『ハードワイアード・トゥ・セルフディストラクト』完全復活を予感させる好盤
どうもSimackyです。
本日はメタリカの10thアルバム『Hardwired…To Self-Detruct(ハードワイアード・トゥ・セルフ-ディストラクト)』のレビューとなります。
いやー、個人的にはこのジャケットね、白の背景にカラフルな色使いが映えてすごく好きなんですけど、わりと不評ですよね(笑)。
まず最初に今作に対して一言もの申させてください。
いや、長いよ?
この声は私だけの声ではありません。
アマゾンレビューでも多く挙がってた声かな。
でもね、長くてもいいんです。
その理由もトクと語っていきますよ~!
なぜ『ハードワイアード~』はこんなにも長く感じる?
長いと評判の今作。
その長さは2枚組で80分。
「なんで2枚に分ける必要あったの?」
という声もかなり目にします。
2枚組はお値段が高いザマスからね。
実は前作「デス・マグネティック」も結構な長さですが、長さに関してはあまり不満の声を見かけなかったように思います。
さらにいうなら、実はメタリカはずっと長い作品ばかり作ってます。
もうこれは伝統芸能です(笑)。
5th「ブラック・アルバム」:62分
6th「LOAD」:79分
7th「RELOAD」:76分
8th「セイント・アンガー」:75分
9th「デス・マグネティック」:75分
こうして見比べるとブラック・アルバムってちょうどいい長さなんですね。
というより、これが限界というか。
「LOAD」が途方もなく長く感じたのは気のせいではなく、ほんとに長すぎだったんだということが分かるでしょ?
限界突破してます(笑)。
それではここで私の体感としての時間を、一番短いブラック・アルバムと一番長い「LOAD」を基準に相対的に評価してみます。
5th「ブラック・アルバム」:60分(最短基準値)
6th「LOAD」:80分(最長基準値)
7th「RELOAD」:76分⇨70分
8th「セイント・アンガー」:75分⇨67分
9th「デス・マグネティック」:75分⇨67分
『RELOAD』は『LOAD』よりだいぶ短く感じましたね。
で、『セイント・アンガー』と『デス・マグネティック』は『RELOAD』よりダレなかった分、さらに少し短く感じました。
これはあくまで私の主観ですので、あなたも自分なりの体感時間をざっっくり入れてみてください。
どうでしょう?
ブラック・アルバムを除けばどれも75分超え。
でも抱く印象はまったく違いませんか?
そして気が付きませんか?
実際の時間よりも短く感じる作品ほど、好きの度合いが強いということに。
そして今作はと言うと・・・
10th「ハードワイアード~」80分⇨75分(笑)
もうね、「LOAD」くらい疲れましたけど、あれよりは若干あっさり感じたかな。
爽快感のあるスピードナンバーが清涼剤でありはしましたが。
上記の結果から私は考察しました。
体感としての時間の長さを決める要素はなにか(あくまでメタリカに限った話)?
それは
1.『スピードナンバーの存在』
2.『曲ごとのバラエティ』
3.『苦痛な曲が何曲あるか?』
です。
「RELOAD」なんかは2『曲ごとのバラエティ』が豊かだったため、『LOAD』に比べすごく聴きやすかった。
というよりボーカルにエフェクターかけたりしてサウンドに変化があったのが強いかな。
そして3『苦痛な曲』が私にとってはほとんど無かったんですよね。
3番って見過ごされがちなんですけど、アルバムの評価に実はものすごく左右します。
アルバムの評価って、せっかく
「とんでもなく良い曲が2,3曲入っている」
のに
「どうしてこんな曲入れたの?」
というマイナス部分が台無しにしていることが非常に多い。
世の中にはレーベルの都合で仕方なしにアルバムに入れられた曲は山のようにあります。
それさえなければ『名盤』と呼ばれたかもしれない作品はたくさんあるんですよ。
「セイント・アンガー」と「デス・マグネティック」は実際の時間よりも短く感じているのですが、この3『苦痛な曲が少ない』ことが大きいんですよ。
「キラーチューンはないけど、苦痛な曲があまりない」
あくまで私の場合ですよ?
