『ノー・モア・ティアーズ』(オジーオズボーン)私の人生を変えた一枚
どうもSimackyです。
本日はオジー・オズボーンのアルバム『NO MORE TEARS(ノー・モア・ティアーズ)』との出会いを語りながら、この最高傑作、いえ、ロック史上稀に見る傑作を解説していきますよ。
私とオジーの出会い
オジー・オズボーンって超男前!?~なんともヘンテコな出会い~
私がオジーと出会ったのは中学3年。
プロレスのヘル・レイザースが好きだった流れから出会いました。
その入場曲『ヘルレイザー』が収録されたのがこのアルバム。

『ノー・モア・ティアーズ』
見てください、このジャケットの男前なOZZY。
すごく中性的で神秘的な顔。
これで『ヘヴィメタルの帝王』とかいう肩書付いたら完璧じゃないですか。
ただプロレスのヘルレイザーズというタッグチームの入場曲が好きなだけで、手に入れたという動機です(正確には買ったのは友達のS君で、それをもらった)。
それで、こんな素晴らしいアルバムに出会えるなんて私はなんて幸せ者なのでしょう!
この人が何者なのかもまったく分からないまま、評論家・伊藤政則さんのライナーノーツを読みすすめるわけですよ。
数々の伝説を作り、ヘヴィメタルに対する偏見を背負ってきた男は、長年の戦いとアルコールとドラッグに疲れ果て、静かにその伝説に終止符を打とうとしている、、、、
みたいなしんみりしたことが書いてあります。
全然これまでの経緯も何も知らないチューボーの私が
「うっうっ、、、OZZY、、、長い間お疲れ様、、、(泣)」
ってなるくらいこの伊藤政則さんのライナーが泣かせるんですよ。
「いや、お前まだなんも知らんだろうが!」
とチューボーの私にツッコミを入れたくなるんですが(笑)。
ライナーノーツとこのジャケット写真が、まだロックを見たことも聞いたこともなかったチューボーの妄想を駆り立てるんですね。
OZZYがドラマティックな悲劇の主人公のようにさえ見えるというマジックがかかったアルバムです。
このアルバムの時のOZZYの声はキャリアを通して一番好きな声で、
「この世にこんな声を出せる人がいるんだ」
と、まだ見ぬOZZYがさぞかしかっこいいパフォーマンスをしている姿を思い浮かべたものです。
余談ですが、ここから遡って昔のソロアルバム5枚を聞くとボーカルの声に
「あ、あれ?」
ってなりました。
なんか声がちゃんと出ていないというか、喉が開ききっていないような歌い方というか。
まあ、所詮これは好みの話ですが。
どうも私は1980年代のオジーの声、アルバムで言うと1作目『ブリザード・オブ・オズ』から5作目『ノー・レスト・フォー・ザ・ウィケッド』までのオジーの声はどうも苦手のようです。
本作の声は文句なしにかっこいいし、1996年の『OSMOSIS』聴いた時にも
「これこれ!やっぱオジーの声はこうじゃなきゃ!」
ってなりましたね。
サバス時代のオジーの声も大好きです。
さて、中学時代は情報がとにかく何もなく、OZZYは私の中で
『声もルックスもとにかくかっこいいカリスマ』
だったのですが、その後、オジーの他のアルバムも買おうと、友達と行った田舎のCDショップで、まず手に取った一枚がこちら⇩
(以下、中学の頃の私の気持ち)
…‥あんた誰?
あー、あ、あれね、これ特殊メイクね!な、なーんだびっくりした。
だよねー、イケメンOZZYがこんなののわけないもんね、ふー、驚かせやがって。
んー、でももったいないな、どうしてイケメンなのにわざわざこんなかっこ悪いメイクするんだろうね。
イケメンってのは自分の顔の美しさにきっと自覚がないんだろうね。
あの声だよ?
カリスマで帝王だよ?
きっと帝王の椅子みたいなのが似合うものすごいオーラを放っている人なんだよきっと。
それでいて背中に天使の羽が見えるくらい中性的で神秘的なイケメンなんだよきっと。
ドンマイドンマイ…。
で、次の一枚を手に取ると…
……ちょ、ひとまず落ち着いてくれ。
正気か!?
あんた自分の素材の良さが分かっているのか?
