆる空間をギターで埋め尽くそうとするから必然的にチャドとフリーもパワフルな演奏するしかない。
強弱がなくひたすら『強一択』みたいな。
1曲1曲の持つパワーが凄まじい。
#1『ワープド』なんかレッチリでトップクラスにパワフルでかっこいいですよ。
けど『マイフレンズ』みたくアコギで聞かせる激渋曲があったり。
とにかく名盤なのですが、ジョンが次作から復活したこともあって『黒歴史』的イメージが付いちゃいました。
マスコミはあれだけデイブを持ち上げといていきなり手の平返しましたね。
当時高校生の私は大人の世界の汚さを知りました(笑)。
私の胸がすく思いのする動画を発見しましたので↓こちらも御覧ください。
この人世代が近いから、音楽系のYou Tubeチャンネルでは一番好きかな。
レッチリをまた『聴きたい』と思ったわけ
さて、告白しますと実は私、大学時代にリアルタイムで買った『カリフォルニケーション』『バイ・ザ・ウェイ』があまり好きになれず、そこで一度レッチリから離れています。
なのでそれ以降は聴いてこなかったんです。
「そんなはずはない!」
とかなり聴き込んだのですが最後までピンとこなかったですね。
『カリフォルニケイション』なんて当時は自分自身、ライブハウスで何曲も演奏していたにも関わらず好きになれなかった。
理由の一つはジョンの復帰に際して『マザーズミルク』『ブラッド・シュガー』の音とプレイを期待しすぎたのでしょうね、無意識に。
かなりシンプルでメロディアス、そしてメロウな作品になってしまったことが、物足りなくなってしまったのはかなり大きいでしょう。
でも一番期待していたのは、かつて大笑いさせてくれた「アホなレッチリ」に戻ることだったのかも知れません。
’92年にジョンが抜けてデイブ・ナヴァロに交代していた時期が、デイブのノリがレッチリらしさと違った分、フリーやアンソニーが「わざとアホに振る舞っている」ように見え、「お仕事で振る舞っている」ようにも映ってしまった。
そこに妙に冷めてしまったと言うか。
なので、ジョンが戻ってくれば、かつての真正アホかっこいいレッチリに戻ってくれるはず、、、みたいな(笑)。
残念ながら復帰したジョンは以前とは全く違うジョンで、もう赤髪にモヒカンでもなければ、変態でもありませんでした(変人ではあるのですが)。
私のがっかりをよそに、アルバム自体は大ヒットして、自分の周囲でもそれと分かるほどレッチリの新規ファンが増えました。
かつては
「今のレッチリを好きだなんて、本質が分かっていないよ」
みたいな旧来のコアファン「あるある」の感情100%でしたね。
まあ、人としての器のちっちゃいこと。
でもリアルタイムっていうのは、どうしても『こうあって欲しい』という願望が邪魔するせいで、フラットに評価できないんですよね。
そりゃあ、40歳にもなってチ●コにソックス付けてステージに上がれとは、酷な話じゃないですか(笑)。
でもね、『カリフォルニケイション』の特大ヒット以降にレッチリのファンになり、フジロックやサマソニで熱狂している人たちを、あんなに夢中にさせているってことは
彼らがその後も変わらず『本物』であることを物語っているんじゃないか?
と考えるようになったんです。
私も今では40代も中盤。
この歳で分かる良さもあるのかなと。
それはメタリカや他のバンドでも起きたことだからです。
「自分の好きな音楽じゃなくなった」
って、一回離れるんですけど、しばらく時間を空けて聴けば
「お?実はいいぞこれ!」
みたいな(笑)。
なので、あれから20年経ってサブスク時代になったこともあり、8作目『バイ・ザ・ウェイ』から最新作『ゲッタウェイ』までを最近まとめて聞き始めた次第です(まだ全然ぴんとこないけど:笑)。
こうしてブログに書いているとかつての『レッチリ愛』が蘇ってきて、最近は聴きまくっています。
若いエネルギーだけがロックの魅力という時代は、とうの昔に終わったのです。
人として生きていれば必ず変化は起きる。
感受性の豊かなアーティストであるほどそれは当然。
その変化していく様まで含めてまるごと味わうのが、もう若造ではない今の私の音楽の楽しみ方なのかなと。
この離れていた20年の間の、レッチリの人として紆余曲折の感情が詰め込まれた作品群を、これからゆっくりと、たっぷりと味わい尽くそうかなと。
皆さんの中にも、もし私にとってのレッチリみたいなバンドがいれば、また戻ってみてはいかがでしょうか?
かつて袂(たもと)を分かった、あなたにとって原点とも言えるバンドに。
バンドも変わったように、自分自身も実は変わっていることに気付けるはずなので。
本記事を読んでレッチリ魂に火が付いたのなら、手っ取り早く、ストリーミング配信で初月無料で聴くことをオススメします。
どのサービスも初月無料のところが多いですから、色々使ってみて決めればいいでしょう。
また、ストリーミングサービスは月額契約なので、1つのサービスを使って、自分の好みの品揃えがなければ他のものに切り替えて1ヶ月使ってみる…といった具合でちょいちょい切り替えて使うのがおすすめです。
全てお手元のスマホから簡単にできますので便利ですよ。
ストリーミングがよく分からない方には分かりやすく解説してますで参考にしてください⇩。