そして今作はどうかというと
「キタキタキタ~!!!待ってました!これぞメタリカ!」
というスピードナンバーが復活している分、
「うわっちゃ~…これいつまで続くの?」
というナンバーがある。
悪い意味での「LOAD」っぽさが久々に炸裂しております。
しかしね、「LOAD」の時もそうだったのですが、私が
「この曲は入れちゃ駄目でしょ」
と感じている曲が、他の人にとっては大好きな曲ということもあるので、ここでどの曲が無駄とかいう話はしません。
なので好きな曲に絞って最後にレビューしますね。
メタリカが意図するところ~もはやアルバムは意識していない?~
アルバムの長さもなんですが、1曲の長さも昔に比べ長くなってきてます。
1曲1曲が長いのは「セイント・アンガー」から数えて3作連続の作風です。
7分以上はもはや当たり前にさえなってきてますよね。
けれど、「アンドジャスティス~」の頃にあったような、曲の中での大胆なリズムチェンジ、組曲のような展開という変化や展開の結果長くなるんじゃなくて、繰り返しで長くなるパターン。
だから、1曲1曲がすごく長く感じてしまう。
それなのに曲数減らさないんだもの。
ここで2つの疑問。
1.どうして起伏のあまりない長い曲があるのか?
2.どうしてアルバムの曲数を減らさないのか?
私なりに考えてみました。
1.『どうして起伏のあまりない長い曲があるのか?』の理由はドゥームメタルのような快感要素を意識しているのかな、と。
メロディや疾走感で聞かせるのではなく、ヘヴィなグルーブの中にどっぷり浸かる快感を伝えたいのかなと感じました。
世の中には最初聴いたときには
「ひたすらヘヴィでのっぺりとしてて、メロディもクソもないじゃないか…」
と思えても不思議と病みつきになってしまうバンドや作品があります。
というわけで、私もこのアルバムから『あまり好きになれない曲』だけを集めたリストを作ってひたすら聴き続けていました。
そうすると不思議とだんだん病みつきになってくる数曲がたしかにありました。
やるな、メタリカ。
最初は「これって演ってる自分たちが気持ちいいだけなのでは?」と感じることもあるのですが。
しかしそのグルーブ感がツボらないうちは苦行にしかなりません。
こんなんストリーミングであれば真っ先にスキップされる要素しかないんだけど(笑)。
今の時代、聴き込むことが必要な作風ってかなり致命的にさえ思えます。
しかしあえてそうしているようにも感じるんですよ。
なぜ時代に逆行するようなまねをあえてしているのか?に関してはまた後ほど。
2.『どうしてアルバムの曲数を減らさないのか?』の理由は、彼らがもはやアルバムとしての完成度を求めていない可能性があるということ。
現代はCDが売れない時代。
CD以外の要素で収益が決まる時代なんですよ。
つまりアルバムとしての完成度はあまりもとめなくてもいい。
「このアルバムはこの流れで聴くからこそ良さが分かるんだ」
みたいな考えはこの時代ではあまり意味をなさないというか。
「とりあえず俺たちが作って気に入った分は全部出すから、あとは聴きたいのを選んで聴いてね」
そんな感覚も少なからずあるんじゃないかな?
ストリーミングなんかはアルバム単位の売上じゃなく楽曲単位の売上なので、1曲でも多く出したほうが総再生回数は増える。
そもそも「全部聞け!」とは思っていないというか。
「長いと感じるなら減らして聞けばいいじゃん」
という感じなのかもしれませんね。
ストリーミングへの移行が遅れた日本人とはだいぶ感覚が違う。
日本人はどうしてもアルバムとしての完成度を求めてしまいがち(私を含めて)。
日本は音楽産業が巨大で、既得権益を守りたい音楽業界が依然として力を持っていたからというのもあるでしょうが、CDという文化を支えてきたリスナーの『音楽の聴き方』の違いも大きいと思います。
日本人は歌詞カードをじっくり読みながら聴いたり、ライナーノーツを読むのが好きですよね。
国内盤に慣れてると、輸入盤のブックレットを見た時に愕然としますもんね(笑)。
「歌詞の和訳がついていないのは仕方ないにしても、そもそも英語の歌詞さえ付いてないの!?」
っていうことも多い。
そんな日本人はストリーミングを味気なく感じてしまうのかもしれません。
でもアメリカ人はそういう風に感じる人が少ない。
だってもともとCD時代からそんなものだから。
だからストリーミングへの移行も日本に比べ速やかに抵抗なく進んだというか。
日本はまだCD文化がかなり根強く残っているから、例えばXのファンが
「YOSHIKI、Xのニューアルバムまだなの?」
とかいう質問をすると、アメリカに住んでいるYOSHIKIの感覚からすると
「え?アルバム?今どき?こっちでは死語なんだけど…」
みたいな反応をしていたのはその感覚の違いなのかな、と。
メタリカもアルバムに対する認識はそのYOSHIKIの感覚に近いんじゃないかな?
