『ウルトラメガOK』サウンドガーデン グランジ界の重鎮のデビュー作
本記事はプロモーションを含みます。
どうもSimackyです。
先日、私の大好きなグランジ/オルタナティブバンド、アリス・イン・チェインズをたっぷり語り終えて、もう十分満足しましたので(笑)、本日からはサウンドガーデンを語っていきますよ~。
これまた大好きなバンドですね。
アリスとどっちが好きかと言われると、「断然アリス!」だと自分では思っていたし、そりゃ好きなアルバムの枚数だって段違いです。
ですが、こうしてあらためて聞き返してみると当時10~20代の興奮が蘇ってきますね。
「俺、サウンドガーデンめっちゃ好きだったんじゃん」と(笑)。
そうなるのも道理で、はっきり言ってこの人たちって
魅力が分かりにくい。
人に魅力を伝えるのも難しいんですけど、そもそも自分が彼らを好きな理由を自分で理解できていない。
それで記事書こうなんて、すでに致命傷じゃねぇか(笑)。
この人たちの場合、メロディとか理屈云々じゃなくて、本能に刷り込まれる魅力というか。
そりゃメロディで言うならば圧倒的にニルヴァーナやアリスの方が良いはずなんですよ、ビートルズに例えられるくらいだし。
私も当然そっちが好きなはずなんですよ。
けど、意識下では「よく分かんない」と思いきや、無意識下では「もっとこれが欲しい」って欲するみたいな(笑)。
いや、こういうのを本当の中毒性っていうんじゃないんですかね?
どうしてこういうことになるかというと、彼らの音楽的なバックボーンが膨大に広いため様々な音楽要素がごちゃ混ぜになっていること、そしてミュージシャンとしての技量がピカイチということが挙げられます。
良く言えば『本格派バンド』ということになるのでしょうが、悪く言えば『マニアック』で『玄人くさい』んですよ。
イチ音楽リスナーとしても玄人だし、プレイヤーとしても玄人。
きっと「そんなものどこで手に入れたの?」っていうくらいマニアックな音楽を聴いてるはずです。
なぜなら、彼らの音楽を聞いているとルーツが分からないことが多いからです(分かるのはサバスとZEPぐらい:笑)。
そして、「他の人がやったことないプレイをとことん突き詰めるぞ!」って感じで練習してると思います。
「それバンドでバシッと合わせられるまでに、どんだけの練習したんだ?」
っていうプレイがかなり多い(変則的リズムの多用)。
私がバンドとしてコピーした中では一番難しかったです、サウンドガーデンは。
譜面上は完コピ出来てるはずなのに、どうしてもこんなかっこいいグルーブになんない。
で、物凄くキャッチーで普遍性のあるメロディがたまに顔を出す。
「え!?出来たの?」
みたいな(笑)。
でも出来るくせに、そこで勝負すれば簡単に売れることもできるはずなのに、あえてそれはしない。
分かりやすいメロディを全部は出さない。
「欲しいものをくれない」小出しにされる感覚。
ひねくれてるんですよ(笑)。
というより、その方が最終的な快感が増すってことを知っているのか?
まるで女を焦らしているみたいな(笑)。
「お前たちがすぐに分かるようなもの作ったってつまんないじゃん」
って言われてるような。
で、圧倒的な演奏技術が生み出すグルーブで煙(けむ)に巻かれる、みたいな。
どうです?
一癖も二癖もありそうでしょ?(笑)
そらそうですよ、彼らはニルヴァーナやアリスよりも
曲者っぷりが一段上
なんですから。
カート・コバーンがサウンドガーデンを評して
「こんな奴等にかなうわけがない」
って言ったのは誇張でもリップサービスでも何でもないんですからね?
