『うまかっちゃん』熊本県民のソウルフード!
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どうもSimackyです。
普段は音楽記事をメインで書いている当ブログ「ひよこまめ」ですが、これからは私Simackyが好きでおすすめしたいものはジャンルを問わず大いに語っていきたいと思います。
今回は熊本県民である私にとって、人生で切っても切れないソウルフード、そう
うまかっちゃん
を語ってまいりたいと思います。
え?
福岡のソウルフード?
うん、それを言い始めたら九州の各県民が「いや、うちのでしょ」と言うでしょうね(笑)。
ちなみに私の最終目標は「うまかっちゃん」の偉大さを世界に広めることです。
九州を訪れたインバウンド客(海外旅行客)たちが『うまかっちゃん爆買い』をしていく姿を想像すると今からワクワクが止まりません。
そのために本日は「うまかっちゃん」ゴリ押しのプレゼンをカマしますので、まだ「うまかっちゃん」を食べたことがない人であれば、即ポチで買って食べてみてくださいね。
うまかっちゃんが熊本県民にとってどれほどの存在か?
私は1978年生まれの熊本県民です。
私が小学校の時代はまだ『土曜半ドン』が存在していた時代です。
土曜日が休日になる前の時代で、土曜日は学校が午前中で終わっていたんですよね。
普段平日は給食を食べて帰ってくる子どもたちが、真っ昼間に帰ってくるなり「腹減った~」と騒ぐのですから、全国のお母さん方にとっては悩ましい(面倒くさい)曜日であったことでしょう。
私の家などは両親が共働きなので、
「土曜日は黙ってこれでも食っとけ!」
と言わんばかりに戸棚の中にこいつが入ってました。
こういうことはおそらくどの家庭でも見られた光景だと思います。
だってうまかっちゃんを食べて急いで友達の家に遊びに行くと、
「ピンポ~ン!〇〇くん、遊ぼぉ!」
「う~ん!今うまかっちゃん食べよるけん、待っとって!」
やっぱり友達もそんな感じでしたから(笑)。
そういう状況なので、私はうまかっちゃんのことを
『県民食』
だと思っていました。
どこの家庭でも食べられている。
冷蔵庫を開ければ牛乳や卵が入っているのが当然のように、戸棚を開ければ当然のようにうまかっちゃんがある。
どこの家庭のじいちゃんの部屋にも何故か双眼鏡があるように、どこの家庭の家具やベッドの下にも何故か読み終わった少年ジャンプが下敷きに使われているように、何故かいつもそこにある存在…古き良き昭和の光景です。
それほど熊本県民の生活に根付いているうまかっちゃんのメーカーが、あの全国規模の大手メーカー「カレーはハウス」で知られるハウス食品であることを知った時の衝撃と言ったらありませんでした。
なにか大事なものを東京モンに奪われた気になるんですよ、田舎者としては。
「とんこつラーメン一筋みたいな熊本の職人たちが作っとるんじゃなくて、普段はカレーば専門で作っとるヤツたちが片手間で作っとったラーメンだったとや!?肥後もっこすばバカにしとっとか!?」(ハウスさんごめんなさい)
ちびっこ達はプンプンです。
熊本県のちびっ子たちはこの衝撃の事実を知ることで大人の階段を登っていくんです。
毎週、毎週うまかっちゃんを作って食べる…そんな生活が小学校の6年間続くとどうなるか?
土曜半ドンが年に40回くらいあるとして、それが6年間。
そうすると小学生の間に最低でも240回はうまかっちゃんを作ることになるわけですよ?
これに加えて、夏・冬・春の長期休みはほぼ毎日です。
こんな毎日を送っているとどうなるか?
『うまかっちゃん職人』が出来上がります。
ちなみに私の地元・熊本県では小学6年生になる子供であれば、お湯の量は目分量できっちり500ml,麺の茹で具合などは時間なんて計らず見た目判断でベストの状態で茹であげることができます。
料理もしたことがない小学生たちが、うまかっちゃんの調理方法だけはハウス食品の研究員たち以上に達者になるわけです。
もはやいつでもハウスに入社できるように仕上がってます。
20歳にもなってこの程度のことができない人は、熊本では成人とみなされません。
当然、成人式にも出席させてもらえません。
結婚する前にご両親に会いに行く時は必ずうまかっちゃんを作らされます。
ここで時計なんかを持ち出して「茹で時間3分で…」とか言ってもたついてたら、
「そんな奴に娘が任せられるか!」
となり絶対結婚させてもらえませんので、県外の男性であれば数年の修行をしてご挨拶に行ったほうが良いでしょう。
うまかっちゃんを食べすぎるあまり、熊本県民の血液には既定値を超えた「うまかっちゃん臭」が含まれており、献血で採取された血液は『熊本県民限定』でしか輸血できないということは、医学界で暗黙の了解となっています。
他県民に輸血すると、この既定値を超えたとんこつ臭に激しい拒否反応を起こすからです(さっきから既定値ってなんやねん)。
私は老衰で人生の最後の時を迎える際は
「最後に何が食べたい?」
と孫たちに尋ねられたら
「自分で作る」
と言って、震える手でうまかっちゃんを作り、自分的人生ベストの茹で加減で仕上げたそのツルシコの麺に舌鼓(したつづみ)を打ちながら満足げな顔をしてあの世へ旅立つでしょう。
孫たちもそんな私を誇りに思ってくれることでしょう。
熊本県民にとってうまかっちゃんとはそれほどの存在なのです。
販売エリアはなんと九州のみ!?