しかし、だからといってストリーミングを重視しているようにも感じないことは先程も述べました。
曲はやたらと長いし、聞き込みが必要な作風だし。
そもそも本作の殆どの楽曲がMVでYou Tube公式チャンネルにアップされているんですよ?
いつでもYou Tubeで無料で聴ける環境を自分から作っておいて、もはやCDアルバムやストリーミングでの利益を重要視しているようには見えないでしょう、どう見ても。
なんでそんな自ら儲からないようなことをするのか?
一昔前までは、アルバムやライブ動画なんかがYou Tubeにアップされていると、
「けしからん!著作権違反だ!そんなことされたら自分たちのCDやDVDが売れないじゃないか!削除してやる」
ってレコード会社が削除していました。
けれども今の時代は逆。
自らが公式チャンネルを開設して積極的に動画や音源をアップしているんです。
メタリカだけがおかしなことをしているわけじゃないんです。
それは
You Tubeの広告費で稼げる
からなんですよ。
インターネット業界の広告費はとっくにテレビ業界の広告費を超えているんです。
昔はネット広告費が安かったからYou Tubeにアップしても利がなく、CD・DVDの売上ダウンという損が大きかった。
しかし時代は変わったんです。
さまざまなアーティストがここ10年ほどで公式チャンネルを持つようになってきてます。
分かりやすく説明するために、日本での著名人を挙げましょう。
芸能人トップYouTuberの中田敦彦さんは、現時点で923本の全動画の合計再生回数が13.6億回で、You Tube収益が年間7億円とか言われてます。
これまで4年間の活動での累計収益は多く見積もって15億円くらい。
しかし世界的トップアーティストはたった1本の動画で数億回の再生回数を稼ぐんですよ?
ちなみに我らがメタリカの公式チャンネルにおいて最も再生回数が多いのはこれ⇩
「ナッシングエスル・マターズ」の公式MVです。
おどろくなかれ、その再生回数はなんと
12億回。
たった1本の動画でトップYouTuberであるあっちゃんの4年間に渡る努力(収益)にほぼ追いつきます(笑)。
これもともとあった昔のMVアップしただけですよ?
そんなんで15億円近く広告収入が見込めるってことです(まあ、あっちゃんの動画は1本が長いので単純比較はできませんからあくまで目安です)。
凄まじいでしょ?
You Tubeはドル箱なんです。
だからストリーミング収益さえも二の次になるのかもしれません。
ストリーミングの場合はスポティファイだったら1回再生で0.27円とか言われてますからね。
だからストリーミング向きの楽曲になんて仕上げてない。
「飛ばしたけりゃ飛ばせ」と。
スキップされないために曲の冒頭にキャッチーなメロディを持ってきたりといった小細工はする必要ないし、ましてや昔みたいにラジオ向けの短さにする必要なんてナッシングなんです。
世界中をツアーで回って、熱狂的なコアファンを維持すれば、彼らが一人あたり何十回、何百回と同じ動画を再生してくれる。
これが音楽コンテンツの特徴であり強みですよ。
おそらく皆さんも人生で一番繰り返し見た映画の回数と一番繰り返し聴いた音楽アルバムの回数はおそらく桁が一桁くらい違うはずですから。
例えば私が人生で最も多く繰り返し見た映画は『天空の城ラピュタ』で、100回に届かないくらいです。
しかし、メタリカのアルバムの中には、軽く1000回は超えて聴いているものもあるわけで。
私は中田あっちゃんのYou Tube大学のファンですが、1本の動画を何回も見たりはしません。
けれどメタリカの『アンドジャスティスツアー』のシアトル公演の動画だけでも軽く100回は見てますから。
つまり情報コンテンツやストーリーのある映画・ドラマに比べ、音楽というのは一つのコンテンツを繰り返し楽しむ性質が非常に強いんですよ。
これは私の主観で勝手に言っているわけじゃなく、You Tubeの世界歴代再生回数のランキングを調べても分かります。
上位はほぼ全て音楽コンテンツです。
ワンオクロックのアルバムに参加したことでも知られるエド・シーランの『シェイプ・オブ・ユー』はYou Tube歴代5位で、その再生回数はなんと
59億回!