昔のあんたはこうだったはずだろ?⇩
確かに帝王っぽい椅子に座ってるけど、なんか想像してたのと違うぞ。
獣のような胸毛と特大の入れ墨、、、。
天使の羽どころか悪魔の羽が見えてきそうな勢いなんですけど。
自暴自棄になるなよ。
さらに次の一枚を手に取ると…
おおおおおおおいっ!!!
嫁さんか!?嫁さん(シャロン)が家の中に入れてくれなくて今日は木の上で寝るのか!?
もう中学生の私の頭の中は、何から突っ込ん良いのか分からずパニック状態です。
この狂人が何をどうすればこれがあのイケメンジャケットになるの?
写真の加工とかいうレベルではないだろ。
韓流スターでもそこまでの加工はしないぞ…
参加メンバー紹介~どいつもこいつもすごかった…~
OZZYが男前だと勘違いしていてがっかりする経験なんて、多分、世界中で私一人だと思いますが(笑)。
そしてこの5年後にあっさり引退宣言を取り消して復帰する気まぐれOZZY。
もうドラマティックに書き立てた伊藤政則さんの立つ瀬がないない。
こうしてあのライナーノーツを振り返ってみると思いっきり『スベっちゃった感』でてます。
穴があれば入りたいくらいの恥ずかしさですね。
このアルバム歌詞カードの中間(裏ジャケかも)にもメンバー4人の写真があるのですが、それもかっこよくてね。
超かっこよくないですか?
特にザック・ワイルドが帽子を被ってちょっと下向いているから目線が隠れてるのなんかやばいくらいかっこいい。
まだ22,3歳くらいだもんな、この頃。
ちなみにザックの右隣りに立ってるのは元メガデスのマーティ・フリードマンではありませんよ(それがオジーです)。
ベースのマイク・アイネズ(右から2番目)もこのオーラやばいですね。
でもスタジオレコーディングには参加していません(レコーディングは多分ボブ・デイズリー)。
ドラムはランディ・カスティロ。
この人はOZZYの歴代ドラマーで一番好き。
もうね、パフォーマンスからファンを愛しちゃってるのが伝わってくるというか、パフォーマンスもステージに対する姿勢も単なる『バックメンバー』っていう意識じゃないんだよね。
だからファンからも愛されているのが伝わってくる。
86年の『罪と罰』から参加してるから93年のラストツアーまで足掛け8年も在籍した人だもんな。
歴代でザックに次ぐ在籍期間の長さ(いつ在籍しているのかが分かりにくいボブ・デイズリーという人もいますが:笑)。
それだけOZZYに信頼されていた人なんですね。
その後はモトリー・クルーに入ります。
私も同じドラマーとしてトップクラスにリスペクトするお人ですね。
私の中ではレッチリのチャド・スミス、ツェッペリンのジョンボーナムと位置づけ的に近い人です。
ドラムコピーも全部しましたよ。
タメの効いたフレーズ叩くんですよこの人。
ちなみにこの前のアルバム『罪と罰』と『ノー・レスト・フォー・ザ・ウィケッド』でのドラムの音はあまり好きではないのですが、このアルバムでは完璧なサウンドです。
このあたりはプロデューサーやエンジニアの手腕によるところが大きいんだと思います。
ザックとこのランディの存在感からか、この頃にはすごく『バンド』感が出ていた。
それがすごく感じれるのが後に手に入れるこのビデオなんですが。
『ノー・モア・ティアーズ』のツアーのラストライブとブラック・サバスの一夜限りの奇跡的な再結成まで入ったてんこ盛りの充実内容です。
盛り上がる盛り上がる。
「OZZYはきっとかっこいいんだ」という残されたわずか1%の夢がこなごなに粉砕されるビデオテープではありますが(笑)。
「ええっと、、、なんかパンダみたいによちよち歩きのおっさんがいらっしゃいますが、この人は…?」
それが御大オジー・オズボーンなんですよ!
