【メタリカ・ベース】~クリフ・バートン、ジェイソン・ニューステッド、ロバート・トゥルヒーヨ
どうもSimackyです。
本日はメタリカの歴代ベーシストを語っていきます。
メタリカってデビューしてからはベーシストしか交代していないんですよ。
U2やエアロスミスみたいにずっとオリジナルメンバーで40年っていうのは奇跡に近いですけど、このメタリカの結束力も凄いですよ。
ちなみにメタリカメンバーには「メタリカ以外のプロジェクトを行わない」という鉄の掟があり、ジェイムズなんか絶対カントリー趣味のソロとかやりたそうだけどしないんですよね。
メンバーがバラバラにならないように、メタリカだけに全精力を傾けるために厳しい掟が課されているわけです。
で、3代目ベースのジェイソンはメタリカの活動が停滞していた時期に
「こんな休んでるくらいならその間にやってもいいだろう?」
とメタリカ以外のバンドをやったところジェイムズと対立し、脱退することになりました。
鉄の掟が逆に仇になる形となったわけです。
けど最近カークはソロアルバムを出したみたいだけどあれはいいの?
クビにされたジェイソンの立場は(笑)。
はい、というわけで本日は歴代ベーシストをたっぷり語ります。
初代のロン・マクガバニーは1作目のレコーディング前に脱退しておりますので、今回は2代目クリフ・バートン、3代目ジェイソン・ニューステッド、4代目ロバート・トゥルージロの3人ですね。
それではいってみましょう!
ジェ「OOOOOOHHHHH!!!YEEEAAAAHHHH?」
(意訳:ベースの音は絞り気味で頼むわ)
クリフ・バートン
まずメタリカのベーシストとして最も有名でカリスマ性があるのはクリフですね。
メタリカの初期傑作3枚に参加していたためそうなるでしょう。
彼の姿は残念ながら公式映像としては「クリフ・エム・オール」でしか確認できません。
後はYou Tubeでブートレグを探すしかないです。
「クリフ・エム・オール」にしたって、クリフがあまりにも人気があったために、観客や友達が撮影してたものをなんか無理やり公式として出したわけですからね。
そのカリスマ性も納得なほど、とにかく音楽的にもヴィジュアル的にも非常に個性的です。
まずはヴィジュアル。
メタラーとしては異色のファッションで上下デニム。
まるで60年代のヒッピーのような出で立ちです。
さらにメタラーだけど指弾き。
そして長い脚をモニターに乗せ、長い髪を振り乱しながら弾きまくるインパクトは相当なもので、はっきり言ってステージで一番存在感があります。
しかし一旦ステージを降りると非常に穏やかで、その物腰からは知性がにじみ出ています。
次に音楽性。
彼は音楽スクールでクラシックを勉強しており、その素養が2作目『ライド・ザ・ライトニング』から見られます。
デビューアルバム『キル・エム・オール』はレコーディングには参加していますが、曲作りの段階ではまだ加入していませんでしたので、彼のコンポーザー(作曲者)としての貢献は2作目からになったわけです。
おそらくメタリカ初心者が1作目から順に聞いていくと、2作目を聴いた時に
「1作目からの飛躍の仕方が尋常じゃなくね?」
と驚くと思います。
まだメジャーデビュー前のインディバンドとは思えないほどのスケールの大きさを見せますからね。
それはとにかく猛スピードで突っ走るのみだった1作目と違い、2作目には楽曲が大作主義的になり、1曲の中で大きく展開していく作風になったからです。
また、スピードチューンだけでなく、スロー&ヘヴィチューン、バラード、クラシカルなインストゥルメンタルなど、楽曲の幅が大きく広がっています。
これらはジェイムズ、ラーズの音楽的成長ということもあるでしょうが、クリフが作曲に携わった影響が一番大きいと言われています。
また、ジェイムズとラーズが乞い願う形でメタリカに加入し、年齢も最年長であったためメンバーからも尊敬されており(カーク談)、かなり一目置かれた存在だったことが分かります。
音楽的な考えもしっかりあって「言うときはバシッと言う」(ラーズ談)タイプであったため、発言権は大きかったのでしょう。
そのため、彼の在籍時の3作品には必ずクリフ作曲のインスト楽曲が1曲入っていました。
初期からメタリカを応援しているファンは彼を神のように崇め
「ベース界のジミ・ヘンドリックス」
と呼んでいます。
しかし初期からのファンの方には怒られるかもしれませんが、メタリカの音楽性というキャパに収まる器じゃなかったのかな、と私は思ったりもします。
あれだけの強い個性と自己主張があったベーシストなので、悲劇的な交通事故がなかったとしてもいずれ別の道を歩んでいたのかもしれない、と。
だってメタリカって
ベース音小さすぎるんだもん。
ジェイソン・ニューステッド
