アバッキオがかっこいい!(第5部)スタンド能力・声優・その死に様まで語り尽くす!
本記事はプロモーションを含みます。
どうもSimackyです。
本日はジョジョの奇妙な冒険第5部に登場するチームブチャラティのナンバー2、レオーネ・アバッキオを大いに語っていきたいと思います。
『アバ茶』の呪いを最後まで払拭できなかったイケメン曲者キャラ
さて、今回はシリーズ屈指のイケメン・アバッキオ。
超かっこいいですよね。
身長は190センチ近くあってチームで一番の長身。
そしてその長身痩躯(ちょうしんそうく)のスタイルにロングコートが見事にハマっています。
荒木先生のイタリアンセンス炸裂でございます。
しかし「アバッキオと言えば?」と聞かれて『イケメン』だと答える人はどれくらいいるんでしょうか?
いや、どう考えてもルックス、身長、ファッション、すべてが『イケメン』と評されるクオリティは持っていますよね?
しかしそうはなっていない。
私は5部が始まった時一番かっこいいキャラだと思いました。
が、それと認識されていなのは何故か?
すばり!
やらかしちゃったからです。
彼はあろうことか初回登場におけるレストランで、とんでもない奇行をやらかしちまったのです。
その奇行があまりにも少年誌にあるまじきインパクトを放っていたため、当時高校生の私にとっても、そして全国の少年ジャンプ読者にとっても、許容範囲を振り切っていたため記憶から消しようのない場面として焼き付いてしまったのです。
そう、その奇行は通称
アバ茶
と、そう呼ばれています。
このアバ茶というものがどれだけやばいものかをちょっと説明しますね。
それは第5部序盤の出来事です。
主人公であるジョルノがブチャラティとの戦いの中でお互いに対する信頼が芽生え、マフィア・パッショーネの一員として仲間となりました。
ブチャラティはパッショーネの一部隊を率いるリーダー。
仲間となったジョルノにチームメンバーたちを紹介しようと行きつけのレストランへ向かいます。
そこで待っていたのはアバッキオ、ナランチャ、フーゴ、ミスタの4人。
くつろいだ様子で思い思いの食事を楽しむメンバーたち。
「このブチャラティが連れてきたんだ。お前ら愛想よくしろよ!」
そう言ってリーダーブチャラティはジョルノを紹介しますが、メンバーたちは
ガン無視。
ケーキが4個あるから気が利かないだ、算数の計算が合わないでフォークをぶっ刺して喧嘩しだすは、もうまったくまとまりのないチームメンバー。
そんな中、一人静かにヘッドホンで音楽を聞いていたイケメンが取った行動は…
急須に◯を注ぎだした(◯には漢字一文字が入ります)。
そしてそれをカップにトクトクと注ぐと
「まあまあジョルノくんだっけ?飲み給え」
と、丁寧についで差し上げたのです。
「これを少年誌でやるか?」
な場面です。
他の漫画家であれば編集者に止められボツる危険性があります。
これは荒木先生がそれまで行ってきた数々の問題表現で編集者の感覚がとっくに麻痺しているからこそまかり通った表現です。
普通の漫画家さんは真似してはいけません。
こんな表現しようものなら翌週から間違いなく
干されます。
荒木先生はその筋のパイオニア(権威)なのでこれは少年ジャンプ的にオッケーなのでございます。
しっかし、ジョジョファンには多少の免疫があるとは言え、
山岸由花子登場
並のインパクトはありましね。
ブチャラティの『顔舐め』もかなりのものがあったのですが、やはり『ぷっつんさ加減』が違いますからね。
この時のアバッキオは
「クスリでもキマってたのか?」
と思えるほど、その後のキャラ設定とのギャップがあります(それはブチャラティもですけど)。
ブチャラティはその後のオットコ前な活躍で、黒歴史をなかったコトにできたんですけど、アバッキオは最後まで『アバ茶』を塗り替えることができないまま第5部が終了してしまいましたね。
まあ、かなり頑張ったんですけど。
つまり『アバ茶』とはそれほど皆の心に焼き付いてしまったのです。
いや~、なんとも死線スレスレ、紙一重の人生を生きておられるようで。
皆さん、ちょっと想像してみましょう。
こんなことしたら普通どうなると思います?
警察呼ばれます。
え?そんなもの
『わいせつ物チン列罪』
に決まってるじゃないですか?
しかも、この人元警察官ですよ?
