ジョルノ・ジョバーナ(ジョジョ第5部)ブチャラティとは違うリーダー像
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どうもSimackyです。
本日はジョジョの奇妙な冒険第5部の主人公であるジョルノジョバーナを語っていきますよ。
ほんと、この人の良さって伝わりにくいんですよね!
なので、このSimackyのプレゼンを読んで彼の魅力の一端が伝われば嬉しいです。
ジョルノジョバーナ~これまで全く違う主人公~
皆さん、つかぬことを聞きますが…
この第5部の主人公はジョルノ・ジョバーナですよね?
もしかしてブローノ・ブチャラティだとか思ってませんよね(笑)?
でもプロシュート/ペッシ戦あたりでこう思いませんでした?
「ん?主人公って誰だったけ?」
と(笑)。
そう、あまりにもブチャラティの放つ漢気(おとこぎ)に多くの日本男児たちがしびれまくり、脳内で主役が強制交代するという不思議な現象が起きてしまうのがこの第5部の悲劇なのです!
開始当初はDIOの息子なだけに、
どれだけ破天荒で傍若無人な暴れっぷりを見せてくれるか
とワクワク期待された方も多かったと思います。
康一のバッグを盗むというちょっと悪い一面が垣間見れる登場シーン、
序盤のルカ戦で「無駄無駄」発言が出るシーン、
問答無用にポルポを暗殺し、決め台詞を言うシーンなどなど、
否が応にでも期待は高まろうというものです。
「こいつ一体どんだけ強いんだ?」と。
しかし、今回の主人公はこれまでの歴代JOJOたちとは大きく異なっていたんです。
いえ、当時の読者の気持ちを代弁するならば、これはもはや
肩透かし
と呼んでも誇張ではなかったかと思います。
だって
徹底的にサポート役
に回るんですから。
誤解しないでいただきたいのは、戦えば最強だということです。
『生物を生み出す』という非常に汎用性の高い能力のため、攻撃はもちろんのこと回復系までこなす万能っぷり。
というよりほぼラスボスが持つべき能力ともいえます。
だからこそサポート役にして他のキャラを立たせたところに、この第5部のおもしろさがあるのかもしれませんね。
実は第5部の全ての戦闘をおさらいしてみると、驚くべき事実が見えてきます。
ジョルノは序盤のルカ、ブチャラティ、ポルポの3連戦が終わった後は、純粋単独での戦闘はメローネ戦のたった1回のみ。
チョコラータ戦もミスタの協力もありで微妙ですが、これを入れても2回。
全部で16回のバトルのうちジョルノ単独にカウントできるバトルはたったの5回です。
ブチャラティチームが登場してからはたった2回しかないわけですから、どれだけ今回の主人公が控えめな存在なのかが分かろうかというもの。
恒例になっていたラスボスとの手に汗握るタイマン勝負も今回の第5部はないんです!!(なんか矢で覚醒して反則みたいな勝ち方ですからタイマンとは言えません)
ギアッチョ戦などのように止め刺すのはジョルノでも、途中までミスタと協力して戦っており、主人公なのに純粋に1人での戦いが極端に少ない。
逆にブチャラティやミスタ、ナランチャは完全に1人での戦いで美味しいところ全部持っていくシーンも有り、これじゃあどなたが主人公なんだか分かりゃしません(笑)。
第3部の承太郎のような圧倒的な強さとカリスマ性でチームを引っ張っていくタイプではないため、
やはり主人公としての存在感に物足りなさを感じる方も多かったのではないでしょうか?
しかし!
よくよくコミックでこの第5部を読み返してみると、実はこのジョルノ・ジョバーナ、とんでもない男だということが分かってくるのです。
荒木先生はこれまでの『ヒーロー像』とは全く次元の違う『ヒーロー像』を描こうとしていたことがわかります。
そして歴代主人公を上回るほどの人気を獲得したブチャラティとは全く違うもう1つの『リーダー像』を表現しています。
あのブチャラティをして『スゴ味がある』と語らしめたジョルノの真の実力を本日は語っていきましょう!
知性はDIOゆずり?瞬時の分析力がハンパない
まずは、何と言っても頭が切れすぎます。
このジョルノの瞬時の判断にチーム・ブチャラティは相当救われています。
まず、前提条件として、チーム・ブチャラティを襲ってくるヒットマンチーム(チーム・リゾット)は
こちらの顔もスタンド能力も知っている
状態なんです。
スタンドの戦いにおいてそれがいかに致命的であるかということは簡単に想像できるでしょう。
そう、スタンド能力がバレるということは
どういうふうに戦えばいいのかも分かる
ということ。
弱点を晒すようなものなのです。
だからパッショーネの中ではたとえ仲間でも信頼していないと、おいそれとスタンド能力は明かさないものなのです。
そしてこの敵たちは自分の顔もスタンドの能力も、秘密のヴェールに包んだままで不意打ち同然に襲ってくるわけですよ。
ギャングの世界に正々堂々なんて言葉はありませんからね。
しかも3~4部の敵と違い、5部では殺しのプロ集団(ヒットマンチーム)が襲ってくるんですよ?
