アルバム『ゴールド・エクスペリエンス』の曲とプリンスの生き様を語る

本記事はプロモーションを含みます。

どうもSimacky(シマッキー)です。

本日はJOJOの5部でもおなじみのプリンス『ゴールド・エクスペリエンス』を語っていきます。

音楽の神に愛された男プリンスの世界へ入門しましょう!

『ゴールド・エクスペリエンス』を語るとプリンスの本質が見えてくる

今回私は『ゴールド・エクスペリエンス』を紹介はしますが、曲紹介や感想は控えめに、『ゴールド・エクスペリエンス』に絡めながら、プリンスという稀代のアーティストを語ります。

膨大な作品群を誇るプリンス全体を語るのであればベスト盤を紹介したほうが良さそうなものです。

しかし、あえてこの『ゴールド・エクスペリエンス』を入門編としてチョイスする理由、このアルバムでなければいけない理由が3点あります。

●特に日本人にとって『身近な』アルバムであること。

●このアルバムを語ることで『プリンスを語る上で重要な”本質”の部分』をお伝えする事ができること。

●長らく廃盤で聴くことができなかったが、ストリーミング配信でいつでも聴ける時代になったこと

以上3点です。

色々ブログやファンサイトを見ていて

プリンスは初心者にはものすごく敷居が高いアーティスト

だと感じました。

ですので、今回の私の目的は

「変態みたいな、もとい、”天才”と表現される難しそうなプリンス」

に興味を持ってもらい、「プリンスはなんかヤダ・・・」とか「難しそう」という方にも軽い気持ちでまずは聴いてもらうことにあります。

そのためにこのアルバムはまさにうってつけなのです。

JOJOファンは『ゴールド・エクスペリエンス』を知っている!?

そもそも私はまったくプリンスとカスリもしない人生を送ってきたと思っておりました。

そんな私がどうしてプリンスを聴こうと思い始めたのか?

すんごく遠回りな話をしますので付いてきてくださいね(笑)。

ずばり

『ジョジョの奇妙な冒険』略してJOJOです。

尊敬する荒木飛呂彦先生の影響ですね。

この漫画の主人公が使う特殊能力が「スタンド」と呼ばれる超能力で、それに『ゴールドエクスペリエンス』と名付けられているんです。

荒木先生はキャラやスタンド名に好きなアーティストの名前を付けることで有名なんですよ。

このキャノン砲みたいな髪型の人が主人公で、右にいるサイバイマンみたいなのがスタンド『ゴールド・エクスペリエンス』です。

荒木飛呂彦先生と言えば、あの天下の少年ジャンプ全盛期にあって、

その後の漫画家達にとって影響を受けていない人はいないのではないかというほど絶大なる影響力を誇ったお人。

この荒木飛呂彦先生の音楽好きは有名で、全国のファンの中ではJOJOを通して洋楽に入っていく人は少なくないと思われます。

サブスクの世の中にあってはさらに増えるでしょう。

その荒木飛呂彦先生が一番好きだと公言しているのがなんとプリンス!

プリンスは取り扱われたアーティストの中でも頻度がやたらと多い

にわとりの名前に付けられたり、主人公が好きなミュージシャンに挙げていたり。

つまりJOJOがプリンスの登竜門のような役割を果たしていると(笑)。

そして主人公のスタンド名に起用されたことで『ゴールド・エクスペリエンス』は

「JOJOファンがまず最初に聴くであろうプリンスアルバム」

という位置づけにあるわけです。

『敷居の高さ』を乗り越えさせてくれる名盤

皆さんはプリンスについてどんなイメージがあるでしょうか?

