『中王』玉名ラーメン界の“何でも屋”
本記事はプロモーションを含みます。
本日は玉名ラーメンの古株、
中王(ちゅうおう)ラーメン
をご紹介したいと思います。
ここを紹介するのを忘れていた(笑)。
15年くらい前はここのすぐ近くに住んでて、よく行ってましたね。
その頃は先代のおじいちゃんでしたね。
懐かしい!
創業はなんと1980年!
老舗ひしめく玉名ラーメンの中でも古株の方に入ります。
生まれ変わった老舗玉名ラーメン
この中王ラーメンは、以前紹介した麺屋いっぽう、極ラーメン宙がある『玉名ラーメン異端エリア』にあります。
麺屋いっぽうは斜向かい、極ラーメンまでも歩いて5分ほどです。
「異端エリアなんてものものしいな」
と感じたあなたのために解説しておくと、異端というのは別にバカにしているわけじゃなくて、オーソドックスな玉名ラーメンとはちょっと違う店舗という意味で表現してます。
そしてそういう異端な店舗が集中しているから『異端エリア』とか勝手に名付けているわけです。
びゃんびゃん名付けますよ、ここは私のプラットホームなんで(笑)。
で、何が違うかっていうと、いわゆる伝統的な玉名ラーメンとはちょっと違う豚骨ラーメンを出すこともさることながら、それ以外のラーメンも推しているお店たちなんです。
極ラーメンであれば、玉名ラーメンとは根本的に風味が違う魚介系のダシまで使用する豚骨ラーメンを提供します。
なおかつ2枚看板として醤油ラーメンも豚骨と同格で推してます。
麺屋いっぽうであれば、これもちょっと玉名ラーメンとは違う豚骨ラーメンを品揃えしながら、トマトラーメンや醤油、味噌、辛麺、つけ麺と主役になれるラーメンをたくさん品揃えしてるんですね。
これらは天琴や大輪のような『職人の豚骨ラーメン一本勝負』みたいなノリじゃないんです。
それじゃあ、この中王はどういったお店なのか?
ここの場合は、豚骨ラーメンはど直球ど真ん中の玉名ラーメンでありながら、いっぽう同様にさまざまな品揃えをしているんです。
早い話、天琴・大輪とか伝統系のお店のあり方と、いっぽう・極ラーメンとかの異端なあり方を合体させたみたいなハイブリッドの良いとこ取り(笑)。
しかしこのメニューの多さは度が過ぎます。
ラーメン、煮干しラーメン、厚切り炙りチャーシュー、デラックス、こってり、塩、カレー、ワンタン麺、担々味噌、ちゃんぽん、つけ麺…
サイドメニューもチャーハン、餃子、揚餃子、水餃子、唐揚げ、チャーシュー、ポテト、豚足、枝豆…
トッピングは…って
選べんわっ!
先代のおじいちゃん大将がやっていた頃は、天琴同様「ラーメン・ラーメン大盛り」の二種類しかない昔気質なお店でした。
まさに『職人の豚骨ラーメン一本勝負』そのものでした。
お店もこじんまりしてるし、控えめな外観なので、普通に通りを車で走ってても気が付かないレベルだったんですよ。
私も近くに住むようになって存在に気がついたのですが、高校生の頃とかはこんなとこにラーメン屋があるなんて知りませんでした。
で、歩いて1分の近所だったので、昼にちょいちょい行くようになりました。
しばらくして、大将が老齢のため、経営者が変わります。
ここの常連客だった人が、この味を絶やさないために受け継いだと言うから驚きです。
そして外観からメニューまで大幅にリニューアルして生まれ変わります。
見てくださいこの違い。

劇的ビフォー…

アフタ~!
「やってる感」がバリバリ出てますね~。
私はこのリニューアルしたお店を初めて見た時、中華料理屋か唐揚げ弁当屋になっちまったもんだと思ってました。
だって5本くらい立っているのぼりにも、『唐揚げ』とか『餃子』とか『担々麺』とかばっかり書いてあって、ラーメンを推しているように見えなかったんですもの。
で、これまで通りラーメンもやっていることがなんとなく分かったので、ある時(10年前くらい?)行ってみると…
なんと券売機になってる!
え?玉名で券売機!?
あの昭和40年代で時が止まっていたような中王が、こんな最先端のハイテク機器を置くなんて!
