「メタル・マスター(マスター・オブ・パペッツ)」メタリカ:重要録音登録された『ヘヴィメタル』の代名詞!

Simacky(シマッキー)です。

本日はメタリカのアルバム『マスター・オブ・パペッツ』を私なりに語っていきます。

ヘヴィメタルの文化遺産とまで呼べる作品のご紹介ですよ。

皆さん、ちなみにヘヴィメタルは好きですか?

このブログにたどり着かれた方の中にも色々な方がいらっしゃるかと思います。

「ヘヴィメタルは好きだけどメタリカはずっと聴いてこなかった」

「ヘヴィメタル自体聴いたことないけれど、メタリカは有名すぎるから少し興味があった」

そんな皆さんに全て応えられるようこのアルバムをしっかりプレゼンしていきますからね。

それではいってみましょう!

ジェイムズ「OOOOOHHHH YEEEEAAAAAH?」

(テメーら帰ったらうがいしろよ?)

“国家保存重要録音登録”「ヘヴィメタル」の代名詞

さて、メタリカの代表作を本日は語っていきますよ。

ローリングストーン誌の『歴代最高のメタルアルバム100選』企画においてブラック・サバスの『パラノイド』に続く堂々の2位

メタリカの人気アルバムランキングでもほぼ1位の座が揺らぐことはないでしょう。

このアルバムに対して、あえて言いましょう。

「That’s Heavy Metal(ザッツ・ヘヴィメタル)」と。

なんとこのアルバム、人気投票どころの話ではなく、アメリカ議会図書館が選ぶ“国家保存重要録音登録”にまで選ばれてます。

文化的・芸術的に重要な録音物を保存することを目的とした制度で、ヘヴィメタルとしては初めて登録されたのがこのアルバムです。

民間ではなく国家の認定!

だからグラミー賞よりもさらに格式が上。

イメージ的には、グラミー賞のメタル部門の歴代受賞者の中でさらにナンバーワンを決めたようなもの。

本作はこの世にある全てのヘヴィメタル作品の代表選手というわけです。

メタルの代表なので、メタルが嫌いであればこのアルバムが嫌いということ、このアルバムが嫌いということはメタルが嫌いということになります(笑)。

って駄目です。そういうこと言っちゃ!

こういうこと言う奴がいるせいで、本作を聴いて好きになれない人が

「オレ、メタルには向いてないみたい…」

とか落ち込んで荒行に身を投じるんですよ。

高野山の滝に打たれてるあの人たち全員そうですからね、実は。

そうだったの?

んなことしなくても全然、大丈夫です。

本作が好きになれなくても、好きになれるメタル作品はたくさんありますからね?

まあ、冗談はさておき、「ヘヴィメタルの代表」と位置づけるにはいささか攻撃的すぎるアルバムであり、

「3500万枚を売った5作目の『ブラック・アルバム』の方がそう呼ばれるにふさわしいのでは?」

という声も当然あると思います。

しかし、これは何枚売れたとか、一般市民に普及させたとかそういうことが基準ではないのだと思います。

このアルバムが後のミュージシャンたちに与えた影響力という点、

または「ヘヴィメタル」という要素の純度の高さですかね。

かつて「世界一速いバンド」「あんなものは音楽ではない」と音楽雑誌に書き立てられ、その音楽性を支持するアンダーグラウンドのリスナーたちにとっての英雄でしかなかったメタリカ。

そのメタリカがメジャーシーンに打って出て、チャートでは29位を記録、当時初のゴールドディスク(50万枚)を獲得した記念碑的な作品です(現在では600万枚以上)。

音楽雑誌にはこき下ろされながらも、音楽的な妥協をせずにやり遂げた快挙ですね。

自分たちの信じた道でメジャーシーンをねじ伏せたわけですから。

おそらくヘヴィメタルリスナーがイメージする究極の理想像を具現化したのがこのアルバムではないでしょうか?