私は実は全く知りませんでしたからイメージも何もなかったです。

幸いなことに。

これがプリンスです。

私はある意味まったく知らなかったのが今回の出会いにつながったとも言えます。

これ見てたら私の食指はまず動かなかったです(笑)。

で、プリンスをストリーミングで探してみるとなんとまあ、とんでもないアルバムの数々、、、。

オリジナルアルバムも40枚くらいあります。

他のアーティストへ提供した楽曲も含めたらきりがありません。

35年のキャリアで1年に1枚以上のペース。

さらに2枚組なんてのはザラ、3枚組の次に4枚組ボックスセットがリリースされることもあります。

天才ゆえに発売前にボツにした作品は数しれず。

何曲ではなく『何枚』という単位でボツにしていきます(笑)。

流出した膨大な量の海賊版に死後スタジオ金庫で発見された数十のアルバムと、これまでにリリースされたことのない50を超えるミュージックビデオ

未だ8000曲を超える未発表曲が眠っているとも言われます。

おまけに他の誰とも似ていない独特の音楽性とその幅広さ、、、。                             

ファンク、ソウル、ロック、ジャズ、ポップ、ダンス、ヒップホプなどあらゆるジャンルがごった煮状態です。

加えてあの奇抜なルックスなんて読むのかわからないアーティスト名

日本でもカルト的な人気を誇る漫画家(荒木先生のことね)がイチオシしている。

ペアレンタル・アドバイザリー」という『親への勧告・未成年への不適切内容含みます』というお馴染みマークを生み出すきっかけになったのは、プリンスがある曲に卑猥な歌詞を付けていたから。

これね

どうです?

徐々に戦意が喪失してきたでしょう(笑)。

今、あなたの目の前にワンピースのレッドラインのような高い壁がそびえ立ったことでしょう。

そう、今あなたのあたまに浮かんだレッドライン…それが『プリンスの敷居の高さ』です。

まあ、最初はあまりにも膨大な量のためどれから聴けばいいか分からないですよ普通は。

サブスクの世の中なので全ての作品は手元の携帯の中にずらりと並んでいるわけですから。

そんな中でJOJOで縁があったから聴き始めたのがこのアルバムで、これをメインで聴きながらたまに他のアルバムも、、、

という進め方をしてきたから迷子にならずに済んだというか。

そういう私の実績もありますので、信頼してもらって大丈夫です(笑)。

『ゴールド・エクスペリエンス』解説

このアルバムの位置づけ

この『ゴールド・エクスペリエンス』は18曲もあって「大変そう」と思われるかもしれませんが

#2,6,9,11,13,17の6曲はオペレーターのナレーション

という趣向ですので、純粋に曲としては12曲だし、ちょうど1時間位の長さですね。

これは’90年代のどのアーティストと比べても決して長くはなく、

プリンスのアルバムとしてはむしろ短い方で、食事で例えれば

「オリーブオイルを絡めたサラスパにワインを合わせる」

みたいな小洒落た軽さ。

ちなみに翌年1996年発表の『イマンシペーション』は

3枚組36曲きっかり3時間あります。

こういう『3時間焼き肉食べ放題』に比べればこのアルバムがいかに軽いか分かってもらえると思います。

一番ノっていた時期の作品

‘80代が全盛期とも、‘90年代は不調期だとも言われるプリンスですが、

個人的な見解としてはクリエイティビティの面で言えば一番脂が乗っていた時期が‘90年代であり、セールスとそれに合わせた話題性がともなっていれば‘90年代こそが全盛期と言われていたのではないかと思っています。

プリンスの‘90年代作品群はかなり充実の内容だし、この時期の曲作りのペースたるや、ちょっと常軌を逸しています。

多分

「きょ、曲が溢れてくる~!芸術が爆発している~!」

みたいな猛烈な創作欲求に駆られていたんでしょう(笑)。

そんな時期の真っ只中に発表されたこのアルバムが傑作でないわけがありません。

’80年代をプリンスの全盛期とする人からも非常に評価が高いアルバムですしね。

”ポップ”ではあるが”キャッチー”かと聴かれると…

まあ、プリンスは敷居が高いと散々不安にさせることを書きましたが、安心してください

実際はこの人の音楽性自体はあまりマニアックでもアンダーグラウンドでもないですから(もちろん40枚の中には難解なのも数枚ありますが)。

マイケル・ジャクソン、マドンナとならび「3大ポップスター」という語られ方もするぐらいですから、音楽はポップであることが根底にはあります。

事実、ヒットチャート1位もグラミー賞もいくどとなく獲得していますし、なんとアルバム総セールスは1億5000万枚とも言われますから。

音楽性が難解であればこうはならないでしょう?

