『TRUE BLUE/FALL OUT』LUNASEAの隠れ名曲パート③
本記事はプロモーションを含みます。
どうもsimackyです。
本日はLUNASEAが1994年にリリースした4枚目のシングル収録曲
トゥルー・ブルー(A面)
フォール・アウト(B面)
の2曲を語っていきたいと思います。
『トゥルー・ブルー』でLUNASEAを知った方も多いのではないでしょうか?
物凄くポップで、一発で覚えられる分かりやすいメロディ。
それでいて、ちゃんとかっこいいロックした絶妙なナンバーですね。
それでは語っていきましょう!
LUNASEA初のシングル1位
実は、LUNASEAはメジャーデビューアルバム『IMAGE』において、シングルカットを行いませんでした。
『WISH』なんかはシングルにピッタリだと思うんですけどね。
彼らが何故、シングルを出さなかったのか?は謎です。
お陰で『IMAGE』は期待されていたほどのセールスを伸ばせず、
11万枚しか売れませんでした。
で、続く3作目のアルバム『EDEN』制作では、「ヒット曲を生み出す苦しみを味わった」ということは前回『ROSIER』の記事で書きました⇩
で、『EDEN』からは2曲をカット。
先行シングルであり、初シングルともなった
『BELIEVE』13万枚
2枚目はアルバムからのリカットで
『イン・マイ・ドリーム』10万枚
と、まずまずの売上を記録します。
2枚のシングルが功を奏したのか?
『EDEN』は前作のちょうど倍の売上である
22万枚を記録。
『EDEN』制作にて、人生で初めて『産みの苦しみ』を味わったメインソングライターのJは、3作目『MOTHER』の制作においてヒットメーカーとしての才能を開花させます。
先行シングル第1弾となった『ROSIER』(J作曲)は見事
37万枚を売上げ、
オリコン3位を記録。
それにより、テレビ番組への出演も激増。
当時の私としては
「うおっ!あのLUNASEAがテレビ出てる!?信じられん…」
みたいな感じ。
それくらい、当時の私にとっては「ロック好きな人だけが聴いてるアンダーグラウンドなバンド」というイメージだったので。
ここでLUNASEAの一般的な認知度は一気に上昇します。
私の周囲でも、クラスの女子達がキャーキャー騒ぎ始めた時期です。
右肩上がりにセールスを伸ばしてきてますね~。
いい流れです。
そんな勢いに乗るLUNASEAが、『MOTHER』からの第2弾先行シングルとしてリリースしたのが、本作『トゥルー・ブルー』です。
作曲者はまたしてもJ。
Jのソングライターとしての才能が爆発してます。
その売上は42万枚
初のオリコン1位
を獲得します。
はやっ!
通算4作目のシングルでもうオリコン1位に昇りつめちゃった。
これってとんでもないことですよ。
けど、これを面白く思わない人もいたんじゃないかな?
私にLUNASEAを教えてくれた友達なんて、
「もう俺の好きだったLUNASEAじゃなくなった」
って離れていきましたから。
けれど彼らは単に売れ線に走ったわけじゃありません。
なぜなら、この後にリリースされる4作目のアルバム『MOTHER』は、売れ線に走ったどころか
1990年代を代表する日本ロックの名盤
と評されるほど内容が充実した傑作になったからです。
シングルB面に対するLUNASEAのこだわり
今回のB面曲は「フォール・アウト」。
ライブでも演奏されるファンには人気の高い楽曲です。
「LUNASEAはB面曲も気合い入れて作る」
とはよく言われますが、正確には違うと思うんですよ。
別にB面を意識して作っているわけじゃない。
LUNASEAっていうバンドは、アルバムを作る時に、ソングライターが3人もいるから、結構な楽曲が持ち寄られることになります。
SUGIZO4割、J4割、INORAN2割で収録されるのが、大体のパターンですね。
で、アルバムのテーマとかカラーとか曲順とかって、この頃はまだ重要視されていた時代なんで、出来た曲を全部詰め込んでなんていないんですよ。
『MOTHER』なんてたったの10曲しか収録されていないんだから、いかに狭き門なのかが伺い知れます。
結構な数の曲がボツになってる。
けど、それはボツになってるといえども、クオリティが低いということではなく、他の曲と役割が被っていたり、アルバムカラーにそぐわなかったり、が理由なわけで、収録曲と遜色ないくらいの楽曲が出来上がっているわけです。
そういう曲をシングルに入れてあげることで、曲に陽の目を見させることになるし、そのことによってライブでも演奏できるわけですよ。
それにファンの人は先行シングル買った上でアルバムまで買うんだけど、アルバム買ったらシングル必要なくなるでしょ?
