【ジョジョ4部解説】なんでもあり加減はシリーズ最高!

本記事はプロモーションを含みます。

どうもSimackyです。

さて、どんどん長編化しておりますJOJOブログ(笑)。

今回は『ジョジョの奇妙な冒険第4部』を解説していこうと思います。

3部はスタンド名がタロットカードから取ってあるパターンが多かったのですが、

4部以降はロックアーティストや作品名から取るのがより顕著になり、漫画読んでいても気になる読者の方も多いかと思います。

なので、この4部からはこれまで以上にロックに大接近して語り尽くしていけますよ。

おもしろくなりそうですね~。

もうワクワクがとどまるところを知りません。

第4部をロック作品に例えると…

突然ですが、JOJOにおけるこの第4部をロックアーティストの作品に例えてみましょう。

ずばりこれです。

『マザーズ・ミルク』

そう、序盤の中ボス、音石明のスタンド「レッド・ホット・チリ・ペッパー」の名前の由来となった、ご存知『レッチリ』の4作目となるこのアルバムでしょう。

以前、私のレッチリのブログでも書きましたが、何と私はこのスタンド「レッド・ホット・チリ・ペッパー」でレッチリを知って、その後ハマっていくことになるんですよ。

このアルバムに例えるその心とは・・・

『ごった煮のなんでもあり』

レッチリの4作目となるこの『マザーズミルク』は、それまででさえ『ミクスチャーロック』と表現され、

『あらゆる音楽要素のごった煮バンド』と位置づけられていたレッチリが、いろんな方向にさらに広がりを見せた『なんじゃこりゃアルバム』です。

激しい曲はより激しく、速い曲はより早く、ファンクはよりファンク臭く、チョッパーベースはよりブリブリに!

さらには3作目まではなかった要素までもがてんこ盛り。

とにかくすんごいアルバムなので、まだ聴いたことがない方はぜひ一度聴いてみてください。

解説ブログも書いておりますので興味がある方は読んでみてください⇩

第4部のシリーズにおける位置づけを解説

このアルバムに例えられるこの第4部もまた、それまであったJOJOのテイストが色んな方向に振り切れています。

ホラー要素はさらに怖く、プッツンなキャラはさらにプッツンに、王道のJOJO主人公らしいバシッと決める瞬間は健在な上、さらにこれまでになかったような面白い能力のスタンドが目白押し。

たまんないですよ~!

この第4部は、1992年4月から1995年11月の間、ジャンプで連載されていたので、私が中学2年生~高校2年生の時期に当たります。

まさに青春ど真ん中の感受性豊かな時期に、読んでいたのが第4部。

そしてこの時期というのはまさに私がロックというものに出会い、どんどんその魅力に取り憑かれ、のめり込んでいった時期なのです。

ジャンプで読むだけでは飽き足らず、コミックを集め始めたのもこの4部です。

このJOJOコミックやロックのCDを周りの友達に貸しまくってJOJO信者、ロック信者を増やす『布教活動』にいそしんでいたものです(笑)。

いや~懐かしい!

そんな時期だからこそ、この第4部には1巻1巻に、1ページ1ページに思い入れがあります。

シーンごとにその時聴いていた音楽が蘇りますし、この時期に聞いていた音楽を今聴くと、JOJOの1コマ1コマが蘇ってきます。

そんなロックとの絡みがいっぱいの第4部。

中途半端に終わるわけがございません(笑)。

そう、かつてない長編になることはもはや確実です!

まあ、ゆっくりしていってくださいな。

荒木先生の離れ業(わざ)を解説

私が中学2年生の時に、小学校時代から続いていたシリーズ最高傑作と呼び声高い第3部が終わりました。

ジョジョシリーズ最大の大ボスDIOがついに倒されたのです。

第1部の主人公であり(笑)、『全国の部屋の隅っこでジャンプ読んでる日陰者読者のヒーロー』であり(笑)、人気も圧倒的だったDIO。

そのDIOとの100年の因縁に決着を付けるべくジョースター家が輩出した、歴代最強で最高にかっこいい主人公である承太郎。

役者が出揃ったところに、『スタンド』という漫画界に革命をもたらした戦闘システムの導入。

キャラにスタンド、バトルに知恵比べと、あらゆる魅力が渾然一体となって押し寄せてくる歴史的な大傑作。

特に後半『ダービー兄』戦あたりからの緊迫感と怒涛のような白熱バトル、そして最終バトルのDIO戦の盛り上がり方は尋常ではなく、エンディングに空港で承太郎たち3人が別れを告げるシーンでは、とても長い旅が終わったかのような恍惚感に襲われたものです。

