『イメージ』(LUNA SEA)マニアック!けど一番好きです。

どうもSimackyです。

本日はLUNA SEAの1992年メジャーデビューアルバム

「IMAGE」

を語っていきたいと思います。

出会い~Xの後輩バンドでありヴィジュアル系のトップとして~

私がLUNA SEAに出会ったのは1994年、高校1年生の頃ですね。

高校に入ってのCDやビデオを貸してくれた友達が、矢継ぎ早に

「オレはもうXよりこっちの方が好きだから早くそこまでいって」

みたいな感じで『課題』として押し付けられたのがLUNA SEAhideのアルバムでした(笑)。

こっちはまだ『X欲』を満たしたくてしょうがないってのに。

その時にLUNA SEAは本作と次作『EDEN』を立て続けに借りたのですが正直、その時はそこまでピンとこなかったです。

なんか暗いしマニアックに感じました。

結局、本格的にちゃんとこれらを聞き出したのは、『エクスタシーサミット』のビデオを何回も見ているうちにLUNA SEAの『Precious』が好きになり始めてからかな?

説明するまでもなくLUNA SEAはXの後輩バンドで、インディでCD出した時はYOSHIKIのエクスタシーレコードからリリースしてます。

さらにhideがコラボに誘ったり、エクスタシーレコード所属バンドが集うイベント『エクスタシーサミット』に出演したりもしています。

つまり、Xファンの目にとまる位置づけにいたわけなので、ブレイク前は私のようにXを入り口としてLUNA SEAに入る人は結構多かったんじゃないかな?

少なくとも私が高校に入学した『ROSIER』ブレイク直前の頃は、周囲で知っている人はほとんどいませんでしたね。

それがそれが。

『ROSIER』がシングルヒットになるやいなやテレビにはよく出るわ、雑誌の表紙を飾るわ、ロックを普段聞かないようなクラスの女子達も騒ぎ出すわ…で露出が上がってきて。

今でも覚えてるんですけど、この頃からテレビで『ヴィジュアル系』という言葉がやたら聞かれるようになりました。

SUGIZOも雑誌のインタビューで

「ヴィジュアル系とか言われるとムカつく」

って言ってたのを覚えてます。

雑誌はテレビよりもシーンの最前線の情報を提供しており、もうすでに美麗なファッションに身を包んだヴィジュアル系の音楽シーンは形成されていたのですが、その中からLUNA SEAは頭一つ飛び抜けて出てきたといったところでしょうか?

なので、『ヴィジュアル系』の元祖ってLUNA SEAっていうイメージが有り、Xは違うんですよね。

ルーツはそうなるんでしょうが、Xのことをヴィジュアル系と呼ぶ人は当時いなかったと思います。

Xの頃は「ヘビメタ」って呼ばれてましたもん。

うーん、まだ「ヴィジュアル系」のほうが良いかな(笑)。

でも、今でこそ特段なにも意識しない言葉なんですけど、当時は拒否反応を示していたと思いますよ、LUNA SEAは。

だって、音楽性を無視して「そういう格好をしている」っていうだけで一緒くたにされるなんて、ミュージシャンとして一番屈辱じゃないですか?

この言葉が肯定的な意味合いを持ち始めるのって、2000年代に入ってV系が世界的に人気が出始めてからですよね。

当時はあきらかに偏見や揶揄の意味合いが強かった。

昔でいうとXが「ヘビメタ」って言われていたニュアンスに近いですよね。

歴史は繰り返す(笑)。

しっかりとした音楽の素養を持つ実力派

「ヴィジュアル系」と呼ばれることにムカつくのは自負があるからだと思います。

「俺たちを他の連中と一緒にすんじゃねぇ。俺たちの表現しているのは本物の音楽だ」

っていう。

実際、メジャーデビュー作である本作からは、その高い音楽性が広くて深い音楽的素養に裏付けされていることが分かります。

雑誌のインタビューでフェイバリットなアーティストを挙げていると、

「こんなのまで聴いてるの?」

っていうのばっかりなんですよ。

今思えばこれは全てSUGIZOの印象ですよね。

子供の頃からバイオリンの英才教育を受け、マイルス・デイヴィス、デヴィッド・ボウイ、プリンス、フランク・ザッパといった一癖も二癖もある鬼才たちをリスペクトし、大いに語る。

