「ブリリアントワールド」イエモン活動休止間際のシングル
本記事はプロモーションを含みます。
どうもsimackyです。
本日はイエローモンキーが2000年にリリースした23枚目のシングル
ブリリアントワールド
を語っていきますよ。
活動休止宣言の直前にリリースされたシングル
この『ブリリアント・ワールド』は2000年11月1日にリリースされましたが、実はこの曲と2001年1月31日にリリースされる解散前最後のシングル『プライマル。』は1年以上前の時点ですでに出来てます。
つまり1999年12月にリリースされた『バラ色の日々』ができたタイミングでは出来ていたんですよ。
1999年3月にリリースされた『ソー・ヤング』のあと、しばらく休憩に入ったイエローモンキー。
休憩明けに再始動するに当たり、「次のアルバムはどういう風にしようか?」という考え方ではなく、「シングル中心のリリースに切り替えていく」という考え方になっていきます。
これは時代が変わり『CDが売れない時代になったから』であり、別段イエモンだけがそうなったわけではありません。
皆そうなんですよ。
で、ロビンはシングルリリースを念頭に置いた楽曲から作っていくのですが、この時に『バラ色の日々』『聖なる海とサンシャイン』『ショックハーツ』などのアルバム『8』に収録されるシングルナンバーのみならず、『ブリリアント・ワールド』『プライマル。』も出来ていたんです。
ロビンは片っ端からシングルをリリースして7~8曲できたら、後は追加でアルバム曲を2,3曲作ってアルバムにする、という考えでいたらしいです。
しかし、「それではファンに申し訳ない」というメンバーの反対があり、既発シングル7曲、アルバム曲7曲の全14曲で構成された『8』が出来上がります。
そういうわけでシングルとしても先延ばしになり、アルバムにも収録されなかった可哀想な『Sad World(悲しいかな世界)』は、活動休止発表の2週間前というなんとも間の悪いタイミングでリリースされます。
だから、勝手に曲名変えんなって(笑)。
この時期、テレビ出演時に2,3回演奏はしてましたが、このシングルリリースの前後はライブもやってないから、あんまり陽の目を見ていないんですよね。
最後の2001年『メカラウロコ8』の大阪ドーム(1月4日)、東京ドーム(1月8日)でアンコールで演奏されただけ。
なので解散前は2回しかライブで演奏されていないんですよね。
まあ、『プライマル。』は再結成後の15年後まで演奏されないので、それに比べたらマシですが(笑)。
ロビンの歌唱法が変わった新境地の曲
この『ブリリアント・ワールド』はなんといっても透き通ったロビンの伸びやかな歌声が特徴。
ここまでどストレートなバラードは初ですね。
アルバム『8』には癖の強い楽曲が揃っていたから、まあ確かにこの時期のイエモンとは一線を画していますね。
毒っ気とか色気とかは一切なく、ひたすら純粋な思いを届けるように歌い上げます。
透明感ですな。
6作目のアルバム『フォー・シーズンズ』収録の『空の青と本当の気持ち』のあの突き抜けたような透明感が大好きだったんですけど、あれよりももっと透明。
雑念をすべて取っ払っている感じ。
この時期のイエモンって色々とそれまでになかった要素を『加えながら試行錯誤』しているように見えたのですが、この曲に関してはとにかく『余計なものを削ぎ落とす』ことに全神経を使っていると言うか。
雨水を貯めたバケツの水を何回も何回もろ過して究極の真水を作っているようなイメージと言うか。
ここまでくるとAOR(アダルト・オリエンテッド・ロック)の範疇ですよね。
歌詞も至ってシンプル。
けれどもこの歌詞が最高なんですよね。
凝った歌詞じゃないのにロビンの逆説的歌詞センスの集大成のような出来です。
物凄くシンプルに分かりやすく伝わってくると言うか。
つまり色々な歌詞表現をやってきて、ついにたどり着いた達人の境地と言うか、凄みと言うか。
色々と言葉を重ねなくてもズドンと伝わってくるというか。
例えるなら、ベンチプレス300キロを持ち上げるくらいの怪力人間がどんだけ殴っても壊れない壁を、達人(ロビンソンさん80歳)がやってきて指一本でちょいと押しただけで粉々にしてしまう感じというか。
「壁を壊すのに余計な力や技術は無用なんじゃ」
みたいな。
どこにそんなジジィがいるんだよって話なんですが(笑)。
『イエモン・ファンズ・ベスト・セレクション』での人気投票では32位にも入っている人気曲です。
まあ、先述したようにライブで演奏される機会が殆どなかったにも関わらず、思い入れ度で投票するこういう人気投票で上位に来るのはすごいことですよ。
影の薄い名曲です(笑)。
『ブリリアント・ワールド』が収録されたベストアルバム⇩