『ソー・ヤング』イエローモンキー~アルバムに入れてもらえなかった悲劇の名曲~

本記事はプロモーションを含みます。

どうもSimackyです。

本日はイエローモンキーが1999年にリリースした18作目のシングル

So Young

(ソー・ヤング)

を語っていきますよ。

イエモンファンにとっては屈指の人気曲

さて、この楽曲紹介シリーズもいよいよ大詰め。

今回はイエモンファンからもかなり支持されている『ソー・ヤング』なんですが、『イエモン・ファンズ・ベスト・セレクション』での人気投票で堂々の

6位

になってます。

しかし、それほど人気が高い楽曲であるにも関わらず、シングルとしては前作の『マイ・ワインディング・ロード』と同様、オリジナルアルバム『8』へは未収録となりました。

『8』

これはロビン曰く

「最新作にはイエローモンキーは入れるべきではない」

とのことで、次作『バラ色の日々』以降のシングル4枚は“イエローモンキーの楽曲“ということで全て収録されました。

「何が“新“で何が“旧“なのやら私にはさっぱりでございます」

という方のために一応説明しましょう。

実は『バラ色の日々』からの3作、『聖なる海とサンシャイン』『ショック・ハーツ』は外部プロデューサーとのコラボ企画シリーズ、通称『実験3部作』と呼ばれており、ロビンとしても意図的に“それまでのイエモンらしくないもの“を目指して作っています。

なので『バラ色の日々』からはサウンドや雰囲気が結構変わってると言われています。

まあ、個人的には『聖なる海とサンシャイン』『ショック・ハーツ』はともかく、『バラ色の日々』に関してはまだイエモンらしさが十分残っているとは思っているのですが。

『ソー・ヤング』を境目に新旧のイエモンを分けた理由にはもう一つ重要な理由があります。

『ソー・ヤング』リリース後に長かったパンチドランカーツアーが終わり、一旦休憩を挟んだ後にニュー・アルバム『8』の制作に取り掛かるのですが、ここでメンバーが揃いにくくなっちゃうんですよ。

ロビンの自伝によると、この時期は各メンバー、プライベートで色々あったらしいです。

これはビッグになってしまったバンドでは珍しいことではありません。

しかし、イギリスのスタジオで作業を進めているのはほぼロビンだけという状況が増えます。

これに対し、ロビンは不満を爆発させ、ついに『解散』『脱退』という発言まで出てくるんですよ。

しかし、ここでかつて『JAM』を売り込んでくれたコロンビアの中原さんが死去したために、

「今後のイエモンに関して、ちょっと今は冷静に打ち合わせができる状態じゃない。一旦休もう」

ということで、解散の話は一旦は流れ、休みに入ります。

で、ロビンの中では気持ち的に一旦終わってしまったイエモンというバンドをもう一度やっていこうという、新たな決心をして、いや、「まだやっていけるかも」という淡い期待にすがって再始動するわけですよ。

なのでこの頃のロビンには「もうイエモンは終わってる」っていう絶望感と「まだもうちょいはやれるかもしれない」という淡い希望が錯綜しているのが分かるんですよ、色んな発言を読むと。

で、心機一転で新たな作品を作ろうと決めたので、以前のイエモンの作品を収録する気にならなかったのかもしれません。

というわけで、可哀想なことに“旧イエモン“扱いされた『悲しきソー・ヤングボーイ』と『マイ・ワインディング・旧道』はアルバム収録を見送られ、初回限定盤のみディスク2として一緒に収録される形となりました。

いや、勝手に曲名変わってるし(笑)。

(ちなみに『悲しきアジアンボーイ』『マイ・ワインディング・ロード』を上のタイトルで歌い直してみてください。見事にハマります)。

私はシングル買わない派なので、当然シングルじゃなくてアルバムで聴きました。

私はこの初回限定版を買ったときのことを今でも覚えてますが、まあ、その当時はディスク2しか聴かなかった(笑)。

『8』は当時、私がイエモンに求めていた音楽性からかけ離れすぎてついて行けなかったんですよ。

「ヘヴィだのオルタナだのは大好きだけど、別にイエモンでそれを聴かなくても他で間に合ってます!イエモンはイエモンらしいこと演って!」

って気持ちだったんですよ。

『8』を受け入れることができるようになって聴きまくるのは、しばらくしてからじゃないかな?

きっかけは『サイキックNo.9』をバンドでカバーしてからで、今ではかなり好きなアルバムになってますが。

しかし、当時の私の求めるイエモン像を体現してくれていたのは『マイ・ワインディング・ロード』と『ソー・ヤング』だったので、

「これこれ!これだよ!で、なんでディスク分けてあんの?」

みたいな(笑)。

まあ言うてもほぼ「マイ・ワインディング・ロード」がお気に入りで、「ソー・ヤング」は当時はあんまりピンときてませんでしたね。

けれども、聞けば聞くほど年々好きになってくるんですね~。

私にとってはイエモンの『じわじわ系』ナンバーの中で筆頭の曲が『ソー・ヤング』です。

『ソー・ヤング』の内容

この曲の歌詞は『若さ』という共通したテーマでの2部構成という、ちょっと変わった特色を持ってます。

前半は明らかに青春時代の恋を歌っています。

けれども後半は『終わりのない青春』という表現で、バンドのことを歌っているのだと思われます。

バンド始めるときって青春の1ページだと思うんですよ。

それは恋も同じ。

けど、青春時代の恋が一過性のもので終わってしまうのと違い、バンドっていうのは軌道に乗ってしまうとそのまま続けるわけですよ。

それが『終わりのない青春』ということなのかな、と。

『それを選んで絶望の波に飲まれても』というのは、バンドで生きていくという決断を下してやっていっても、耐えられないような苦痛も伴うということでしょう。

まさに『パンチドランカーツアー』113本を演っている最中に生まれた歌詞ですね。

2部構成と言うよりも恋愛の青春とバンドという青春を対比させているのかな?

これ以上、私がここであーだこーだ言うのは野暮ってもんです。

聴く人皆が勝手に好きなように解釈すれば良いわけで。

それにこの歌詞はあえて幾通りもの解釈ができるように意図されていると感じたのでね。

私のスタンスとしては、

「作り手はこんな想いを込めてるんだよ」

ということを伝えたいわけじゃなく、

「歌詞ってのは皆が好きなように解釈して良いんだよ」

ってことを伝えたいので。

ロビンはこの曲にかなりの思い入れがあるらしく

「自分が死んだ時に流したい曲」「イエモン究極のラブソング」

と語っていますが、確かに1999年3月のリリース前である1999年1月からはパンチドランカーツアーのラスト曲が『ソー・ヤング』になってます。

つまり1年にも渡るパンチドランカーツアーの最後の3ヶ月は、全てこの曲でライブを締めているわけですよ。

イエモンにとってかなり重要な楽曲だということがわかりますね。

これを聴いたことがないという人はファンから軽蔑されるかもしれません(笑)。

あ、それからシングルにカップリングで入っていた『ニューヨーク・シティ・ルーザー』は、イエモンのダラダラロック感がたっぷり詰まってて、かっこ良いですよ。

こういう風な楽曲にイエモンの洋楽臭さが一番出てるんだよな~。

「ソー・ヤング」「ニューヨーク・シティ・ルーザー」が収録されたベストアルバム⇩

「ソー・ヤング」のライブバージョンが唯一収録されているのがこちら⇩
 

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