一般大衆に支持される音楽性であることの証明です。

その点で同じ多作家型変態…あ、もとい天才と呼ばれるフランク・ザッパとは違うわけですよ(彼も彼で好きですが:笑)。

しかし、『ポップ』ではあるが『キャッチー』だと感じるかどうか?は、意見が分かれると思ったほうがいいです。

いわゆる「歌もの」ではない曲も多いため、歌謡曲の「はっきりと分かりやすい歌メロ」に慣れている日本人には

「ピンとこないな」

となることが多々起きると思います。

私が今まさにその状態ですから(笑)。

でもそれはプリンスがという問題ではなく、ブラックミュージック(ファンク・ブルース・ソウルなどなど)がそもそもそういうものだと私には思えます。

「歌メロ」を楽しむというより「心地いいグルーブの波に浸る楽しみ」というか。

このアルバムは比較的キャッチーの部類に入る曲が多いと感じ今回おすすめはするのですが、これ聴いただけで「これがプリンス」とは決めつけないほうがいいですね。

アルバムごとに実験の繰り返しで、出すたびに革新的なことをやってシーンを引っ張ってきた側面があるので、アルバムごとにバラバラですから。

まあ、聴き尽くせないほどアルバムはあるので、これが合わなくてもあなたにぴったりなアルバムはあるだろうし、これが好きになっても次に聞くアルバムが気に入るとも限りません。

CDではなくサブスクなのなら何枚聴こうが料金変わらずです。

変に気をはらず気長に見つけてみるのもいいと思いますよ。

K-1主題歌『エンドルフィンマシーン』が入っている

このアルバムは最初に入ったアルバムなのですが、日本人ならおそらく1度は聴いたことがあるんじゃないかという曲も2曲あるので取っ掛かりには丁度いいのではないかと。

まずはこの曲を紹介しましょう。

なんと言っても

大名曲#3「エンドルフィンマシーン」

これは日本人で聴いたことがない人はほとんどいないのではないでしょうか?

K-1グランプリのテーマ曲で大好きだった曲なんですね。

このアルバム初めて聴いたときの驚きといったら。

「えーーーっ!!なんでいきなりK-1のテーマ流れ始めたの?え?プリンスだったの?」みたいな(笑)。

私は格闘技好きでビデオに録って何回も見るほどだったので、かなり馴染みのある曲です。

考えてみると、あれだけの長い期間テーマ曲が変わらなかったのですから、

いかにテーマ曲としての人気が高かったか

がうかがい知れるというものです。

めっちゃかっこいいから気にはなるのですが、曲自体がクローズアップされることもないので、

アメリカ/イギリスではない南米などのマニアックなメタルバンド」

か何かだと思っていました。

だって著名なアーティストが手掛けていて、あれだけ多くの人にテレビで聴かれている状況があるのであれば、レコード会社はここぞとばかりにプロモーションをかけますからね、普通は。

テーマ曲の日本限定版シングルカットに始まり、プロモーションでの音楽番組出演、来日コンサートなどですよ(シングルカットはしましたが)。

K-1のリングサイド観戦でもすれば多くの人に知ってもらえるはずですよね?

これを指くわえて静観しているレコード会社なんていないでしょう。

でも、そういう傍目にも分かるプロモーションがないから無名なバンドの曲だと思ってしまう。

ところで知ってます?

K-1の最高視聴率なんて紅白を越えて43%を叩き出す

こともあったんですよ?

当時、米国に次ぐ音楽市場ナンバー2の日本。

その1億2000万人の43%だと

5160万人が見ている

ことになります。

これ大晦日の1日だけの話ですよ?

K-1全盛期は年に何回の放送があったことでしょう?

それが何年続いたことでしょう?

しかも放送時間はことごとくゴールデンタイムですよ?

分かりますか?

K-1のテーマ曲になるということがどれほどのことなのか。

紅白に出場するより宣伝効果が大きいのです。

これだけ多くの日本人の耳にとまっているはずなのに話題にあまり上がらない。

あれだけK-1見てても『プリンス』っていう言葉は聞いたことがない。

さらに追い風となるJOJOでのスタンド名への起用も同時期ですよ?

本来であれば

『鬼滅の刃の主題歌「紅蓮華」で大ブレイクしたLiSAみたいな状況』

になっててもおかしくない。

『鬼滅』がブレイクするまでLiSAがそんなに知名度ありましたっけ?

まあその前に『ソード・アート・オンライン』の主題歌でも売れてはいましたが、鬼滅のブレイクほどじゃあなかった。

今は知らない人がいないくらいでは?

じゃあプリンスは?

何かおかしくないですか?