元同僚にしょっぴかれるんです。
多分こうなります。
・・・・・
警察官「この野郎!レストランでなんてことしやがるんだ、このド変態がぁ。わいせつ物チン列罪で10年はムショにぶち込んでやる!」
アバ「うるせぇな。やれるもんならやってみろ!」
警察官「え?あれ?も、もしかしてレオーネ先輩じゃないっすか?」
アバ「ん?え…?ま、マルコじゃねぇか!お前今このあたり駐在なのか?」
マルコ「レオーネ先輩…あんなに憧れていた先輩が、オレの結婚式の仲人までしてくれた先輩が突然辞めたときは途方に暮れました。探し回りましたよ!けど、やっと会えたと思ったら何やってんスか!?こんな場末のレストランでこんな粗末なものを陳列して捕まったりして!もう先輩には失望しました!」
アバ「ち、違うんだマルコ!これは新人教育の一環で…好きで『チン列』してたわけじゃないんだ。ま、待て、話を聞いてくれ~!もう『チン列』しないから~!!!」
と、こうなるはずです。
そしてアバッキオは『かつて己を慕っていた後輩に「チン列罪」でしょっぴかれた』という十字架を背負って生きていくことになるのです(チン列言いたかっただけじゃん)。
そこには絶望の人生しかありません。
ほんと紙一重です。
そうならなかったのは、ジョルノが『飲んでくれた』おかげで事なきをえたからです。
飲んだとは言ってもクラゲに変えた歯でアバ茶を吸収させて飲まずに済んだらしいのですが。
一部では「クラゲでは聖水を吸収しきれない」という声も上がっておりますね。
これに関しては私は異説を唱えます。
『実は意外にアバ茶がおいしくてホントにジョルノは飲んじゃった説』
ですね。
スタンド能力:ムーディー・ブルースは5部のキーとなる能力
アバッキオの操るスタンド:ムーディー・ブルースはその場で起きたことをリプレイする能力を持ちます。
ストーリーが常にサスペンスタッチで進んでいくジョジョにおいては、『謎を解明する手がかり』を見つけることが重要となってきますので、これはすごく面白い発想だということに今更ながらに驚かされます。
その意味ではなるほど元警察官という肩書にぴったりのスタンド能力ですよね。
チームブチャラティの初戦闘ではズッケェロのスタンドの正体を暴くために一役買いました。
また、幹部ペリーコロからの指示はムーディー・ブルースで再生しなければ得ることは出来ませんでした。
ミスタやナランチャ、フーゴのスタンドに比べると直接戦闘という場面で大きな活躍はできませんが、ムーディー・ブルースなくして打倒ボスは叶わなかったでしょう。
そう、最も重要な役目だったのが、『ボスの正体を暴く』ことさえ出来てしまうこと。
残念ながらボスの過去の写真は全てデータ削除されているため、顔を手がかりに見つけ出すことは出来ませんでしたが、そのデータにアクセスしたことでポルナレフと出会うことが出来たことを考えると大きな貢献でしょう。
変態仮面とドラクエの『あぶない水着』が合体したような
斬新すぎるファッション
が玉にキズではありますが。
アバッキオの声優
ジョジョのアニメ版では諏訪部順一(すわべじゅんいち)さんという方が声優を担当してます。
この声はやばすぎます。
私は男としてこんなに心を鷲掴みにされる声優さんに初めて出会いました。
ジョジョのアニメはどのキャラも文句のつけようがないくらいはまり役が多い上にクオリティが異常に高いのですが、その中でも最もはまっています。
制作陣に「よくぞこの人にしてくれた!」と称賛を送った人は多いと思いますよ。
低い!渋い!悪そう!