本音だと思いますよ。
私も40代になってその凄みを理解できるようになって分かりましたもん。
こいつらマジもんです。
油断してると手の平の上で転がされます。
ニルヴァーナやアリスが『ビートルズ』に例えられることはあっても、サウンドガーデンは絶対ないですね。
彼ら(ニルとアリ)ほどには、欲しいものをすぐにくれないから。
その意味じゃあZEP(レッド・ツェッペリン)っぽいというか。
そのくせ、その気になれば1000万枚セールスとかやっちゃうんだから、その実力は底が知れません。
『売れるか売れないか』さえ、自分たちでコントロールしているフシさえある。
その意味じゃあ、デビッド・ボウイっぽいとも言えます。
いや、マネジメントの才能ではデビッド・ボウイ以上かも。
だってデビッド・ボウイでさえ、『レッツ・ダンス』で1000万枚売れた時は、その後に迷走してしまったというのに。
サウンドガーデンの売れ方って、ミュージシャンとしては理想的なんですよ?
徐々に売れていく。
売れているにも関わらず、カリスマ性は保ちながら、音楽的には自由が許されている状態をキープし続ける。
1000万枚売った頃にはある程度大人になってるから、環境の変化にも振り回されず、クレバーに演りたいことだけを演る。
普通『スーパーアンノウン』みたいなヒット作品を作ったら、それがプレッシャーになったり、次作でもその作風を踏襲したりとかありそうなものなのに。
やりたい放題の次作(『ダウン・オン・ジ・アップサイド』)を出した後に
「うし!これでやりたいことやりきった。バイバイ♪」
って解散しちゃうんですよ!?
バンドメンバーの誰が死んだわけでも(ニルヴァーナ)、ヤク中になった(アリス)わけでもないのに!
自由すぎんだろ。
これって四天王って言われるニルヴァーナ、アリス、パール・ジャムの誰も出来なかったことですよ。
彼らは大なり小なりファンの求めるものに色んな意味で縛られてしまいましたけど、サウンドガーデンはそれがまったく感じられません。
手が付けられないほどのヒットを飛ばして、がんじがらめになるような事態をうまく避けている。
けどここまでの話は、全て私が深読みし過ぎなだけで、実は単にクリス・コーネルが“天然”なだけかもしれない。
未だにそこのとこが分かんないんだな~、
『超大物』なのか『ド天然』なのかが(笑)。
そんな超曲者バンドのサウンドガーデンを語り尽くすことで、自分にとっても彼らがどんな存在だったのか?が見えてくることと思います。
さあ、私と一緒にサウンドガーデンの世界を旅しましょう!
サウンドガーデンとの出会い
サウンドガーデンは、私にとってグランジ四天王の中では最初(高校3年)に出会ったバンドで、当時は
ミュージシャンズ・ミュージシャン
の筆頭株みたいな存在でした。
それくらい色んなバンドがサウンドガーデンに一目置いていたというか、そのちょっと前までのレッチリ(3~4作目あたり)みたいな存在とでも言えば伝わりますかね?
で、最初の出会いが大名盤で1000万枚以上のセールスを記録した『スーパーアンノウン』⇩
高校生の当時は、まず洋楽を聞いている友達もかなり少ないし、知っててニルヴァーナ、グリーン・デイ、オフスプリング、オアシスみたいな、そんな環境ですよ?