というよりもはや異常ですらあります。

これが実は『プリンスを語る上で重要な”本質”の部分なんですよ。

名前を伏せてシンボルマークにしていた時代の作品

実は、契約先のレコード会社であるワーナーと揉めて、このアルバムからはプリンスっていう名前を伏せて通称『ラブシンボル』と呼ばれるマークを冠していたのです。

そしてその読み方を決めていなかったため、なんともどう扱って良いのやら業界中が困っていた時期らしいです。

これが問題のマークですね。

「読み方は決めてないんだ」(プリンス)プリンス「ラブ・シンボル」の原型をデザインしたのは当時無名の女性デザイナー、シングル「7」のラフ・スケッチが原型 - amass

じゃあどうしろと?

長年プリンスを愛してきた荒木先生もびっくりでしたでしょうよ。

ちなみに呼び方が決まっていないので「The Artist Formerly Known As Prince(かつてプリンスと呼ばれたアーティスト)」と便宜上呼ばれてはいたらしいのですが、

こんなどこの馬の骨ともつかない名称や謎のマークで積極的なプロモーションができますか?

想像してみてください。

プロモーションでミュージックステーションに出演したイメージを。

タモリ「はーい、続いてはプリンスさん、、、え?駄目なの?あ、失礼しました。The Artist Formerly Known As Princeさんでーす。はいどーもこんばんわ。今回プリンスさん、あ、じゃなかった。The Artist Formerly Known As Princeさんの曲はK-1のテーマ曲に採用されたみたいで云々カンヌン・・・」

有賀さつき「はい、それではプリンスさん、あ、失礼しました。The Artist Formerly Known As Princeで「エンドルフィンマシーン」「GOLD」2曲続けてどうぞ」

やりづらいわっ!

呼び方がないというのはこんなに困ったことになるわけですよ。

口コミにしてもそうです。

学生たちの学校での会話を想像してみてください。

Aくん「昨日のK-1熱かったね!あのテーマ曲がかっこいいよね!」

Bくん「あれいいよねぇ。何ていうアーティストだっけ?」

Aくん「いや、よく見てたらなんかよく読めないアーティスト名になってるんだよね、マークっていうか」

Bくん「マーク?あー、じゃあ無名な一発屋アーティストか何かじゃない?」

一発屋じゃねぇよ。

ここから

アーティストの話題へは1ミリたりとも進みません

ここで「プリンス」って言葉が出れば話は広がるわけですよ。

「それってJOJOになんか出てこなかった?」とか「え?プリンスだったら兄貴がもってなかったっけ」とか。

「CD屋で見かけたけど裸のジャケット見たことあるよ」とか何かしら広がるわけですよ、ザワザワとね。

これが話題になるってことでしょ?口コミでしょ?

呼び方がなければ口コミも広がらないわけです。

このK-1からの長々としたくだり、これらの例え話をしたのは

『名前を伏せることがどれだけセールス面でビハインドになっていたのか』

を具体的にイメージしてもらうためであり、逆に言えば

『ちゃんとプリンスの名前で大手のワーナーがプロモーションを手掛けていれば、とんでもないセールスを叩き出していた可能性もあった』

ということを意味します。

ちなみに『とんでもないセールス』というのはプリンスくらいのセールス規模の場合、当然

1000万枚超え

を意味します。

かつてはマイケル・ジャクソン、マドンナを抑えて

史上最高契約額1億ドル

を叩き出した人なんですよ?

そりゃそうでしょう。

とんでもないほどのチャンスロスをしているということがご理解いただけましたでしょうか?

しかもこのアルバム、何故か廃盤になり、ストリーミングが開始されるまでは幻の名盤扱いになっていました。

まあ、サブスクでは聴けるのでいい時代になったなとは思いますが、それにしてももったいない。

プリンスの本質が見える曲#17『Gold』

ここでは「エンドルフィンマシーン」と同じく、K-1のテーマ曲(エンディング)になったもう1つのこのアルバムの『』を紹介しましょう。

ラストの#17『Gold』です。

この曲を通して『プリンスを語る上で重要な”本質”の部分』についてお話しましょう。

先程は笑いの要素も交えながら書いたのですが、そもそもワーナーと契約のあり方で揉めて名前をマークに変えたプリンスは何がしたかったのでしょうか?

