『吉井和哉自伝~失われた愛を求めて~』解散の理由から家庭事情まで赤裸々に告白した名著

本記事はプロモーションを含みます。

どうもsimackyです。

本日はイエローモンキーの偉大なるボーカリストロビンこと吉井和哉の自伝本

『失われた愛を求めて』

を読んで感じたことを語っていきたいと思います。

いつも音楽の解説をメインでやっている当ブログ『ひよこまめ』なんですが、音楽と違って本っていうのはネタバレをしてしまうので、書き方には注意しなきゃですね。

とは言うものの、アマゾンなんかの色んなレビューを読めばとっくにネタバレをしているわけですが。

そういうネタバレレビューを読むからこそ、より興味をそそられ、私も読む気になってしまったのですから、一概に悪いとも言えません。

そりゃストーリーものとか、特にサスペンスでネタバレしちゃうのは良くないとは思いますが。

それから、普段ウィキペディアを読みまくる私なのですが、結構、自伝から引っ張ってある情報が多いんですよね。

まあ、ウィキペディアを書いているのは、一個人であり、雑誌などの法人ではないのですから、自分で本人に取材をしているわけではないので、自伝やら音楽雑誌でのインタビューやらが情報元になっているものなんでしょう。

と、いうわけで、ネタバレ気にしてたら窮屈なので、気にしないで書きますね(笑)。

この本が出版された背景

この本は2007年に出版されています。

イエモンが完全に活動をストップしてからここまで丸7年。

この7年間のロビンはどうだったのか?から話していきましょうか。

イエモンは2001年1月の東京ドーム公演で活動を完全停止。

1月31日にシングル『プライマル。』がリリースされてますが、この曲も1年以上前に作られていたものをリリースしたに過ぎず、一切の活動は停止しております。

で、活動を休止した理由は、かなり色々あります。

本人も自伝で色々語ってあるんですが、

音楽的方向性の不一致

というのが結論になっちゃうかな~、ベタな言い方になりますが。

ロビンの語っている内容を突き詰めていくと、やっぱり結局はそこに行き着くんだと思います。

その違和感を感じながらも、『お仕事』と割り切ってイエモンを続けていく選択肢もあるのかもしれませんが、ロビン的には

「それはもはやイエローモンキーじゃないだろう」

ということです。

そこで気持ちをスパッと切り替えて、

「これからはソロとしてやっていくぞぉ!」

となれれば良いのですが、そうは簡単に行かないわけですよ。

とにかくイエモンという存在を引きずりまくって、後悔しまくってますから。

かつて、自分の演りたかったこと、イエモンとしてできることを『パンチドランカー』までで全てやり切ってしまった。

デモテープなんて凄すぎて、本チャンのよりも名盤になっていた、と。

次なる目標は、フジロックで感じた、世界の大物バンドとの間に高くそびえる壁。

それを乗り越えるために、次のステップとして、それまでのイエモンではやれなかった『さらなる次元』へ行こうとしたら、メンバーがなかなか付いてこれなかった。

「いや、違うだろう?もっとこういう風になっていかなきゃ10年後はないぜ?」

話し合いをしても全く理解してもらえないけど、契約はあるから一人ロンドンで『8』の制作作業を続けてたら、自分が一杯一杯で限界になっちゃった。

「自分が色々なことを要求しすぎて、バンドが活き活きと演奏しなくなった」

なるほど、道理で『8』の作風だけがガラリと違うわけです(『8』は好きなアルバムなんですが)。

だから、活動休止に踏み切った。

けれども、休止後に一人で作り始めたら、泥沼化しちゃった。

バンドとしての制作方法には慣れていても、一人で作る方法が分からない。

自分には『さらなる次元』を具現化するスキルがまったくないことに気がついた。

「あれ?あれあれ?おかしいな。こんなはずじゃなかったのに…」

完全に迷子になって、宅録を続けたものを客観的に聴くと、とてもメジャーなアーティストとして人前に出せるようなものじゃない。

「このままじゃいけない!」

と、アメリカと日本を行ったり来たりしながら、ボロボロになって必死に作り上げたソロ1st アルバム『アット・ザ・ブラック・ホール』は散々にこき下ろされる(本人は自伝で「傑作」と呼んでますが)。

『アット・ザ・ブラック・ホール』

3年もかけて作ったのに。

あれだけお金もかけたのに…。

何がいけなかったのか?