また

「こんな音楽をやっていても日の当たる場所に堂々と出ていっていいんだ(失礼!)」

と、後続のミュージシャンたちに計り知れない勇気を与えたと思われます。

もちろん影響を与えたのはセールス結果だけではありません。

このアルバムに収録されている珠玉のようなリフの数々に世界中のギターキッズが酔いしれ、

『未来のメタリカ』を目指して日夜、練習に明け暮れたことでしょう。

メタリカは5作目『ブラック・アルバム』以降、

「もう少し腰を落ちつけたらどう?」

と言いたくなるほど、その音楽性を変えていきます。

ファンからは「METALLICAじゃなくROCKALLICAだ!」と揶揄(やゆ)されるほどに。

それでもどの音楽性でもビッグヒットを連発しているので、いろんな層のファンを取り込んでいます。

どの時代で入ったかでメタリカの最初の印象は全く違うんですよ。

どの時代も差はあれども私は好きですが。

私は4th『アンド・ジャスティス・フォー・オール』→5th『ブラック・アルバム』→6th『ロード』ときて、この3rdに出会いました。

その時に受けた衝撃たるや・・・。

『ブラック・アルバム』にもかなりの影響を受けたつもりでいたのですが。

この3rdアルバムが本当の意味でのメタリカとの出会いでしたね。

それは私が生粋のメタラーだからという理由ではありません。

その答えは、おそらく聴いていただければ自ずと分かります。

トレードマークの超スピードナンバーは健在

このアルバムでも「世界一速いバンド」と呼ばれた超スピードナンバーは健在です。

#1はスラッシュメタルファンにとってのアンセムとなった曲で、ライブでオーディエンスが頭を振りまくっているのが容易に想像できますね。

アコースティックな調べが終わったら、後は余計なこと何も考えないで、ただただこの曲から発せられる怒涛のエネルギーに身を委ねるのみ(笑)。

すごく純粋なヘヴィメタルソングですね。

#5はただごとならぬ緊迫感で始まり、突然疾走し始めます。

しかし速い。

なんだこの職人芸のように洗練されたリフは・・・。

このアルバムの何がすごいかって、この粒のきれいに揃った芸術品のようになめらかなリフなんですよ。

スラッシュメタルビッグ4とは言っても、このリフの完成度の高さは頭一つ抜けています。

ジェイムズ・ヘットフィールドがリフマスターと呼ばれるのが分かるナンバーです。

しかもリフの美しさだけじゃなく、この曲、中盤でスローな展開を見せ、ものすごく泣きのメロディが入るんですよ。

ヘヴィメタルあるあるのわざとらしさがなくてすごく好きなパートです。

#8はこれまたでたらめに速いラストナンバー。

静と動のコントラストが美しく、静で始まったかと思うと、怒涛のように突っ走ってピタッと止まる。

この無音空間の緊張感がたまらないんですよねこの曲。

メタリカナンバーワンのスラッシュナンバーと呼ぶ人もいる隠れ名曲です。

大作主義の構成力

このアルバムは疾走するスピードナンバーに挟まれる形で、ミドルテンポな曲が配置されます。

そのどれもが秀逸。

大作主義的で曲の途中から展開がガラッと変わります。

このアルバムが前作から大きくスケールアップしたと感じるのが、インスト部分(ヴォーカルない部分)にかなりの時間が割いてあり、

そのどれもがリスナーを引き付けてはなさないところです。

#2は言わずとしれた超ド定番ナンバー。

このオープニングのリフをどれだけのギターキッズが練習したことでしょう。

下手すると私のようにドラマーでもスタジオ練習中に「ちょっと弾かせて」とこの部分だけを弾いていましたからね。

ギターソロはとにかく泣かせます。

#4はバラードと呼んでいいのかな?

