『スーパーアンノウン』サウンドガーデン グランジシーンがピークに達した時代を象徴する作品

本記事はプロモーションを含みます。

どうもSimackyです。

本日はサウンドガーデンが1994年にリリースした4作目のオリジナル・フルアルバム

『SUPERUNKNOWN』

(スーパーアンノウン)

を大いに語っていきますよ~。

Google翻訳で入力すると「超未知」と訳されます。

「未知を超えたもの」

ほうほうほう…っていうか、このジャケットからして『未知』ですよね?

「一体これはなんの画像見させられてんだ?」

って感じなんですけど、これが一体何なのかず~っと分かんなかったんですよ。

で、ストリーミングで聴くようになって、『デラックス版』とか『アニバーサリー版』のジャケが表示されてたんですが、若干デザインが変わり、なんとなく分かってきたんですよ⇩

どうも黒い太陽のようなものにうっすら浮かぶメンバー写真のようなんですよ、これ!

で、球体の輪郭がメラメラ燃えてるんで、これってつまり黒い太陽=ブラック・ホール・サンってことなのかな、と。

サーモグラフィ的なもので見ると、太陽って温度の高いところ低いところでムラがあって、赤いとことか黒いとことかできると思うのですが、その温度のムラ加減にメンバーの写真を重ねているということなのかもしれません。

もしくは皆既日食のように太陽と地球の間に月ではない黒い謎の球体(ブラック・ホール・サン)が割り込んでいて、その模様がメンバー写真になっている、と考えても良いのかもしれません。

なんにしても凝ってますな!

いや、オリジナル版では絶対分かんなかった(笑)。

これ、本作が好きな人たち皆が長年抱えてた「モヤモヤ」だったのでは?

いや~、私も本作を手にした高校生の時以来の疑問が解消されて、スッキリしましたよ(笑)。

『スーパーアンノウン』のセールス実績

本作『スーパーアンノウン』は彼らサウンドガーデンのアルバムの中では突出した売上を誇り、アメリカだけでも900万枚、

全世界1000万枚以上

も売ってます。

どうした?サウンドガーデン?

そういうのが世界で最も似合わない人たちなのに(笑)。

当時、リリース初週で全米1位獲得という自身初の快挙を成し遂げました。

なんとあのナイン・インチ・ネイルズの代表作『ザ・ダウンワード・スパイラル』が同月同日発売(3月8日)で、2位にランクイン。

ナイン・インチ・ネイルズの最高傑作『ダウンワードスパイラル』

す、すげぇ…。

っていうか、ロックアルバムがチャート1・2フィニッシュなんて、いい時代だな~(笑)。

2000年代に入るとヒップホップとかR&Bにチャートが席巻されて、ロックアルバムを見かけることが減るんですよね。

さらに後にストリーミング配信の時代に入ると、CD市場規模が縮小するので、またロックアルバムを見かけることも増えてくるのですが。

それにしても、サウンドガーデンとナイン・インチ・ネイルズなんて、この頃は全ミュージシャンたちから注目を集める『ミュージシャンズ・ミュージシャン』、まさに時代のカリスマですよ?

彼らの次の一手が音楽シーンのトレンドを決めるほどの影響を持つ、それほどのバンドの代表作が同じ日にリリースされるなんて!

しかし、ナイン・インチ・ネイルズもタイミング悪かったな~。

いつもは売る気のまったくないサウンドガーデンが、こんな時に限ってヒット作出してくるとは。

それさえなければ1週くらいは1位取れただろうに。

このことがよっぽどムカついたのか、トレント・レズナーはサウンドガーデンを嫌い、クリス・コーネルと犬猿の仲になりました。

これは再結成後のサウンドガーデンとナイン・インチ・ネイルズが一緒にジョイント・ツアーをして和解する2014年まで続くことになります(笑)。

かつてはクリスのソロアルバム(『スクリーム』)とかも、トレントがめっちゃこき下ろしてましたよね~、懐かしい。

さて、サウンドガーデンがいかに日本において人気がなかったのかは、前回『バッドモーターフィンガー』の記事でも徹底解説しました。⇩

 

しかし、本作はかなり

日本人にも人気の高いアルバム

見受けられます。・・・・・・・

と、いうのも前回『バッドモーターフィンガー』はAmazonレビューで日本人のコメントが3人しかなかったのに対し、今回は30人くらいはあったからです(笑)。

それにブログなどの記事で解説してあるものも多数見かけました。

それも納得なほど、日本でのチャートも

最高位34位

と、まずまず健闘しております(前作『バッドモーターフィンガー』はチャート圏外)。

とは言っても、ですよ?

本作からサウンド的に濃厚な影響を受けたメタリカの『LOAD』(1996年)はですね?

全世界売上600万枚ほどでも、

日本で3位。

本作は全世界1000万枚超えまでやっても日本で34位…。

・・・・・・

・・・・・

もはや嫌われてんじゃん!

こんな現象が果たして他のアーティストで起きるでしょうか!?

