『カニングスタンツ』メタリカ 脂の乗り切った旨みたっぷりのライブ

どうもSimackyです。

本日は1998年に発売されたメタリカのライブDVD

『カニング・スタンツ』

を解説します。

『Live Shit! Binge&Purge』に続き、聞き慣れない英単語ですね。

っていうかこれカニングって読めないでしょ、普通。

買った当時はずっと「チューニング・スタンツ」だと思ってました(笑)。

「Cunning(カニング)」は「悪賢い」、「Stunts(スタンツ)」はスタントマンとかいう時のあれです。

つまり「悪賢いスタントマン達」というニュアンスです。

う~む、一体どういう意味でしょうか?

実はDVDを最後まで見るとこの意味がわかる、とだけ言っておきましょう(笑)。

これを教えちゃうとネタバレになってしまいますから。

しっかし、メタリカもなかなか極上のエンターテイメントをぶっ込んでくれますよ(笑)。

まあとにかく大満足な作品なのでたっぷり語っていきましょう!

ジェ「OOOOOOHHHHHH!!YEEEEEAAAAAHHHHH???」

意訳(お前ら騙されただろ?)

予想に反するパフォーマンスの高さ

本作は2000年ぐらい、発売から数年経って買いました。

確か中古か何かで激安500円くらいでゲットしたと思うのですが、これが海賊版か何かだったのかな?

2枚組の正規版と違い、1枚だけ。

なので、アンコールは途中までしか収録されておらず、「マスター・オブ・パペッツ」がカットされているし、「カニング・スタンツ(悪賢いスタントマン達)」の種明かし部分が収録されていないという『まがい物』を掴まされていたことになります。

なので、実はアンコール後半以降があんな風になっていたなんて知ったのは最近You Tubeで観てからなんですよ。

まあ、安かったので文句はありませんし、それ以上に満足感が高かったので別にいいのですが、通販とかで買う人はくれぐれも気をつけてください。

ちゃんと2枚組になっているかどうか?念のためセットリストでアンコールの『エンター・サンドマン』が入っていることを確認して購入しましょう。

さて、本作を手にした時期は、はっきり言ってメタリカから興味を失くし始めていた時期でした。

今となっては『LOAD』も『RELOAD』も好きですが、血気盛んな頃の私はあのアメリカンハードロック路線がいまいちピンとこなくて。

確か『RELOAD』はわりとすんなり気に入ったのですが、『LOAD』がまだまだ受け付けなくて、そんなアルバムからの曲がメインで収録されたライブなんてまったく興味ありませんでしたから。

当時テレビCMで『アンティル・イット・スリープ』が流れてきても全然嬉しくないんですよ。

嬉しいどころか逆に

「なんでこんな冴えない曲をシングル・カットするんだ?もう意味不明…」

っていう反応でしたからね。

そんな状態なので、激安じゃなかったら本作は手に取らなかったです。

しかぁし、そんなまったく期待していなかった私の予想に反し、めちゃめちゃ楽しめました。

これを500円でゲット出来たことを神に感謝しましたよ(神:浄土真宗)。

作品は非難されてもライブは脂ノリまくっていた時期

ちなみにいつの映像かと言うと、1996年『LOAD』リリースに伴うツアーで、まだ『RELOAD』が発表される前の時期です。

懸念していたセットリストは意外にも『LOAD』からの選曲はそこまで多くはなく「エイント・マイ・ビッチ」「ヒーロー・オブ・ザ・デイ」「キング・ナッシング」「アンティル・イット・スリープス」の4曲のみでした。

え?それって『LOADツアー』って呼ばなくない?

まあ、『LOAD』主体のセットリストにするということはそれほど既存ファンを失うリスクが高かったということなのか?

