XJAPANボーカル:TOSHIの歌唱能力と洗脳騒動、生き様まですべてを語る
こんにちは!
Simackyです。
本日はXのボーカリスト
TOSHI
を語っていきますよ~。
TOSHIは三枚目キャラ?大物?
強面でならしていた初期のX。
そしてステージでの観客への過激な煽りは凄まじく、熱狂的なファンたちはTOSHIの
「裸になっちまえ、オェッ!」
で服を脱ぎ捨てます。
それは男性に限らず女性も例外ではありません。
Xのステージには観客席からブラジャーが投げ込まれるのが恒例となっていました(笑)。
例え東京ドームであろうとまるでライブハウスのように1つにまとめてしまう、そんな圧倒的MCパフォーマンスを誇るTOSHI。
どんな舞台だろうがまったく物怖じせず、あの鋭い眼光でまるで観客一人一人に届けるかのようにシャウトします。
Mステのスーパーライブの時なんて全出演者がXに、いえ、TOSHI一人に食われます。
まるで自分たちのワンマンショーかのような圧倒的な存在感はまさに超大物。
そんなステージのTOSHIからはまったく想像できないのですが、その人となりは『ザ・普通』です。
ま、現代ではスイーツ大好きタレントとしてのイメージでかき消されてるから、「あっそ」って感じでしょうけど(笑)。
このメンバーたちにしてどうしてこの常識人がフロントマンなのかと思うほど、ステージを降りたTOSHIは普通の人です。
普通どころかなかなかおっちょこちょいな『やらかし』逸話が多く、日常のTOSHIのエピソードからは三枚目キャラが浮かび上がってきます。
全然かっこよくない。
TAIJIの自伝には、
「電車とホームのわずかな隙間に落っこちてしまい、電車の発車を遅らせている間、当時モヒカンで金髪だったTOSHIの髪がファッサ~っととうもろこしのヒゲのようになびいていて爆笑した」
とのこと。
YOSHIKIの自伝にも記述があります。
当時、音大への進学を選び、ロックバンドとして食っていく道を諦めていたYOSHIKIを、一緒にプロになろうとTOSHIが誘いにやってきた場面。
「俺とYOSHIKIで、Xで世界制覇しようよ!」
この言葉で自分が夢を求めること、人生というものの本質から逃げ、妥協していたことを痛感し、内側からメラメラと情熱が湧いてくるのを感じていた…
そうやってメラメラしている自分の目の前で、おやつのピーナッツチョコをすごい勢いで口に運んでいるTOSHIがいた。
いや、真面目にやろうや(笑)。
YOSHIKIの人生が今大きく動き出そうっていう名場面中の名場面よ?
なんならその後の日本のロックシーンを大きく変えることになる歴史的瞬間でもあるのよ?
チョコを食べる手をまず止めろ、坊主頭のTOSHIよ。
TAIJI曰く
「三枚目キャラなのか超大物なのか?最後まで分からなかった」
とのことです。
ヴォーカリストとしての実力
あんなしてますが、ヴォーカリストとしての才能は
「100年に一度の逸材」「奇跡の美声」
とも評されるほど。
太く、伸びやかで、信じられない高音域まで歌い上げます。
SUGIZO曰く
「TOSHIさんは天才だからリハーサルいらないんです。少しでも喉を温存するためにリハでは歌いません」
確かに1994年ぐらいの東京ドームライブのリハーサル映像ではつぶやく程度の声しか出してません。
「ただ、声量が凄まじくて、本気出すとミキサーの針が振り切れるくらいです。Xに参加して初めてのライブの時、『サイレントジェラシー』のギターソロ時に『ギターSUGIZOッッッ!!!』ってMCされて、あまりの声量に耳が『キーーーン』ってなって他の音が何も聞こえなくなりました(笑)」
どんだけ(笑)。
ボーカリストとしては言うまでもなく、フロントマンとしてのMCも凄まじいです。
『オルガスム』の時なんてあれだけの大声で
「腹から声出せよ、オェッ!!!!オェッ!!!!オェッ!!!!オェッ!!!!オェッ!!!!オェッ!!!!」
って15分くらい続けるんですよ?