マイコーの時も、マドンナの時も…いつもはアメリカに右に習えの国民性のクセに、どうしてサウンドガーデンには反発するんでしょうか、我が島国ジャポンは!?

もうなんか、日本人であることが恥ずかしくなってきましたよ、あたしゃ!

サウンドガーデンで一番売れたアルバムでも日本では34位どまりということですよ?

で、あんまり知られていないんですけど、サウンドガーデンは本作リリースの直前(1994年2月)に日本でのツアーも行っていて、『バッドモーターフィンガー』までの楽曲を披露しているのですが、全然ウケてないんですよ。

厚生年金会館とかの2000人規模ホールでもお客さんが半分くらいしか埋まっていない上、お客のノリも最悪…。

けど、ステージ前に固まった一団は大暴れしまくりでノリノリだったとか。

ナイス、その一団!

あんたらこそ、日本人の誇りだ。

少数精鋭の0.1%だ。

サウンドガーデンとしては、あまりにも客のノリが悪いから、クリスとキムは途中からパイプ椅子をステージに持ち出して座って演奏してたらしいです。

誰が見たいんだそんなくそライブ。

こういう話とか、武勇伝になりそうなエピソードがあるにも関わらず、

所詮人気がないと武勇伝も武勇伝にならない

という『知りたくなかった悲しい現実』がここにはあります。

まあ、サウンドガーデンも初日のウケがあまりにも悪かったので、ふてくされて二日酔いでツアーを続けてたらしいので、彼らにも非はあるのですが。

そんな散々な日本公演だったので、音楽雑誌での取り扱いもかなり小さく、注目もされませんでした。

まさか、そんなバンドがわずか1カ月後に1000万枚のヒットを飛ばしてアメリカのトップに君臨するなんて、当時の日本人は誰も思っていなかったでしょう。

彼らもこの時の経験がよっぽど堪えたのか、その後サウンドガーデンは来日してません。

さあ、皆さん!

これでサウンドガーデンがいかに日本で人気がないのか?伝わりましたか?

だからこそ、このブログがあるのです!

10年後にはサウンドガーデンの評価がニルヴァーナを追い抜くほどの存在にしてみせましょうぞ!

かつてオリジナル・サバスがレッド・ツェッペリンを追い抜いたように!(勝手に既成事実を作るな)

まあ、一旦、日本での不人気の話は置いて、アメリカでのグランジの動きに目を向けましょう。

この『スーパーアンノウン』というアルバムは1994年の3月リリースなのですが、このタイミングは『グランジ・ムーブメントの勢いが終わりがけの作品』と言えます。

というのも、このアルバムがリリースされた1ヶ月後に、グランジの旗手、ニルヴァーナのカート・コバーンが衝撃的な死を遂げてしまうからです(拳銃自殺)。

世界的にはグランジ・ムーブメントはここで終わったと言われています。

しかし、カート・コバーンの死が、あまりにも衝撃的だったことから、瞬発的にさらなる注目がグランジに集まった側面もありますから、まだまだその後もグランジ人気(グランジバブル)は続いていたんじゃないかな?

だって、1995年にスマッシング・パンプキンズがリリースした2枚組アルバム『メロンコリーそして終りのない悲しみ』も、全米だけで1000万枚セールスを記録しますからね。

いくら内容が良くてもですよ?

2枚組アルバムが1000万枚っていうのはかなりの異常事態ですよ?

CDの時代じゃないから若い人にはあんまりピンとこないかもだけど、通常盤のフルアルバムが2000~2500円なのに対して、2枚組アルバムの新譜なんて3500~4000円するんですから。

その単価で1000万枚売るっていうことがどんだけあり得ないか。

こんなことが普通に起きえるかな~?

そう考えると、カート・コバーンの死って、かなりの影響力があったようにも思えます。

けれども、それ言い出したら、この時期に出たグランジ作品はどれも1000万枚くらい売れてなきゃおかしいわけで、でも、パール・ジャムもアリスもストーン・テンプル・パイロッツもそうはなってない。

そもそもニルヴァーナの元メンバー(デイブ・グロール)が結成したフー・ファイターズだって、嫁さん(コートニー)のバンド(ホール)だって1000万枚セールスなんて出来ていないのだから、カート死亡の影響力は、少なくともセールス的にはそこまでないのかも。

なので、本作のセールス結果はカートの死の影響を受けていないと言えば嘘になるとは思いますが、決してそれだけではなく、作品の内容が充実していたことに起因するのは間違いないと言えます(もちろんスマパンも)。

