「ネット時代についていけない法と教育」Simackyのつぶやき⑥
あけましておめでとうございます。
2024年度もよろしくお願いいたします。
新年一発目のSimackyのつぶやきのお時間です。
この『つぶやきコーナー』は、いつもは好きな音楽や漫画を解説しているこのサイトにおいて、私が個人的な見解や主義主張なんかを勝手に語ったりしちゃったりなんかするコーナーです。
あくまで題材が主役である通常の記事に対し、このコーナーは私が主役(笑)。
そろそろ私のサイトでもパーソナリティ的な部分も出していこうかな、と思って昨年末あたりから始めました。
別段、面白くもない平凡な人間なのですが。
こういうブログサイトっていうのは万人に受けるために書くのではなく、これが好きな人、これに共感してくれる人が集まってくればいいわけなので。
『好きになってもらうために努力する』ではなく、『自分をさらけ出して気に入った人だけが集まってくる』というあり方。
まあ、これはリアルな人間関係でもまったく当てはまることですが。
で、今日もダラダラと語っていきますので、ごゆるりと付き合ってくださいな。
2023年はネット、特にYou Tubeの持つ社会的な影響力が明るみになった年のような気がします。
2021年の時点でネットの広告費がテレビを上回ったとは言われていましたが、ネットに普段アクセスしない人たちにとってもその影響力がこんなにも大きいものだということが認知されたんじゃないかな?
なぜなら2023年に起きた時代を変えるような大きな事件が、どれもネット業界で起きたからです。
まず、芸能人に女の子を紹介する『アテンド』をしていたガーシーこと東谷義和氏が、トップYouTuberのヒカル氏に詐欺の告発をされたことにより、損害賠償金を払うために暴露系YouTuberとなり、芸能人の暴露を始めます。
これが発端。
これによって綾野剛氏を始めとする俳優、女優、モデル、ミュージシャン、芸能人の闇が次々と暴露されていきます。
あっという間に登録者を増やし、インフルエンサーとして強い影響力を持ち始めた東谷は、『NHKをぶっ壊す』で有名な立花孝志氏に誘われ参議院に出馬。
しまいには当選してしまいます。
YouTuberが国会議員になるという時代がやってきたんですよ。
世も末です(笑)。
けど、ここまでの流れを普段テレビしか見てない世代の人達なんかはまったく話題についていけないわけですよ。
「何が起きているのかさっぱり分からない」というところなんじゃないかな。
で、このガーシー氏がやったことは決して褒められたものではないのですが、唯一、社会の役にたったことがカウアン岡本氏の告発のきっかけを作ったことです。
元ジャニーズ・タレントのカウアン岡本氏は、ガーシー氏のチャンネルにて故・ジャニー喜多川の長年に渡る性加害の事実をガーシー氏に促され暴露します。
それをきっかけに公式的な記者会見をしたところから、ネット、特にYou Tubeではそれに関する動画が大量に流れ始めます。
で、ジャニーズとテレビ業界もネットの非難についに屈して、故・ジャニー喜多川の性加害を認め、テレビも報道しだす。
これは歴史的な事件だったんですよ。
かつて週刊文春が性加害を告発して、ジャニーズとの裁判に勝った時でさえ、ほとんど事実が報道されなかったため世間一般の人は『噂話程度』『都市伝説』みたいな印象しかもってなかったんですから。
つまり世論は作られなかったんです。
そんな週刊文春ですらできなかったことを、この間まで詐欺をやっていたイチYouTuberがやってのけてしまったんですから驚きです。
このことによっていわゆる『暴露系YouTuber』が激増します。
暴露で再生数が稼げる時代がきたし、暴露が正当化される時代がきたんです。
この『暴露系』というのがどうも最近、暴走しがちのように見えてなりません。
例えばテレビだったり、週刊文春のような大企業であれば、一応取材したり、会社のコンプライアンス遵守規定なんかにそって報道するんですよ。
けれどもYouTuberなんて報道に関しては素人。
非常に危ういです。
そんな素人が、視聴回数を稼ぐためにサムネ(アイキャッチ画像)にはデタラメや過激な文言を載せて、タイトルや内容はどこぞのチャンネルですでに配信されているような程度の内容のものを流す。
9割くらいはこの手の動画が多いです。
いわゆる『釣り』というやつです。
さらに最近は過激なものも出てきて、迷惑行為を行ったYouTuberや、いじめ事件を起こした加害者などに対する『ネットリンチ』を煽る動画も見られます。
住所・氏名・顔写真がさらされたり、大した証拠もなく一方的な思い込みで加害者だと決めつけ全く関係ない住民を巻き込んだり。
それはもう酷い有様です。
そりゃテレビにも嘘は有るし、週刊誌なんて眉唾ものもいいとこなんですが、少なくともまだ節度が有りました。
YouTuberには倫理観が欠如してるんですよね。
特に『スシローペロペロ事件』の学生なんて、えらいことになってます。
彼がやったことでスシローに多少の売上被害はあったにせよ、誰かを殺したわけでもレイプしたわけでも食中毒者が出たわけでさえないのに、その扱いはまるで大量殺人者に対するそれのごとくです。
しかも未成年であるという容赦は一切ありません。
社会からの抹殺ですよ。
家庭は完全に崩壊してます。
そこまで徹底的にやる必要あります?
