XJAPAN・TAIJIのベースプレイと生き様を語る

こんにちは!

Simackyです。本日はXの元ベーシストTAIJIを語っていきますよ。

TAIJIの加入と解雇の理由

TAIJIはXの発起人YOSHIKIとTOSHIに継ぐ3人目のオリジナルメンバーです。

インディー時代のXは「元Xが20人以上はいる」と言われる程の激しいメンバーチェンジを行っていました。

これはプロ志向の強いYOSHIKIがスタジオ練習をとにかく詰め込むため、アルバイトで生計を立てているメンバーがその練習時間に付き合いきれない、という原因が多かったらしいです。

そんな中、ディメンシアというバンドでベースをしてたTAIJIに目をつけたYOSHIKIはXに誘います。

この時TAIJIは

「え?なんで格下のXに俺が入んないといけないわけ?オマエがこっちに入らせてくれっていうのなら分かるけど。っていうかXの音楽って歌謡曲みたいで嫌いなんだけど」

と思ったらしいのですが、酒飲み友だちになっていくうちにYOSHIKIやTOSHIの人間性が好きになり、音楽性を超えた仲間意識で加入します。

しかし、この頃のXのギタリストはあまり上手くなかったため、そのギタリストをクビにすることを条件にしました。

このギタリストというのはYOSHIKIと同郷から一緒に上京してきた友人で、その友人を切ってまでTAIJIを入れたいと思うほど、TAIJIに可能性を感じたのでしょう。

しかし、しばらく活動した後に「やっぱりなんか違う」といってTAIJIはあっさり脱退します。

意外にも喧嘩別れというわけではなく、

「人間的には好きなんだけど俺とお前の目指す方向性はやっぱ違うみたいだね」

っという別れ方だったらしいです。

その後TAIJIは、別のバンドを組もうと試行錯誤しますがなかなかうまく行かず、そんな時に久々に街でYOSHIKIとばったり再会します。

久々に酒を酌み交わした二人は意気投合(TOSHIも合流)。

この時のことをTAIJIはインタビューでこう思い出しています。

「なんか久々に2人と飲んだらすっげぇ愛おしくなってきちゃってさあ。もう音楽的なことはどうでも良くなって2人と一緒にただ居たかったっていうかさぁ。それにYOSHIKIとならなんかできそうな気がしてきたんだよ」

そこからはYOSHIKIの家に転がり込み、「Xと心中する!」と腹をくくったTAIJIは歌謡曲っぽいそれまでのXの楽曲を片っ端からロックアレンジしていきます。

「やれるかどうか、じゃなく、やるしかなかった。完全に腹くくってた」

昼間はアレンジ、夜はライブハウスにメンバー探しに行っては大喧嘩…という毎日を送っていたらしいです。

そう、この2人は親友であり戦友なんですよ。

一般的には

『YOSHIKIとTAIJIは音楽性が対立してて、YOSHIKIの決定にTAIJIがすぐ反対してばかりだから、最後はYOSHIKIがTAIJIをクビにした』

っていう話が定着してるでしょ?

まるでYOSHIKIが絶対権力者のように叩かれてもしてました。

けれども私の見解は全く違います。

音楽性の不一致や意見のぶつかり合いなんてもんは最初っからあったし、その上でTAIJIはYOSHIKIといることを望んでXに入ってきているわけですから。

実はTAIJIは、クビになる前の次点で他のメンバー(hideなど)やスタッフと誰とでも衝突する問題行動が目立っていて、そのことは2人の自伝にも書いてあります。

生前のHIDEが

「YOSHIKI、俺はもうTAIJIとはやっていけないよ!」

と詰め寄るシーンもYOSHIKIの自伝で描かれます。

おそらくリーダーのYOSHIKIは限界までTAIJIをかばっていたんじゃないかな?

問題行動ばかり起こす弟分を見守っている感じというか。

TAIJIってYOSHIKIとTOSHIの間に唯一分け入れる兄弟のような存在として受け入れられていたように見えるんですよね。

なので、YOSHIKIはTAIJIをどうにかXに残して上手くやっていくために『ある誓い(約束)』をさせたんだと思います。

「いいか?これだけはもう2度とするなよ」

と。

しかし、

「TAIJIはその『約束』を破ったから解雇した。ああするしかなかった。じゃないとバンドが崩壊していた…」

と、YOSHIKIは言います。

この『約束』がなんだったのか?

