『I for You/WITH』LUNASEAのイメージを決めてしまった曲

本記事はプロモーションを含みます。

どうもsimackyです。

本日はLUNASEAが1998年にリリースした11作目のシングルから

I FOR YOU

WITH

の2曲を語っていきますよ~。

『I FOR YOU』世間一般的にはLUNASEAで一番有名な曲かも

このシングル『I FOR YOU』がリリースされたタイミングは、1997年に活動休止していたLUNASEAが1998年に復活して、アルバム『SHINE』からの先行シングルを3枚リリースしているタイミングです。

第1弾『STORM』、第2弾『SHINE』、そして第3弾がこの曲ですね。

『STORM』は

「ん~!これぞLUNASEA!かっちょいい!やっぱ復活しても相変わらずだ!」

というファン納得の曲だったのですが、『SHINE』でどうも雲行きが怪しくなり

「なんかやけにポップすぎないか?」

で、この『I for You』で

「おおおいっ!河村隆一のソロ曲じゃないですよね!?」

みたいになってきます(笑)。

金城武主演ドラマ『神様、もう少しだけ』の主題歌になり、ドラマの大ヒットも手伝ってシングルもヒット。

LUNASEAはこの曲で初の紅白出場も果たします。

なので、「LUNASEAと言えばこの曲」っていう、世間一般的な認識があり、どうも居心地が悪かったですね。

Xでいうところの『FOREVER LOVE』みたいなもので、ファンからすると

「この曲がXだと思われちゃ困るんですけど!」

みたいな。

「このバンド(LUNASEA・X)は皆さんが思ってるより、ちゃんと硬派なロックしてるんですよ!」

みたいな。

おそらく当時のファンの方だったら、これ共感していただけるかと。

で、アルバム『SHINE』の作風に納得できなかった私は、一度LUNASEAを嫌いになり、『Gravity』を聴いたときにはLUNASEAはもう終幕してました。

前回解説した『Gravity』の記事では、ドラマ『アナザヘブン』を観て知った経緯を話しましたが、次に観たドラマ『神様、もう少しだけ』でもまたLUNASEAだったんでずっこけましたね(笑)。

「なんじゃい!LUNASEAはドラマタイアップばっかしてんのかい!?しかもこの曲、『SHINE』で一番嫌いな曲だし!」

こんな偶然あります?

TSUTAYAで借りて観たドラマが、立て続けにLUNASEA主題歌って、そんな偶然。

で、『アナザヘブン』同様、あんまりドラマは面白くなかったんで、途中で観るのやめたんですよね。

うーん、根気がないと言うかそもそも真面目に観る気あるの、あなた?

この『I for You』は、ドラマタイアップの効果もあり、LUNASEAシングルとしては3番目の売上となる48万枚を記録しました。

ちなみに、1番が『STORM』(72万枚)、2番が『DESIRE』(58万枚)です。

まあ、代表曲と言われても「その通り」と言わざるを得ない売上は記録しているわけですが、

「けど、売上3番目なのに世間一般的に一番知名度が高いってどういうこと?『STORM』じゃないの?」

と思われるかもしれませんが、そりゃ大ヒットドラマなんて、最高視聴率が25%とかになるわけですよ?

1億2千万人の25%っていったら

3000万人

くらい観てるわけで、そんなドラマの主題歌になった日には、

日本人の1/4が聴くことになります(んな雑な単純計算あるか。そもそも視聴率って日本全人口にかけるものだっけ?)。

そら70万枚くらい売れた『STORM』とは、知名度は雲泥の差ですよね。

日本で最も売れたシングルは『泳げたいやきくん』で460万枚ということを考えても、タイアップっていうのはシングルとは比較にならない広告力があることが分かります。

よく、あんまり知らないバンドの唯一知っている曲とかで、

「あの曲って一番有名だと思ってたけど、そんなに売れてたわけじゃないのね」

っていうことが起きるのは、このタイアップ効果のせいだと思うんですよね。

まあ、知名度上がるのは良いけど、やっぱり『SHINE』『I for You』はきつかったな~、当時。

リアルタイムって、自分が好きだったバンドの『らしさ』が失われつつある喪失感っていうんですか?

あれはなんとも嫌なものです。

変化を肯定的に受け止めることが出来ない。

Xでももちろんそうだったのですが。

「もうあの頃のような曲は作ってくれないのか?作れなくなったのか?」

みたいな寂しい気持ちがなんとも言えないんですよね。

今から振り返ると、音楽内容としてはまったく衰えていないし、

「なんでこの曲の良さが分かんなかったの?」

って自分に突っ込みたくなるんですけど、どうもリアルタイムっていうのはそうそう柔軟にも対応できないものです。

感性が頑なになっているというか。

リアルタイムだからではなく、自分が若かったからなのかもしれませんけど。

「ロックはこうあるべき」

みたいなのが強すぎるというか。

XにしてもLUNASEAにしてもイエモンにしても、やはり後期作品はリアルタイムではどれも受け入れがたく、良さが分かってくるのは5年10年の月日が経ってからですね。