カリスマベーシスト:クリフの死という悲しみと混乱の中で加入しました。
指弾きのクリフとは違いメタルとしては正統派のピック弾きをします。
あえてクリフのスタイルを踏襲せず自分流を貫いていることは称賛に値しますね。
加入直後はライブ中に観客から物を投げ込まれたり、「クリフしか認めない!」とか罵倒されたりと散々だったらしいですが、ガッツのある性格らしく「お前らなんか大嫌いだ~!!!」と叫びながら演奏していたそうです(笑)。
外部からの攻撃も酷かったのですが、メンバーはそんな彼を守るどころか、クリフを失った悲しみのはけ口として八つ当たりしだします。
尊敬されていたクリフと違い彼への扱いは『下っ端』そのもの。
特にそれが強かったのがジェイムズですね。
初のレコーディングである『アンド・ジャスティス~』ではベース音をすべてジェイムズのテイクに差し替えられます。
結局、最後もジェイムズとの決裂で脱退するわけですし。
あるテレビ番組でジェイムズは自分に非があったことを認めています。
ジェイソンは一番の苦労人だと思いますよ。
ロックの世界で苦労人と言われたら真っ先に頭に浮かぶのは彼です(笑)。
これらのことを分かった上で、在籍時のライブパフォーマンス観てると、なんかもうめちゃめちゃ応援したくなってくるんですよね。
悪意とかプレッシャーを跳ね除けようと、あらん限りのエネルギーをひねり出してます。
MC、時にはボーカルもとり、観客に挑みかかるかのように煽り、ヘッドバンギングし、鬼のような形相でコーラスします。
もう全力過ぎていたたまれないほど。
しかし、そんな彼の一切手を抜かない全力パフォーマンスは「クリフ以外認めない!」というファンたちの閉ざされた心を少しずつ溶かしていったのでしょう。
1989~1993年のライブを収録した「ビンジ&パージ」では人気者になって皆に愛されているジェイソンが見れます。
メタリカとしてはロック界の頂点まで一気に上り詰めるまさに激動期に在籍したメンバーのため、ほとんどのメタリカファンにとっては一番思い入れがあるのではないでしょうか?
在籍期間は13年ほどで現在のロバートほど長くはないのですが、参加アルバムも4作目『アンド・ジャスティス~』から7作目『RELOAD』までの4作に加え、カヴァーアルバム『ガレージインク』、シンフォニーコラボ『S&М』といったヒット作に多数携わっており、メタリカの作品で一番多くベースを担当した人はジェイソンです。
ロバート・トゥルヒーヨ
以前は「トゥルージヨ」って読ませてましたよね。
途中で発音変えられるのは非常に迷惑です、音楽雑誌の皆さん。
ロバートは8作目『セイント・アンガー』のレコーディング直後から加入したため、参加したのは9作目『デス・マグネティック』~最新作『72シーズンズ』までの3作。
他にはルー・リードと共演した『LULU』、シンフォニーコラボ第2弾『S&М2』がありますね。
すごい腰を落とした独特のフォームで指弾きします。
野獣のような弾き方とモンゴリアンのような編んだロングヘアー、屈強なガタイのため変人にしか見えません(笑)。
しかし、性格は非常に温厚であることがインタビューから伝わってきます。
ロバートは私の場合オジー・オズボーンバンドでの思い入れが圧倒的に強いです。
5年くらい在籍してましたし、ザック・ワイルドと2人でオジーの脇を固めてるのがすごい絵になっててかっこよかったんですよね。
メタリカに加入した喜びよりもオジーバンドからいなくなったことの寂しさのほうが勝ってました。
だって、メタリカってベーシストが活かされる場所じゃないんだもん(笑)。
はっきり言ってもったいない。
「オジーはセッションする時に『ロブ、俺はお前のプレイが好きだ。だからもっと音量上げてくれ。お前のベースを聴かせてくれ』って言ってくれるんだ。ジェイムズの場合は自分のボーカルがベースに邪魔されるのを嫌うんだ」
やっぱりそうなんだ(笑)。
いつだったかレディー・ガガとメタリカが共演した時にはレディー・ガガがベースアンプのボリュームを思いっきり上げてました。
他のミュージシャンが同じステージに立つとベースの音の小ささに違和感を感じるほどなんでしょうね。
まあ、ベース音が聴こえにくというのはジェイムズのせいと言うよりも、ザクザクと重低音のリフを刻むスラッシュメタルの特性上は仕方がないというか『定め』というべきか。
はい、というわけで今回はメタリカの歴代ベーシストを語って来ました。
これを機会に一度メタリカのギターリフだけではなくその裏でこっそりひっそりと鳴っているベースにも一度耳を傾けてみてはいかがでしょう。
え?あんまり聴こえない?
そんな方はライブ盤を聴いてみてはいかがでしょう?
会場の熱気ムンムンのメタリカのライブ盤はいつ聴いても熱いですよ!