それなのにあれだけの高音域の曲を歌い続けるんですからどうかしてます。
ちなみに初めてXのライブを見た時の話をhideが昔ラジオか何かでしてました。
「すっげぇ強面で、『おいテメェらぁ!』とか凄んでるのに、天井からオバQが吊るされてて、『おい、お前らオバQを雑に扱うんじゃねぇよ』とか言ってんの(笑)。『なんじゃこいつぁ!?なんてMCしやがんだっ!』、みたいな。とにかくTOSHIが衝撃的だった。そんな奴いなかったから」
要は当時のライブハウスに出演していた一般的なバンドたちは、強面で客を煽るのは定番なんだけど、そこに妙な可愛らしさ、コミカルさが同居してるっていうのは斬新だったということですね。
「ロックはこういうものだ」的なものから自由な発想というか。
やっぱりYOSHIKIだけじゃなくTOSHIもそういう人だったということが伝わるエピソードですよね。
『洗脳騒動』って一体何だったのか?
最近Xを知った人ならば、TOSHIの自伝でも読まない限り、よく分からないでしょうからここでは極めて簡潔に概要をお話します。
ちなみに自伝は400ページくらいの凄まじいボリュームです。
まず話の発端はXのブレイクで大金が舞い込んだTOSHIの母親や兄がおかしな行動を取り出し、TOSHIはその不始末の尻拭いで疲れ果てます。
そんな時、ミュージカルで共演した女性と恋に落ち、結婚します。
永久に終わらないXのレコーディングでのダメ出し、家族とのトラブルに疲弊しきっていたTOSHIは、この奥さんの存在に酷く依存するようになります。
そしてある時、奥さんは『癒やし』が得られる自己啓発セミナーを紹介し、一緒に会員になります。
この自己啓発セミナーというのが実はセミナーの皮を被った宗教団体のホーム・オブ・ハートです。
その代表を務めるMASAYAは『癒やしの歌』を作曲し、CDを販売しコンサートもやっていました。
MASAYAの考えや音楽に共感したTOSHIは、どんどんこのセミナーにのめり込んでいきます。
そして、ここからが悲劇の始まりなのですが、このセミナーというのが洗脳のプロセスになっていたのです。
自己否定に始まり、救われるためにはお金を貢ぐ、という典型的な宗教のやり口ですね。
『自我を捨てるための修行』という名目で頻繁に行われる暴力はエスカレートしていき、最終的には『教えに背けば地獄行き』という強迫観念で支配されます。
TOSHIがおかしくなっている事に気がついた家族は、戻ってくるように説得を試みるもTOSHIは耳を貸しません。
『洗脳騒動』としてワイドショーで頻繁に取り扱われるようになったのはこの頃です。
最初はTOSHIの身内のお家騒動みたいな扱いでした。
1998年のhideの死後がピークだったですかね。
しかし徐々に「ホーム・オブ・ハートは怪しい団体だ」と訴える被害者の会も声を上げ始め、テレビはホーム・オブ・ハートを取り上げ始めます。
そのため自分たちの正当性を主張するホーム・オブ・ハートは広告塔としてTOSHIをテレビに送り込み、時にはMASAYA、奥さんも出演しました。
全部You Tubeにありますので探してみてください。
テレビはしばらくすると取り扱わなくなったため、私も含めた多くのファンは
「洗脳騒動は一時的なものでもう終わった」
ぐらいの印象だったのですが、実は何も解決などしていなくて、その後TOSHIはずっと全国津々浦々の『ドサ回り』をさせられます。
私も当時、地元の酒屋に貼ってあったコンサートのチラシを見て驚愕しました。
「こんな場末のスナックであのTOSHIが歌いに来るの?っていうかこれホントにTOSHIなの?」
そこに写っているのは変わり果てたTOSHIの姿でした。
それもそのはず。