それは「作品の所有権(原盤権)は本来ミュージシャンがもっていなくてはならない」という主張でミュージシャンとレーベルのあり方、仕組み()を変えることだったと思います。

「作品の所有権がレーベルにあるのはおかしい。ミュージシャンの権利が認められないのならあんたらの会社との契約はなしにする」と。

もちろん音楽もビジネスであり、契約ありきなわけですから、契約を交わしたあとになってこの

『後出しジャンケン』

のような主張に正当性があるかと言われれば判断は難しいです。

「わがまま」とか「横暴」とか「多額の契約金(史上最高額)もらっといてそれはどうなの?」とか色々叩かれもしたらしいです。

私も色々ブログを読んで「そりゃプリンスのわがままだよ~。子供じゃないんだから」と思っていました、最初は。

けれども’90年代にセールスを落としたプリンスを「わがまま」とか「不調の時期」だとかで簡単に一刀両断に断じてしまって果たして良いのかな?

ともう一歩踏み込んで考えてみました。

’90年代に彼がどれほどのセールスの可能性を棒に振ったのかはK-1の例でイメージしていただけたかと思いますが、

じゃあ、それを棒に振ることがどれだけレーベルの怒りを買うことになるのか?

どれだけ大変なことになるのかまで少し想像してみてください。

そんなことをしてプリンスにメリットなんてありますか?

巨額の金が動く音楽産業で、そしてプリンスほどのアーティストが契約を反故にするということは、損害賠償や違約金の額も当然凄まじい金額になることが想像できます。

そして交渉時には相当な圧力もかかることだと思います。

何しろレーベルだって慈善事業でやっているわけではないので。

自分がミュージシャンだったとしたら同じことをやろうと思いますか?

それって私達一般人が会社という組織に対してクビを覚悟で物申すという感覚に近いと思うんですよね。

もちろん彼には一生遊んで暮らせるだけのお金はすでに持っているからできるというのもあります。

「クビにされたら食っていけない僕ら一般人とは違うよ」

と思うかもしれません。

そう、違うんです。

『だからこそ』なんです。

「お金持っているからなんでもわがまま言えて良いね」

という話ではなく

『社会的な立場のある人間が自分のポジションや影響力を自覚しているからこその行動』

と捉えることはできないでしょうか?

圧倒的な実力とお金をもっているからこそ、自分がそれをできる立場にあるからこそ、後進のアーティストのために音楽業界の仕組みを変えていくことが自分の役割だと考えていたのではないでしょうか?

それを裏付けるレニー・クラヴィッツのインタビューを見つけたのでこちらも御覧ください。

レニー・クラヴィッツが語るプリンス:ローリング・ストーン誌 2016/05/02 はこちらから

このインタビューほんと泣けてくるんで是非とも読んでください。

プリンスほどのセールスとまでは行かなくても、一生遊んで暮らせるくらい稼いでいるミュージシャンはたくさんいると思います。

私達一般人が一生かかっても稼ぎきれないほどのお金です。

しかしプリンスの他に誰かこんなことをした人がいたでしょうか?

巨大なビジネスの歯車になってしまったら、自分の意志でそれを止めることができずに翻弄されている人たちが大半ではないですか?

本当にクリエイティビティな作曲活動を最重要と考えるアーティストであるならば、どう考えても大手レーベルの要求する制作締切や過酷なツアー、CDなどの販売フォーマットなどなど、

クリエイティビティを明らかに阻害する要素を甘んじて受け入れていないはずだと思うんですよね。

ということはですよ?

悪い言い方をすれば、大半のミュージシャンがクリエイティビティより

いい車に乗ったりいい家に住んだりといった生活レベル/収入レベルを守ることを優先している

ようにも見えてくるわけで、それってなんだかその辺の会社の重役と同じような、、。

それって『アーティスト』なんでしょうか?

プリンスはこのアルバムのラスト『GOLD』でそんなことを歌っているのではないかと思いました。

「誰もがもう売っているものを売りたが

誰もがすでに語られていることを語りたがる

型を打ち破るつもりがないなら

お金にどんな意味がある?」

世の中の成功したミュージシャンたちに

「もうすでに金を手にしたお前たちだからこそ、売れることを気にせずにできる創作活動や行動があるだろ?何のための金なんだい?」

と強烈に発破をかけているような気もします。

音楽面だけでなく、ミュージシャンとしての『あり方』さえも追求したその姿は『偉大』としか形容のしようがなく、『今後のミュージシャンたちのあり方の道標として』再評価されていくことを期待したいです。

そんな偉大なプリンスを大いに語ることができるこの『ゴールド・エクスペリエンス』、ぜひ一度聴いてみいただけたら嬉しいです。


はい、というわけで本日はアルバム『ゴールドエクスペリエンス』を通して、プリンスの核心部分をたっぷりと語ってまいりました。

まだ、プリンス聴き始めて日も浅い私がこんなに偉そうにプリンスを語れたのも、ストリーミング配信とファンの方たちの熱いブログ記事のおかげなんですよ、実は。

ブックレットのライナーノーツなどがついていたCD時代と違い、ストリーミング時代というのはある種の物足りなさがありますよね?