周りは皆、ロックの浅瀬でピチャピチャやってる程度の人たち。
ロックのディープな沼になんて誰も入ってません。
当然、こんなもん聴いてる高校生なんて周りにいないわけです。
私自身も「?」だったし、これを貸した友達たちも「?」みたいな(笑)。
良いのかどうかが、さっっっっぱり分かんなかった。
あの分厚すぎるサウンドも、すごく『こもった感じ』に聞こえるし、やたらローファイで古臭い音にも感じたし。
「ヘヴィだし、バラエティ豊かなのは分かるけど、もうちょっとテンポの起伏はないのかよ?」
みたいな。
その後に聴く、ニルヴァーナやアリスのほうが断然はまりましたね。
あんまり印象良くなかったんで、次のアルバムを買うのは大学に入ってから。
サウンドガーデンにはハマらなかった私も、この頃にはアリス他、オルタナ系のバンドたちにのめり込んでました。
で、次に買うのが2作目であり、メジャーデビュー作の『ラウダー・ザン・ラブ』⇩
これがとにかく強烈にやばかった。
もうとんでもなくダークでヘヴィ。
もうね、毎日聞くのがしんどくなるほどダウナーなんですよ。
でも当時は私も病んでましたから(笑)、
「こういうのが分かるようにならないと駄目なんだ」
って思い込んでて、何回も何回も聴きましたよ。
朝から日がな一日、焼酎一升瓶を空けながら、ホラー小説とか読みながら。
結局、その時はまったく良い印象を残さなかったですが。
皆さん、そろそろ
「おい、オマエ本当にこのバンドをおすすめしてんのか?」
って感じ始めたでしょう(笑)。
大丈夫です、ここからですから。
で、印象がずっと良くないサウンドガーデンがのイメージがガラッと変わるのが、次に買う3作目『バッドモーターフィンガー』⇩
これはおそらく彼らが残した作品の中では、
最高傑作に挙げられる作品ですね。
『グランジ/オルタナティブの名盤〇〇選』とかがあると、だいたいニルヴァーナ『ネヴァーマインド』に次いで2位とかにランクインしてます。
こいつがとんでもない作品で、一発でサウンドガーデンに対する見方が変わりましたね。
「こいつら本気出したらこんなにすげぇのかよ…」
まあ、
前半5曲だけが異常にすばらしい
というかなり偏った作品なんですが(笑)。
ここでガツンとやられました。
私の中でサウンドガーデンがアリス、ニルヴァーナに並んだ瞬間でした。
当時はドラムの腕を磨くために(プロ目指していた)あらゆるドラミングをコピーしていたのですが、こっからはサウンドガーデン一色になりました。
で、そこからまったく理解できなかった『ラウダー・ザン・ラブ』『スーパーアンノウン』も同時に聞き込み始め、どんどんのめり込んでいくことになります。
まあ、一度ハマると不思議なもので、それまで理解できなかった音楽たちが体の隅々まで行き渡るではないですか!
特に4作目『スーパーアンノウン』の凄さに気がついた時は鳥肌が立ちましたね。
そして、ここで極めつけ。
最後に聴いた彼らの引退作『ダウン・オン・ジ・アプサイド』に出会って、さらにハマります⇩
これはえげつなかった…。
「ついに行き着くとこまで行き着きやがった…」
って感じで圧倒されましたね。
奴らの全てが詰まってる集大成です。
全ての曲に打ちのめされる、まさにめくるめく『ロックスペクタクル』です。
世間の評価が異常に低いけど、これ分かんない人は
「今までサウンドガーデンの何を聴いてきたの?」
って言いたいくらい、全てが詰まってる作品でした。
「そりゃこれ出したら解散もするわ」
ってくらいの出来でした。
当然、全曲コピーしました。
以上、私のサウンドガーデンでした…。
って待てよ!
今回の主題を忘れてねぇか?
デ・ビュー・さ・く!!!
というわけでここから本題に入りますね(笑)。
忘れた頃にやってきた傑作
アリスの回でも書きましたが、はっきり言って、グランジ/オルタナっていうジャンルの音楽は、今から振り返ってみると
病みすぎてます。
あれは自分自身も病んでいたからこそ聴けた音楽というか、それが当たり前だった時代だからこそ聴けた音楽というか。
だんだん、時代が変わり、自分も大人になっていくと、あの病んだ音楽は聞けなくなってきます。
ほんとに手が伸びないんですよ。
あの頃に夢中になって聴いた
パンテラ、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン、コーン、マリリン・マンソン、ナイン・インチ・ネイルズ、ミニストリー、マシーン・ヘッド、、セパルトゥラ、ソニック・ユース、ダイナソーJr.、L7、マッドハニー、
そしてサウンドガーデン…。
そんな中、やっぱり『ビートルズ』という形容詞が付いた2つのバンドだけが、今でも聞くバンドとして残りました。
『ビートルズとブラック・サバスの結婚』と呼ばれたニルヴァーナと、
『鬱病のビートルズ』と呼ばれたアリス・イン・チェインズ。
この2バンドだけは、暗いのに、ダークなのに、ずっと聴けたんですね。
でも、私の青春時代に「一番聴きこんだ!」って言えるのはサウンドガーデンだったんですよ。
一番耳コピもしたし。