当時のTOSHIはありとあらゆるすべての財をなげうち、無一文になり、一日1000円の生活費で極貧生活をしながら全国行脚を続け、場末のスナックで歌い、CDショップにMASAYAのCDを営業して周り…。
本部に戻れば暴力に支配され…。
そんなTOSHIが目覚めるきっかけになった出来事がXの再結成をMASAYAに指示されたこと。
自我を壊すために徹底的にXを否定する教育をされ、「Xは悪の権化だ!」とまで言われていたのに、
「YOSHIKIに再結成を持ちかけて契約金をもらってこい」
と指示されたTOSHIは
「結局金だったのか…」
と10数年経って初めてホーム・オブ・ハートを疑い始めます。
そしてLAで10数年ぶりのYOSHIKIとの再会。
昔の思い出話に花を咲かせてはいても、
「TOSHIはまだこっちに戻ってきていない」
とYOSHIKIには分かったそうです。
しかし、Xとしての活動を再開することでTOSHIが変わるきっかけになるかもしれない、と再結成の提案に乗ります。
皆さんがWOWOWで観たあのX再結成の一夜は、まだホーム・オブ・ハートに支配されているTOSHIで、ライブ直前まで事務所で暴力を振るわれていたんですよ。
顔のあざは化粧で消し、ライブ中も監視がいるためにMCでの発言には細心の注意を払ったとのことです。
Xの活動が動き始めたのに合わせ、TOSHIはどんどん正気を取り戻します。
次第に「いつか隙を見て脱出しよう」と考えるようになりました。
常に監視がついていて、電話での定時報告まで義務付けられていたんですよ。
ある時、TOSHIは監視の隙を見て逃げることに成功。
その後、以前から知り合いだったお金持ちの社長か何かがTOSHIを匿ってくれ、そこで久しぶりに人間らしい感情を取り戻します。
ここからは弁護士を雇い、自分を洗脳したホーム・オブ・ハートを告発します。
TOSHIは洗脳中に広告塔として被害者の会との議論の際、被害者を否定するような発言を散々してきたため、被害者に対する罪の意識がずっとあったそうです。
そして被害者の会と和解し、今度は被害者の会と協力していくことになります。
その被害者の会で出会った元ホーム・オブ・ハート職員との会話で驚愕の事実が発覚します。
自分もTOSHIの奥さんに誘われて加入した、と。
その時の状況説明を聴くうちにTOSHIは気が付きます。
自分の時と状況があまりにも似すぎている?まさか?
そして別の元職員がさらなる事実を伝えます。
私がTOSHIさんに電話をさせられている時に、私のすぐ横でMASAYA氏と奥さんが『行為』を行っていた、と。
つまり、奥さんはもとからMASAYAの女であり、TOSHIを引きずり込むために結婚までさせた、と。
すべてが仕組まれていたんですよ。
これ全部、自伝に書いてあることなんですが、まるでサスペンス映画そのものじゃないですか?
信じられます?これすべてノンフィクションですよ?
はっきりいって自伝はものすごく気分が落ち込むので読まないほうがいいです。
私は「ズーーーン」とした気持ちを1,2週間引きずりました。
そしてホーム・オブ・ハートによりTOSHI名義で様々なものを支払われていたTOSHIは、12億もの借金を背負わされていたため自己破産申告の記者会見を行ったという流れです。
今のTOSHIの元気な姿を見ていると本当に開放されて良かったと思います。
Xの活動は2018年以来パタっと止まってはいますが、本当のところはもはやどうでもいいんです。
彼らがhideやTAIJIの分まで元気に生きていてくれれば。
はい、今回はTOSHIを語ってまいりました。
前半は笑い話満載からの後半でよもやの急転直下。
びっくりさせちゃいましたね(笑)。
しかしそれがTOSHIです。
TOSHIの歩んだ人生もそれだけジェットコースターのような生き様だということです。
Xのメンバーは生き様が全てドラマだ…。