森高千里 楽曲解説 オリジナルアルバムに未収録の楽曲を紹介①

どうもSimackyです。

前回、森高千里のオリジナルアルバム13作品の一挙解説を行いました⇩

思い余って、その文字数は35000字…。

誰が読むんだって話なんですが(笑)。

しかしね、森高千里の場合はオリジナルアルバムに収録されていないけれども、一斉を風靡したような名曲があったり、森高シングルで一番売れている曲があったり、と、かなり重要度の高い曲がありますので、今回はそのあたりの楽曲を一挙に解説していこうと思います。

オリジナルアルバム未収録曲ってどれだけあると思います?

ちなみに、ここではベスト盤『ザ・森高』『森高ランド』に収録されたバージョン違い曲は省きます(『ストレス』のバージョン違い『ザ・ストレス』とか)。

さらに『手を叩こう2』『ジンジンジングルベル』『GINGINジングルベル』『レッツゴー2』など、原曲とタイトルが変わってはいても実質バージョン違いの曲も省きます。

え~、そういう絞り込みをかけたうえで、スポティファイでざっと数えたところによると、なんとその数

ドルルルルルルルルル…ダン!

37曲!

・・・・・・

桑田佳祐じゃないんだから…。

37曲…やるの?

オリジナルアルバム3枚分のボリュームあるやんけ。

・・・・・・

やってやろうじゃありませんか!

・・・・・・

ま、だいぶ長くなりそうなので、『パート2』に分けますね(もう一挙3万字とかは嫌でしょ?俺も嫌だ:笑)。

さて、それでは37曲解説!

時系列順に行ってみましょう!

俺は10回ストーンズ観に行ったぜぃっ!!!

1.『CHASE』(ちぇいす)1988年10月

3枚目のアルバム『見て』に収録されたシングル『アローン』のカップリングです。

1988年という時代を感じさせるいかにもなエレクトロサウンド。

なんか’80年代のプリンスを思い出しますね。

自分を振って立ち去る男の黒い車を追いかけるお話です。

「水しぶきの飛び散ったフルフェイス 泣いてるみたいに」

ってもしや追いかけている女が乗っているのは…バイク!?

別れた男をバイクで猛追してんの?

・・・こわっ(笑)

2.『ユルセナイ』1989年2月

これまた3作目『見て』に収録されたシングル『ストレス』のカップリングです。

彼氏に対して怒りまくってます。

この頃はまだ森高が歌詞を書き始めたばかりで、森高のいわゆる『怒りソング』の“走り”がこの曲なんじゃないかな。

どこにでもある女心を歌っており、まだ、後に見られる“森高節“は炸裂してませんね。

3.『20才』1989年5月

4枚目のアルバム『非実力派宣言』に収録された森高最初のヒット曲『17才』のカップリングです。

徐々に森高の鼻にかかった通称“鼻声”が出てき始めてます。

カップリングにしておくのは惜しいくらい、メロディがキャッチーでなかなかに良いです。

「私20才 来年は21のおばさんよ」

って、この頃の森高は年齢に対して言われたことをやたらと根に持ってますね(笑)。

A面『17才』でB面『20才』って…そのうち『55才』とか出すんじゃないだろうな?

女性を年齢でからかうとシャレになりません…。

4.『うわさ』1989年10月

ベスト盤『森高ランド』用の唯一のオリジナル曲で、オープニングを飾ります。

歌詞の内容は『噂話のこわさ』というテーマで、特に具体的な出来事がモチーフになっていることはないようです。

けれども『臭いものにはフタをしろ』『のぞかないで』と、あまりにも具体的かつ直接的な表現がある森高のことなので、これは

なんかあったはずです。

「まるで高層ビルの火事のよう 消すのは不可能 消えるのを待つしかないの このまま」

ってこれ、実体験した人じゃないとこのセリフは出ないでしょう(笑)。

5.『道』1990年1月

4枚目アルバム『非実力派宣言』に伴うツアーの最中にリリースされたシングル曲です。

もうだいぶセーラームーンなコスチュームになってきました。

もともとはベスト盤『森高ランド』に収録されていたものをシングルカットしました。

聞き始めの頃は全然この曲の良さが分かんなくて

「こんなのシングルで出す?」

って感じだったのですが、最近結構好きなんですよね~。

この時点では、全部のシングルでも『17才』に次ぐヒット曲で、ライブでも大事に歌われていたようですね。

Mステに出演するときなんかは、超ミニスカの森高のイメージと真逆で、大人の落ち着いた感じの衣装を来ていたので、イメージを覆された人も多いのではないでしょうか?