『承太郎ロス』の心境といいますか。

あまりの感動の大きさに前に進むことがためらわれます。

「ちょっと、4部に行く前に一休みさせて。もうちょっと第3部の余韻に浸りたい」

これが当時の読者たちの気持ちではなかったでしょうかね?

第4部に行く前に心の整理をつけたいというか、第3部をじっくり振り返りたいと言うか。

「荒木先生も出し尽くしただろうし、4部始まるまでに休みに入るのでは?」と。

しかし、荒木先生の溢れ出るアイデアとクリエイティビティはとどまるところを知りません。

普通に、翌週から始まる第4部(笑)。

これです、これ。

荒木先生の離れ業。

「ジョジョの奇妙な冒険」はどの『部』であれタイトルが同じとは言っても、各部ごとに場所も時代も能力も登場人物も総入れ替えなんですよ?

つまり、JOJOの『部』が切り替わることは、ほぼ『別の漫画を書き始める』ことに等しいのです。

スラムダンクで地区予選が終わったあとに全国大会が始まるのとはわけが違います。

ワンピースで『空島編』が終わったあとに『ウォーターセブン編』が始まるのとはわけが違うのです。

鳥山明先生が「Dr.スランプ」を書き上げたあとに翌週から「ドラゴンボール」を始めましたか?

NO!

原哲夫先生が「北斗の拳」を書き上げたあとに翌週から「花の慶次」を始めましたか?

NO!

普通は1回休みますよね?

YES YES YES

「それなのにオラオラ続けるんですか~!?」(ダービー弟)

YES YES YES OH MY GOD…

荒木先生は1部完のときから一貫してまったく休みを入れません。

つまり、あれだけ大作だった第3部を書きながら、同時進行で第4部の方向性も考えていることになります。

まったくもって信じられません。

月刊誌ならともかく、これを超ハードな週刊誌の連載を続けながらやってのける荒木先生。

ほんとにこの人岸辺露伴なのではないでしょうか(笑)?

『ヘブンズ・ドアー』使ってるでしょ絶対!(笑)。

誰も注目しない荒木先生のすごさです。

第4部の特色を解説~なんでもあり~

さて、息つく間もなくスタートした第4部なのですが、急き立てるように始まった割には実は意外と静かな立ち上がり。

第2部のようにいきなり警察官の指をへし折ったり、第3部の時のようにいきなり主人公が留置所に捕まっていたり、大ボスDIOの大復活が明らかになったり、といった怒涛のような展開は特に無く、品のいい平和な街の平和な学生(康一)の登校シーンから始まります。

そう、これが第4部の

『独特のペース』です。

ストーリーは有って無きが如し

この第4部はこれまでのように一直線にストーリーが展開するといったものではなく、むしろ

『ストーリーがあるのかないのか分からない』

という特色を持ちます。

舞台となる杜王町で起きるいろんな『奇妙な出来事』が、それぞれ全く関係ないことのようにバラバラに描かれるのです。

序盤こそ、アンジェロ、虹村形兆、音石明といった中ボスがいて、畳み掛けるようにストーリーが進んでいくのですが、それ以降は、

道草食いまくっていきます。

そう、例えるなら

「学校まで歩いて10分の通学のはずが、道草食いすぎて、着いたら放課後だった」

ってくらい道草食っちゃいます。

これは舞台が同じ杜王町になる第8部ジョジョリオンも同様なんですが。

だから今回のJOJOブログは道草食いながらのんびり話します(笑)。

それぞれのエピソードはまったく繋がりのない個々のエピソードにしか見えません。

というより

「普通は連載終了後にやるスピンオフ(番外編)じゃないの?」

っていうエピソードが非常に多い(笑)。

これは、それまでのいわゆる『ジャンプ漫画的ストーリー展開』に慣れきってしまっている当時の中学生には、時折、物語がどこに進んでいるのか見えてこず、散漫な印象を受けてしまったんですね。

