X JAPAN関連本(自伝・伝記)がおもしろい!~事実は小説より奇なり…~【ネタバレ注意】
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どうもSimackyです。
本日はX JAPANの関連書籍をご紹介したいと思います。
Xっていうバンド、そしてそのメンバーたちはドラマティックに生きることを運命づけられてでもいるかのように数奇な人生を送っております。
読んでいるとちょっと信じがたい内容が書いてあり、
「これは本当に事実なのか?」
と思えるんですけど、どうも周辺のバンド仲間など(LUNASEA・GLAY・SpreadBeaverなど)が語っているインタビューがそれらの事実を裏付けているので、どうやら本当らしいんですよ(笑)。
1990年代全盛期のリアルタイム時にはかなりうわさの混ざったようなものも出回っていましたが、メンバー自伝や身近な人が書いたものも増えてきていい時代になりました。
そしてそのどれもがショッキングで非常に思い白い名著です!
今日はそんなちゃんと信頼性のある本を私が厳選してご紹介していいきます。
すべての始まり―エックスという青春 津田直士著 2009年
『BLUE BLOOD』『JEALOUSY』『ART OF LIFE』という名だたる名盤をソニーのディレクターとして手掛け、そしてそれらアルバムにおいてファンを夢中にさせる『伝説のライナーノーツ』を書いた津田直士さんその人が自ら執筆した超A級の資料です。
伝説の現場に立ち会わせた人であり、ほぼ『6人目のX』と呼んでもいいでしょう。
これはあまりにも面白くて本屋で立ち読みしてたら、そのまま読み切ってしまうまでその場を動けなかったほどです(後でちゃんと買いましたよ:笑)。
インディーで『Vanishig Vision』をレコーディングしていた時期のXとの出会いから始まり、ソニーと契約にいたるまでの流れ、『BLUE BLOOD』制作の合宿でのエピソード、メジャーデビュー後のツアーに到るまで余すことなく語ってます。
この本から見えてくるのは最も身近な第三者視点から見えてくる素朴なメンバーの姿です。
非常にハートフルで、メンバー間の友情や津田さんとのやり取りに心が暖かくなってきます。
ちなみにこの本は津田さんのホームページから注文すると、あなたの名前入りの直筆サインを津田さん自ら書いてくれますよ。
これはまじで嬉しいです。
伝説のバンド「X」の生と死―宇宙を翔ける友へ 2000年
大学のときにリアルタイムで読んだときにびっくりしました。
一応、テーマはhideへの追悼ですが、hideとの思い出だけではなくX時代の思い出話です。
とにかく生々しく痛々しいほど素直に書いてますが、解雇に関することなど自分に都合の悪いことには深く触れていないようにも感じます(笑)。
2000年なので、hideが死んでから2年経ってますので、「変なタイミングで出すな?」とは思いましたが、それがどうしてかは読めば分かりました。
なんと、この頃のTAIJIは人生でどん底まで落ちていてホームレス生活を送っていたんですよ。
hideの葬式にも借り物の喪服で参列し、前日起こしたケンカで歯はないわ、顎は動かないわで悲惨な状況で、見るに見かねたYOSHIKIが治療費を現金で渡すシーンなど、あまりに衝撃的すぎて固まりました。
X脱退後のTAIJIに関しては、インタビューでも『Xの話題に触れるんじゃねぇ』っていうオーラを出しまくってましたが、辞めた後でもどれだけXを誇りに思っていたのかは伝わってきます。
津田さんの本でも感じましたが、音楽雑誌の記者たちの視点とかで語られてるメンバーの人間像とはやはり全然違いますよね。
TAIJIの視点で語られるYOSHIKI、PATA、TOSHI、そしてHIDEの姿は非常に興味深いです。
「全員が全員と親友だった」
どれだけXの結束が堅かったのかが分かる言葉です。
HIDEとジャムってる中で作ったデモ音源『JUNGLE』が付属しており、結構かっこいいのですが、まあ今の時代はYou Tubeにアップされているので別にいらないかな(笑)。
YOSHIKI/佳樹 小松成美著 2009年
やはりXのリーダーだけあって、YOSHIKI関連本はわりと初期から出ていましたが、美化されすぎていたり暴露本的な胡散臭いものとかもありましたが、これは本当に正式な『伝記のような』本ですね。
本人のインタビューを基本にはしており、なんか作者の脚色が入っているようにも感じますけど、そこはスルーして好きに書かせてあげましょう(笑)。
ギリギリ許容範囲です。
それでも最も事実に忠実には書かれている本ですね。
プライベートを未知のヴェールに包んでいたYOSHIKIが、正式に父の自殺も含めた過去の話をオープンにしたり、幼き日の完全プライベートな写真を公開しており、全盛期YOSHIKIを見てきたファンからするとかなりショッキングだったと思います。
一度音楽大に進もうと受験勉強に勤しんでいたYOSHIKIを、潰しの効かないロックの世界に向かわせたのは誰か?