それはもはや弱い者いじめです。
こういうことに怒る前にもっとロシア戦争とかイスラエル戦争だとか、怒るべきことは山のように有ると思うのですが。
負の感情がすごい。
人間には誰にでもある負の感情が集団化すると暴走してしまうのでしょうか?
弱ったものに対して猛然と牙を向くのはハイエナ同然。
『弱ったもの』というのは、ついこの間まで権力を握っていた人間も含まれます。
強かったライオンが足をけがして動けなくなってるのをハイエナが集団で取り囲んでいるようです。
こうした悪い流れの中にあって、その図式があらわになったのが、年末に起きた『松本人志スキャンダル』。
ついこの前まで、松本氏に楯突く動画『松本人志氏への提言』を配信したオリラジの中田敦彦氏を芸能人・YouTuberそろってバッシングしておいて、あれだけ皆で松本氏の肩をもっておいて、この手のひらの返し方といったら(笑)。
ちょっと節操なさすぎでは?
「今、松本の記事出せば再生数稼げるぞ!」
といわんばかりに雨後の筍がニョキニョキと。
言い得・やり得の世の中です。
ああした事実が不確かな情報が拡散されても、名誉毀損で取り戻せるのはたかだか数百万円(200~400万円)って知ってました?
「え?数億円とかになるんじゃないの?」
と思う方もいらっしゃるでしょうが、それは映画や音楽を違法アップして著作権違反などで損害賠償となったときです。
名誉毀損に関しては言い得です。
週刊文春がスキャンダルの報道で得る利益はたかだか数百万のわけがないのですから。
そりゃ
「不確かでも出す。出さなきゃ金にならん」
という意識にもなろうというもの。
こんな言い得の法律はどう考えてもおかしいです。
こうしたことがもっともっと多くの人に認知され、現代に即した法律に改正されていくのであれば、2023年の事件にも意味があったと言えるのではないでしょうか?
それからテレビには有るけれどもYouTuberにはない『放送倫理』ですよ。
YouTuberなんて
「これ話題にしたらグーグル様にBAN(アカウント停止)されるかもしれない。」
とか言いながらアップしてるんですよ。
『されるかもしれないし、されないかもしれない』ぐらいの感覚なんです。
つまりあまりにも不明瞭で、やってみてBANされてギリギリのラインを探していく、みたいな状況。
山に生えてるきのこを、死人を出しながら食べれるものと食べれないものを探している原始時代のようです。
グーグルは大した説明もしませんし、『指導』なんてしないわけです。
であるならば、第3者による監視期間は必要でしょう。
テレビで言うところの「放送倫理・番組向上機構」みたいなものが。
あんなもの番組制作の面白みを削ぐ要素しかないと思っていたのに、まさか存在価値を見直す時代が来るなんて(笑)。
現在のYou Tubeはまさに混沌の海ですよ。
法整備されてなさすぎ。
かつて社会の表がテレビでネットが裏だったとすると、もうネットも『表』といえる時代です。
広告費がテレビを上回ったし、テレビタレントがどんどんYou Tubeに移っているんですから。
『表』ということは公共性が伴います。
公共性と言えるほどの法整備が全然整ってませんよね?
それから最期に『教育』ですよ。
『スシローペロペロ事件』なんて、やったのはまだ子供じゃないですか(当時17歳)?