『スーパーアンノウン』で大きく変わった点

サウンドガーデンって、メジャーデビューした後でも、インディの頃の硬派な姿勢を誰よりも保持し続けたバンドだったと思います。

やっぱりこうして改めてグランジ四天王のデビューアルバムを全て聞き返すと、メジャーに対して一切迎合していないのはサウンドガーデンだけだったと断言できますね。

ニルヴァーナもパール・ジャムもアリスも、メジャーデビュー作では『売る気満々』の作風ですもん。

けど、サウンドガーデンはメジャーデビューからしてケンカ売ってますもん(笑)。

「売る気無いでしょ!?」って感じ。

ダブルプラチナを獲得した前作『バッドモーターフィンガー』でさえ、おそらく売ることに関して本気ではない作風だと感じます。

正確に言うと『売る必要を感じていない』というか。

ライブにおける姿勢なんかもっと顕著で、お客さんを盛り上げようとしていない。

ただ、自分たちのエネルギーのありったけをぶつけて表現しているだけにしか見えない。

「お前はルフィか!?」

ってくらい自由すぎ。

会場で生音聴いてる人たちは、ド迫力なんで音楽だけでも楽しめるんだろうけど、録音状況の悪いブートレグなんかで彼らのライブ映像見ててもパフォーマンスがないし音は悪いしで、一つもおもろくないんですよ。

サウンドガーデンは大好きなバンドですが、ライブは一番面白くなかったな~グランジ勢の中では。

その意味じゃあ、ニルヴァーナも似たようなものなのですが、あの根暗なカート・コバーンでさえ、観客席にダイブしたり、車椅子で登場したりと、ちょっとはパフォーマンスがあったというのに、クリス・コーネルはそういうのほとんどやらないんですよ。

それに海外なら、お客さんがガヤガヤと勝手に盛り上がるけど、日本の場合って、バンド側が

「皆で一つになって盛り上がろうぜ~!」

みたいに誘導しないとまったく盛り上がらないお国柄だから、サウンドガーデンのスタイルでライブ演っても

シーーーーーーーーーーーン…

ってなることは想像にかたくないというか(笑)。

クリスも普段から

「ミュージシャンの本分はいい音楽を作って演奏すること。グラミー賞とかチャート1位とかは、本分から目をそらされるものであって、俺達には関係ない。」

って言って憚(はばか)らない人だったので、パフォーマンスとかする気がゼロっていうのは、観てて感じますね。

なんか『武士』みたいなんですよ、この頃のクリスって(笑)。

「あなた『バガボンド』の主役の武蔵(たけぞう)ですよね?」

みたいな(笑)。

観客を突き放しているようにさえ見えます。

オーディオスレイブになってからは随分と頑なさはなくなり、雰囲気も違ってくるのですが、それでもいわゆるロックスターらしきことはほとんどしません(替わりにベースのベン・シェパードが動き回りまわって頑張ってます)。

そんな彼らなのですが、この『スーパーアンノウン』の制作時期には売る必要を感じ始めてきたようです。

というのも、後にクリスがインタビューで

「シアトルから出てきたグランジ・バンド勢として括(くく)られることには、実はまったく不満はないんだよ。けれども、この時期の俺達はブームと関係ない、俺達だけの価値を生み出す必要性を感じて、プレッシャーを感じていたんだ」

みたいなことを言っていたので。

そうしなければ生き残っていけない、と感じていたのかもしれませんね。

スマパンやらストテンやらの後輩たちの勢いがとんでもなく凄くて、元祖グランジであるシアトル勢を脅かすくらいの人気を誇ってましたからね。

それでは、彼らは売る必要性を感じてこれまでと何を変えたのか?

一番大きなポイントは

歌を聴かせるスタイル

ですね。

というより、他の変更ポイントはこの結果に付属したものに過ぎません。

ドロドロにヘヴィなギターリフをかなり控えたのも、暴走列車のようなスピード感と超絶バンドアンサンブルがなくなったのも、全ては『歌を聴かせる』という変更に付随してそうなっただけです。

「サウンドガーデンを聴いた後に初めて鼻歌が歌える」

ようになったアルバムとでも言いましょうか(笑)。

1~3作目までは、『鼻リフ』は口ずさむのですが、鼻歌は歌ったことなかった、みたいな。

これまでのサウンドガーデンでそれに当てはまる曲は2作目の『ラウド・ラブ』か、3作目の『アウトシャインド』ぐらいしかなかったのでは?

そういうわけなので、本作の主役はどうやらクリスです。

前作の主役はキム(ギター)とマット(ドラム)だと個人的には思っていたので、やはり今作は歌モノに寄せた感が強い。

彼らの音楽はこれまでブラック・サバスからの影響が一番色濃く出ていたのですが、あの雰囲気は一気に減退しましたね(曲によってはモロのナンバーもありますけど)。

リフを推してない。

歌を推してる。

けれども面白いのが、サウンドプロダクションとしては、ボーカルが埋もれてしまうほど幾重にも楽器の音色が重ねられていて、まるで『音の壁』が迫ってくるような感じのところです。