つまり毎度の戦いが
『いつ全滅してもおかしくない状況』
ということです。
ブチャラティ達がどれだけヤバい状況だったのか理解できましたか?
ブチャラティチームは攻撃されているのかどうかさえよく分からない状況から戦闘がスタートするのです。
まずは相手のスタンド能力の把握ができて初めて、対等の土俵での戦いがスタートするわけで、ここをいかに早く見極めるかどうかという点が、チームが全滅しないための最重要課題になるんです。
この敵に圧倒的にアドバンテージがある状況の中でこそ、ジョルノの神速とも言えるほどの分析力が冴え渡ります。
まず、ポンペイ遺跡でのイルーゾォ戦では、フーゴ、アバッキオが次々と鏡の世界に連れ去られ、何が起きているのか分からない混乱の中で、割れた鏡からイルーゾォのスタンドの能力を推理・分析します。
そして『自らパープルヘイズの殺人ウイルスに侵される』という全く理解できない行動を取るのです。
「????」
となる読者を完全に置き去りにします(笑)。
そこから、まるで詰将棋の答えを導き出すように、イルーゾォに止めを刺すまでのシナリオを瞬時に描き、まるで全てがジョルノの手のひらの上で転がされているかのように、バトルを決着させました。
ナランチャがトーキング・ヘッズで思っていることと反対のことしか言えなくなったときも、全員がナランチャが頭おかしくなったと思っている中、1人だけ、ナランチャが敵の攻撃を受けていることを察知し、ナランチャをサポートします。
ローマに上陸する際、チョコラータの攻撃を受けた時は、ミスタがカビに感染したその一瞬で、カビの攻撃に規則性があることを見抜きます。
突如、カビの生態を語りまくるジョルノ。
「本で読んだことがある」
え…そ、そんな偶然って…
ええ、
そういうことはありますとも。
だって、世の中には『DIOの背景に写っていたハエを「ナイルウェウェバエ」だと見抜く人もいるくらいですから。
「このハエは知っているぞ!」
って、んなことが…
ありますよね(笑)
このチョコラータ戦は、ジョルノがいなければ何も訳分からないまま全滅しそうなものです。
だってローマ市民を皆殺しにできるほど、とんでもなくやばい能力だったわけですから、スタンド『グリーンデイ』は。
チョコラータも全滅させることを疑っていなかったらしく、上陸されたことに驚愕(きょうがく)している様子が描かれています。
おそらくかつてこんなに早く自分のスタンド能力の規則性を見抜かれたことがなかったのでしょう。
恐るべきジョルノの分析力です(っていうかカビの知識)。
信頼を得る能力
チームブチャラティはアバッキオ以外みんな気さくにジョルノを迎えはします。
しかし、ここは『ギャングチーム』であって『お友達グループ』ではありません。
気が合えば仲良くやれるという甘い世界ではないのです。
やはりギャングとして『チームに貢献できる人物であるかどうか?』を証明する必要があるし、ミスタ・ナランチャ・フーゴもフレンドリーぽいけど、心の底ではかなりドライにジョルノを値踏みしています。
そんなメンバーとの信頼関係を1戦ごとに築いていく『信頼構築力』がとてつもなくすごいんですよ。
これはサラッと漫画読んでいても気づかないので深掘りして解説しましょう。
ジョルノの信頼構築力のすさまじさが一番見えるのは初戦のズッケェロ戦です。
アバッキオのスタンド能力で敵の能力を見破ることができると聞いたジョルノは、迷うことなくズッケーロの攻撃を受けてみせます。
自分が攻撃を受け、ナランチャ達みたいに連れ去られても、必ず残ったブチャラティ達が助け出してくれるという信頼がなければこんなことできやしません。
しかしですよ?
昨日今日、出会ったばかりのメンバーをそんなに簡単に信頼なんてできますか?
なかなかできるものではありませんよ、普通は。
現にアバッキオだってジョルノの前でスタンドを見せようとしないじゃないですか?