九州という土地はとんこつ味のラーメンを好みます。
というよりこっちでただラーメンと言う場合は、当たり前のようにとんこつラーメンのことを指します。
「今日はとんこつラーメン食いてーなー」
とか言うことはありません。
なので、全国で販売されている醤油味、塩味、味噌味といったインスタントラーメンはなかなか浸透しなかったんですね。
ではどんなラーメンが好まれていたのか?
福岡のマルタイや佐賀のサンポー食品といった地元の企業が作るインスタントとんこつラーメンが圧倒的なシェアを誇っていました。
そんな中、カレーメーカーとして全国区だったハウスも1973年あたりからインスタントラーメン事業に着手し、九州でも販売していましたが、これが売れない、売れない。
あまりにも暇すぎて工場の稼働が短いため、社員は草むしりしてたらしいです。
そこで1978年、なんと私が生まれた年に、当時のハウス食品福岡工場が「九州の人に愛されるラーメン」をコンセプトに開発を進め、1979年発売となったのが、この傑作
「九州の味うまかっちゃん」
というわけです。
開発チームはなんと全員が九州出身者で、九州中のラーメンを研究しまくったらしいです。
決してカレーの片手間に作ったわけじゃありません(笑)。
実はしばらくの間、商品のパッケージにはあの見慣れたハウスのロゴが載せられていませんでした(2016年からロゴが入るようになりました)。
私たち熊本県民が『県民食』だと勝手に勘違いして、県民食であるかのように慣れ親しんでいたのはこのことが大きいと思います。
ハウスとしては『ハウス=カレー』のイメージがあることや、九州のラーメンであるというイメージ戦略のためにそうしたらしいのですが、私たち九州のちびっ子たちは大人たちの策略にハマってしまったというわけです。
商品名の「うまかっちゃん」は、九州で「おいしい」を意味する「うまか」に、可愛さを出すために「ちゃん」を付けたという制作秘話があります(公式サイト参照)。
しかし、福岡弁で「うまかっちゃん」は「うまいんだよ」みたいな意味があり、そっちの意味もあるのではないのかな?
ちなみに使い方としては
「あそこの店のラーメンがうまかっちゃんね~(おいしんだよね~)」
みたいな感じです。
そうして生まれたうまかっちゃんは、1979年当時、九州で王様のように君臨していた「マルタイの棒ラーメン」を押しのけて、あっという間に王座を奪います。
今では九州で
30%近いシェア
を誇る商品にまで上り詰めました。
しかもほぼ九州でしか販売されていないにも関わらず、今では
全国の袋ラーメン売れ筋ランキングで5位
になるんですよ?(東洋経済ONLINE参照)
考えてみてくださいよ?
だって九州ってそんなに人口の多い地域じゃないんですよ?
全国に占める人口の割合なんて11.3%しかないんですよ。
つまり全国のたった10分の1程度の消費者たちによって全国5位の売上になってるわけです。
どんだけ食べてんの!?
そりゃ血液もとんこつ臭くなるわ。
この結果を見た本州四国よりも以北のエリアの人たちは
「え?この5位の商品って見たことないんだけど?うまかっちゃんって何?」
ってなること請け合いです。
それほど異常なまでに九州(特に熊本)で愛されているということです。
ちなみにさきほどの「マルタイの棒ラーメン」もかなり美味しく、また九州人に愛されており、そのラーメンが蹴落とされるというのは事件だったんではないでしょうか?
その衝撃たるや「負ける姿が想像できない」と言われたK-1全盛期のピーター・アーツがマイク・ベルナルドにKO負けを喫した時以上でしょう。
インスタントラーメンの頂上決戦とでも評しましょうか。
それほどうまかっちゃんの商品としてのクオリティは完璧で非の打ち所がありません。
『棒ラーメン』の牙城!アベックラーメン!?
一見すると、九州タイトル戦で王者マルタイを破ったうまかっちゃんの一人勝ちのように見えます。
しかし、熊本県に関して言うと少し事情が違います。
私が「うまかっちゃんは熊本の県民食」などと宣(のたま)っていると、私のオヤジたちの世代からは実は大ヒンシュクを買うのです。
それはなぜか?