「音の塊に殴られているような…」とコメントしてあるレビューもわりと見かけましたが、まさにそうですね。

前作は楽器の分離が極めてはっきりしていて、全体的にタイトにまとまっていたのですが、本作はどの楽器も音像が重なる場面が多く、ごちゃごちゃわちゃわちゃしてます。

プロデューサーはレッチリの『マザーズ・ミルク』やオジーの『オズモシス』を手掛けたマイケル・ベインホーン。

彼はギターの音像をもっとはっきりくっきり録ることを信条にしているエンジニアでもあるので、正直、本作のギターの音像は全然らしくないというか。

なんでこんな籠もった感じに仕上げたのかよく分かりません。

しかし、その結果、『なんかだかよく分かんない轟音の塊が襲いかかってくる』のが、本作の最大の特徴です。

それが独特のサイケ感(幻覚感)を出しているのが特徴で、このサイケ感って1,2作目にはあったけど、前作ではかなり抑えていた要素なんですよね。

そういう作風なので、本作を聴く時は必ず大音量で聴いて下さい。

ボリュームを変えるだけでこんなに印象が変わる作品を、私は他に知りません(笑)。

ローファイ・サウンドの“落とし穴”

さらに決定的に違うのが、本作でいきなり『ローファイ』なサウンドになるんですよ。

『ローファイ』っていうのは低音質、反対が『ハイファイ』(高音質)ですね。

鮮明な音像ではなく、わりとこもった音像というか。

前作『バッドモーターフィンガー』ではディストーションギターの音像がはっきりしてて、エッジの尖ったギンギンしたサウンド、まあ早い話メタリックなサウンドだったのが、妙に温かみのある感じというか。

ビンテージのアンプを使ってクラシカル・ロックなテイストの歪ませ方をしていると言うか。

ギター音がメタルではなくハードロックですね。

これはドラムにしても同様です。

前作では、かなり硬質な感じだったのに、丸みを帯びた感じになってるんですよ。

サステイン(残音)も長い。

この変化にかなりの影響を与えたのは、前年1993年にニルヴァーナがリリースした『イン・ユーテロ』でしょう。

「もうロックスターなんて祭り上げられるのはまっぴらだ!絶対に売れないアルバムを作ってやる!」

ってへそを曲げたカートが、自身の前作『ネヴァーマインド』とは真反対のサウンド作りをしました。

あえて音質を下げることによって、ガレージで演奏しているような生々しさ、引いてはそこから連想される『ロックの初期衝動』を表現しようとしたんでしょう。

これは素晴らしかった。

『ネヴァーマインド』ほどは売れなかったのですが、

「こっちのほうが好き!」

っていう人は私の周りでも多かった。

私もそうです。

なんか狂気がにじみ出てる。

売れようとなんてまったく考えていなくて、ただただ衝動を叩きつけてる感じがたまんない。

これは影響力絶大だったでしょう。

皆が影響受けます。

パール・ジャムは1994年『バイタロジー』で、

アリスは1995年『アリス・イン・チェインズ』で、

そしてサウンドガーデンも本作において、その『ローファイ』サウンドを取り入れました。

先述したように、後にはメタリカが1996年『LOAD』で、この流れに追随してしまうのですから、彼らグランジ勢力がいかに影響力を誇っていたかが分かろうってものです。

それまではどれだけクリア(ハイファイ)で迫力あるサウンドを表現できるか皆が競い合っていたというのに、ですよ。

だからね、ちょっとこれらの動きは軽率だったというか。

ニルヴァーナが上手くいったからと言って、真似すりゃいい感じになるわけじゃあるまいし。

そもそもやってる音楽の雰囲気がぜんぜん違うのに、ニルヴァーナのローファイ・サウンドを無防備・無警戒に取り入れてしまったというか。

当然、そのサウンドが合っていない作品も出てくるわけですよ。

その一つが本作です。

本作のこの籠もったようなギターの音質感、ドラムのラフなサウンドが、初めて聴いた高校生の頃にはまったく受け付けなくて、

「一体何がいいんだ?」

なんて思ったりしてたものです。

このローファイの流れに関して順番に追っていくと、

1993年ニルヴァーナ『イン・ユーテロ』、1994年サウンドガーデン『スーパーアンノウン』、同年パール・ジャム『バイタロジー』、1995年アリス『アリス・イン・チェインズ』、1996年メタリカ『LOAD』…

という流れになるのですが、この中で『ローファイ』のサウンドがハマっていたのは『イン・ユーテロ』と『バイタロジー』だけのように感じるんですよね。

本気で「売れたくない」って思ってる作風だしね(笑)。

逆に「ハマっていない」と感じたのがメタリカの『LOAD』と本作なんですよ。

ローファイなんて「売れなくても好き勝手演ってやるぜ!」っていう雰囲気出てなきゃ、はまらないって思うんですよ。

そもそも、ローファイのルーツは全然売れなかった1960年代の“ガレージロック“なんだから。

ガレージ・ロックはそもそもパンクの元祖でしょう?