けれどジョルノは分かっているんです。
「信じられるかどうか?」なんて中途半端な気持ちでいたら、『ここぞ』という時の決断なんてできないことを。
「メンバーを信じるしかないとすでに覚悟を決めいている」からこそ即断で動けるのです。
つまりたった15歳の最年少のギャングが、並々ならぬ覚悟でこのチームに入ってきていることがこのジョルノの行動から伝わってくるのです。
ブチャラティもアバッキオもこれには度肝を抜かれたことでしょう。
ついでにもう1つ。
これは信頼構築力とは違うのですが、もう1つ見えてくるのがクレバーすぎる『洞察力』です。
襲ってきたズッケーロの目的は『ブチャラティから隠し財宝のありかを聞き出すこと』であり、そのためには仲間を活かして人質にするのが効果的なので、おそらくミスタたち3人は殺されずに生かされているということをこの時点で見抜いている(ハエも追跡しているし)。
だから自分もすぐに死にはしない、と。
もちろんその後、必ずブチャラティ達が勝つことを信じているからできることではあるのですが。
たったの1ページであっさりとズッケーロに捕まるシーンなので伝わりにくいのですが、深く考察してみるとジョルノがとんでもない15歳だということが分かるシーンなんですね。
深いですよ~、今回の主人公は。
さらに言えば、この時点でメンバーの誰もジョルノに自分のスタンドを見せてなんかいないんです。
自分のことをまだ信用していない人に対して自分もガードを固めるのではなく、自分からスタンド能力を先に開示することによって信頼を得るという懐の広さ、人としての器の大きさがあるんですよ。
それに比べて最年長のアバッキオの器の小っちゃさ(笑)。
戦いが終わった後、ジョルノにだけはムーディ・ブルースの再生を見せてくれません。
まあ、そんな『人間として妙にリアルなアバッキオ』が大好きなんですが。
この後、フーゴ、ナランチャ、ミスタと順番にこのジョルノの信頼構築力に感化されていくのですが、アバッキオにかかれば「この生意気な新人が!」で済ませられてしまうというのが微笑ましいですよね。
「こんな先輩いたな、部活に」みたいな(笑)。
第5部には二人のリーダー像がある
ブチャラティのリーダー像
皆さん、ブチャラティは好きですか?
ええ、そうでしょうそうでしょうとも。私も大好きです。
なんかいろいろなサイト見てたら「上司にしたいキャラランキング」とかで上位ランキング入りしたりもしてますしね。
よもや初登場時に人のかく汗を舐めていた人があんなにかっこよくなる展開が一体誰に想像できましょうや。
『嘘をついている味』が分かる大人になるためには、『嘘をついている人』と『嘘をついていない人』の両方の味を知っていなきゃならないので、少なくとも
過去に最低2回は前科がある
ことになります。
これ多分
上司にだけはしちゃいけない人
だと思いますよ。
「上司にしたい」に投票しちゃったそこのあなた。
『あなた覚悟してきている人ですよね?一票入れようとするってことは自分も質問されるたびに顔を舐められて真偽を確かめられる危険があることを常に覚悟してきている人ですよね?』(ジョルノ)
え?ブチャラティをいじるなって?
ブチャラティファンの皆さんすみません。
だって荒木先生がブチャラティに
黒い十字架背負わせすぎ
てるのが…ギャグにでもして笑い飛ばさないとかわいそうに思えてきて(笑)。
まあ、冗談はさておき、こんな登場してるもんだから、この人がチームのリーダーと知ったときは
「え?この人がチームリーダーで大丈夫?」
って思ったものです。
案の定、曲者までいるし。
リーダー自らが連れてきた新人に、まさかの『尿飲ませ』。
通称『アバ茶』(笑)。
「おいブチャラティ!あんた全然メンバーを統率できてないじゃん!」
頭イカれた奴しかいないのかこのチームは?
ブチャラティもアバッキオもこの初期の頃は
クスリでもやっていたのでは?
というほどのご乱心っぷりで笑えます。
しかし話が進むに連れ、実はこのメンバー達は皆人生に居場所をなくしブチャラティに拾われた人たちだったのです。
だからブチャラティには頭が上がらないどころか、ブチャラティこそが自分の居場所なのです。
初回登場時はとてもそうは見えませんが、1人1人過去が語られていくことにより、そのあたりが明るみになっていきます。
そしてブチャラティを慕うのはチームメンバーだけではありません。
このネアポリスの秩序を牛耳っているパッショーネのメンバーであるブチャラティには、一般の市民たちからの信望も厚いのです。
賄賂(わいろ)が横行し全然信用ができない警察なんかより、ギャングだけれども一般市民に手は出さないし、麻薬だけには手を出さないギャングであるブチャラティの方がはるかに慕われているのです。
そう、この
「多くの人の期待を一身に背負っている姿」
これがブチャラティのリーダー像です。
「俺が全員守ってやる」
という背中についてこいタイプですね。
ジョルノのリーダー像
これに対し、我らが主人公ジョルノ・ジョバァーナは全く違うタイプのリーダー像として描かれています。
ここまでジョルノの真の実力を分析してきましたが、総じてまとめると、彼のリーダーとしての真価は
『マネジメント能力』
これに尽きるでしょう。
1つの戦闘の中で、そしてチームの中での役割として、自分がどう立ち居振る舞えば敵を倒すことができるのか?