一体どれだけ巨大な”ゼニ”が動いているのやら想像するのも怖い(笑)。
っていうか広告出してる企業もそんな広告費出せるのか?ってくらいの金額になると思います(笑)。
音楽はタダで聞かせて広告費で稼ぐ。
これが新しい時代の音楽のマネタイズなのかもしれません。
まあ、メタリカくらいビッグスターだからこそできることなので、そのアーティストの規模によってマーケティング戦略は変わり、作風にも影響を及ぼすということですね。
ビルボードチャートやオリコンチャートでのCD・ダウンロード売上順位などは、人気の実情をほぼ表していない形骸化した指標と言っても過言ではないでしょう。
それからこの際、ついでに言っておくと、『CDを買う=そのミュージシャンを応援する』『ストリーミングで聴くのはファンじゃない』という感覚も、もはや古い時代の感覚なんだと思います。
ストリーミングで繰り返し聴いたほうが、You Tubeで繰り返し見たほうが、もしかすると彼らアーティストに入る収益は大きいかもしれないので。
あなたの手元にある『マスター・オブ・パペッツ』を何回再生したところで、アーティストにとってはもはや1円の利益にもなりませんが、同じ音源をストリーミングで流せば今でもアーティストの収入になっていくのですから。
ちなみに韓国のK-POP業界では『推し』を応援するためにファンたちは何をするか知ってますか?
新曲が配信開始されるやいなや一人3台くらいのスマホを使ってその曲をストリーミングで流しっぱなしにするらしいです、24時間で毎日(笑)。
時代は刻一刻と変化してます。
だからCDを買わなくても音楽好きの皆さんが楽しめるように、本ブログのような『ストリーミング時代のライナーノーツ』が必要なのです!
これが言いたかった(笑)。
『ハードワイアード~』のおすすめ曲
前作の「デス・マグネティック」ではキラーチューンと呼べるほどの目立った曲がなく、全体的にアルバムの持つ雰囲気から大きく逸脱したような曲もなかった印象ですね。
アルバムトータルとしては良曲多くて力作なのですが、伝説の名曲たちが並ぶライブセットリストに分け入っていくほどのパワーを持つ曲はないと私は感じました。
本人たちも手応え的にそうなのか?
前作からの曲は、ライブであんまり演奏されません。
しかし、今回はのっけからいきなりキラーチューンのスピードナンバーで攻めてきます。
ここまでフックの効いた曲が復活したのは『RELOAD』の「FUEL」以来ではないでしょうか?
世界中のファンも歓喜したに違いありません。
しかし、こういうキラーチューンの間に配置された曲が結構しんどいです。
特にDisc2。
ヘヴィでスローでまったりしたのが続くから、途中で
「あれ?LOAD聴いてたんだっけ?」
ってなりますもん(笑)。
そう、LOADのルーズさが全体的にまん延してるんですよね。
あれが合わない私みたいな人はちょっと苦手かもしれませんね。
スローでヘヴィでも名曲「 For Whom the Bell Tolls」や「Sad but true」みたいな極上の緊張感ってあるわけじゃないですか?
それはないんですよね・・・。
というわけで全曲レビューはせずに、今回は私が好きになった曲をいくつか、主観たっぷりに紹介します。
Hardwired
やっときました。
どストレートなメタリカ!
メタリカにしか出せないこのゾクゾク来る感じ!
これをどれだけ待ち焦がれたか。
一度はスラッシュメタルから完全に足を洗ったメタリカが「セイント・アンガー」で4作ぶりにスピードナンバーを復活させたというのに、
「なんか音が違う…」
続く「デス・マグネティック」でも同じく復活はしているのに
「うーーん、なんかノリきれない…」
しかし今回はちょいと違います。
サウンドは申し分なし。
ラーズのドラムの音になんのクレームも入らなかったのは珍しい(笑)。
職人芸のようなスラッシュリフも全盛期のものが戻ってきて、何よりゾクゾクくるスリリングさが戻ってきてますね!
ラーズのインタビューによると、通常メタリカはアルバムの顔となる1曲目を最初に作るらしいのですが、今回は最後になって
「1曲目にふさわしい曲がなくね!?」
となり、オープニング用に作ったとのこと。
ジェイムズとラーズのみで2日間でパパッと作ったらしいです。
Black Sabbath『パラノイド』の逸話じゃないんだから(笑)。
パパッと作れんじゃん。
しかも余計なことせずに3分でまとめるのが絶妙すぎる。
メタリカに眠る「ハードコアの血」が久々に発揮された快作ですね。
Atlas, Rise!