特に序盤の中ボスである音石明を倒した後にその傾向は顕著になります。

「なんか緊張感がないっていうか、、、。絵もあんまし好きじゃないな4部」

ということで、何と私、第4部は音石明の後の『透明赤ちゃん』エピソードあたりからあんまり読まなくなります(笑)。

あれ、結構いい話だったんですけどね、今思えば。

私はまだ第4部についていくにはお子ちゃまだったということでしょうね。

第4部は『ストーリーを描く』というより、『不思議な街:杜王町』での『奇妙な登場人物達が起こす奇妙なエピソード』を楽しむものなんです。

極端な話、『葛飾区亀有公園前』で起きるさまざまな出来事を楽しむ『こち亀』のような楽しみ方とでもいいますか。

しかし、ストーリーがまったくないわけではなく、序盤の音石明までの流れや、後半の吉良吉影を追い詰めていくところなんかはストーリー物なので正確には『こち亀スタイル』とも違いますが。

序盤での伏線を後半に回収していき、最終的には、バラバラに見えたそれぞれのエピソードが、吉良吉影を追い詰めることに集約していくストーリー構成は圧巻の一言で、後半、川尻隼人の登場あたりからは怒涛の展開を見せるのですが、本筋に全く関係のないエピソードもたくさんあります。

いつの間にか登場しなくなった宇宙人のミキタカや、ぷっつん由花子さん、料理人のトニオさん、じゃんけん小僧のエピソードなんかその最たるものです。

「結局あの人なんのために登場したんだ!?」

とはなりますが、それぞれのエピソードが楽しいから良いのです。

それが4部を楽しむコツですね。

私の場合、しばらくジャンプで読んだり、読まなかったりだったのですが、ある時親戚の家に遊びにいった時になぜかJOJOコミックが4部途中の数冊だけあったんですね。

ちょうど吉良吉影の登場あたりじゃなかったかな?

そこで

「あれ?あれあれあれ?ちょっと面白いぞ?いや、かなり?」

となって、そのもらった数冊から前後にコミックを買い揃えていったんですよ。

どうしてこうなったのかというと、やはり、毎週ジャンプで少しづつだとストーリーがつかみにくいことが、コミックでまとめて読むことにより、すごく大きな流れで展開していることに気がつけたからだったんだと思います。

とどまることなく進化するその絵

そして4部の特色として次に挙げるのが、

『絵のタッチ』

4部は一つのシリーズの中で絵の変化が非常に大きかった部だと思います。

4部開始当初と中盤を見比べると一目瞭然。

絵に関しては専門家ではないので、表現が抽象的になるのですが、

太めの筆を使って陰影を強調して書いたような、より芸術的な絵のタッチに変わったといいますか。

当初は3部のタッチが好きだっただけに、なんか嫌だったんですよ。

でも、この絵がコミックで読んだ時には逆にすごく魅力的に感じました。

もう、人間の描き方としての常識を無視しているというか(笑)。

重ちーなんてもう、「エキストラ役だろう?」というデタラメ(失礼)なデザインなのですが、だんだんとその絵じゃないとあのキャラが立たないんですよね。

見れば見るほどその魅力に取りつかれる独特のタッチには俄然磨きがかかっています。

そのキャラデザインのハードルの高さに対して、4部のスタンドはキャッチーというか愛嬌あるけどかっこいいのが目白押しですね。

特に私が好きなのがやっぱりキラークイーンです。

もうデザイン完璧でしょ!

殺人鬼のスタンドなのに、いかにも『凶悪』といったデザインではない。

第5部のフーゴのスタンドのほうがよっぽど『凶悪』なデザインですよね。

けれども、控えめに死を司るドクロは入っていて。

かっこよくて、愛嬌もあるけど、すごく中性的なんですよね。

荒木先生の数あるスタンドデザインの中でも屈指のかっこよさですね。

しかし、荒木先生のインタビューで「QUEENが好き」というのは読んだことないのですが、かなり引用しています。

『キラークイーン』に始まり、『シアーハートアタック』『アナザーワン・バイツァ・ダスト』、そして8部でも『レディオガガ』と4回も使用していますから、かなりの思い入れがあることは間違いないでしょう。

次に意外にあんまり好きっていう人いないけど、個人的に愛らしくて大好きなのが

ハーヴェスト

これね、かっこよさの1位がキラークイーンだとすると、愛らしさでは1位ですね、私の中では。

虫みたいな見た目だから気持ち悪い動きをしそうに見えて、めっちゃかわいい動きします(笑)。

このデザインはすごい。天才です。

目で楽しませてくれるこれら魅力的なスタンドデザインも第4部の見どころでしょう。

当時の最先端サイコサスペンスを貪欲に吸収

皆さんにとって第4部はどんな存在でしょうか?