それを瞬時に判断できます。
そこに自分の主観は一切ありません。
天から俯瞰(ふかん)したかのごとく、まるで自分さえも駒(こま)の1つとして見ているかのような行動を取るんですね。
「自分の能力をどう使うか?」のみならず仲間の性格や能力まで全て選択肢にいれて作戦を立てます。
自分が直接倒さなくても最終的にチームが勝てばいい。
だからナランチャのトーキング・ヘッズ/クラッシュ戦では自らナランチャの弾丸に打たれ、エアロスミスがその焦げ目から発せられる二酸化炭素を探知できるようにしたんです。
先程のズッケーロ戦でもアバッキオに正体を見破らせ、倒してもらうために自分が相手の攻撃をまず受ける。
イルーゾォ戦でも自らフーゴの殺人ウイルスに感染し、トドメはフーゴのパープルヘイズに任せる。
ブチャラティとどちらが上か下かという話ではありません。
リーダーとしてのタイプが違うんですね。
舞台がイタリアなのでサッカーで例えるならば、
ブチャラティは
エース、またはキャプテン
ジョルノは
監督
ということです。
ブチャラティチームが無敵の理由
ブチャラティはそのカリスマ性でチームの皆を鼓舞しながら引っ張っていきます。
ピンチの時などここ一番は必ず点を取ってくれるエースでもあります。
それに対し、ジョルノは監督なので全体を俯瞰し、誰がどう動けば試合(戦闘)に勝てるのかを常に考えている。
まあ、本人も試合(戦闘)に参加しているので、『選手兼監督』といったところですね。
キャプテンやエースはプレイヤーなので、自分の実力で直接的に試合の結果に影響を及ぼすことができますが、組織VS組織の戦いでは個の能力でどうにかできる限界はやはりあります。
仕事・会社組織でもそうですよね。
たった1人の能力の高い社員が出す結果より、10人の社員が本気で取り組んだ時の組織力としての結果の方が大きくなることがほとんどでしょう。
しかしそのためにはチームの心を1つにする中心人物の存在は不可欠なので、キャプテンと監督というそれぞれの役割が補完し合うような関係がジョルノとブチャラティなんですね。
チームブチャラティが圧倒的に不利な状況を跳ね返して敵を撃退し続けられたのは、この『チームの中に異なるタイプのリーダーが2人いた』という要因が大きいでしょう。
同じタイプであれば『船頭多くして船山に乗り上げる』の状態になるので、これは絶妙かつ最強の組み合わせだったと言えます。
なんか難しい話になっちゃいましたが、それだけジョルノのヒーロー像は『少年マンガ的主人公からかけ離れたもの』だったということです。
このブログを読んでいるあなたが、昔学生の頃に読んだだけ、あるいはいま現在が学生であるのならば、社会人になった後にもう一度この第5部を読み返してみることをおすすめします。
特に管理職なんかを経験しているならばなおさら面白いと思います。
かなり高度なマネジメントをしていることが分かると思います。
そして、そのマネジメント能力に加え、実はもう1つジョルノにはリーダーとしての資質があります。
『覚悟』
この言葉をジョルノは作中に何度も使っている印象があると思います。
彼の行動にはこの『覚悟』が体現されているんです。
『お前たちの居場所は全部守る』
という強いリーダーシップで安心感を与えるのがブチャラティのリーダー像だとすると、ジョルノの場合は
『覚悟が道を切り開く』
という理念を自らが体現することで、チームを感化してくリーダー像です。
企業理念を自らの行動で体現するカリスマ経営者のような一面がジョルノにはあるのです。
『自分のポリシーとは違うことをしている組織(麻薬売買)に逆らうこともできずに、いずれ腐っていくだけだったブチャラティ』に、最終的にはボスを裏切る勇気と覚悟を与えたのが、このジョルノなんですからね。
ジョルノの偉大さはスタンド能力うんぬんではありません。
私も今回のブログを書くにあたって、全巻読み込んで分析して改めて見えてきたジョルノの『スゴ味』。
このジョルノの存在があるからこそ、チームの面々が魅力的に輝くのです。
アニメでジョルノとブチャラティの友情を目に焼き付けるんだ!
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