「ウィーク・エンド」X JAPAN～生まれ変わった傑作～
本記事はプロモーションを含みます。
どうもSimackyです。
本日はXの
『ウィーク・エンド』
を語っていきますよ～。
未完の名曲だった初期バージョン
この「ウィーク・エンド」は2作目のオリジナルアルバム「ブルー・ブラッド」の3曲目に収録されていました。
ブルー・ブラッド
作詞・作曲はYOSHIKI。
「ブルー・ブラッド」バンドスコアのメンバーインタビューでYOSHIKIは
「俺がロックンロールを作ろうと思ったらこうなった」
と語っています。
YOSHIKIと言えば『紅』のようなスラッシュナンバーと『エンドレスレイン』のような美しすぎるバラードという両極端なイメージがありますが、『ウィーク・エンド』は珍しくそのどちらでもない中間に位置する曲です。
YOSHIKIのロックンロールナンバーは1作目『ヴァニッシング・ヴィジョン』ではほとんど見られませんでした。
『サディスティック・ディザイア』や『ファントム・オブ・ギルト』に見られるように、HIDEやTAIJIが作るイメージがあるので、この時点では初の試みだったのではないでしょうか？
テンポもそこまで速くはなく(普通のバンドに比べりゃ速いけど)、腰を据えてじっくり訊かせるロックナンバーです。
歌詞のテーマは『自殺』。
そのため、終始、陰鬱とした雰囲気が漂いますが、それでいて物悲しく非常にドラマティックなんですよ。
YOSHIKIの『破滅の美学』の世界観が見事に表現された名曲で、シングルジャケットも世界観にピッタリで秀逸ですよね。
「ブルー・ブラッド」からは第1弾シングル『紅』、第2弾シングル『エンドレスレイン』がカットされていましたが、それに続く第3弾としてリリースされたのが「ウィーク・エンド」です。
しかしこれは単なるシングルカットにあらず！
「ブルー・ブラッド」のアルバム解説でも語りましたが、この「ブルー・ブラッド」ではメジャーに転向して最初のアルバム制作ということもあってか、正直あまり音質がいいとは言えません。
音のバランス(ミックス具合)も仕上がりにムラがあります。
特に「ウィーク・エンド」がその傾向が顕著で、メンバーやファンもそう感じていたのか？
いや、メンバーがイメージする完成形にまで、まだ届いていなかったのかもしれません。
なんとシングルカット時にリメイクします。
生まれ変わって真価を現した傑作へ
若干、構成を変えた上ですべての楽器を録り直したんですね。
さらにはピアノやストリングスまで入ってきてます。
音質も劇的に向上し、この時点のXの楽曲の中では頭一つ飛び抜けて洗練された楽曲になりました。
まるで『生まれ変わらせる』ぐらいの並々ならぬ意気込みが伝わってきますが、それだけメンバーもこの曲を
「このままではあまりにももったいない」
と思っていたのかもしれませんね。
生まれ変わった「ウィーク・エンド」は、Xのナンバーで類を見ないほどのどっしりしたヘヴィナンバーになりました。
ドラムの音の一発一発に重みがあり、地を這うTAIJIのベースがうねっています。
ギターリフも音質改善で「これ同じリフか？」というほどかっこ良くなりました。
Xでもトップクラスに位置する秀逸ギターリフじゃないかな。
そしてギターソロもより起承転結のメリハリがついて構成が完璧。
これまたX屈指のギターソロと呼ばれています。
いやぁ、凄いです。
「ウィーク・エンド」が本性を現しました。
このドラマティックな構成力は大人気曲「サイレント・ジェラシー」にも匹敵すると言うか、あのミドルテンポバージョンというか。
ライブバージョンのおすすめ
このリメイクされた『ウィーク・エンド』で、以降のライブでも演奏されます。
1995年東京ドーム以降はさらに構成を変えたバージョンになります。
こちらも人気は高いバージョンですが、私的にはシングルバージョンが好きですかね。
名演が多いのですが、その中でも最もかっこいいのが『1992年東京ドーム3デイズ～破滅に向かって～』の3日目の演奏です。
これはCD音源としてもDVD映像としてもリリースされてますので、できれば映像で観てほしいです。
やばいくらいかっこいい。
美しい。
3日目でメンバー皆ボロボロだし、TAIJI最後のライブという物悲しさもあり、この楽曲の持つ『悲壮感』を高めまくってます。
涙なしには観ることは出来ません。
演奏はというと、長いツアーを終えたばかりのため息はピッタリ。
若干テンポが速めで、スムーズに演奏ができていると言うか、『こなれた感』があります。
TOSHIのソロパート後のピアノはなく、かわりにストリングスのみなのですが、それが逆に物悲しさを際立たせます。
見どころはHIDEとTAIJIのコーラスです。
「閉ざされ～笑いながら逃げていく～お前の姿を～」の部分で熱唱コーラスするTAIJI。
「ウィークェン」部分を、とさか頭を振り乱しながらコーラスするエキセントリックなHIDEの視線。
今は亡き二人のオーラがただ事じゃないことになってます。
『破滅に向かって』はソニーが権利を手放さないためか？ストリーミングには音源が全く出回りません。
You Tubeの公式にアップされることもこの先ないでしょう。
なので、CDかDVDで入手する他ないという、後追いファンにはマニアックな存在になってしまいましたが、間違いなくXのライブ盤の頂点にある名演ですので、必聴必見です。
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