畳とちゃぶ台の狭い店内に置かれた券売機。
まるで
縄文時代の竪穴式住居に全自動洗濯機が置いてあるような場違い感。
メニューが増えすぎて、ボタンが多すぎて選べません。
選べるわけがない。
中王に来てたお客はこれまでメニューを選んだ経験がないんですよ?
昔のメニューなんてこれですから⇩
もう、それって…
見なくてもいいやつじゃん。
そりゃ酷ってもんですよ。
『人はいきなり大量の選択肢を突きつけられると固まってしまう』
ということを身をもって知りました。
なおかつ思考がストップしてしまうんですね。
何を思ったのか私は
担々味噌ラーメン
なんか頼んでました。
いやいや、あんた、玉名ラーメン食べに来たんでしょ?
なぜ、そんな心にもない注文をした?
完全に思考回路がショートしてましたね(まあ、これめっちゃ美味しかったから、しばらくはこればっかり頼むことになったんですけど:笑)。
それほど、いきなり登場した券売機のプレッシャーに動揺してしまったということです(アホか)。
近年では現・大将がなかなか積極的にお店を売り出しているようで、かなり影の薄い存在だった中王が今ではれっきとした玉名ラーメンとして県外にまで名前を轟かすようになりました。
お昼は駐車場が狭いにも関わらず賑わってますね。
中王ラーメンのを実食
「中こってりラーメン」
さて、それでは実食ターイムといきましょうかね。
あまりにも節操なくメニューが増えたのですが、普通のラーメンは紛れもなく玉名ラーメンの味を継承してます。
ただちょっと先代よりも味が濃くなりましたね。
その分、安心して頼めます。
先代の頃はもっとあっさりしてて、大盛り頼んだりするとほぼ味がしない時さえあったな~(笑)。
「ちょっとおっちゃん、味がしないんだけど!」
って作り直してもらったこともあったな~。
2代目になってからはこんな心配をする必要はなくなり、かなりこってりしたラーメンを楽しめますよ。

ラーメン(普通)
強いて言うならどこに似てるのかな?
桃苑に似てる気もしますが、ちょっと甘さはないかな。
脂もそんなに多くない。
なのでまずはこの基本のラーメンを食べてから、他のメニューに進まれることをおすすめします。
今回は基本のラーメンをこってりと脂増しにした
『こってりラーメン』790円
を注文しました。
通常のラーメンの3倍の脂が『こってり』、6倍が『大こってり』になってます。
つまり今回私が頼んだこれは通常(上のやつ)の3倍の脂というわけです。
ちょっと前まではそれぞれ『中トロ』『大トロ』と表記されていましたが、最近メニュー名が変わったのかな?
まあ、私の画素数の低い画像では違いがさっぱり分からないでしょうが、かなり違います。
ちなみに具材はネギ、キクラゲ、ノリ、チャーシューという玉名ラーメンの王道。
ガーリックはかけるか訊かれます。
それでは実食!
うおっ!
すごい表面の脂の量。
これは天琴のラードの膜に匹敵する?いやそれ以上ですね。
しかし…
美味い!
文句なし。
しかし…
悪魔的!
千龍の五目チャーハンくらいやばいです。
これは禁断の味です。
『健康』の二文字を一回頭の中から消し去らなきゃいけない。
エデンの木の実だ。
食べたらきっとなにか不幸なことが起きそう。
これは悪魔に魂を売り渡すやつです。
ああ、悪魔の囁きが聴こえる…。
「スープ残しますか?それとも飲みきって…
人間やめますか?」
ぎゃう!
おそらくこのスープを飲み干した日には
明日、飼っている亀が死ぬでしょう。
(飼ってねぇだろ)
絶対体には良くないと分かり切っているのに、スープを口に運ぶ手が止まりません。
「あ、操られている!?」
もはや私の意志ではありません。
麺は中細麺の玉名スタンダードよりも心持ちちょい細く感じたかな。
硬さがわりかし普通で、玉名の柔麺とは違いますね。
この麺がいい感じに合うな~。
で、このチャーシューなんですけど、とろとろのホロホロホロゥです。
このスープにこのチャーシューヤバすぎ。
し、白飯が欲しい。
喉から手が出るほどに。
しかし、ここで白飯頼んだら、このやばい魔性のスープと白飯のコンビネーションにやられて俺は最後の一滴まで吸い尽くしてしまうだろう…。一体どんだけのオーバーカロリーだよ…メタボまっしぐらだぞ…
それだけは、よすんだ、落ち着け、自殺行為だ…。
亀のチャッピーちゃんがが死ぬぞ(なんてひでぇ名前だ)!