「まだイエモンという『逃げ場』が残っているからだ。その僅かな希望にすがっている『甘え』があるから、こんな事になってしまうんだ」

そう感じたロビンは2004年2月にソロ1作目を出した後、7月にイエモンを正式に解散させます。

解散と同時に山梨の自然いっぱいの環境に引っ越すが、都会での暮らしを創作活動の源泉としていたロビンにとって、刺激のない山梨の暮らしではいい曲が書けない。

「もうこのままじゃ自分は曲が書けないんじゃないか?こんな暮らししていて良いのか?」

幸せな家庭生活だけど、それと相反して上手くいかない創作活動。

ソロ2作目『ホワイト・ルーム』も3作目『39108』も納得の行かない出来(そんなに悪いか?)。

『ホワイト・ルーム』

『39108』(さんきゅー・ひゃくはち)

そして長年の不満が爆発する夫婦喧嘩。

愛人作って家を出るロビン。

おいおい、まだ地下スタジオも完成したばかりの新築の家なのに?

さらには母親とも大喧嘩になり、子供の頃からの不満をぶつけます。

もうひっちゃかっちゃ(笑)。

音楽活動は上手くいかない、家庭も崩壊、母親とも絶縁。

で、しまいには結局その愛人とも分かれて「一人になりたい」。

う~ん…この物語ってまさか…

バッドエンド?

背中に何やら冷たいものが流れます。

「よもやこの本を出版した直後に自殺してしまうんじゃないか?」

ってくらいの勢いで不穏な空気が漂います。

おいおい、残りページ僅かなんですけど。

終わっちゃうの?

この流れで?

頼むからそんなことやめて?

けど、ここから話は好転して、妻も、母も、そしてロビン自身もお互いを傷つけ合い、想いをぶつけた先に和解していくんですよね。

妻はロビンが家を出ていったことで180度変わり、それまで愛を求めるだけだったのから愛を与えることを学ぶ。

母は息子から、子供の頃からの『願望=愛への飢え』をぶつけられ、反省。

ロビンは妻が変わってくれたし、母にはずっと言いたかったことを伝えたし、事務所も退所したし。だんだんと、前途が明るく見え始めます。

ソロ4作目のアルバムも音楽もいい感じに仕上がってきたし。

ああ、良かった(笑)。

よもや300ページ近くある本の

ラスト10ページくらいでハッピーエンド

に巻き返すなんて!

「ウソでしょ!?」

って感じ。

で、

「さて、この激動の人生を振り返ってみようか」

と、出来上がったのがこの自伝なんです。

時は2007年、まだまだイエモンが再結成する9年も前のお話なんですね。

いや~、けっこう感動しましたね。

ホントにタイトル『失われた愛を求めて』のまんまの人生。

凄い物語です。

ってか、本はハッピーエンドで終わってるのに、

直後(2008年)に離婚しちゃうんですけどね。

・・・・・・・

それ何?

まさかの次回予告?