おそらく実力派揃いのメンバーの中でも、その音楽的素養が一目置かれているから、プロデューサー的立場をとっているのでしょう。

しかし、INORANやJも音楽的探究心が非常に旺盛で、常に最先端の音楽を貪欲に吸収している姿勢を感じました。

hideとのコラボ企画である「M×A×S×S」などはその現れでしょう。

彼らの音楽への真摯な探究心がインタビューでもすごく感じられるので、読んでて影響受けちゃうんですよね。

私なんかは、彼らのおすすめで洋楽を開拓していったものですから。

冗談ではなく、この頃の洋楽開拓の道しるべはJOJOLUNA SEA(笑)。

Xはこの頃ほとんど雑誌に出ていなかった、というより日本にいなかったので、洋楽開拓に関しては実はあんまり影響受けていないんですよ。

それにしても私もまだ洋楽聞き始めて間もない高校生のくせに、よくフランク・ザッパやTHE THEなんて買ったなぁ。

しかし、これが意外に意外。

どちらもめちゃめちゃ好きになりました。

特にオススメしたいのがこれ。

未だに私の周りでTHE THEを知っている人なんていないけど、これは高校生でも全然分かります。

名盤中の名盤。

一生モノです。

彼らがおすすめするものはハズレがない。

『IMAGE』アルバムレビュー

先程も書きましたが、中期・後期のLUNA SEAしか知らない人にとって、本作は暗いと感じるでしょう。

ジャケットのイメージ通り、モノクロな世界観ですね。

けどこれが中毒性高いんですよ。

一度好きになると病みつきになるし、後の『EDEN』以降の作品がコマーシャルすぎて物足りなくなるほど。

そう、本作にはその後にはほとんどなくなる『毒』があります。

そして非常に耽美的な世界観に包まれています。

病的なまでに耽美的です。

そういう特性を持っていますので、合わない人は合わないと思います。

影響受けていると言うだけあって、デヴィッド・ボウイとかJAPAN、SMITHなんかに通じるものを感じますね。

そのあたりが好きな人は是非。

でもそのあたりを知らなくても全然好きになれるかと思いますよ、私もそうだったし。

あと、後期の作品に比べ、サウンドがチープに感じるかもしれませんが、これが『味』なんですよね。

狙ってやってるのか、機材がしょぼかったのかは分かりませんが。

『MOTHER』から極端に音質上がるのですが、初期の音ならではの世界観は深いです。

#1『CALL FOR LOVE

こういう曲をデビュー作に入れてくるっていうのがSUGIZOの凄いところなんですよね。

ジャケットやブックレットの写真の世界観と見事にマッチさせるセンスはさすが。

かなり好きです。

#2『Déjàvu

2曲続けてのSUGIZO作曲でこれは人気曲です。

RYUICHIの太く低い声が好きなんですよね。

この頃はまだXも含め、メタルの範疇の音しか聴いてこなかったので、初めて聴いた時は

「な、なんだ?この三味線みたいなギターの音は?これでいいのか?」

って思いました(笑)。

「そんなにベースに譲っちゃっていいのか?」と。

この手のギターの音を好きになれた記念すべき曲です。

#3『MECHANICAL DANCE

今度はJの作曲です。

アグレッシブにグイグイ引っ張るベースがかっこいい。

特にベースソロでコード入れるとこなんかセンス抜群。

エキセントリックに叫ぶRYUICHIの狂気の表現力もいいですよ。

#4『WALL

お?明るいぞ?

ここに来てふわっとした曲きました。

この曲とか『EDEN』に入ってても違和感ないですよね。

ディレイ(残響音)のたっぷり聴いたギターの余韻が非常に印象的なのですが、そこに最後に入ってくるSUGIZOのバイオリンが儚い…。

ここかなり好きです。

#5『Image

アルバム名が「イメージ」なのに対し、タイトル曲は「イマージュ」と呼んで区別するらしいです。

本作で一番感激しました。

「普段あんまり目立たないけどすごい曲作ってくるな~」

とINORANに一目置くであろう曲です。

タイトルナンバーだけあってかなり気合い入れて作られており、1曲の中に詰められた楽器の情報量がとんでもなく多いです。

装飾的なアコギや12弦ギターみたいな音もしてるから、ギターは瞬間的に4本くらい重なってるんじゃないかな?