つまり、『ローファイ=ガレージ=パンク』っていう構図がある以上は、ガレージテイスト、パンクテイストが曲の雰囲気に少しはないと合わないように感じますね。

パンクテイストっていうのは、『攻撃性』だったり、『スピード感』だったり、演奏の『ラフさ(拙さ)』だったり、楽曲の構成や演奏の『シンプルさ』だったり。

『スーパーアンノウン』と『LOAD』はそういうのとは真逆の作風というか、『売れるフォーマットに洗練されすぎている』というか。

早い話、表現しようとしている世界観とローファイサウンドが合っていない、と思います。

サウンドがたとえローファイだろうと、演奏がバッキバキに上手くてジャストのリズムでピシャリと決まってて、あの手この手のオーバーダビングがされている作風では、水と油みたいに相性が悪いんじゃないかな?

私にはどうも違和感が残ります(だから聴いてられないってほどのことじゃあないんですが)。

「ローファイじゃなくこれまで通りハイファイで録れば良かったのに」

っていうのが率直な感想です。

この違和感というかもどかしさというのは、20年経った今でも払拭できてません。

しかしこの両者とも流石だと思うのは、この違和感に気が付き、それぞれの方法論で次作から修正を加えたことです。

メタリカはこの反省点を踏まえて、次作の『リロード』ではもっとハイファイで硬質なサウンドに改善してきました。

メタリカのアルバム『RELOAD』のジャケット

『RELOAD』1997年

そして我らがサウンドガーデンの場合は、次作『ダウン・オン・ジ・アップサイド』において、ローファイサウンドはそのままにしながら、オーバーダブをかなり減らし、パンク要素を加えました

『ダウン・オン・ジ・アップサイド』1997年

ローファイサウンドが合うように、よりガレージ・ロックの要素がある楽曲アレンジにしたわけです。

次作が「音がスカスカ」とか「音が軽い」とか「速い曲が増えた」というレビューコメントが多いのはそのためです。

私が以前の記事で

「『スーパーアンノウン』ではもどかしかった部分が『ダウン・オン・ジ・アップサイド』では見事に補完されていた」

と書いたのは、実はこういうとこなんですよ。

メタリカはローファイが自分たちの音楽性に合わないということでそれを捨て、サウンドガーデンはよりローファイサウンドに合う楽曲アレンジを選択した。

両者とも課題は同じなのに、それに対して下した決断はまったくの真逆。

これこそバンドの特性というかオリジナリティというか、おもしろいとこですよね。

高校生の頃は『スーパーアンノウン』も『LOAD』もこのローファイ・サウンドの違和感が拭えず、最初は全然受け付けなかったんですよ。

けど

「これは重要なバンドの超重要作だから、分かるようにならなきゃ!」

みたいな感じで、来る日も来る日も聴いていくうちに、だんだん良さが分かってくる、みたいな。

そんな流れがあるからこそ、世間一般的には評価が著しく低い彼らの次作『リロード』と『ダウン・オン・ジ・アップサイド』を初めて聴いた時は、

「そうそうこれこれ!最初からこういう風にしてくれたら俺にもすぐ分かるんだよ!」

って喜んだ記憶が昨日のことのように思い出せます(笑)。

なんかこんなこと書いてると、私が『スーパーアンノウン』嫌いみたいに思われるでしょうけど、そんなことはありませんからね(笑)。

嫌いだったら個別アルバム解説なんてしませんから。

ローファイの違和感はあっても、楽曲はまごうことなき名曲揃いなんですから、楽曲の持つ魅力とパワーはそんな違和感を超えてきます。

なんだかんだで愛聴盤になりましたよ。

『スーパーアンノウン』楽曲解説

本作がリリースされたこの1994年っていう時代は、まるで

「詰め込んだもん勝ちじゃい!」

みたいな空気感がレコード会社に蔓延していた変な時代で、まあ馬鹿みたいに曲数を詰め込んだアルバムが多い多い。

私なんかは別に、『曲数の多さがアルバム選びの選定基準』になることなんて、まずないのですが。

ってか、そんな人なんてそもそもいるのでしょうか?

「同じ2500円でフルアルバム買うなら、曲がいっぱい入ってるこっちの方がお得だどぉっ!シッシッシ(笑)」

そんな“重ちー“みたいなヤツいてたまるか。

別に8曲でも感動すりゃ大満足だし、15曲入っていようが好きになれない作品に満足はしないでしょう。

なんかこの時代のレコード会社の感覚って、JOJO流に言えば

「おい、お前なんか微妙に・・・おかしいぞっ!?」

って感じですよ。

それに振り回されるアーティストたちも可愛そうです。

アルバム中にある『捨て曲』は、聴き終わり後の印象を著しく下げますからね。

「そんな曲を入れるくらいなら、いっそのことミニアルバムにした方が名盤と呼ばれたのに…」

みたいな作品はこの時代にはたくさんあります。

けれども、そんな中、本作のこのクオリティの高さときたらどうでしょう?

15曲入って捨て曲一切なし!

12曲しか入ってなかったのに、後半のグダグダ感が思いっきり足を引っ張った前作『バッドモーターフィンガー』とは雲泥の差ではないですか。

本作は最後まであなたをダレさせることはないでしょう。

#1『レット・ミー・ドラウン』

のっけからわけの分からない轟音の塊が襲いかかってきます。

なんなんだ?このサウンドは?