「え~!?」
一番言いそうにないあの人!
そしてTAIJIが自分の自伝では語っていなかった『TAIJI解雇』の原因の一端が語られています。
やはり一番面白いのはインディー時代の苦労話とどん底からのオリジナルメンバー勢ぞろいですね。
Xのメンバーは音楽性だけで集まったメンバーではないことがよくわかりますよ。
君のいない世界~hideと過ごした2486日間の軌跡 2018年
hideのライブではお馴染みの「緑ピコピココンピューターINA」こと稲田和彦さんが書いた本です。
この人はもともとXのコンピューター担当で『JEALOUSY』ぐらいの頃から参加してたことがまずびっくり。
物語は1993年の『ART OF LIFE』レコーディングの合間を縫ってhideソロのための楽曲制作をするところから始まります。
で、hideに誘われほぼ二人だけで、おもちゃで遊ぶように音楽を作り上げていく様は楽しさがこっちにも伝わってきます。
hideはソロアーティストではなく松本秀人と稲田和彦のプロジェクトであることが良く分かりますよ。
そこにはまだ打ち込みなどのデジタルの使い方がまるで分からない超初心者hideがおり、「こんなに初心者から始めてあそこまで行くんだな~」と感慨深いですよ。
また、四六時中一緒に制作して毎晩飲みに言っているINAから見た、泥酔したときのhideの破天荒エピソードが語られます。
これが非常に面白い。
こんなハチャメチャな人がいる上にYOSHIKIやTAIJIまでいたら、バンドでの飲みはそりゃあ酷いことになっていたことは容易に想像がつくというか(笑)。
そしてこの本が一番すごいところが、エンジニア、ディレクターといった裏方の人たちがどんなことをやっているか?が分かることです。
ギター、ベース、ドラムといったメインの楽器ではない裏方の人たちが行う作業や役割、専門用語などをかなり分かりやすく丁寧に説明してあり、ミュージシャンがどのようにして音楽を制作しているのかがすごく具体的に分かります。
しかもINAの文章って何気に面白おかしい。
洗脳 地獄の12年からの生還 2014年
X関連本ではもっともヤバい本です。
というより音楽業界のさまざまな伝記や自伝を読み漁ってきた私が、人生で最も衝撃的だった本と言っても過言ではありません。
この本の出版と記者会見、そしてそれに併せ放送された金スマ(テレビ番組)で日本中に衝撃が走りました。
Xのメンバーはどうしてこうも破天荒な運命であるのか…。
「Xの中で一番の常識人」
と呼ばれていたTOSHIがまさか最も普通じゃない世界に堕ちてしまうとは。
書いてある内容はXとはほぼ関係ありません。
というよりこの世で起きている出来事だと思えません。
自己啓発セミナーの仮面をかぶった詐欺集団でありカルト集団『ホーム・オブ・ハート』の裏の世界が生々しく語られており、まるでオウム真理教かなんかの内部事情の本でも読んだ気分になります。
洗脳って怖い…。
私が片田舎の酒屋でバイトしていた頃、店に貼られていたポスター『TOSHI 癒やしのコンサート』を見て
「え?あのTOSHIがこんな田舎町のしかもそんな場末のスナックみたいな場所で歌うの?どういうこと?」
と思ったのを今でもはっきり覚えてます。
私はてっきりXを捨てた後に、洗脳集団からも醒めたTOSHIが、浮世を捨ててただただ自分探しのために歌う旅をしているのだと思っていたものですが、あれはまだ洗脳集団にどさ回りをさせられていたという事実が分かります。
それどころかXの再結成時点ではまだ洗脳集団からの指示で金儲けのためにやらされていたことがびっくり!
「洗脳が終わったからXに戻ってきたんじゃねぇの?」
と思った人は当時多かったと思いますよ。
恐ろしいのはTOSHIを引き込んでいった嫁(守谷香)の手口。
そこから嘘が始まっていたの?
ほぼサスペンスのような、信じられないやばい内容なので心臓の弱い方は絶対読まないほうが良いです。
私もしばらくいや~な気持ちを引きずりましたからね。