まあ、それを埋めて余りあるほど、ザックとランディとマイクの3人がかっこいいからまあいいんですが、、、。
OZZYのソロプロジェクトなのにチームとしてまとまってる。
『オジー・オズボーンバンド』と言われるのも納得です。
これって今考えるとすごいことで、OZZYとザックやマイク・アイネズで親子くらいの世代が離れてる。
こんな編成、普通のバンドではありえません。
OZZYがずっと現役の第一線で活躍してこれたのは、OZZY自身が音楽的に若い感覚を持っていたのもあるでしょうが、若いエッセンスを常に取り入れていたからでしょう。
『ノー・モア・ティアーズ』の隠れ名曲たち
はい、代表曲の存在感があまりにも強烈で、ツアーでもそれらの曲しかやらないので見過ごされがちなのですが、本作は全てが名曲なんです。
まずは普段スポットライトを当てられない隠れ名曲たちからご紹介しましょう。
隠れ名曲①#7『Hellraiser』
このアルバム『ノー・モア・ティアーズ』は以前も書いたようにプロレスのヘルレイザーズの入場曲に#7『ヘルレイザー』が使われててそれを気に入ったからなんですが、
この曲は今聴いてもすごく『雰囲気を持った曲』ですね。
まさに入場曲としてはぴったりです。
今あらためて聴きながらこのブログ書いているのですが、ギターのあり方が特殊なんだなって感じます。
このアルバムは全曲を通して『映像的なものを想起させる』ことにギターが大きな役割をになっています。
効果音的な使い方、幻想的な音の出し方。音の強弱やフェードイン・フェードアウト、、、、。
、、、って、ドラマーの私がギターのウンチク語ろうとしてもボキャブラリーも表現力も不足しますね(笑)。
プログレやサイケの手法をヘヴィメタル流に取り入れていることになるんですかね。
それが長たらしかったり聴いててだるいことがないのが素晴らしいバランス感覚だと思います。
単なるギタリストのスーパープレイというわけではなくて、曲の持つ雰囲気を作るのにすごく効果を発揮している。
若い頃の技巧派ギタープレイヤーなんてともすれば速弾きフレーズやメロディっていうものをどうもってくるかということに頭が行きがちにもなると思うのですが、それだけじゃないっていうところがすごい。
これはザックがすごいのか、プロデューサーの手腕なのか分かりませんが。
ザックはソロになってからも初期2枚(『プライド&グローリー』や『ブック・オブ・シャドウ』)でスーパーギタリストらしからぬバランス感覚を見せますからね。
弾きすぎずに曲の良さを優先したプレイをするというか、これは後にブラック・レーベル・ソサイアティというプロジェクトではあまり見えてこないバランス感覚ですね。
ブラックレーベルではギタープレイの攻撃性とヘヴィさに重きを置きすぎて、肝心の音楽性が置き去りにされている感をどうしても感じてしまうので(6弦を2音半下げにするチューニングとか)。
弾きまくりたいお年頃だというのに大したものだと思います、あの頃のザックは。
OZZYの場合はもともとコンセプトとして
『ホラー映画的なことを音楽で表現する』
というのをブラック・サバスから発展させてソロで進めてきたのですが、それが90年代の音楽機材の進化と素晴らしいメンバーによってついに理想のところまで行き着いた感があります。
隠れ名曲②#9『Zombie Stomp』
それが一番顕著なのが#9の『ソンビストンプ』。
なんと、イントロが2分もあるというOZZYの楽曲でも珍しい、後にも先にもこれっきりっていう異色の曲が入っています。
これがまた非常にかっこいい。
最初はベースの音しか聞こえないのですが、色々打楽器や特殊効果音が入ってきているうちに、いつの間にかギターやドラムが入ってきている。
「え?どっから?いつの間に?」みたいな印象です。
効果音による薄気味悪さ、魑魅魍魎(ちみもうりょう)が跋扈(ばっこ)している雰囲気が見事に出ているし、
サビの終りの部分でOZZYの声に特殊効果が入るところなんかもまさにソンビを彷彿(ほうふつ)とさせる効果を出していて、これはすばらしいですね。
音楽におけるゾンビの表現に関してはマイケル・ジャクソンとオジーがその道の権威と言えます。
ソンビものやろうと思ったら彼らにお伺いを立てなきゃ駄目ですよ(笑)。
冒頭の2分も全然長たらしく感じない。
このアルバムに関する色んな人のレビューを読んでいてもこの#7#9はあまり語られていないですけど、素晴らしいですよ。
隠れ名曲③#10『A.V.H』
次に上げたいのが#10『A.V.H』です。
冒頭のアコギ部分が広大なアメリカの大地を想起させるというか、カウボーイ映画なんかで使われそうな雰囲気が非常にいい。
そこから爆発するように始まり、動きまくるメロディアスなリフ。
このリフ大好きです。
ポップでかっこいい。
曲全体に通して流れるこのグイグイくるポジティブなエネルギー。
めちゃめちゃテンションがアゲアゲなナンバーです。
これもかなりの名曲なのにどうして語られないかな~。
このアルバムに関してはヘヴィメタルというよりハードロックのノリに近いと思うのですが、それを象徴するのがこの「A.V.H」かなと。
究極の隠れ名曲#6『S.I.N』
そして最後がこのアルバムのというか、OZZYの全キャリアを通しても、ザック・ワイルドのソロ活動を含めてまでもキング・オブ隠れ名曲なのが#6『S.I.N』です。
この冒頭から漂う哀愁。
そしてメタルの帝王と言われるOZZYのアルバムの中で異色のブルージーさ。
このあたりからザックのブルース・ロック、サザンロックの雰囲気が出ていますね。
フレーズ自体は確かにメタルなのにも関わらずなんでこうブルースを感じるんでしょうか?