あのサウンドガーデンがなんとロックンロールを演っているではないですか!

とにかくテンションの高さが凄い。

こんなバース・コーラス・バース・コーラス・ギターソロみたいな典型的なフォーマットが、全然サウンドガーデンらしくない。

こうしてブログを書くために1作目から順に聴き込んでくると感じるのですが、やっぱりこのアルバムが彼らの作風の大きな分岐点だということを、1曲目からすでに感じちゃいますね。

クリスの“喉”って、これまでは『宝の持ち腐れ』だったんだな~、とか言うとクリスに失礼かもしれませんが、本来持っていた“奇跡の喉“の能力の高さを、ここにきてようやく発揮し始めたというか。

これまでは狂気をぶつけていただけのボーカルが、表現力が大幅に広がることで圧倒的な存在感になってます。

前作までって

「うっひゃ~、ボーカルの声たっけぇな~!」

って感じることはあっても

「このボーカルほんと上手いな~」

とか感じることはあんまりなかったですからね。

ライブでもギター持ってることが多いから、私は長い間、クリスのことをボーカリストと言うよりはリズムギタリストかなにかと思ってたフシはあります。

どこまでも轟音リフで聴かせるバンドだったので。

その意味では『ボーカリスト・クリス・コーネル』の存在感を発揮し始めた瞬間とも言えるし、サウンドガーデンの主役がギターからボーカルに変わったアルバムとも言えるのかな?

#2『マイ・ウェイヴ』

シングル曲です。

もうほんとカラッとしたアメリカンハードロックのテイストですね。

欧風の湿り気がまるで感じられません。

5/4拍子という変速リズムが、こんな歌ものになったアルバムにおいて唯一サウンドガーデンらしさを感じさせるというか。

この『ノリにくいようで病みつきになる独特のノリ』がサウンドガーデンと言うか。

こういう一風変わったリズムアプローチって、グランジと言わずロック全体を俯瞰してみても、実はそんなに多くない。

著名なところで言うとレッド・ツェッペリンが代表的で、サウンドガーデンはかなり影響を受けてます。

しかし、こうしたリズムアプローチをモノマネではなく、徹底的にやり込んで完全に自分たちの“血肉”にしています。

だから、解散して10年以上経って再結成しても、作為的なもの(わざとらしさ)を何も感じること無く、こういうリズムアプローチが当然のように出てくる。

やっぱサウンドガーデンはこの『変なリズム』がないとね。

その中でもこの曲は特に秀逸です。

最初はこの曲、一番キライだったのですが、今ではひょっとすると一番好きかも。

ラストの4:20あたりからカオスになるのですが、もうベースがドサクサに紛れてとんでもないことし始めます(笑)。

#3『フェル・オン・ブラック・デイズ』

はい、またしてもシングル曲です。

まだ本作のことが全然好きになれなかった高校生の頃でも、この曲の“渋さ”は好きだったな~。

ロックの浅瀬でピチャピチャやっているような、ロックビギナーの私でも唸らせるほどの名曲だったってことでしょう。

低音域を歌うクリスはやっぱりかっこいいですね。

これがあるから、高音シャウトもより一層はえます。

本作後のキャリア(ソロや再結成後)でずっと演奏されているところから見ても、クリスにとってかなりの重要ナンバーだと思われます。

#4『メイルマン』

来ました、超重量級ナンバーです。

まさにブラック・サバスの直系ナンバー。

ここまで本作を評して、

「ローファイ・サウンドなのがもったいない」

と語ってきましたが、このナンバーがそれを一番感じましたね。

これは『バッドモーターフィンガー』時のメタリックな音(ギター・ドラムともに)で録れば、『ブラック・アルバム(メタリカ)』収録の『Sad But True』くらいの人気定番ヘヴィ・ロック・ナンバーとなり得たのにな~、と。

けどね、こうして今にして思うとこれはこれで良かったのかもしれません。

だって、誰にも似ていないし、誰にも真似できない唯一無二のサウンドガーデン流ヘヴィネスがここに誕生しているからです。

何なんでしょうね、この分厚い壁のようなサウンド。

凄い強度です。

なにやらナイン・インチ・ネイルズのようなインダストリアルな響きさえ漂わせる硬質さがここにはあります。

昔は全く気が付かなかったのですが、ヘヴィリフにしれっとメロトロンを絡めてあるのがミソで、なにやら妖しい独特の音世界を生み出してるんですよね。

これすごいセンスですよ。

彼らのレコーディング技術が一段上がっているのを感じるナンバーです。

#5『スーパーアンノウン』

ここでタイトルナンバーの登場です。

私の中ではかなりの名曲なんですけど、これも前作の神曲たちと同様、再現するのが非常に“きつい“楽曲ですな(笑)。

こんなテンションで歌い続けて5分持ちますか、普通?