まあ、化粧はケバかったので、

高級クラブのホステス

っぽくも見えたのですが(笑)。

おそらく森高の曲の中ではもっともキーが高い曲で、サビの高さが一段上がるところなんかは今では歌えないんじゃないかな?

それにしてもこの頃の森高は鼻声全盛だな。

6.『青春』1990年1月

『道』との両A面シングルです。

シングルなんて知らない世代のために説明しておきましょうか。

昔のシングルは主に2曲入りでした。

普通シングルは1曲目(A面)がメインで、CMや音楽番組でも頻繁に流されるのは1曲目です。

それに対し、2曲目(カップリング)はオマケというか、ちょっと意外性のある曲だとか、アルバムではボツになった曲を入れることが多く、こちらはほとんど顧みられることがありません(アーティストによってはクオリティが高かったり、大事にしたりしますが)。

で、『両A面シングル』というのは、2曲目をカップリングとは呼ばずに1曲目と同格のA面として扱います。

例えば、Mステに出演した時に、普通はA面の曲のみが歌われるのですが、両A面だと2曲とも歌うことになります。

そういうわけなので、この『青春』は

「『道』と同じくらい気合い入れて作ったシングル曲ですよ」

とアーティスト側が言っているも同然で、事実この曲はドラマの主題歌になってますからね。

どうりで、『道』に勝るとも劣らない名曲なわけです。

どっちかっつーと、こっちの方が好きだったな。

なんかメロディの展開がいかにも森高って感じだし、まさに斎藤英夫のソングライティングが冴え渡っている時というか。

ライブでもかなり重要な位置で演奏されます。

7.『臭いものにはフタをしろ!!』1990年5月

出ました問題作(笑)。

森高のことを「可愛いだけのアイドル」だと思っていた世のおじさんたちに強烈な一撃をカマせた曲です(笑)。

この歌詞の内容は、ロック全盛期(1960~70年代)を知らないで育った世代の人に対して、全盛期リアルタイムだったおじさん達世代がマウントを取ってくることに対して、反発している内容です。

「え?だって森高はロックじゃなくね?」

って思うかもしれませんが、一応、森高もタレント・芸能人ではなく、本格的にミュージシャンとして活動を進めていくに当たって、ビートルズやストーンズを聞き込み始めていたらしいんですよ。

ストーンズ来日の際にはドームにも見に行ったらしいですしね。

で、どうもそのあたりの時期に、おじさんたち世代から

「ストーンズの良さが分からないのならロックとしてはモグリだぜ。俺は10回ストーンズ観に行ったぜ」

みたいなことを言われて頭にきたので、事の顛末をそのまま歌詞にしてしまったという(笑)。

これはストーンズに限らず、皆さんも言われた経験、もしくはこういうおじさん見たことありません?

私もブログを書くので、アマゾンレビューなんかを隅々まで目を通すのですが、思いっきり上から目線でボロクソに作品こき下ろして、若い世代の人から猛烈な反発を浴びて軽く炎上している光景を見かけます。

私も彼らのような見苦しいおじさんにはならないよう、細心の注意をはらいながらブログを書いております(笑)。

そういう意味でも、森高の曲の中でかなり思い入れのある大好きな曲です。

痛快すぎる…。

8.『のぞかないで』1990年5月

シングル『臭いものにはフタをしろ!!』のカップリング曲です。

『森高ランド』ツアーの際には、まだ楽曲がリリースされていないにも関わらずオープニング曲として演奏されてました。

このツアーの時の森高自身のMCによると、もともとツアー・オープニング曲のために作られたナンバーなので、カップリング曲の割には存在感が抜群で光ってますね。

歌詞の内容はと言うと、着替えを覗いてきた実在の人物のことをボロクソに言っている内容。

推測するに、ライブ中に何度も服を着替える森高を、ドサクサに紛れて何度も覗いていた関係者(しかも結構立場の上の人)がいたようです。

AKBとかでもそうだと思うのですが、ライブの合間にバタバタと早着替えをしなきゃならないので、個室の楽屋に戻ってゆっくり着替えなんぞする暇はありません。

その辺の通路で着替えることになるので、普通スタッフは気を使って見ないようにしたりとか、そこを通らないようにしたりとかもするんでしょうが、その問題のおじさんは間違えたふりして何度も覗きに来ていた、と。