三拍子揃ってます。
私は他のアニメをそんなに見まくっているわけではないので、他のアニメで有名なキャラを担当しているかどうかは知りませんが、最近ハマった『ブルーロック』の馬狼照英(ばろうしょうえい)役をされていますね。
「この馬狼のかっちょいい声どっかで聴いたことない?」
娘「アバッキオだよ!」
みたいな(笑)。
AMAZONプライムビデオでたまに『プライム会員見放題枠』に入ってますので、一度確認されてみてください。
今回は久々の見放題枠に入って来たので娘と2人かなり興奮しました。
アニメのジョジョはレベル高すぎますから、ビビりますよ。
アバッキオの死~ジョジョシリーズでトップクラスの泣かせる名場面~
ジョジョの作者・荒木飛呂彦先生はリアリティをとことん突き詰める漫画家です。
少年ジャンプ掲載の漫画はドラゴンボールやワンピースを始めとして生々しい死の描写はしません。
死んでも天国の世界が別にあったり、ぶっ飛ばして「勝ったぞ~!」で生死はぼかす、みたいな。
これはその漫画がターゲットとしている年齢層に配慮したものになっているからだと思います。
しかしジョジョは第1部のジョナサンの死の頃からはっきりとした『死』を描ききります。
中でもアバッキオが登場するこの第5部の世界はマフィアの世界。
シリーズ中最も血生臭く、次々と、いともあっさりと人が死にます。
そしてこのアバッキオはその死に様があまりにもあっさり過ぎて、
「これってきっと後でジョルノが治すんだよね?」
読者のほとんどがそう思ったことでしょう。
しかし、冷徹なまでに残酷な現実を突きつけられます。
描かれるのはおそらくあの世と思われる場所。
とある警官との対話。
第2部のシーザーの死と並んで、シリーズきっての”泣かせる”名場面です。
アバッキオがレストランのオープンカフェでランチを食べているとガサゴソと音が聴こえます。
どうもテーブルの下の方から聴こえてくるので覗き込んでみると、一人の警官がビン捨て場をあさっています。
その警官は犯人が殺人に使った凶器であるビンの破片を見つけるために、レストランのビン捨て場をあさっていたのです。
この近辺が殺人現場というだけで、そのレストランに捨てたとは限りません。
可能性のあるエリアはあまりにも広く、この通り沿いに捨てたのかどうかさえ分からないのに、
「もしかしたらここかもしれない」
という仮説を立てながら一つ一つの可能性を潰していく作業は、アバッキオから見れば気の遠くなるほどの労力を要する作業に思えたため、こう伝えます。
「もしかしたらこのまま見つからないかもしれないとか思うことはないのかい?」
これ実は自分自身に問いかけている言葉でもあるんです。
たった1枚の写真という手がかりからボスの正体を突き止めるために、このボスの故郷サルディニアまで来たブチャラティチーム。
しかし、ここに来たからといって何かが見つかる保証など何もありません。
まったく成果なしに終わる可能性だってある。
仮に少しの手がかりが見つかったからと言っても、この先ボスに辿り着けるまでに一体どれだけの追手と戦うことになるのやら。
「こんなことしていて本当にボスの正体を暴けるのか?ましてや倒すことなんてできるのか?」
その不安は押し殺してはいても、頭の何処かによぎってはいたのでしょう。
それが警官の行動を見て思わず口をついて出たわけです。
それに対し警官はこう答えます。
「結果だけを求めると人は近道をしようとして真実を見失う。やる気も次第に無くなっていく。大切なのは真実に向かう意志だと思う。それさえあればたとえその時は犯人を逃してもいずれ必ず辿り着く。真実に向かっているわけだからね」
その警官の言葉にアバッキオは、かつての自分が同じ意志を抱いていたが今は失われたことを嘆きます。
自分はいつだって途中で駄目にしてしまう駄目な男だ、と。
しかし、そうではなかったのです。
今のアバッキオには真実を追い求める意志が戻ってきており、最後まで立派にやり遂げたのだと。
もう戻ることはできないが、お前は私が誇れるほどにやり遂げ、そしてその意志は残ったものに受け継がれていくのだと。
なんと、この警官はアバッキオがかつて死なせてしまった先輩警官だったのです。
つまり、雲をつかむような話でしかなかったボスの正体だったが、アバッキオが諦めずに意志を貫いた結果、ボスの正体を暴くことに成功したのだと。
そしてそれはブチャラティたちにもきっと伝わるはずだ、だからお前は安心して、そして胸を張って人生を終わって良いのだ、というわけですね。
この瞬間読者は、アバッキオの生還はもはやありえないことを実感します。
実はこのエピソードは、アバッキオの生き様を描いているだけではなく、荒木先生の『漫画という総合芸術』に向かう信念を表した非常にメッセージ性のある場面なんですね。
その信念は後年になって出版される『荒木飛呂彦の漫画術』の中でも語られています。
これ、漫画家を目指す新人のために書かれた本なのですが、荒木先生がどんな気持ち、どんな思いを込めてジョジョを生み出しているのかが伝わる非常におすすめの本なので、ぜひ一度読んでみてください。
また、この第5部のメッセージ性の強さ、そして第5部に込めたメッセージにプリンスの『ゴールドエクスペリエンス』が影響を与えているという考察も別記事で描いてますので、興味がある方は読んでみてください。⇩