最初っから最後までエネルギー全開ですもんね。

そして特筆すべきは、前作で封印していたサイケな雰囲気やオリエンタルな雰囲気がこれでもか、と集中投下されていることです。

なんて表現すれば適切なのか分かりませんが、『オリエンタル・サイケ・メタル』とでも表現しましょうか(笑)

もうね、なにやらよく分からんリバーブのたっぷり聴いた音たちが、津波のように押し寄せてきて飲み込まれてしまいます。

う~む…ここまで開始から5曲、全てまったく違う種類の楽曲で全て完成度が高い。

しかし!

本作は前作とは違うのですよ、前作とは(笑)。

ここからも怒涛の名曲が押し寄せてきますからね。

#6『ヘッド・ダウン』

またしてもオリエンタルでサイケなナンバーです。

この異国情緒なテイストは一体誰が持っているセンスなのでしょうか?

作曲者のクリスだと昔は思っていたのですが、クリスのソロ・アルバムではこういうテイストはそこまで強くないので、やはりあの中東風の面立ちをしたギタリスト(キム・セイル)の方の趣味なのでしょう。

オリエンタルな雰囲気を持つハードロックと言えば、レッド・ツェッペリンの『カシミール』とか有名なんですが、こっちの方がさらに根深いというか。

「よし!インドっぽいテイストの曲を1曲作ってみようぜ!」

みたいなノリじゃなくて、自然と彼らの引き出しの中から出てきている感じが伝わってきます。

その証拠に、本アルバムではそこかしこでその要素が出てきますし、なんならインディ時代の『ウルトラメガOK』から実は臭ってますから。

そしてこのドラミング。

どんだけ好き放題遊ぶんでしょうか?

ここまで好きにやらせてもらったらドラマーはさぞかし楽しいだろうな~。

クリスはオーディオスレイブでもそうだったのですが、かなり自由度の高い楽曲づくりをするようで、一緒に演っているメンバーの才能を開花させる才能があるというか、許容範囲が広いというか、人としての器がでかいというか。

やっぱテンプル・オブ・ザ・ドッグもオーディオスレイブも実現させる人間は只者じゃないってことですよ。

#7『ブラック・ホール・サン 』

ここで代表曲の登場です。

なんとグラミー賞受賞!

あのサウンドガーデンがグラミー賞って似合わなっ(笑)

サウンドガーデン最大のヒット曲で、その後クリスのソロでもオーディオスレイブでも必ずと言っていいほど演奏されます。

#3「フェル・オン・ブラック・デイズ」でも聴けたこの低い音域でのクリスの声の魅力。

堪りませんな~。

けど、ソロやオーディオスレイブになっても、この歌い方を意外に多用しなかったんですよね。

歳取るほど声の渋みって増すんで、だんだんこういうのがメインの歌唱スタイルになるものとばかり思っていたんですが。

年齢を重ねると高音も出すのが辛いだろうに、いつも己の限界ギリギリの高音で録って自分の首を絞めているクリスさんですが、ライブでボロボロの声になろうが、裏返ろうが、その攻める姿勢が私は大好きです。

ちなみにこの曲、先日行ったイエローモンキーのライブ(『スパークルの惑星Xツアー』)で、開場後~開演までの間に流れてるBGMのうちの1曲にも使われてて、ちょうど熊本城ホールに入った瞬間、流れてきたのには感動(笑)。

#8『スプーンマン』

前曲に引き続き代表曲ですね。

なんとこの曲もグラミー賞受賞!?

いやいやいや、まじで凄いアルバムですよ、本アルバムは。

『マイ・ウェイブ』でもそうだったのですが、実は変則的なリズムで、バンドマンとしては非常にコピーのやり応えがある玄人好きのするナンバーのですが、普通に聞いていると小難しいことを演っているようにはまったく感じない、というのが素晴らしい。

ノリ一発のように見せておそらくかなり作り込んでますよ。

自分たちの情熱をぶつけるだけじゃなく、一歩引いてみて客観的な視点からさらに練り込んでいってる印象を受けますね。

前作まではいかにも

「この変拍子を聴けっ!できるか?テメェらに!?」

みたいな感じだったのですが、今回は、目線をビギナー目線にまで下げながらも、玄人にも舌を巻かせる出来に仕上がってます。

もうこの筋の権威というか、お家芸というか。

凄みと貫禄を感じますね。

ミュージシャンとしての格が上がっている。

で、タイトルの『スプーンマン』とは何か?

昔シアトル時代に、スプーンだけ持ってステージで堂々とパフォーマンスをする人を観て、クリスがインスパイアされたらしんですが、その人のことを歌ってるみたいです(あとダブルミーニングでクスリをやっているシーン)。

実はこのパフォーマーのことがクリスはかなり衝撃的だったらしく、

「自分はバンドが無いと何も表現できないっていうんじゃなくて、あのスプーンマンみたいに他に何もなくてもそれだけで観客を沸かせられるような存在になりたい」

ってインタビューで語ってました。

それが後にギター1本で旅するソロ・ツアー「ソングブック」での全編弾き語りライブに繋がっていくんですね。

#9『リモ・レック 』

サウンドガーデンと言えばレッド・ツェッペリンとブラック・サバスからの影響が強いとはよく語られますが、このアルバムほどそれを強く感じる作品はないんじゃないかな?