畳み掛けてきますね~。
このダウンピッキングで引き倒す強引さにしびれます。
すごくバウンドしたグルーブが気持ちいいです。
メタリカの曲でこんなに跳ねたグルーブ感を感じることはあまりなかったですが、久々にブラック・アルバムの頃の『ジャストのリズム』を感じましたよ。
このアルバムの中で一番頭を振りたくなる曲といいますか、メタラーの血を騒がせずにはいられません(笑)。
しかも最後の方、コテコテでクサクサのツインリードギターの旋律もメタリカらしいメロディでいいじゃありませんか!
Moth into Flame
2曲目のスピードナンバーです。
1stに収録の「The Four Horsemen」のセルフオマージュか?
と油断していたところに、突如として疾走し始めるリズム。
そこにジェイムズのシャウトが乗っかるとこめちゃめちゃかっこいい。
ビートにガンガンはまってる。
そしてそこからカークのリードギターがさらに乗っかるところたまんない。
これクサイとかコテコテとかいう人もいますけど、やばいですよ。
1曲目でビビってたのにさらに超えてきやがりました。
これは完全復活の兆しか?
復活とか言うほど低迷期があったわけではありませんが、好きな人なら言いたいいこと伝わりますよね(笑)?
ジェイムズのヴォーカルが久々にかっこよすぎる。
メガデスも「エンドゲーム」で完全復活しましたが、次作あたりでそろそろメタリカもあり得るか?
とかなり期待させるナンバーですね。
4月のニューアルバムはかつてないほどの期待値!
ManUNkind
この曲なんかまさにLOADに入ってても全く違和感のない曲ですね。
あの頃の蔵出し音源と言われても全く違和感がありません。
じゃあ、どうしてこの曲をピックアップするかというと、この曲にはフックがあるんですよ。
「ダンダダダダン!」
ですね。
このユニゾンに持っていくまでの変なリズムギターが大好きです。
リズムひねってんのにドラムは動かないみたいな。
こういうのやらせたらメタリカはピカイチですよね。
ラーズのドラムの真骨頂です。
でも途中、展開変わるところっているの?(笑)
この曲はある意味、このアルバムでキーポイントになる位置づけの曲です。
なぜなら「Moth into Flame」の後に3曲まったりが続いていたから、この位置でこの曲が登場しないと離脱すること必至です。
しかもこの後さらに3曲まったりが続くんですよ…。
Spit Out the Bone
80分の大作のようやくラストナンバーです。
この曲までみんな辿り着けましたか?
『フジロックの第1回が台風直撃で、中止のアナウンスが流れたから帰り始めていたら、いきなり大トリのレッチリがステージで嵐の中プレイを始めた時』
みたいな登場です。
なんちゅう例えやねん(笑)。
もう半ば諦めかけたところにいきなりキラーチューンが登場します。
これは目を見開きましたね。
この前の3曲はわざと落としていたんですね。
いやーメタリカも人が悪い。
しかし、この曲までにまったりが3曲で約20分続いてたんですよ(まあ最近はこのあたりも好きになってはきましたが)。
そこからのギャップがすごい。
それだけに3曲のスピードナンバーの中でも一番インパクトがありましたね。
凄まじいまでの緊迫感で曲が始まります。
3rdアルバム「マスターオブパペッツ」の#5「Disposable Heroes」ばりのど迫力でした。
2:30過ぎたあたりからちょっと迷走しますが、4:00でのギターソロから非常にかっこよく、この曲のハイライトかな?
この時点で4:40経過してるんだから、ここで終わったら良かったんじゃないの?
この曲なんかに次作への課題が浮き彫りになっているように感じるんですよね。
しかし、パーツパーツを見れば目を見張るばかりの輝きが戻ってきてますので、この長ったらしい構成を短くして、コンパクトにまとめれば相当なものが出来上がるように感じるんですがね。
このパーツごとの輝きは「LOAD」以降の4作の中ではダントツのものがあります。
2023年4月のニューアルバムにはかなり期待が膨らみますね。
はい、というわけで長々解説してきました。
本作を長い長いと言っておきながらなんなんですが…
このブログが長ぇよ!
長いですよそりゃ。
アルバムを聴きながらたっぷりと1時間くらいは読んでもらわないといけないのでね。
これからも長編解説ブログでやっていきますよ!