2010年くらいから迷惑動画みたいな投稿は増えていて、それを見た子供が真似して何千万、何億円という損害を企業に与える可能性は容易に考えられたのに、何の対処もしていなかった我々大人の責任ですよ。
ああいう事件が起きて、未成年の子供もその家族も社会的に抹殺されているにも関わらず、こういうことを学校で教えようとかいう動きも全くない。
学校の教員も教育委員会もお役所気質です。
あの子供達の家族に起きた事件後の顛末を仮にも人の親である保護者たちが知れば、ゾッとするでしょう。
ネットでの攻撃は週刊誌なんて比較になりません。
1億人による総攻撃です。
自宅、学校への鳴り止まない苦情の電話、高校中退はおろか、顔も名前もさらされているので就職も厳しいでしょう。
まだ小さな兄弟たちは学校でいじめも受けるでしょう。
でも誰も守ってなんかくれません。
地獄です。
しかしこれは他人事ではありません。
子供が中学生になったら、ほとんどの家庭がスマホは持たせるでしょう?
そのスマホ1台があればYou Tubeは簡単にアップできるんです。
そのスマホを使って、同級生をいじめた動画なんかを拡散させようものならえらいことになるんですよ?
いじめでなくともちょっとしたおふざけでも炎上する可能性だってあります。
ツイート(現在はX)はもっとお手軽です。
ちょっと軽くツイートしたことが大炎上を起こせば、すぐにでもネットでさらされる危険性だって有るんですよ?
社会的影響力を発揮するツールを、あまりにも自覚がない子供に安直に与えすぎている現実があります。
時代のツールとして、もはや『持たせない』という選択肢が取れないのであれば、上手く付き合っていく方法を教えてあげなきゃ非常に危険です。
これは本物の拳銃でロシアンルーレットをさせているようなものですから。
今回のスシロー事件は『明日は我が身(子)』となる可能性は大なんです。
であるならば、You Tubeでの動画投稿を免許制にしようだとか、学校の授業で「炎上しない投稿の方法」を教えるだとか、議論スべきことは山のように有るはずなんですよ。
しかし、そもそも国政を担っている世代がネットに疎いから、ことの重要性にピンときてない。
公共機関が民間よりもさらに時代に取り残されているのがこの日本の現状なんだと思います。
まあ旧態依然とした、時代に取り残された教育を今でもやっています。
これだけ日本人がお金に疎いと言われているのに、利息や投資といった授業が増えるわけでもなし、年金問題が騒がれても年金の仕組みを始めとする社会保証制度を教える授業もなし。
終身雇用制は終わってるのに、様々な働き方の存在や転職、個人事業の可能性を教える授業もない。
まったくの無防備状態で、企業にとっては騙しやすい『鴨がネギ背負って歩いている』ような人間を社会に送り込んでるだけ。
「今払ってる賃貸家賃と変わらないのなら、家を買ってローン組んだほうが自分のものになるのでお得ですよ」
という30年も40年も使い回された謳い文句で家を売りつけられ、老後の不安を煽られて保険に加入し、勝てる見込みもない投資話に誘われ、転職エージェントに手数料の高い紹介先に送り込まれた先のブラック企業を「世の中こういうものだろ」と思って働いている。
なんか桑田佳祐の歌詞みたいな話になってきましたが(笑)。
さて、Simackyブログ『ひよこまめ』では、あらたにイエローモンキーのアルバム解説を始めました。
現在5作目『スマイル』までが終わり、ちょうど半分まできましたね。
残り5枚を書き上げたら、次はラーメンに次ぐ新カテゴリーをいよいよ取り掛かろうとも思います。
そろそろ地震に関して注意喚起をする必要があると強く感じます。
熊本地震を経験した身としては、この元旦に起こった石川地震は非常に心が痛いです。
あの恐怖が分かるだけに。
私はそう遠くない将来に未曾有の大地震が起きると思ってます。
色んなデータがそれを示唆してます。
地震大国日本に住んでいて、もはや起きないと思っているほうがおかしい。
中国に攻め込まれたり、北朝鮮からミサイルを落とされる可能性より濃厚です。
自らの経験、地震のメカニズム、起きた時の対処法、事前準備なども含めて発信しながら勉強していきたいと思ってます。
2024年も『ひよこまめ』をよろしくお願いしますね。