けど、アルバム未収録の楽曲が入ってれば、買った価値が残るじゃないですか?
それにボツにされた曲の作曲者も、それがちゃんと世の中に披露されて、ファンが支持してくれることで、満足感を得ることができる。
それって、今後の制作時におけるメンバー間の対立関係を、緩和させる効果もあると思うんですよね。
そりゃ、毎回毎回同じメンバーの曲ばかり採用されて、自分の曲がボツにされ続けたら
「もう表現したいことさせてもらえないから、LUNASEA辞めてソロで演る」
ってなりかねない。
それがいつでもできるほどの、才能を持った人たちになので。
ねぇ、INORANさん(笑)。
このLUNASEAにおける収録曲のバランスは、INORANが喧嘩にならないように一歩引いてますよね絶対。
INORANと真矢はLUNASEAの“良心“というか、大人ですもんね。
このボツ曲をB面に収録する行為は、とてもファンを大事にする行為だし、作曲者を大事にする行為だし、いい事ずくめのやり方だと思うんですよね。
LUNASEAが凄いと思うのは、こういう些細なこと一つ一つとっても、凄く誠実に真剣に打ち合わせしてるのが感じられるんですよ。
XのYOSHIKIなんかは
「シングルはプロモーション手段」
という考えが露骨すぎるというか、
「宣伝チラシ撒いてんじゃないんだから。これちゃんとお金も取ってるれっきとした作品じゃないんですか?」
って言いたくなるくらい、シングルを使い捨ててる感があると言うか。
アルバム『ダリア』の先行シングル6枚は一切の付加価値なし。
B面はないか、あってもA面曲のカラオケバージョン。
アルバム買った瞬間、ゴミになってしまう6枚です。
シングル買いながら3年も待っててくれたファンへの思いやりなど皆無です。
この時の経験で2度とシングルを買うことはなくなりました。
SUGIZOは当時の雑誌のインタビューで
「シングル買ってくれてるファンのためにも何かしらの付加価値をつける。カラオケバージョンつけるとか最悪」
とか発言してましたが、これって当時のボスを批判してたのかな?(笑)
「よくぞ言ってくれたSUGIZO!」
って思ったものです。
『フォール・アウト』も人気高し
で、話がかなり脱線しましたが、こちらが今回の本題。
B面曲は『フォール・アウト』。
A面に続きJの作曲です。
A面とは打って変わってマニアックで本格的な実験ナンバー。
なんと7分もあります。
歌い出しまでのイントロが1:30ですからね。
INORANのアルペジオがず~っと引っ張っていくから、INORAN作曲かと思ってました。
百歩譲って、INORANじゃなかったとしたら、SUGIZOかと思います。
ギターソロがやたら長いし、まるでバイオリンのような音色を奏でて大満足に見えるので(笑)。
これって全然Jっぽくない曲ですよ。
まあ、この曲に顕著なように、結局、誰の原曲かはLUNASEAにとってさして重要なことではないのかもしれませんね。
原曲はあくまで叩き台。
それにメンバーが皆のカラーを足していって、結局は全てLUNASEA色になってしまうというか。
「あ~、このバンドってホントに皆で意見出し合いながら曲を練り上げていってるんだな」
ということを一番強く感じられる楽曲が、この『フォールアウト』かもしれませんね。
⇩は2019年の『LUNA SEA 30th Anniversary LIVE LUNATIC X’MAS 2019』の音源なのですが、RYUICHIの熱唱が凄まじいことになっててちょっと笑います(笑)。
『トゥルー・ブルー』『フォール・アウト』の2曲が収録されたベスト盤『singles』はこちら⇩