SUGIZO自伝~波乱の人生を綴った驚きの内容とは~
本記事はプロモーションを含みます。
どうもSimackyです。
今回はLUNASEA兼XのギタリストであるSUGIZOが2011年に出版した
SUGIZO
~
を語っていきますよ~。
本書の構成は?
この本はのっけからSUGIZO自ら
「この本は『自伝』ではない」
と言っているのですが、まあ、完璧に自伝と言えるものでしょう(笑)。
っていうかこれ自伝って呼ばなかったら何を自伝と呼ぶのか?
幼い日の家庭環境から、音楽との出会い、LUNASEAの結成~崩壊~再結成、Xやジュノ・リアクターを始めとする活動、また、恋愛観や娘のことまで語り尽くしてます。
前回はこのブログでPATAの自伝を紹介したのですが、同じギタリストなのにも関わらず、
ほぼギターや音楽機材の話はありません。
私のようにSUGIZOというお人の人間的な部分に興味がある人ならともかく、ギタリストSUGIZOのテクニックやら音楽ノウハウを期待して読む人であれば肩透かしを食らうでしょう。
パーソナリティに思いっきりフォーカスした内容になっております。
やはり本書を手にする人の多くが、まずもって一番読みたい部分は
「LUNASEA解散(終幕)の本当の原因は何か?」
「Xへの加入の経緯は?」
などだと思いますが、そのあたりのことはちゃんと書かれてありますのでご安心ください。
LUNASEA終幕の理由は、かなりぼかして抽象的に書いてあるようには感じると思います。
「なんだよ?綺麗ごと?」
と思われるかもしれませんが、私は逆にそれを評価したいですね。
これこそがLUNASEAのメンバーの『品格』なんだと思いますよ。
それこそ海外のロックバンドって、音楽雑誌のインタビューで他のメンバーの悪口言ったりってすごいじゃないですか?
「え!?あんだけ悪口言ってたくせに再結成するの?もはや金のためとしか思えない…」
みたいなバンドは履いて捨てるほどいますから。
LUNASEAは当時からそれはなかったし、やはりその紳士的な姿勢はこの本でも貫かれています。
昨今、安っぽい暴露系ユーチューバーの動画を見慣れているので、こういう人としての品格は新鮮に感じてしまいます(笑)。
メンバーが紳士的であることに加え、お互いをリスペクトしているからこそなのでしょう。
きっと、終幕する頃なんかは、本気で顔も見たくないくらいお互いを嫌っていた側面はあったと思うんですよ?
納得行かない部分も攻撃し合っていた部分も。
けれども、終幕から10年も時間が経って、改めて冷静に振り返ったことが、やはり真実なんじゃないかな~?
こういうのって終幕直後の感情のしこりが残っている時よりも、時間を空けてみないと客観的になれない部分もあるだろうし。
男性ソロアーティストとしての売上記録さえもぶち上げたRYUICHIが、それでもLUNASEAに戻ってきたということをちゃんと評価してますしね。
Xへの加入に関しては、ちょっと意外でしたね。
加入することが意外ということじゃなく、加入することに対してSUGIZOほどのミュージシャンでさえ、及び腰だったことにです。
それほどhideの後継者というポジションは重いし、Xファンからのバッシングに晒される可能性があったということでしょう。
私の場合は、LUNASEAのメンバーがXに加入する違和感は半端なかったですけど(笑)、SUGIZOだったら全然オッケーだし、hideの代わりにあそこのポジションに立てるのはSUGIZO以外ありえないと思っていたので、バッシングなどがあった事実に逆に驚いているくらいです。
というより
「いやいやいやいや、じゃあ、SUGIZO以外に適任者がいるとすれば誰か逆に聞きたいわ」
っていう感じ。
それから、SUGIZOの視点から語られるhideとYOSHIKIは非常に興味深かったです。
hideに関しては
「考え方も好みもまるで正反対だった」
と、何かのインタビューで答えてましたが、音楽を超えたところで友達として仲が良かったみたいです。
それに対し、YOSHIKIに関しては、考え方で影響を受ける部分が大きかったということが驚きでした。
音楽に対する考え方が近かったのもありますが、さらに大きな次元で考えているYOSHIKIに強く影響を受け、それがLUNASEAの再結成へと向かう原動力になったらしいです。
当時は、
「うわ~、なんでLUNASEAが再結成らしき動きをし始めたこの時期にSUGIZO引き抜くかな~」
とか思っていたのですが、YOSHIKIのアドバイスがなければ、当時LUNASEAを否定し続けていたSUGIZOが、LUNASEA再結成に肯定的になることもまた、なかったのかもしれません。
まあ、もとを辿ればYOSHIKIとGacktが企画したS.K.I.N.でSUGIZOを誘ったことが、その後のXサポート~正式加入へとつながっていくので、あの盛大なる『ボツ企画』にも一定の成果はあったようですね(笑)。
Gacktの舞台音楽をSUGIZOが手掛けたり、LUNASEAの再結成にも間接的に繋がっていくのでね。
個人的にはもっとLUNASEAメンバーとのエピソードを語ってほしかった。
高校生の頃、両親が離婚した時に、INORANの家に泊まって相談に乗ってもらったエピソードくらいはありましたが、インディ時代のメンバーの絆が強かった頃のエピソードとかをもっと語ってほしかったかな。
恋愛観とかいいから。
40歳を超えたLUNASEAのSUGIZO大先生に、恋愛観を求める需要が一体どれほどあったのか微妙です。
一体誰がSUGIZO先生をそそのかしやがったんだ?