けれど、ストリーミングでプリンスを聴きながら、ファンの方たちの熱いブログを読む…これが楽しくて楽しくて(笑)。

1日24時間で2ヶ月くらいはプリンスしか聴いていない時期もあり、どっぷりとオリジナル・アルバム40枚を聴き込んだというわけです。

その経験があったので、

「『ストリーミング+解説ブログ』という黄金の組み合わせをこれからの時代の鉄板にしてしまおう!」

ということからこのブログ『ひよこまめ』は始まりました。

そういうわけで私の解説記事は

『ストリーミング配信時代に失われたライナーノーツを蘇らせる』

をコンセプトに執筆しております。

なので、本記事を読んでいただきながら、プリンスの音楽をストリーミングでどっぷり楽しんでいただけたら幸いです。

まだ使っていない方は参考までに私が主に使っているやつを貼っておきますので、無料期間を利用しながら色々と他のサービスも利用してみてください。⇩

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アルバム『ゴールド・エクスペリエンス』の曲とプリンスの生き様を語る” に対して4件のコメントがあります。

  1. Jack Migger より:

    シマッキー様
    初めまして。ジャック・ミガーと名乗って、ローリングストーンズのコピーバンドを長年やっている者です。
    偶然、ブログを発見し、最後まで拝読させて頂きました。
    1998年、ローリングストーンズのブリッジズトゥバビロンジャパンツアーを一緒に観に行った親友が、プリンスのゴールドエクスペリエンスを聴かせてくれたのがプリンスの音楽との出会いでした。
    1曲目は色々な意味で笑いが吹き出してしまいましたが、エンドルフィンマシーン、モーストビューティフルガールインザワールド、そしてゴールドと、ローリングストーンズとは違った世界の頂点の音楽に酔いしれました。
    ゴールドに込められたプリンスの思い、このブログを通じて始めて知るところとなりました。心洗われた気持ちです。
    ぜひまた楽しいブログを、期待しております!
    Jack Migger 

    1. simacky より:

      ジャック・ミガーさん
      コメントありがとうございます。
      ストーンズがお好きなんですね。
      私はプリンス同様、ストーンズも聴き始めたのはここ数年というペーペーなので、今後ちょっとずつ書いていけたらと思っています。
      1曲目「プッ●ーコントロール」は私も爆笑しましたよ(笑)。悪ノリさ加減が最高なんですが、今回の記事の内容にはとても扱えませんでしたね。

      1. Jack Migger より:

        シマッキー様

        早速のご返信を有り難うございます。

        もう一人、ブリッジズトゥバビロンジャパンツアーを一緒に観に行った友人がいたのですが、彼が私より先に、電車の中でウォークマンで1曲目から聴き始めたところ、その瞬間に笑いを噛み殺しながら私の隣の席で身体を振動させていました(笑)。

        不真面目さも、真面目さも、ひたむきに追求できるプリンスに、ジョン・レノンに通じるものを感じました。

        熊本では、「熊本のローリングストーンズ」と呼ばれる、ザ・ヒートというロックバンドが活躍されています。  
        https://www.the-heat.jp/ 

        結成40周年ライヴ(熊本Django)には私も観客として参加して大いに楽しませて頂きました。シマッキー様ももし宜しければ一度彼らのストーンズ魂溢れるライヴを体験してみて頂けましたら幸甚です。

        今後とも、宜しくお願い申し上げます!

        Jack Migger

        1. simacky より:

          ジャック・ミガーさん
          地元熊本にそんな人達がいることすら知りませんでした。
          教えていただきありがとうございます!
          ジャンゴにいらっしゃったこともあるんですね。
          ストーンズ好きの友だちもいるので、機会があれば一緒に行ってみたいとおもいます。
          こちらこそよろしくお願いいたします。

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