スラッシュメタルはヘヴィメタル界の“オルタナティブ”だった~Simackyのつぶやき12~

どうも、Simackyです。

今回もフリートーク『つぶやき』のお時間です。

トークっつっても書いてんだけども(笑)。

最近、大好きなオルタナ系のアリス・イン・チェインズをたっぷり語ってきて、ふと思ったことがあるので、今日は語っていきたいと思います。

例によって酒飲みながらグダグダにねちっこく語っていきます。

それは

スラッシュメタルって完全にオルタナだろう!

っていうことですね。

これをたっぷり語っていきますよ~。

そもそもですよ?

よく考えてみてください、皆さん。

そもそもグランジ/オルタナティブっていうムーブメントは、何に対しての“アンチテーゼ”だったのか?

それは『’80年代の産業化したロック』とか言われますが、私はそれは間違ってると思います。

産業化なんて大なり小なり、すでに1960年代のビートルズからとっくに始まってまっせ。

それに、90年代のオルタナも『産業オルタナ』と言われるように、結局はブームになってバカ売れしたわけです。

特にグランジ四天王とか言われるバンドたちなんてブラック・サバスやレッド・ツェッペリンから露骨なまでの影響を受けているのですが、サバスもZEPもめっちゃ売れたバンドなんですよ?

知ってました?

サバスはデビュー以来、アルバム出すごとに毎回プラチナ(100万枚)なんですよ?(5作目くらいまで)

それどころか、ZEPのアルバムセールスなんて毎回ダイヤモンド(1000万枚)なんですから(4作目くらいまで)、これを“産業“と言わずして、どのバンドを“産業”なんて呼ぶんだ?って話なんですよね。

けど、彼らはサバスもZEPも神のように崇めてるわけです。

だから、売れているバンドの全てが嫌いなわけじゃないんですよ。

結局は彼らグランジ勢のバンドたちにとって、メインストリームのバンドたちの中に「いけ好かねぇ奴ら」がいたってだけの話なんですよ。

じゃあ、それはどんなバンドでどんな奴らだったのか?って話なんです。

それは、ヘヴィメタルというフォーマットだけ踏襲して、それっぽく聞かせてるだけの、精神的支柱(ポリシー)とかが感じられない、サラサラの金髪をなびかせて、化粧して、美女たちにキャーキャー言われて、パーリーピーポーみたいなミュージックビデオを作ってチャートのトップ10の常連だったバンド達だったと思うんですよね。

だからヘヴィメタルバンドの全てが敵だったわけじゃないんです。

どのバンドと名指しはしませんが、ヘアーメタル勢と言われる人たちですよ。

やたらパワーバラードに泣きのギターソロを入れて、それっぽく聞かせるっていうのも当時は流行ってましたよね?

人気者になってきて、バラエティに出ると、これまた饒舌に陽気にペラペラ喋るわけです。

根明(ねあか)っ!

「そんな根明な奴ら果たしてロックなのか?ロックってもっと根暗の人間たちの音楽じゃねぇのか!?俺は今日もモテてねぇぞちくしょう!ライブハウスに美人なんて来たこともねぇじゃねぇかくそったれ!」

これがおそらく彼らに流れていた根源的な反骨精神だと思います(笑)。

モテてちやほやされている奴らは気に入らないものなんです。

「メタルやってるくせに、変に好感度とか稼いでんじゃねぇよ!」

っていう、テレビ見てる硬派なメタルファン層たちもそう思うでしょう。

そう、そういう反骨精神を持った人間たちは、なにもシアトルだけにいたわけではないんです。

アメリカ中にいたわけですよ。

「あいつらみたいな音楽だけは絶対演るかよ!」

みたいな感じで、超絶にハイスピードで、超絶にヘヴィな、まさに『怒りを叩きつけているだけ』の音楽をやっているインディバンドたちが。

華美に着飾ったファッション、メイクをまったくせずに、破れたジーンズに、オタク丸出しのマニアックなメタルバンドのTシャツとか着て、小汚いスニーカーでライブ演っているようなバンドたちが。

