『アイ・アム・オジー』オジー・オズボーンの面白すぎる半生を綴った名著【ネタバレ注意】

どうもSimackyです。

本日は私が大好きなオジー・オズボーンの自伝『アイ・アム・オジー』をご紹介します。

どんな内容か?

この本はオジーの視点、オジーの一人称によって語られていくという形を取っている点で、まごうことなき『自伝』です。

いきなり刑務所の中から始まるという『ジョジョの奇妙な冒険』を地で行くような始まり方には、のっけからぶっ飛びます(笑)。

「あ、この人ってクレイジーを演じているんじゃなくてマジモンだったのね」

ってなりますよ。

オジーの生い立ちから、サラリーマンでの職場体験、ブラック・サバスの結成と成功、サバスから解雇されて二人目の奥さんであるシャロンとの馴れ初め、ランディ・ローズとの出会いと死別、ソロでの大きな成功あたりまでが前半。

後半はドラッグとアルコールの接種過多による数々の問題、シャロンへの首絞め事件、サバスの再結成、オズフェストの開催、テレビ番組『オズボーンズ』での大成功などなど、内容盛りだくさんです。

なんてったって400ページくらいある上に、1ページが上下段あるので、かなりの読み応えです。

本を読むのが苦手な人は字面を見ただけでドン引きすると思いますが、オジーの一人称だし、ユーモアたっぷりなので驚くほどスラスラ読めちゃいます。

しかも何回読み返してもおもしろい。

オジー・オズボーンという人は「オレはただのアル中でジャンキーだよ」とか嘘ぶいてても、しっかりしたミュージシャンとしてのプロ意識を持って音楽を生み出しているということがよく分かる。

彼はいつだって手を抜かず全力なんです。

この本を読んでオジーに幻滅することは絶対にありませんし、これまで以上に深い理解で彼の行動や作品を振り返ってみると気づくところが多いと思いますよ。

この本の見所

ブラック・サバスのメンバーのいきいきとした描写

あのヘヴィメタルの始祖たるブラック・サバスと言えば、黒魔術をやっているとか、アル中、シャブ中の集団だとかいうダークなイメージが強いと思います。

それは否定しません(笑)。

というより私の想像以上にお馬鹿さんばかりで愛らしくなります。

オジーだけがクレイジーなのではなく、みんな五十歩百歩です。

「トニー、あんたもか!?」と(笑)。

あのリフマスター・トニー・アイオミが

「オレのペ●スが~!オレのペ●スが~っ!」

って絶叫するとこなんて最高です(笑)。

メンバー1人1人がすごく『粋(いき)』なんですよ。

とにかくユーモアにあふれているし、過去を思い出しながらインタビュアーに満面の笑みで語っているオジーの顔が見えるようです。

どうにかして大きなステージに立つために、大物アーティストのコンサートが当日キャンセルになったらいつでも替わりに出れるように会場の近くに毎回張っていたりなんて、すごい行動力だとは思いませんか?

そしてホントにジェスロ・タルのキャンセルが出て、かわりにステージに立ったことでトニー・アイオミがジェスロ・タルに加入することになったり…。

さらに「オレはお前たちとやりたいんだ」とか言ってサバスに戻ってきたトニーの男気には、不覚にも泣いてしまいました。

やっぱり伝説になるようなバンドっていうのはチームの結束の固さが尋常がないと言うか、これこそ運命共同体と言って良いんじゃないかってくらいの結びつきです。

オジーの最初の嫁さんなんてトニーと二人でナンパに出かけて出会ってるんですから。

バンドと言うよりほとんど家族みたい。

ヘヴィメタルの帝王オジー・オズボーンの横に並び立つことができるのは、ランディ・ローズでもザック・ワイルドでもなく、ブラック・サバスのメンバー以外ありえないんだということがようく分かりますよ。

最終的にはこのオリジナルメンバーで終焉を迎えたサバスは、あるべき姿に戻ったんだと思います。

この本でオジー期のサバスファンが増えてくれることを願います。

シャロンの存在の大きさ

これはオジー本人も言っていることですが、はっきり断言できます。

妻シャロンがいなければオジーはとっくに野垂れ死んでます。

その意志の強さとオジーを奮い立たせるバイタリティ、というより

ほぼ戦国武将のような武勇伝の数々

には開いた口が塞がりません(笑)。

どっちが生きる伝説なんだか分かりませんよ、ホント。

本誌のハイライトは

「前半ブラック・サバス、後半シャロン」

で間違いありません。

というより、

後半の主役はほぼシャロンです。

「アイ・アム・シャロン

状態です。

「あれ?これってシャロンという英雄の物語なのかな?」って思います。

ロラパルーザに出してもらえない腹いせに立ち上げたオズフェストは、1990年代~2000年代を代表するメタルフェスに育ちましたからね。

この恐るべき行動力も面白いのですが、オジーに対する寛容さがとんでもない。

人間としての肝っ玉が座りすぎているので、帝王オジーでさえ手のひらで転がしている感があります(笑)。

そしてこの夫婦のやり取りもえげつないくらい面白くて、「そりゃオズボーンズだってヒットするわ」と思えます。

確か、CDのライナーノーツ(『月に吠える』の時かな?)で伊藤政則さんが「妻の父親がマネージャーでオジーも相当頭を悩ませていた」と語っていたのはドン・アーデンという人のことで、その人こそがシャロンの父親なんですよ。

この親父がそもそもサバスのマネージャーで、とんでもなく横暴極まりない人なんですが、それとバチバチやり合うシャロンも無茶苦茶。

オジーが唖然としながら傍観している単なる一般人に見えてしまうほど強烈ですよ(笑)。

ビッグネームがその辺歩いてるように登場する(笑)

驚くのがオジーの交友関係。

というより「イギリスで活動してるバンドってお互いがこんなに身近なの?」ていう当時の空気感がリアルに伝わってきます。

まだサバス結成前、一人目のメンバーであるギーザーと二人で道を歩いていたら、レッド・ツェッペリン結成直前のロバート・プラントとばったり出くわしたりします。

あまりにもいきなりの登場でびっくりしますよ。

結構ツェッペリンとは交友関係があったみたいで、ジョン・ボーナム、ロバート・プラントの二人とはよくつるんでたみたいですね。

他にも楽屋が隣になったイエスと仲良くなり、リック・ウェイクマンがスタジオに遊びに来るようになったり。

アルコール依存症の会に出席したらエリック・クラプトンが参加してて、見つからないようにこそこそ逃げたり(笑)。

ポールマッカートニーからいきなりメールが来たりとか、読んでてこっちが興奮しますよ。


はい、というわけで本日はオジー・オズボーンの自伝『アイ・アム・オジー』のご紹介でした。

あまりにも面白かったので、興奮してここで全部話したいくらいだったのですが、音楽と違ってしゃべっちゃうとネタバレしちゃいますので本日はこの辺で(笑)。

 

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