まあ理屈はともかく、ハートが鷲掴みにされること必至なナンバーです。
中間部のギターソロもいいですが、何と言ってもラストのギターソロとドラムのオカズの嵐で盛り上がっていくところなんか圧巻です。
これは私的にザックの史上最高のプレイになります。
縦横無尽に荒くれまくり、鳴かせる泣かせる、、、。
ザックの渦巻レスポールが唸りを上げ、ランディカスティロが鬼のオカズを叩きまくり、
お互いがお互いの音に反応しあってバトルしているようなステージのシーンが目に浮かんでくるようです。
残念ながらこの『S.I.N』のライブ映像はどれだけYou Tubeで探しても見つからないんですよね。
“隠れてしまった“悲劇の名曲#1『Mr. Tinkertrain』
この4曲は隠れ名曲ですが、ここに入れるか入れないか迷うのが#1『Mr.ティンカートレイン』。
冒頭のイントロいいですね。
サイコパスな感じが凄く伝わってきて。こういう『いかにもではない』角度からのホラーの演出はオジーでは初ですよね。
『隠れ』というには目立ちすぎているしMVもあるのですが。
でも#2が『I dont change the world』がグラミー賞とった大名曲。
#3もシングルヒットした名バラード『ママ アイムカミングホーム』。
#4『ディザイア』はザック時代の超人気曲(というよりOZZYのソロを通して一番好きな曲かも)。
ダメ押しで#5がタイトル・チューンと、、、、
代表曲が並ぶものだから確かに霞んでしまう(笑)。
今更ながらこの冒頭の流れ凄まじいな。
実は一番泣ける曲#11『Road to Nowhere』
それから私はOZZYの必殺パワーバラードは非常に好きで、OZZYを知らない人、ヘヴィメタルが苦手な人には真っ先に聴いてもらいたいです。
私は各アルバム1~2曲程度入っているのを密かに楽しみにしている一人なのですが(入っていないのもありますが)、それが#3・8・11と3曲も入っている点でそれまでとは違うアルバムですね(その後だと『オズモシス』が同じ構成になっていますが)。
しかもどれも完成度が非常に高い。
圧倒的人気曲の#3『ママ・アイム・カミング・ホーム』にスポット当たりがちですが、#11『ロード・トゥ・ノーウェア』はOZZYの傑作バラードの中にあっても私は一番泣きました。
何なんでしょうね、この人のバラードセンス。
OZZYのあまり評価されていない一面というか。
問答無用の代表曲たち
これほんとにオジーの曲?神曲#5『 No More Tears』
はい、こっからは問答無用の代表曲です。
まずはタイトルチューンの#5『ノー・モア・ティアーズ』。
なんていうギターリフの重さでしょう。
音階的にこれよりも重い音は、メタルの世界にいくらでもあるのでしょうけど、この重さはそういう問題ではない。
表現力で重く感じるってやつです。
まさに本家ブラック・サバスのお家芸とも言える「ほんとうの意味でのヘヴィさの表現」がここにはあります。
さらに、この曲は映像的という意味では究極でしょう。
私は『様式美』という言葉が嫌いなのでその表現は使いませんが、映画か何かのテーマ曲のような壮大な展開で、これをライブでやる時にランディ・カスティロがティンパニーまで持ち出して叩いていたのは印象的です。
オジーのバラードと言えば…#3『ママ・アイム・カミング・ホーム』
この曲はオジーが引退を宣言したからこそ、余計にファンたちの心にぶっ刺さった曲と言えます。
「ママ、もう俺、疲れたからこのへんで帰ることにするよ…」
っていうタイトルなんですよ?