強烈な輝きを放つ『黄金期』、『最高傑作』と呼び名の高い大傑作の第3部の次に発表された作品のため、

何かと比較されがちだし、正当な評価を受けにくい立ち位置にあるのではないでしょうか?

しかし、振り返って読み返してみると、意外に何度でも楽しめたり、末永く付き合えたりする不思議な魅力のある作品です。

まあ、こんなこと言っているのはおそらく第1部からの流れで読んできた私のような人間の感想であり、第4部から入ったり、あるいはそれよりもっと後の部から入った人にとっては全然違う印象なんでしょうがね。

初めから『第4部が最高傑作で決まり!』っていう人も多いですから。

こうしてブログを1部から書いてきて、今回で4回目。

毎回1本書くたびに、

その部がJOJOの中でどのような意味を持つのか?』

がより明確に認識できます。

この第4部に関して改めて思うことがあります。

それはJOJO第4部は『脱少年マンガ(ジャンプ)』だったということです。

悪役がいて、ボスがいて、必殺技があって、熱いバトルがあって、仲間との友情があって、仲間の死があって、苦難を乗り越えて、、、。

そうした少年マンガ的価値観からの脱却が感じられる非常に実験的要素を感じるのです。

JOJOは見せ方がもともと少年誌離れしてはいたのですが、より『映画的』もっと言えばより『サスペンス映画』的になったといいますか。

1990年代当時はハリウッド映画で言うと『羊たちの沈黙』に始まる空前の『サイコサスペンス』ブーム。

ブラッド・ピットの『セブン』なんかも大ヒットしましたよね?

小説でも日本では『リング』『黒い家』『姑獲鳥(うぶめ)の夏』なんかのホラー小説が流行り始めましたし、

私の大好きなロックで言えばナイン・インチ・ネイルズマリリン・マンソンなどのインダストリアルロック勢は、

ホラーチックな演出のプロモーションビデオで一世を風靡(ふうび)していた頃。

つまり映画も音楽も小説も、『ホラー』にかなり寄っていた時代なのです。

そしてもともと映画が大好きで、特にデビュー作『武装ポーカー』の頃からサスペンス映画の演出をマンガに取り入れることに積極的だった荒木先生にとっては、

ものすごく刺激的な時代が到来していたのかもしれません。

こうした時代に巻き起こる新しい潮流をすかさず自分の作品に取り入れる嗅覚は、さすが荒木先生といったところですか。

そういった要素を取り入れたいからこそ、

あえて一直線のストーリーにせず、ゴールを初めから持たせなかったところが、この第4部の懐を深いものにしていることは確かでしょう。

そしてスピンオフ的エピソードを思いっきり広げてみた上で、エピソードやキャラを繋げてみる、といった実験をしているようにも思えます。

荒木先生は

キャラが一人歩きを始める

という表現をしますが、様々なエピソードを通してキャラが固まってきたり、キャラ同士の関係性が出来上がってくると、自然と「だったら次はこうなってもおかしくないよな」みたいなのが自然と出来上がっていくのかもしれませんね。

こんな手法を取っているマンガを他に見たことがないので、

一体荒木先生がどれだけの境地に立っているのか?

もはや想像もできません(笑)。

そしてこの第4部で『道草食いまくったこと』がこのあとの第5部以降にも間違いなく影響出ているんですよね。

漫画家としての『引き出し』をたくさん作ったというか、

連載をしながら充電しまくっているというか。

やはりこの人はスーパー漫画家です。

さて、次回はこれまた大人気の第5部ですね。

舞台は一気に『私の故郷イタリア』へ(笑)。

Simackyでした。

それではまた!


個人的にはシリーズで一番アニメのできが良いと思うのは第4部!

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