これが森高にとってはかなり屈辱的だったのでしょうね。

『臭いものにはフタをしろ!!!』どころではないくらい、辛辣にこき下ろしてます。

「名前言わないだけでもありがたいと思えこのやろ おまえだ」

本当、実名さらしそうなぐらいの勢い、いや“殺気“さえ感じます。

怖い怖い(笑)。

というわけで、このシングルはA面もB面も『怒りソング』になってて男性陣は逃げ場がありません。

皆さんも女性に接する際は気をつけましょう(笑)。

これ森高ランドツアーのオープニングで初披露されるんですけど、やたら歌詞が怒りまくってるんで、曲が進むにつれお客が

「い…一体なにがあったの…?」

ってポカーンってなってるのが笑える⇩

全然盛り上がってないじゃん(笑)。

ってか

「おまえだ!」

って歌詞があった後に客席に向かってぐる~っと指差すところとか怖いって(笑)。

9.『カップミュードル』1990年9月

森高の代表曲中の代表曲シングル『雨』のカップリング曲です。

ご存知NISSINのカップヌードルと“ミュードル”という言葉を合体させた造語です。

“ミュードル”っていう言葉は『ミュージシャン・アイドル』の略。

私も実は始めて聴いたのですが、この言葉は森高のようなアイドル半分ミュージシャン半分みたいなハイブリッドのアーティストを指した当時の表現みたいですね。

私が知らないってことは、当時だけ使われただけで現代では全く使われなくなったということでしょう。

それは森高のようなハイブリッド・アーティストが以降に現れずにジャンルとして形成されたなかった、ということも意味するわけで、森高の存在がどれだけ特殊だったのかが分かろうというものです。

カップヌードルと自分のようなミュードルをかけた理由は、即席でお手軽な存在だという森高なりの自虐ネタでしょうが、森高の場合、常に

「だけど何か文句ある?」

っていうナイフを隠し持っている感じが怖い(笑)。

10.『勉強の歌』1991年2月

代表曲『この街』との両A面シングルとしてリリースされましたが、こちらはアルバム『古今東西』には収録されませんでした。

このシングルジャケット、もうほぼホステスじゃん(笑)。

1991年、この曲が出た時点での森高の年齢は齢21。

こういう曲ってこんな若い頃に書く曲なんでしょうか?

「勉強はしないよりはしておいたほうが良いわ」

って歌う曲です。

若干17歳で上京して21才までの間の4年間でよっぽど後悔するようなことでもあったのでしょうか?

ちなみに私の21歳の頃なんて、

「勉強とか絶対するな!人生の時間の浪費だ!守りに入るな!」

ぐらいに思っていたのですが。

まあ、何でも良いのですが、とにかくこの曲は森高にとってちょっと珍しい曲なんです。

それは、自分よりも上の世代に噛みついていた森高が、初めて自分よりも年下の世代に語りかける

大人のお姉さん

としての境地を切り開いていることです。

オバさんたちがいくら語りかけようが全く耳を貸さなかったティーンエイジャー受験生たちが、こんなキレイなお姉さんのアドバイスを真摯に受け止め、どれだけ励まされたことでしょう!(知らんがな)

でもね?私は思うんですよ。

森高は勉強してこなかったからこそ

国宝級にぶっ飛んだ歌詞が書けるのだと。

だって、

「勉強にはニンジンと同じくらい栄養があるの」

とか普通書ける?

この曲って実はすごい曲で、シングル売上は18万枚で名曲『雨』と並び、この時点で『17才』の次に売れたシングルなんですよ?

11.『八月の恋』1991年6月

めっちゃ影の薄いシングル曲です。

だってこの曲ってライブでやってた?

まったく記憶にない。

悪い曲ではないのですが、扱いも大きくないし。

一応、オリコン6位になってはいるのですが。

12.『いつまでも』1991年6月

『八月の恋』のカップリングです。

まったく存在感のないA面に比べ、はっきり言ってこっちのほうがよっぽど存在感があります。

っていうか、『八月の恋』と比べるまでもなく、これは名曲ですよ。

『コンサートの夜』のような卒業・青春テイストと、『この街』のような自然・田舎描写がいいとこ取りされたような曲で、森高の得意なものがてんこ盛りにされてます。

これが良くないわけがない。

これこれっ!

こういう隠れた名曲を発掘することこそ、こういう記事を書く意義と言えるでしょう。

13.『彼女』1991年7月

ベスト盤『ザ・森高』収録のオリジナル楽曲です。

めっちゃ’80年代ハードロックっていう感じで、重だるい感じで進んでいきます。

遠距離恋愛をしているカップルの、彼女側の事情を赤裸々に歌詞にしました。

「急がないと、東京(?)から函館までフライトする時間が間に合わないわ」

っていう内容。

こういう歌詞って森高らしいというか、妙にリアルで具体的。

「2万ずつ出しあってアパートまで借りたの」

とか言った挙げ句

「こんなに夢中になるなんて 悩みがあるとすれば

お金ばかりなくなる」

・・・・・・・・・

森高節が炸裂しております(笑)。

「女って大変だな~」

とかあえて呑気なこと考えちゃうね(笑)。

だって、森高の歌詞読んでると

女には深入りしたくないな

って心底思いますもん。

14.『短い夏』1991年7月

これまたベスト盤『ザ・森高』のオリジナル楽曲です。

『森高=夏』というイメージ通りの歌詞なのですが、曲調は『私の夏』のようにイケイケノリノリというよりは、なんかちょっとアンニュイな雰囲気が漂うんですよね、なんでか分からなかったのですが、私は少し考えてみたんですよ。