ドキュメンタリー映画『We are X』でもインタビュアーに質問されていますが、YOSHIKIは頑なに拒否します。

YOSHIKIは『自分に逆らうTAIJIをクビにした』という汚名を被っているわけですから、TAIJIの非を説明すれば自分の汚名は返上されるはずなんですよ、本当は。

けれどもそれをYOSHIKIがしないのは、TAIJIの名誉を守っているようにしか私には思えません。

TAIJIの役割

今ではXの作曲者と言えばYOSHIKIの次にHIDE(hide)の名前が挙がるでしょう。

しかし、初期のXの頃は『Xにおけるナンバー2はTAIJI』と言われていました。

Xで随一の演奏技術

まず何よりもダントツの演奏技術。

リズムが不安定なYOSHIKIに対しては平然とダメ出しし、YOSHIKIをして

「俺にとってリズムの先生はTAIJI」

と言わせるほど。

また、『スタブ・ミー・イン・ザ・バック』のような超高速のギターリフが加入当初に上手く弾けなかったPATAやHIDEに弾き方を指南したのはTAIJIです。

またHIDEからは、TAIJIがクラシックギターで作曲した『ボイスレス・スクリーミング』を指して

「あんな難しいの俺には弾けない」

とまで言われています。

「ブルーブラッド・ツアー」時のライブ映像はYou Tubeなどにもたくさん見つかりますが、ベースソロでは得意の高速タッピングを見せつけてくれますし、「サディスティック・ディザイア」ではファンキーなスラップベースも弾きこなすなど、「できないプレイはないのではないか?」とさえ思わせるほど万能プレイヤーです。

異常に上手い。

アレンジャーとしての腕前

TAIJIが語っているようにXのインディー期の序盤は、ライブ見ても分かるように本当に歌謡曲っぽいです。

『紅』も今ではスラッシュメタルアレンジですが、当時のはもろに歌謡曲です。

あの歌謡曲をここまで激しいスラッシュメタルに生まれ変わらせたのがTAIJIなんです。

YOSHIKIは類稀なるメロディを生み出せる才能をもっているのですが、ことロックアレンジに関してはギター、ベースが得意ではない分、いくぶん弱いと感じます。

それはやはり解散後にメンバー不在の中で作られた『I.V』を聴いた時にも感じました。

『紅』のような名曲というのは、メロディがいいだけではなくアレンジもしっかりしていないと名曲足り得ないのです。

Xのトレードマークである激烈に速いスラッシュメタルと、まるでアニメソングのような歌謡曲のメロディが同居できたのは、TAIJIのアレンジ能力によるところが非常に大きいのです。

作曲者としてのTAIJI

オールマイティなTAIJIは作曲でも能力を発揮します。

実験的で前衛的な作風のインストゥルメンタルである「GIVE ME THE PLEASURE」「XCLAMATION」をHIDEと共作で生み出しました。

またXのカラーとは全く違うLAメタル風の「Desperate Angel」、クラシックギターの大作「Voiceless Screaming」など、独自のセンスを持った楽曲をXに持ち込んでいます。

サウンドプロデューサーとしてのTAIJI

おそらく名盤と噂を聞いて『ブルーブラッド』を手にした多くの後追いファンが驚くのはその音の悪さ

長年Xを愛してやまない私でもこればっかりはフォローできません。

インディー作の「バニッシング・ヴィジョン」は制作費が少額であるため仕方ないにしても、メジャーに移ってからでもサウンドがあまり進歩していません。

この事に対し最も問題意識を持っていたのがTAIJIでした。

次作『JEALOUSY』の制作ではLAに渡るのですが、使命感を持って渡米したTAIJIは現地の最新のサウンドを貪欲なまでに取り入れます。

YOSHIKIも

「TAIJIはXのサウンドプロデューサー」

と呼ぶほど認めており、TAIJIのプロデュースで『JEALOUSY』では劇的に音質が向上しました。


はい、今回はXのキーマンであったTAIJIを語ってきました。

Xの初期ライブに彼の名演はたっぷり観ることができますのでYou Tubeで探してみてください!

 

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