特にこの曲とか。

ZEP5:サバス5の割合というか。

ZEPが『デイズド・アンド・コンフゥーズド』とかで聴かせたダークサイケなテイストに加え、バース部分なんて『ブラック・サバス』の雰囲気をモロに感じました。

低音域から高音域まで、クリスの声の魅力を余すこと無くたっぷり堪能できますよ。

しっかし、このキムのアルペジオのセンスはどこが源流なのやらさっぱり分かんない。

おそるべし、キムのバックボーンの広さ…。

#10『ザ・デイ・アイ・トライド・トゥ・リヴ』

本作から5曲もカットされたシングルのうち、最後に登場するナンバーです。

この曲がシングルカットされていたと知ったのは実は最近なのですが(笑)、絶対アルバム曲だと思ってました。

この曲がカットできるんなら、もうどれ切っても面白かったんじゃないかな、とさえ思います。

コードとか典型的なグランジなのに、やっぱりクリスが歌ってるからグランジっぽくない(笑)。

#11『キックスタンド』

おもいっきりパンキッシュなナンバーなんでてっきりベースのベン・シェパードが持ち込んだ楽曲なのかと思ってたのですが、実はキムの単独作曲です。

どストレートでシンプル極まりない。

ちょっと大味すぎるきらいはあるのですが、マットのドラムが気持ち良すぎなので、全て許します(笑)。

#12『フレッシュ・テンドラルズ』

クリスとマットの共作です。

これまで触れたことはなかったのですが、実はサウンドガーデンのメンバーは全員作曲できます。

イメージ的にはクリス単独もしくはクリスとキムの共作が多い感じはしますが、マットやベンも結構な数の曲を作曲してます(前作では2人とも4曲の作曲に携わってます)。

つまり、それだけ全員のアイデアがアレンジ前の作曲段階から盛り込まれてるわけです。

だから、クリスのソロは全然サウンドガーデンっぽくならないし、10年以上経って再結成しても、この4人でしかできない音世界が出来上がるというわけなんです。

楽曲ごとのテンポとしてはミドルチューンが多く、平坦なイメージが残る本作なのですが、曲のカラーがこれでもかとばかり変わるから最後までまったくダレずに聴けるんですよね。

#13『フォース・オブ・ジュライ』

『メールマン』と並ぶ、本作の重量級ナンバーです。

かなりダーク、いや、もはやホラーのような立ち上がり。

2作目『ラウダー・ザン・ラブ』の頃を思い出させる重々しさです。

ただあの頃と違って、クリスのボーカルは高音シャウトをぶつけるのではなく、あえて低音域で歌い上げているので、より怖いというか。

最後まで救いがないまま終わります。

暗っ。

けど、なんでこんなに居心地がいいのかな?

#14『ハーフ』

サウンドガーデンいちのハードコアスピードナンバー『フェイス・ポリューション』の作曲者のイメージが強いベンですが、こんなオリエンタルインストナンバーを作っちゃいました。

ベン、あんたまでか?

なんてマニアックな趣味を持った奴らなんだ。

ルーツがどこなのかさっぱり分からない。

これってワールドミュージックの範囲にまで普段から手を広げてないと絶対に出てこない発想だと思うんですよね。

おまけにこの変拍子。

クリスのコーラス(?)にしても演奏にしても変態が過ぎます。

#15『ライク・スーサイド』

ラストナンバーです。

これなんか本来であればシングルカットできたであろうナンバーだと思うんですが、ちょっと『ブラック・ホール・サン』と雰囲気が被ってるきらいはありますからね。

名曲なのに惜しいな~。

前曲『ハーフ』のインストが2分の小曲にしてあるため、7分という長尺ナンバーでありながらスッキリ聴ける。

ほんと考えられた楽曲配置だな~。

途中からドラムがガツンとボリュームアップするところで鳥肌が立ちます。

彼らのアルバムは最後がイマイチ締まらないことが多かったのですが、今回は最後まで完璧だったな。


はい、というわけで今回は『スーパーアンノウン』をたっぷり語ってまいりました。

サウンドガーデンの中では一番最初の出会いであり、一番付き合いが長いアルバムであり、一番良さが分かりにくかったアルバムです。

当然、ダントツで一番聞きこんだアルバムなんですが、これは超スルメ盤です。

もともとサウンドガーデン自体がそういう存在だったのですが、本作はとびきりスルメ。

一度好きになるとどんだけ聴いてもまったく飽きません。

そして、現にこうして聴いててもさらなる発見があります。

それだけ情報量が多い作品ですよ。

たっぷり楽しんでみてくださいね~。

それではまた!

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