「このちょっぴり寂しい、煮えきれない雰囲気って何なんだ?」と。

で、気づきました。

この曲には森高の詩における重要な存在が欠けているからだ、と。

それは

恋愛(恋人)

です。

思いっきり夏を満喫しているような歌詞なのですが、この曲調が

彼氏不在の夏を送っている

という哀愁を漂わせているんですよ。

こういう歌詞って実は森高では珍しいかも。

15.『ひとり暮らし』1991年10月

シングル『ファイト』のカップリング曲です。

私の考察によると、

『その後の私』『あるOLの青春』に続き、『続・あるOLの青春』の直前の

A子のお話

だと思われます。

なにやらわっちゃわっちゃこれまで言ってきましたが、結局、

田舎者の私は田舎に帰るべし

という結論に達したようですね。

もう迷惑がっているよし子のためにもそうしたほうが良いでしょう。

というより、今回はやたらと説得力のあるリアルな歌詞で、東京生活に疲れた森高の本音が9割くらい入っているんじゃないかな?

これね、歌として聴いているとそうでもないのですが、文章としてこの歌詞だけを読むと、最後の「もう寝よう」のところで

なんて自由なんだ!これ日記!?

ってなりますよ。

「もう寝よう」で終わるって最高っすね(笑)。

16.『続・あるOLの青春~A子の場合~ー森高コネクションー』1992年2月

やたらめったら長いタイトル(笑)。

そもそもこの『森高コネクション』って『おもしろい』の時から始まったのですが、これ付ける意味あるの?

曲に共通点があまり見いだせないのですが。

シングル『コンサートの夜』のカップリングであり、5作目アルバム『古今東西』収録の『あるOLの青春~A子の場合~』の続編です。

『その後の私』『あるOLの青春~A子の場合~』『一人暮らし』とつながっているストーリーのラストだと思われます。

タイトル的には『あるOLの青春~A子の場合~』の続編になるのですが、歌詞内容的には『一人暮らし』の続編とも捉えられます。

曲の雰囲気は『あるOLの青春~A子の場合~』に比べるともっとアンニュイで、ノリの良い曲ではありません。

ノリの良いことが取り柄だったのに、それさえもなくなると、

A子の性格の悪さが際立ちます。

ほんとに女の愚痴を延々聞いてるような憂鬱な気分になります。

まあ、ある意味では超リアルな曲ではあるのですが(笑)。

A子はよし子に愚痴を聞いてもらってるくせ、今回は

よし子に怒りの矛先が向き始める

というひっでぇ性格で、ぶっとんだ歌詞は相変わらずです。

これってこういう芸風?持ちネタなの?

『ひとり暮らし』では「田舎に帰ろう…」とかしんみりしてたのに、

「マスコミやアパレルなんかで自分を試したいの」

とかまた野心がムクムクと育ってきてます。

よし子…、友達辞めたほうがいいよ?

17.『自転車通学』1992年6月

代表曲『私がオバサンになっても』のカップリングです。

朝の爽快な自転車通学の時間を、

ガン宣告をされた人の余生

のように演出しました。

暗い、暗いぞ…。

悲壮感漂いすぎ(笑)。

どんだけ自転車通学嫌だったの?

終始、重苦しい雰囲気が漂います。

でもそれだけにリアルです。

気持ちはわかります。

私も熊本の片田舎に住んでいたから、高校まで自転車で片道50分もかかったんですよ。

冬に朝シャンした後に、髪を乾かさずに家を出ると、学校ついた時に

後頭部の髪が凍っていた

んですよ!?

とてもじゃないけどクイーンの『バイシクル』のような軽快な心持ちにはなりえません。

「どうして俺だけこんな距離をチャリで通わなきゃならないんだ。しかも

行きは強烈な向かい風で、帰りもまた強烈な向かい風

って一体どういう神のいたずらだ!?」

そんな気分で毎日通ってました。

それだけに、この曲を聞いた時は森高が

同士に思えた…。

森高も“立ちこぎ“とかしてたのかな…。

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