ニューアルバムでは音楽的冒険しても、実はツアーでは旧来ファンを気遣う。

こうしたやり方がメタリカが長くファンに愛される所以なのかもしれませんね。

そして彼らにしては珍しいのですが、まだ発売前の次作『RELOAD』から『フューエル』を演っているんですよ。

まあ、このDVDの発売が1998年なので、ファンの皆がこの映像を観るときには既発曲にはなっているのですが(『RELOAD』は1997年リリース)、メタリカが当時、『フューエル』の出来に対していかに満足していたかが伺えるシーンです。

まず、始まって驚くのがその登場シーン。

観客の人垣の目の前を各メンバーが歩いて登場します。

お客さんとハイタッチとかしながら。

どんな登場?

これ実はラウンドステージと言って円形のステージが会場のど真ん中にあるんですよ。

普通はステージは端にあるのに。

全方位からステージが見れるようになってます。

これってその後U2がやって話題になる『360°ツアー』をはるか前にやっているんですよね(U2は2009年)。

以前はジャスティス神をライブ中に崩壊させたり、『スネークピット』といってステージの真ん中にお客を入れるスペース作ったりしてましたし、メタリカはステージングに関して最先端の試みをしてきたバンドなんだと思います。

本作でのランドステージは何が面白いかって、全方位から撮影されるからメンバーたちの後方に常に大盛りあがりのお客のスタンドが写ってるっていうところ。

普通のバンドは背景に壁や照明を背負って演奏してるでしょ?

このライブはステージだけにスポットライトが当たっているわけじゃなくて、わりと会場全体のライトがついていることが多いです。

そのせいでメンバーの背景にいつもスタンド席が写ってるんですよ。

これがなかなかに壮観なんですよね。

ただ、他のメンバーは動けるからいいけど、ラーズはドラムだから、ある位置の人達はずっとラーズの背中を見続けることになるって、それはいいのか(笑)?

また、メンバー全員が髪を切っているので『Live Shit!Binge&Purge』とはかなりイメージが違います。

『Live Shit!Binge&Purge』の記事はこちらで書いてます⇩

『ライブシット:ビンジ & パージ』メタリカ全盛期の映像がこれでもかと詰まった映像作品

実際はあの作品が1989~1993年あたりのライブ映像なので、なんとたったの3年ほどしか経っていないというのが驚き(笑)。

10年くらい歳を取ったように見えます。

まあそれほどステージに落ち着きと貫禄が漂っていたということですよ。

実はジェイムズとカークのギター2人はパフォーマンス的に大きく変わってはいないんですよ、見た目以外は。

変わったのはラーズとジェイソンで、MCペラペラ喋ったりやんちゃに暴れ回っていたのが、随分落ち着いています。

しかし、落ち着いた分、演奏の安定感が半端ないです。

しかもパワフル。

っていうか髪を切ったジェイソン…ルー・リードそっくり(笑)。

誰も言わないけどそう思ったのは私だけでしょうか?(ついでにレッチリのアンソニーがイギーポップとそっくりなのも)

やはりハイライトは『ONE』と『フェイド・トゥ・ブラック』で決まりじゃないですかね。

とにかく演奏の円熟味があってパフォーマンスも非常にすばらしいです。

『ONE』の凄みには鳥肌がたつし、『フェイド・トゥ・ブラック』ではなんかもう泣けちゃいます。

個人的に一番かっこよくて好きなのは、ジェイムズの煽(あお)りから始まる『マスター・オブ・パペッツ』。

数ある『マスター・オブ・パペッツ』の演奏の中でもこれは屈指のかっこよさじゃないですかね。

多くのギターファンがコピーしたあのイントロをジェイムズアップでばっちり撮影してあるのはこれだけじゃないかな?

バンドマン必見でヨダレものの映像ですよ!


はい、というわけで今回は『カニングスタンツ』を解説してきました。

お値段リーズナブルのわりに異常なクオリティの高さです。

演奏もそうなのですが、音と画像のクオリティがピカイチです。

『LOAD』期をなめちゃあきませんぜ!

 

メタリカに関するすべての記事はこちら

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