なんか伊藤政則さんのライナー・ノーツも相まって、哀愁の漂い方が尋常じゃないんですよ。
世間の自分に対する風当たりの強さ、それでも世の中に合わせて生きていけないオジーの悲哀、そしてそんなオジーを守ってやれなかったファンとしての悔しい気持ち…。
色んな思いが込み上げてきます。
「オジー…ごめん、ごめんなぁ。俺達が不甲斐ないばっかりに、孤独な思いさせて…」
っていう気持ちになっちゃう。
いや、お前この前までオジー知らんかっただろ。
マサのライナーノーツに便乗すんな。
オジーがPMRCの弾圧と戦ってた時にお前は
ミニ四駆をいかに速く走らせるか
しか考えていない小学生だったくせに。
いやね、ついこの間までオジーを知らなかった私でさえそんな気持ちにさせるほど、マサさんのライナーが神がかってたし、この曲の哀愁が相乗効果を発揮していたんですよ。
しかし、引退撤回、復帰した今から振り返ってみても、この曲の『哀愁と温もりの表現』は素晴らしい。
ビートルズが大好きなオジーが一番やりたかったことって、きっとこういうバラードだったんでしょうね。
天才ザック・ワイルドのアコギがオジーの理想を具現化した名曲です。
グラミー賞受賞#2『アイ・ドント・ウォント・チェンジ・ザ・ワールド』
この曲はザックの独壇場ですね。
イントロのリフからして鳥肌が立ちっぱなし。
なんてリフを考えやがるんでしょうか。
あの印象的なリフがブレイクするところでオジーが
「ウゥッ!!!」
っていうところあるでしょ?
あの部分はもともと、ザックがスタジオであのリフを弾きながらブレイクするところで下ネタとかのジョークを言って、一人で楽しんでたんです。
それを見たオジーが、あのリフに触発されて歌をのっけていって発展していったものなんですよ。
それが出来上がってみると、よもやグラミー賞まで受賞することになるなんて!
『キテる』時ってのは、何をやってても名曲が出来てしまうんでしょうね。
かつてのブラック・サバスのように。
ただひたすらかっこいいとしか言えない#4『ディザイア』
この曲は本作で一番好きでしょうね。
ただただひたすら「かっこいい」としか言えない。
ため息しか出ません。
ザックのリフもソロも完璧なんですが、オジーのシャウトも炸裂してる。
オジーの声は本作で覚醒してからが好きで、’80年代の声は好きではなかったのですが、この曲ではその覚醒したかっこいい声が一番堪能できます。
で、『罪と罰』『ノー・レスト・フォー・ザ・ウィケッド』と、あんまりパッとしなかったランディのドラムの音が、これまた素晴らしい仕上がりになってる。
このドラムの音で『ノー・レスト・フォー・ザ・ウィケッド』を録れば、私の中でもかなりの上位に来るほど好きなアルバムになったかもしれません。
音だけじゃなく、この『タメ』もいいですね。
オジー、ザック、ランディの最高の瞬間が凝縮されている決定版ですよ、この曲は。
オジーの入門編としてこれ以上のアルバムはない
このアルバムはジャケット写真だけじゃなく、音楽にもマジックが起きています。
OZZY流の表現をするなら『ケミストリーが生まれている』。
この言葉、一時期は流行りましたよね(笑)。
このアルバムね、初期の2枚のランディ・ローズ時代が一番好きな人、様式美ヘヴィメタルが好きな人からはあまり評価高くない印象があります。
私の周りでもイングヴェイとかハロウィーンとか好きなギタリストは前作の『ノー・レスト・フォー・ザ・ウィケッド』がソロOZZYの最高傑作だと言う人多いですね。
音楽の好みは人それぞれと言えど、この『ノー・モア・ティアーズ』の奇跡的なクオリティの高さは『好み』では済ませられないものがあります。
私は最初にオジーに出会ったアルバムでもあり、ロック、ヘヴィメタルの入り口でもありました。
人生を変えてくれたオジー・オズボーンに足を向けて眠れません(笑)。
それではまた!