さらにバイオリンまで入ってくるし、サビの裏でリードギター入ったり女性コーラスまで重ねてます。

やりすぎ(笑)。

しかし、本来ならわちゃわちゃしそうなくらいなんですけど、これをよくまとめたもんだと思います。

重厚なアンサンブルこの上なしで、こんなサウンドプロデュースができる新人としての力量の高さに驚きます。

サビでボーカルが下がるという発想が面白いし、裏で鳴ってるSUGIZOのギターの使い方がバイオリンみたいな発想で弾いてるのも面白い。

でも何と言ってもINORANのアコギの使い方が肝ですね。

ロックの中でこんなアコギの使い方をしているのってあんまり知りませんね。

RYUICHIのあやしげなボーカルは幻想的な世界を表現してますが、最後はボーカルが1オクターブ上がるところとか鳥肌モノです。

これは初期LUNA SEAの最高傑作でしょう。

#6『SEARCH FOR REASON

ダークだな~。

ふつふつと不安感を煽ってくるようです。

こんなのこの頃のRYUICHIじゃないと歌えないですよね。

すごく世紀末的で、アリス・イン・チェインズらのオルタナティブの要素も持ちながら、ナイン・インチ・ネイルズみたいなインダストリアルロックの雰囲気まで持ってますよね。

この雰囲気を打ち込みじゃなくて生演奏でやってる表現力がすごい。

サステイン(余韻)の異常に長いギターが曲の雰囲気を支配してます。

これやらせたらSUGIZOの右に出る人いません。

#7『IMITATION

お?希望の曲。

印象的なアルペジオもすごくいいのですが、この曲の魅力はやっぱりビート感ですね。

この曲は完全にドラムが主役です。

私もドラマーの端くれなのでこういうドラミングは心が踊ります。

コピーしていて一番楽しいやつ(笑)。

真矢のツボを付いたドラムフィルがたまりません。

#8『VAMPIRE’S TALK

INORANが特に思い入れのある曲とのことですが、私的にはあんまり思い入れはありません。

RYUICHIの声が比較的低音で、これは初期を聴いたことのない人に聴かせたらRYUICHIだとは、いえ、LUNA SEAだとは分からないでしょうね。

#9『SYMPTOM

デビュー作『LUNA SEA』でも見られた要素で、初期の爆走ナンバーです。

昔のライブではなんの曲やってんだか分かんないくらいの異常スピードで演奏してました。

このRYUICHIの狂気の表現力はすさまじい。

RYUICHIの髪が地面につくほどの長さでドレッド風に編んであって、おまけに目つきが狂人みたいでやばかったです。

#10『IN MIND

なんかオットコマエなRYUICHIの節回しが妙に気に入ってます(笑)。

ギターのことは良く分からんけどなんか弾いてて楽しそうだな、と思った記憶があります。

#11『MOON

エフェクターのディレイ(残響音)を上手く使って月の神秘的な雰囲気を生み出しています。

初期の代表曲ですが、後期には影が薄くなっていたような。

あらためて聴き直してみると次次作の『MOTHER』なんかに実は雰囲気近いですね。

なんて映像的な曲なんだ。

美しいな~。

壮大な女性コーラスでエンディングを迎えるので、このまま#1にループするとすごくいい感じに繋がるんですよね。

これ当初は狙ってたんじゃないのかな?

完璧なラスト曲です。

#12『WISH

「って終わってないんかい!」

ってなった曲(笑)。

Jの生み出した強力なアンセムソングが最後に登場です。

ライブでの絶対ラスト曲。

アルバム世界観の完成度でいうなら、『MOON』で終わらせたら完璧だったのに。

ミュージカルの終わった後のカーテンコール的な雰囲気というか、セットリスト終了後のアンコールというか。

そんなファンへの「ボーナスタイム」感を強く感じたのは私だけ?

っていうか、他の曲とあまりにも雰囲気違うから、初めて聴いた時ボーナストラックかと思った(笑)

でも名曲ですよ。


はい、というわけで本日はLUNA SEAの「IMAGE」を解説しました。

あまり顧みられない印象のあるデビュー作ですが、これはすんごいアルバムですよ。

デビュー作ですでに只者ではない実力を見せつけてます。

リーダーがいないバンドという特色がすごく出ていて、みんなの個性が遺憾なく発揮されてるし、調和してるし。

独特のクセがあるため間違いなく人を選びますが、一度クセになると快感指数が半端ないですよ。

是非とも聴き込んでみてください!

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