私ね、普段はワイドショーとか大嫌いで観ないのですが、「ゴシップとか糞だぜ!」っていう人間なんですがね。

でも、こんな風に物語みたいに読んできたら、続きが気になってしゃあないです。

「な、何があったの!?あの流れからなんで離婚した!?続きが読みてぇ!」

次週のドラゴンボールを待つジャンプ読者

みたいになっとります。

「オラ、わくわくすっぞ」です。

こりゃ、『吉井和哉自伝』を出すしかありませんな(笑)。

吉井和哉という男は真のロッカーであり、立派な父親である

それにしてもロビンっていうお人は、かっこつけない。

無様な自分まですべてさらけ出す。

スケベな自分、うぬぼれた自分、甘ったれな自分、弱気な自分、腹黒い自分…。

レビューとか読んでると

「音楽はすごいけど人間的には最低」

とかいう声もあるのですが、そういう人に対して私は

「じゃあ、オマエはどうなんだ?」

と問いたい。

清廉潔白な人間、完璧な人間なんてほぼほぼいません。

そんなものは皆隠しているだけなんですよ。

全てをさらけ出せば、人のことを堂々と指させる人なんていやしないんです。

テレビではワイドショーなんかで、芸能人の不倫とか話題にしてヤンヤ言ってますが、言ってるヤツだって不倫してますから。

ネットの炎上だってそう。

「人のことそんだけ叩けるほど、テメェ様の人生はそんなに潔白なんですか?」

と私は言いたい。

みんなコソコソ隠してるだけでしょ!?

ロビンのように、あの渋谷陽一さんにマイク向けられて堂々と全てを語れますか、あなた?

この本、ちなみにインタビューを起こしたものですよ?

目の前に渋谷さんがいるんです。

そして世の中の多くの人たちに読まれるんです。

万人の前に全てをさらけ出せる強さ、持ってますか?

ついこの前に読んだ、LUNASEAのSUGIZOが出した自伝では、ここまでみっともない部分を晒しきってはいませんでしたね。

ロビン、あんた誰よりもロックだ。

それにね、ロビン頑張ってますよ?

すごい奥さんを、子どもたちを大事にしてる。

デビュー年に結婚したんだから1992年ですよ?

そこから2008年に離婚するまで、色々あっても別れない。

これは驚きました。

芸能人って、もっと簡単にあっさりと結婚と離婚を繰り返すのが当然と思ってたから。

あの激動のイエモンの活動期を丸々一緒に過ごしてるんですよ。

2バツ3バツ当たり前じゃないですか、普通。

そこから多少、女遊びやら浮気はしちゃったにせよ、別れないんですよ。

「ごめんなさい」

って素直に謝って、毎日毎日奥さんに罵られようとも耐え続けるんです。

同じ男としてこれは無理かな。

自分だったら辛すぎて離婚選ぶかも…。

まあ、私は浮気したことないんで分かりませんけど(笑)。

自慢じゃないけど、

モテたことないんで。

無責任に父親としての責任を放棄して離婚なんてしないのは、同じ男として、同じ父親として偉いと思いますけどね。

別れないどころか、パンチドランカーツアーの時は、ツアー中にノイローゼになっちゃった奥さんを常に帯同して面倒見たり、人気の絶頂期でさえ子供の運動会に欠かさず行ってたんですよ?

顔が割れてるのに親子競技まで参加したりして。

酒もやめて、飲みに行くのも辞めて、女遊びも辞めて。

自分の生き方を180度変えてまで家族に尽くしてたら、いい音楽生まれなくなったって…。

切な過ぎじゃねぇかよぅ、ロビン…。

あんた、頑張ったよう。

いいじゃねぇかよぅ、男なんだから浮気の1つや2つ。

う~ん、なんか感情移入しすぎて同情しちゃってますが。

この本の内容にしても、私の感想にしても、おそらく女性読者からすると

ブチ切れられるんでしょうけど。

『吉井和哉自伝~失われた愛を求めて~』解散の理由から家庭事情まで赤裸々に告白した名著” に対して2件のコメントがあります。

  1. 匿名 より:

    もう全アルバム解説終わって、イエモン記事も終了かとさびしく思っていたところ、自伝の解説まで。嬉しいサプライズでした。ありがとうございます。

    1. simacky より:

      コメントありがとうございます!
      イエモンに関しては一旦、20記事まで行ったので、ペースは落としますが今後も続けて行こうと思ってます。
      吉井ソロがイエモンに比べて聞き込みが全然足りていないので、今、聞き返しているところです。
      そちらはぼちぼちアップしていきますので、お楽しみに!

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