LUNASEAカバーバンドでこの曲をやることになった時は

「お前ら正気か?こんな曲やる価値ないって!」

とか言ってたんですけど、やってみると

「お前が一番ハマってんじゃん」

みたいな事になりまして(笑)。

バラードなんて、個人的にはあんまり面白くないんですけど、この曲は壮大なんで、フィルイン(オカズ)の入れ方によっては盛り上がり方が全然変わるんですよ。

それに一発一発のスネアに『込める』ことができる曲ですね。

Xでいう『エンドレスレイン』みたいな。

結局、ドはまりしてフレーズを作り込みましたね。

今ではかなり大好きな曲になってます。

っていうか年々好きになってくると言うか、凄さが分かってくると言うか。

もともとは『EDEN』の頃に原曲が出来てたのですが、オーケストラをアレンジした感じの曲だったため、当時のLUNASEAっぽくなく、アルバムのたびに収録は見送られていたものです。

SUGIZO原曲のものを、ボーカルメロディをRYUICHIがほぼ全部作り直して、今回の収録になったと。

それって作曲者はSUGIZOではなく、RYUICHIって事になると思うのですが。

このあたりのエピソードを聞くと、当時のLUNASEA内でのパワーバランスが窺い知れるというか。

ソロで大成功を収めて、RYUICHIの発言権が強まっているというか。

あのSUGIZO先生が、自分の原曲を作り変えられることをよしとする人には、とても見えないので。

まあ、そうは言っても、当時、

「この曲の制作期間中にな亡くなったhideさんのことを二人で歌詞に込めている」

とも語られていたので、友好的に作り上げてはいったのでしょうが。

その話もちょっと「?」に感じました。

hideのことを歌詞に込めた?

どのあたりが?

う~ん、正直、私の耳にはど直球のラブソングにしか聞こえなかったのですが、読者の方より熱いコメントをいただきまして、

「hideのことを歌っている」

という前提で聴いてみたり、ライブ映像を観たりしていたところ、またこの曲が違って聞こえてくるんですよね。

確かにこれは単なるラブソング以上の普遍性を持った歌詞ですね。

なんかこの曲の“格“がさらに上がったと言うか。

ということで、数ある『I for You』の演奏の中で個人的に一番良かったものを2本ご紹介しておきます。

まずは再結成後のこれは黒服限定ギグかな?(全員黒い服着てるので)⇩

黒服限定ギグっていかにも『ヴィジュアル系』って感じの衣装で演ってたと思っていたのですが、こういう風にシックな装いだと大人の余裕と色気が漂いますね!

けれどもそこに熱さも込もってて、これは素晴らしいです。

次にこちらはインパクト抜群で、RYUICHIが脱ぎだします⇩

「ちょっとウケる!」

というコメントがやたら多いのですが、笑っちゃ駄目です。

彼(RYUICHI)は本気です!

しかし、すごい熱唱。

ちなみにSUGIZOの自伝によると、この頃のSUGIZOは、hideへの追悼の意を込めて1年くらい髪をピンクにしていたそうです。

『WITH』

こちらはINORAN原曲で、これまた『MOTHER』の頃にはすでにあった楽曲です。

つまりこのシングルは2曲とも『蔵出し音源』なんですね、実は。

こちらがライブ映像⇩

 

なんかこのRYUICHIの雰囲気…『河村隆一的世界観』を引っ張り過ぎのように感じるのですが。

それとは対象的に黙々と演奏だけに専念するメンバーたち。

最初の頃は「パッとしない曲だな」とか思ってたのですが、ジワジワ系の楽曲で、だんだん気持ちよくなってきますね。

『WITH』が収録されたアルバム⇩

LUNASEAに関する全ての記事はこちら

『I for You/WITH』LUNASEAのイメージを決めてしまった曲” に対して2件のコメントがあります。

  1. 匿名 より:

    simackyさん、はじめまして。ギャグを挟みつつ、ストレートなアルバム解説を気に入って以前から拝読させて頂いていました。
    本題に入らせて頂きます。I for youの歌詞がど直球のラブソングに聴こえたとの事ですが、恐らくタイアップのドラマとの兼ね合いは少なからずあったと思われます。
    あくまで私個人の意見ですが、hideへのメッセージは、少なからずあると考えています。当時、情報が錯綜して何が真実か誰もわからない中で、二人の困惑。思い出が深いからこそ、それが全て牙を向く気持ち。もし悩みがあったなら何故自分達に打ち明けてくれなかったのかという悲しみ。それでも会えた事に後悔はなく、hideの安らかな眠りを祈るといった点を踏まえて曲を聴いて頂けるとそういう解釈の方法として捉えた頂けるのではないかと思います。
    また私は、レコーディング音源ではSugizoのギターとJのベース、Ryuichiのボーカルに悲しみが溢れてる気がします。特にRyuichiはライブで歌う際、未だに感情移入以上の悲壮感が強いように感じます。

    1. simacky より:

      LUNASEA記事への記念すべき初コメントありがとうございます(笑)。
      いつも読んでいただいているみたいで大変嬉しいです。
      なるほど、仰っているような点を踏まえて聞き返すと、また違って聞こえてきますね。
      「不器用に笑うね」とか、あのhideの照れ笑いを思い出させます。
      私の場合、どうも否定が先にくるもので「そんなの後からのこじつけだろ!」っていう思いが先走っていたのかもしれません。
      考えてみれば、この二人がhideの死に関してそんなことをするような薄っぺらい関係のハズがないわけで。
      なんか、先入観で聴いてしまっていたことに気が付かされたと言うか、また「I for You」が自分の中で新鮮に聴こえるようになってきましたよ。
      ありがとうございました!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です