『サイレント・ジェラシー』X JAPAN~神曲と呼ばれるゆえん~

本記事はプロモーションを含みます。

どうもSimackyです。

本日はX JAPANの

サイレント・ジェラシー

を語っていきます。

『サイレント・ジェラシー』の位置づけ

「紅」が『炎の名曲』だとすれば、この曲は『氷の名曲』とでも申しましょうか。

「俺は今、大いに悲しんでいるんだぁ!」

って傍目にも分かるほど激しい感情があからさまな「紅」に対し、

「凍りついたような無表情な仮面の下に隠した激情」

みたいな感じですかね。

Xというバンドは「静と動の2面性」とよく言われますよね?

両極端なものが同時に存在するのがXの稀有な個性。

アルバムごとに見れば

『動の「紅」に対し静の「エンドレスレイン」』

だったり

『動の「サイレント・ジェラシー」に対し静の「セイ・エニシング」』。

そしてXのロックナンバーのカラーも両極端で、

『炎(赤)の「紅」に対し氷(青)の「サイレント・ジェラシー」』

私の頭の中ではそういう風な対比的な関係性になっとります。

この曲はXにおける3作目のオリジナルアルバム「ジェラシー」に収録されています。

タイトルは若干違いますけど、実質的なタイトルナンバーです。

Xのアルバムオープニングはインストナンバーから始まり、2曲目にタイトルナンバーでもあり超スピードナンバーがくるのが習わしですが、1作目「ヴァニッシング・ラブ」や2作目「ブルーブラッド」にまったく引けを取らない超スピードナンバーです。

「ジェラシー」からのシングルカット第1弾だったのですが、よくもまぁBPMが190に届こうかというスピードナンバーを一般ピーポーたちに届けようと思ったものです(笑)。

しかも曲の長さが7:18もあるんですよ?

ジョン・レノンが聞いたら怒られますよ。

「紅」で『約6分ある曲でも売れる』ということを証明したので今度は『7分超えのシングルでも売れる』ということを証明したかったのでしょうか(笑)。

しかしそのメロディの美しさはピカイチ。

あまりにドラマティックな展開から、この曲を評して「神曲」とさえ言う人もいます。

いやぁ、実際神でも降臨しなきゃこんな楽曲は作り得ないでしょう。

これと同時進行で「アート・オブ・ライフ」も作っていたのですから、この頃のYOSHIKIには神が降り立っていたのかもしれません。

You Tubeが普及し始めてからは、海外リスナーからも圧倒的支持を集めはじめ、リアルタイム当時よりも時が経つに連れどんどん評価が上がっていった楽曲ではないでしょうか?

1990年代は人気投票をすれば1位「紅」2位「エンドレスレイン」が鉄板で、ミュージックステーションとかでの人気投票ではかろうじて10位以内に入るかどうかだったような?

「え~?「サイレント・ジェラシー」の良さがあなたたち分かんないの?」

って当時思った記憶があるんですよね。

しかし、2000年代に入るとこの鉄板2曲を時に超えるほどの人気ぶりを見せるようになりました。

そして「ヴァニッシング・ラブ」や「ブルーブラッド」はライブのオープニングを飾るのが通例でしたが、この曲の場合は当初その役割を担いませんでした。

やるようになったのは1992年東京ドームの3日目が最初で、1993年東京ドームでも継続します。

この曲を初っ端にやるとかありえないから(笑)。

特にYOSHIKIのドラム。

ボクシングで例えると3ラウンド目くらいにそろそろ本調子が出てきたっていう状態をオープニングまでに仕上げておかないと無理でしょう(変な喩え)。

想像するだけで吐きそうです(笑)。

「サイレント・ジェラシー」のココが凄い!

スピードはBPM180台の後半。

シングルカットするにはスピード違反とも言えるとんでもない速さですが、Xのスピードナンバーの中ではいつものことです。

この曲の凄さはそのスピードでありながら、メロディの美しさと劇的な展開と感情移入の深さが同居していることです。

Xの魅力のすべてを1曲の中にすべて封じ込めたような感すらあります。

7:18なんてあっという間に感じます。

退屈なんて全くしません。

繰り返しなんてほぼありません。

まず圧巻なのはその構成力。

ピアノソロが終わるとスラッシュメタルで突っ走り、壮大なバラードになったかと思うとギターオーケストレーションのようなギターソロ、そして最後は怒涛のエンディングまで突っ走ります。

目まぐるしいほどの展開とメロディの波状攻撃。

オーケストラとヘヴィメタルを組み合わせたものは、古のディープ・パープルの頃からありはしますが、それをここまでの次元で融合させることができるのはYOSHIKIだけでしょう。

「取って付けた感」が全く無く、クラシックをちょっとかじっている程度の人にはこれはできないんじゃないかな?

これを聴くと世の中にたくさんある『ウィズ・オーケストラ』みたいな企画は、妙に薄っぺらいものに感じてしまいます。

そしてYOSHIKIのドラミング。

超高速のツーバス連打は健在ですが、オカズオカズオカズの嵐。

本人も

「ドラミングでやりたいことはこの1曲でやりきった」

というほど、YOSHIKIの追い求めた究極形態がここにはあります。

ラストサビの部分でのドラムはYOSHIKIのドラム史上、もっともドラマティックなドラミングと言えるでしょう。

それからTOSHIのボーカル。

「ジェラシー」からTOSHIの歌唱方法はガラッと変わりました。

レコーディング時に声が出なくなり、手術を行ったためです。

それまでのがなり立てるようなシャウトはなくなり、非常に美しく歌いあげる歌唱法になりました。

サウンドはワイルドなスラッシュメタルに、まるでバラードのような伸びのある美しい歌声が合わさることにより、この曲をただのメタルナンバーとは全く別の次元に引き上げていると言ってもいいでしょう。

もし以前のTOSHIの歌い方であれば、「ヴァニッシングラブ」みたいな印象の曲になっていたかもしれませんね。

そしてこの曲の魅力として最後にやはりこれを挙げておかなければいけません。

それは

バンドサウンド

です。

『Xのサウンドプロデューサー』と呼ばれるTAIJIの貢献により、「ジェラシー」から劇的に音質が改善していることは衝撃でした。

それまでは厚みがなく2次元的なサウンドの広がりだったものが、奥行きのある3次元的なものに変わったというか。

数百万円もしたヴィンテージレスポールでかき鳴らすPATAのスラッシュリフは骨太で切れ味抜群。

この疾走感は職人芸です。

前作『ブルーブラッド』とは厚みがぜんぜん違う。

HIDEのギターソロは音選びから構成まで完璧。

いたずらに速弾きで引き倒すのではなくしっかりメロディが芯を食ってくる。

Xのギターソロでは最高峰なんじゃないかな?

そしてTAIJIのベースの生み出すグルーブ感がこれらをまとめ上げます。

各パートが分離していないというか、渾然一体となって押し寄せてくるというか。

この曲を聞くと「ベースって大事だな~」ってつくづく思います。

 


はい、Xの楽曲紹介、これからもじゃんじゃんやっていきますよ~。

お楽しみに!

 

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