何?
インタビュアー・文「山本裕子」?
お前が犯人か。
内容グダグダじゃねぇか…。
まず、本書を手に取った読者は、この章で一旦、本を閉じることでしょう。
結構、言ってることが行ったりきたりで、しまいには
「う~ん、恋愛について俺に語らせるのは無理があるね(笑)」
いやいや、もう結構なページ書き進めとるがな。
気がついたのなら、
なぜそのまま突き進んじまった?
誰もやってくれなんて頼んでないのに。
そう、
天下一品の食レポくらい
誰も頼んでません。
「いや、一体この日本で誰が、ラーメンを食べるSUGIZOの絵を心待ちにしていたの?」
っていう。
youtubeで初めて動画を見た時、固まってしまいましたからね。
「?先生??どうした???」
なんかね、普段あれだけ理論武装しているSUGIZO先生が、こういうらしくないことをやらかしてしまう人間臭さ。
それこそが『今の』人間SUGIZOの魅力なのかもしれません。
なぜなら、「頼んでない」とか散々いじっておきながら、その再生回数はなんと
100万回超え。
え?大物ユーチューバー?
おそるべし、SUGIZO先生…。
地獄からの蘇生
まあ、SUGIZO先生がこうした人間臭さを放つようになったのは、人生のどん底をくぐり抜けた強さと言うか、より人生の本質にたどり着いたということなのでしょうか?
実は本書で語られる最も衝撃的な事実は、LUNASEAの解散話やらXへの加入秘話などではありません。
2003年にSUGIZOが関連するレコード会社が経営難で倒産。
当時のアルバム制作が中止。
そして信頼していたスタッフが莫大な借金をこさえており、SUGIZOはその連帯保証人に勝手にされていたため、なんといきなり借金苦に陥ってしまいます。
ロッカーの借金苦とかって、1970年代ごろの無茶苦茶だった頃ならよく聞く話ですが、21世紀にもなろうというのに起こる話なんですね。
これはもう、人間不信になりますよ。
あの大スターLUNASEAのSUGIZOが借金返済のために物を売払い、自家用車も持てずにバス・電車の生活。
住む場所も食べるものもないような苦しい生活なんて、信じられます?
TAIJIやTOSHIもそうでしたが、どうしてXに関わる人達というのは、人生がドラマティックなんでしょうか?
この時期のSUGIZOは、ソロ活動・プロジェクトでもなかなか商業的成功に恵まれず、苦境も苦境。
私の学生の頃の記憶によると、この頃組んでいたユニット「the Flare」も、セールスが悪くて契約を解除されたとインタビューで語っていたんですよね。
「え?あのプライドの高いSUGIZOが、こういうことを公のインタビューで認めちゃうの?なんか悲壮感の漂い方が半端じゃないんだけど…」
と、意外に感じたのを今でも覚えているのですが、この本を読んで合点がいきました。
やっぱりあの頃は相当に苦しかったんでしょうね。
かつての『栄光のLUNASEA時代』を『人生の失敗』だと思い込み、自分に対する音楽評価に対しても納得言っていないという、一番苦しい時代だったようです。
精神的にはそうとう落ち込んでいたようで、セラピーやカウンセリングなども受けまくっていて、再結成後のSUGIZOがパワースポットとかパワーストーンとかに興味持っているように見えたのは、その頃の影響なのかな?
ちょっとスピリチュアルな人の感じになりましたよね。
人生に明るい兆しが見え始めるのは2007年。
先述したあのS.K.I.N.への加入なんですよ。
メジャーな表舞台からは完全に存在を忘れられつつあったSUGIZOが、久々に表舞台のど真ん中に顔を出します。
そこからはLUNASEA「一夜限りの復活ライブ」や、世界的バンド「ジュノ・リアクター」のワールドツアーへの参加、Xへの加入、LUNASEAの完全復活、ですね。
日本を代表するヴィジュアル系バンドトップ2の掛け持ちに加え、ジュノ・リアクターへの参加、ソロ活動しながらラストロックスターズ加入、映画音楽からアニメ音楽タイアップと、『日本で最も忙しいロックミュージシャン』の名をほしいままにしてます(笑)。
振り幅すごっ!
盟友・真矢の運営するラーメン屋『天雷軒』で、幸せそうにラーメンをすするSUGIZOが、まるで仏のような表情を見せるのも、人生のどん底と頂点を極めたからかもしれません。
ところで先生、あなた
グルテンフリーとかどうでも良くなってるでしょ?