昔から熊本にはあのマルタイの棒ラーメンでさえも倒すことができなかった熊本の王者がいたのです。
そう、1960年から発売されている棒ラーメンのもう一つの雄、五木食品の
『アベックラーメン』
です。
1979年うまかっちゃん発売の約20年近くも前から熊本県民に愛されていた元祖ソウルフード。
熊本では我々の世代ではうまかっちゃんですが、父親たちの世代より以前は完全にアベックラーメンにぞっこんです。
これが私たち小学生にはいまいちピンとこなかった。
そもそも私たちの世代でカップルのことを『アベック』などとは呼んだことがありません。
一体いつの時代の言葉だよ。
「二人分入っているからアベックラーメン」と言われるこの商品は、2人分を一緒に作ることが前提になってます。
一人分ずつ小分けにされていないんです、アベックなだけに。
なので一人で食べる場合は、その中から目安なしに一人分の麺の量を取り出す必要があるのです。
いかにうまかっちゃんの調理法を極めた熊本の小学生たちと言えども、このアベックラーメンから一人分の麺だけを正確に分けることは至難の業なのです。
誤って少なめに作ってしまうと、残りの麺が多めに余ってしまうので次に作ろうとする家族から
「ちょっとこれ一人分と思って作ったらほとんど大盛りじゃん。前に作ったの誰?」
とキレられることになります。
多めに作ってしまうと今度は
「おいおい、これもう一人分残ってないじゃん!」
とやはりキレられる。
行くも地獄下がるも地獄。
これアベックラーメンっていうより
『アベックで食べたらケンカ別れラーメン』
になってしまうのでは!?
さらに、このアベックラーメンの敷居の高さは、
「棒ラーメンは小鍋に収まらない」
ということです。
一人分作るのにも大鍋を持ってこないと入らない。
もしくはパスタ茹でる時みたく深さのある鍋じゃないとうまく茹でれない。
どのみち多くの水を使用することになるのでお湯が沸騰するまでに時間がかかっちゃうんですよ。
だからといって麺を半分に折って小鍋で調理しようものなら、まるで五木食品の開発チームばりに仕上がっているオヤジたち世代から
「アベックラーメンの麺を半分に折る奴があるかっ!」
とかキレられる。
さらにいうと、茹で汁を捨てて別にスープを作らなきゃいけない棒ラーメンは面倒くさいことこの上ない。
スープ用にも別途お湯を沸かす必要があるんですよ。
茹で汁の中に粉スープを溶かし入れても出来はするんですが、スープがどろどろになるから美味しくないんですよ。
そういうこともあって、小鍋使えて、茹で汁もそのまま使えて、麺も一人分になっているうまかっちゃんが作り手に優しくて、若い人たちに支持をされたのでしょう。
しかしそれでもオヤジたちの世代の根強い人気を突き崩すことは最後までできませんでした。
恐るべし、宿敵アベックラーメン…。
っていうかこっちが熊本の地場企業なんだから県民としてはこっちを応援するのが筋なんでしょうが(笑)。
種類がたくさんあるけどどれがおすすめか?
うまかっちゃんにはオリジナル以外にもかなりのバージョンがあります。
上の画像は定番商品ですが、これ以外にも地域限定のバージョンがたくさんあります。
九州は各県ごとに特有のラーメン文化があるので、それを取り入れているわけです。
熊本ラーメンの文化であるニンニク味、鹿児島の焦がしネギ、博多の極細バリカタなどなど。
しかし何と言ってもやはりオリジナルが一番美味しいです。
「モスバーガーではとやかく言わず、まずは『モスバーガー』を食っとけ」
みたいなものですね。
そのブランドが一般的に認知されるに至ったフラッグシップとなる商品がやはり群を抜きます。
売上を見ても、1位のオリジナルは2位の『博多からし高菜』の
約7倍の売上
を誇ります。
圧倒的なまでの完成度で、これ以上手を加える必要が全くありません。
それを証明するように1979年の誕生からこの2023年現在に至るまで44年間、味を一切変えておりません。
これって実はすごいことなんですよ?
普通こういうロングセラー商品は時代の味覚に合わせてほんの少しずつ味を変えていくものなんです。
例えば私たちが子供の頃から飲んでいる缶コーヒーだとかジュースだとかは、40年前に比べると明らかに甘さ控えめになっている。
特にスポーツドリンクとかは、昔のはもっと甘さベトベトでした。
ヘルシー志向の時代に合わせて変わってきたんです。
誰にも気づかれないようにほんの少しずつ。
しかし44年前に開発されていまだに味を一切変えないというのは奇跡的なまでの完成度と言えるでしょう。
傑作は時代を超えます。
はい、とうわけで本日は熊本県民のソウルフード『うまかっちゃん』を語りまくってきました。
「そんなに言うなら食ってみるか!」
と思った方は下記リンクから購入できますのでどうぞ。
ちなみにライバル商品もかなりおいしいので、食べ比べながら熊本のインスタントラーメンの歴史に思いを馳せてみてはいかがでしょうか?