「絶対に意地でもミュージックビデオなんて作らねぇ!」

なんて息巻いてたバンドが。

まさにメタリカじゃん。

これって1980年代のかなり初期の頃の話ですよ(’81~2年)。

ニルヴァーナ『ネヴァーマインド』のブレイクでグランジムーブメントが起こるのは1991年の年末。

それよりも10年も前に、メタル界ではオルタナティブムーブメントがすでに水面下で起きてた。

「こんな音楽誰が聴くんだ?こんなの音楽じゃない!」

って言われながらも、本当の音楽好きに支持される音楽性を持っていたので、MVとか関係なく、クチコミで広がっていった。

しかもアメリカじゃなく、先にヨーロッパから。

つまり、メタリカに代表されるスラッシュ・メタル勢ってのは、そもともアンダーグラウンド=オルタナだったわけです。

ボンジョビとか、ポイズンとか、モトリー・クルーとかラットとかが大嫌いな人たちだったわけです(言っちゃった)。

スラッシュメタルっていう音楽は、こういうバンドたちが好きだった人たちに向けた音楽じゃあないんですよ、内容的に。

音楽的な、精神論的なものは、共通点などあろうはずがない。

だって狙って真逆をやってんだから。

そして、1986年、メタリカが出した、時代をひっくり返す名盤『マスター・オブ・パペッツ』で、ついにアンダーグラウンドがメジャーシーンに殴り込みをかけるわけです。

グランジムーブメントの5,6年前の時点で、メタル界ではすでにオルタナムーブメントの『下剋上』は始まっていたわけです。

あんまり知られていないけど、メタリカの1989年あたりのシアトルでのライブ映像があります。

『ビンジ&パージ』っていうライブ映像なんですけど、これってシアトルでの公演も入ってるんです。

 

 

当時のシアトルは、アメリカ全土に先駆けて、まさにグランジ勢が大盛りあがりしていた頃です。

なのに馬鹿ウケですよ、お客に。

メタリカは、その後、グランジムーブメントが敵対するメタル勢であるにも関わらず、

そのグランジの聖地・シアトルで馬鹿ウケしてるんです。

つまり、当時の音楽リスナーたちは、メタリカのことを『古臭いだっさいメタル』だなんて思ってないんです。

そんなものは音楽評論家とか雑誌が後付した、ニルヴァーナを英雄視した記事で作られた幻想なんです。

だから、ですよ。

メタリカも、スラッシュメタルビッグ4のメガデス、スレイヤー、アンスラックスたちも、

実はそのままで良かったんです。

彼らが演っていた音楽はすでにオルタナティブ・ヘヴィメタルだったんです。

アンチ・ヘアーメタルだったんです。

だから、時代におもねらずに、そのままこれまで通りのスラッシュメタル演ってりゃ良かったんですよ、実は。

変にスピード抑えたり、大作主義を捨てたりせずにね。

ニルヴァーナのカート・コバーンが実はメタリカのファンだったって知ってました?

私が一番好きな『ライド・ザ・ライトニング』がフェイバリットらしいんですよ。

実はメタリカのライブに何回か通っていたんですよ?

あのライブ席の『スネークピット』(どうやってあの席取れるんだ?)から、ライブを見ていたらしいんですよ?

さらにもっと言えば、「まさにヘアーメタルじゃねぇか?」っていうハートは、ずっと地元シアトルの英雄だったし、なんならアリス・イン・チェインズとかのアルバムにも参加してますからね?

後輩バンド達(グランジ勢)に慕われてる。

もっと言えば、グランジ勢の中にも、完全にメタルのバンドだっているわけです。

こういうことってあんまり知られていないじゃないですか?

みんなマスコミの作ったストーリーに踊らされてるというか。

そういうわけなので、実はメタリカはブラック・アルバムなんて出さずとも良かったし、メガデスも『破滅へのカウントダウン』なんて方向転換せずともよかったんです(まあ、おかげで歴史的な名盤が生まれることにはなりましたが)。

メタリカとかメガデスの初期3枚のアルバムを聞いていると、グランジ・オルタナのバンドがやろうとしていたことをすでにやってます。

『スラッシュメタルビッグ4』って呼ばれるバンドたちは、そのままメタル界におけるビッグ4と呼んでもいいくらい崇められているのは、明らかに彼らの世代で“革命”が起きているからなんです。

完全に新しい潮流だった。

けど、ここはニュー・ウェイブ・オブ・ブリティッシュ・ヘヴィ・メタル(NWOBHM)みたいな呼び方はされずに、単に『スラッシュメタルムーブメント』って呼ばれていたのが、残念でならない。

はっきりいって、オルタナブームの前に、これらスラッシュ・メタル勢の作品を聴いていた人たちにとっては、別にグランジ・オルタナのバンドたちの音楽が突拍子のないものには聞こえないし、それどころか新鮮味もなかったんじゃないかな?

私なんかはリアルタイムじゃない後追い世代だけど、順番的にはスラッシュメタルからの流れでオルタナに入ったので、純粋に音楽性は評価してますけど、衝撃とか驚きとか斬新さはそこまで強く感じませんでしたかね、正直言うと。

グランジ四天王もすごいけど、スラッシュメタル四天王もかなりすごいんですよ。

もし、このサイト『ひよこまめ』にオルタナ追っかけて来た人であれば、是非ともスラッシュメタルの黎明期の作品たちを聴いてほしい。

そしてスラッシュ・メタルヘッドのコアファンたちにも、グランジのバンドたちを聴いてほしい。

きっと大好きになってもらえるはずです。

評論家のアホどもが作り上げた幻想だとかには、もう囚われないでいい時代なんですから。

 

 

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