私は一応そのような扱いをしております。

これまた終盤にいきなり疾走し始め、ここから一気に緊迫感が高まります。

ラストのカークの泣きのギターは、、、、。

個人的にカーク・ハメットの最高のギターソロです。

一体このアルバムは何回私を泣かせるんでしょう。

強い影響力を持っていたクリフ・バートンの死

ディストーションをかけたクリフのベースラインが印象的なインストゥルメンタルナンバーです。

この曲も展開の仕方が大きいですね。

このアルバムリリース後のツアー中に移動バスの事故でオリジナル・メンバーでベースのクリフ・バートンが死んでしまいます。

歴史に残る傑作を3作続けてリリースし、時代を切り開いてきた黄金ラインナップがこのアルバムで最後となります。

メタリカと言えば印象的なリフなのですが、そんな中でもこのクリフはかなり存在感のあるベースを弾きます。

また、ベーシストとしてだけではなく作曲面に関しての影響力も大きいです。

基本的にメタリカはジェイムズとラーズの主導で作品を作っていくのですが、そこに分け入ることのできた唯一の存在だったんですね。

1stアルバムの頃からベースが主役の曲が必ず1曲はあります。

さらに彼はステージでの存在感も凄い。

全身デニムというあんまりメタルでは見かけない出で立ち。

長身で、長い脚をモニターに足掛け、長い髪を振り乱しながら数々のスピードナンバーを指のみで弾き倒す姿はかなりインパクト強いです。

悲劇的な死ということがなくても、おそらくベーシストとして歴史に名を残す伝説のベーシストになったことでしょう。

彼が残した最後の作品という点から見ても、やはりこの『マスター・オブ・パペッツ』は二度と生まれることのない傑作と言えるのではないでしょうか?

『マスター・オブ・パペッツ』をオススメしたい人

メタルを聞いている人で聴いていない人は皆無と呼んでもいい作品なので、メタルファンには色々言う必要はありません。

ただ「一回聴いてみて」と言うしかないですね。

邦楽の激しいバンドが好きな方

日本のメジャーなバンドの中にはそれと認識されていなくても、いわゆるスピードメタルと言うジャンルに片足突っ込んでいるようなバンドがいます。

XJAPANや陰陽座、セックスマシンガンズ、アニメタルなんかがそうです。

これらのバンドでメタリカというバンドの影響を受けていないバンドはいません。

それらの音楽を聴いたことがある、もしくは好きな方。

私などは熱烈なXファンということもあり、まずは洋楽をほとんど聴かないといった方でも、Xjapanの音楽が好きだという人に聴いてもらいたいです。

というより聴かせてきました(笑)。

特に『紅』『サイレントジェラシー』といったドラマティックに展開するリフがザクザクのスピードナンバーが大好きという人は聞かないと損しますよ。

ゲームサントラが好きな方

それから私は昔ゲーマーだったこともあり、ファイナルファンタジーに代表されるRPGなんかが大好きなのですが、戦闘の攻撃的なBGMが結構好きだという方にもおすすめ。

ゲームサントラのバトルのBGMにはメタルやプログレの要素がふんだんに盛り込まれており、実はそれと知らずメタルの洗礼を受けているはずです。

グランジ/オルタナティブロックが好きな方

ニルヴァーナ以降に始まる’90年代オルタナティブがリアルタイムだった方は、「ヘヴィメタルはダサい」の風潮をモロに受けた世代でしょう。

私の周りでもニルヴァーナでロックに入った人は、初めからメタルを毛嫌いしている人が多かったですね。

しかし、彼らが否定したヘアメタルとも産業ロックとも言われた’80年代ヘヴィメタルとメタリカはまったく真逆の存在です。

というより、真逆だからアンダーグラウンドのヒーローだったわけで。

きらびやかなファッション、ヘアーセット、ゴージャスなライブなどとは真逆の、硬派すぎるスタイルはグランジ/オルタナティブのリアリティと根底で通じるものがあります。

食わず嫌いはもったいないですよ。


メタリカに関するすべての記事はこちら

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です