・・・・・・・
ふぅ…
白飯を頼もうとするデビルSimackyを理性でねじ伏せることがなんとかできました。
ま、スープは飲み干したんですけどね。
これはおすすめしません。
この悪魔的スープを飲み干したら、胃もたれして夕食は食べれないでしょう。
『孤独のグルメ』の撮影ではありませんが、このスープを飲み干したいのであれば、その日はこのラーメン1杯しか食べないぐらいの感覚で行ったほうがいいです。
それから食後の黒烏龍茶はお忘れなく…。
「とんかつカレーラーメン」(追記)
1年ぶりの追記になりました。
この中王の並ばないで良い早さと、「畳にちゃぶ台」でラーメンを食べるというのがすっかり気に入ってしまい、この1年の間に結構通いました(この店に来たらやっぱ“ちゃぶ台“ですよ)。
私はこのブログを書き始めた1年半に、玉名ラーメンのどのお店にいつ行ったのか?を全て記録してます。
で、この中王は意外や意外、けっこう上位に入ってくるほどの頻度で行くことになってしまいました(笑)。
その都度追記すれば良かったのですが、ここにはよく子どもと一緒に行くので写真を取り忘れてしまい、追記する機会を逃してたんですよね。
なんか「子どもにはサービスする」っていう方針でもあるのか?子ども連れてくと子供用にサービスのポテトとか出てきて、子どもがすごく喜ぶんですよ。
これは他のお客でもたまに目にする光景です。
見てて、こっちもあったかい気分になるんですよね。
中王に来るとこのアットホームなホンワカ感がたまりません。
さて、その子どもを連れてきた時に食べた「つけ麺」も美味かったのですが、写真を撮っていないので、今回は「とんかつカレーラーメン」をご紹介。
トンカツとポテトの揚げ物コンビ…
ジャンクだ…ジャンク過ぎる。
伝統の玉名ラーメンを出しながら、こういうキワモノメニューもやる中王。
非常にミーハー度が高いです。
で、横から見るとヴィジュアルインパクトを上げるために盛ってあることが分かります(笑)。
トンカツとポテトの関係性が
「看板とそれを支える支柱」
みたいになってる!!!
よくぞ折れずに頑張ってるね~、ポテト(笑)。
発想が「お子様ランチ」的というか、はったりカマシまくってるというか。
なんなんだ、この
グリーンランド(遊園地)内レストランのようなノリは。
カレーラーメンはね、ものすごく気になっていたんですよ。
そもそもカレー味のものにはハズレがありません。
日本人のDNAにはカレーを欲する本能が刻み込まれているのですから、「カレー」という単語を目にした瞬間、ソワソワするんですよ(笑)。
やたらとカレー屋以外の場所で登場しては私達を悩ませます。
とんかつ屋に行けば絶対「カツカレー」があるし、うどん屋に行けば絶対「カレーうどん」があるじゃないですか?
「いや、ここはトンカツ専門店でその肉の旨味が評判になってんだから、まずはトンカツの味をスタンダードに食べとこうよ」
っていう理性をねじ伏せて、何度カツカレーを頼んでしまったことでしょう?
あなたにも心当たりがあるでしょう?(笑)。
これは日本人のDNAに訴えようというお店側の戦略に違いありません(アホだろ)。
でもよく考えてみると、ラーメン屋で「カレーラーメン」がおいてあるパターンってなくないですか?
そう、玉名ラーメンでもカレーラーメンを出すのはここ中王だけなんです。
カレーとラーメン。
その組み合わせってのは果たしてありなのか?
答えは
大あり
です。
「高級料亭の“まかないカレー“はめちゃくちゃ美味い」
っていう話を聞いたことありませんか?
一流の職人が丁寧に出汁を取って作った肉じゃがは天下一品。
そしてその余った肉じゃがを具として、そこにスパイスを加え、『まかないカレー』を作るらしいんですよ。
当然、旨くないはずがない。
それと同じで、玉名ラーメンの伝統を引き継いでいるこの中王のラーメンスープは旨味の宝庫。
その間違いない豚骨スープに、カレースパイスが加われば、超美味い“ポークカレールー“になってしまうではないですか。
カレーのココ壱のお株を奪うようなポークカレーの出来上がり。
『目からウロコ』の発想(笑)。
見た目、『グリーンランドのレストランで出てきそうなハッタリ感』はありますが、見た目に騙されないでください。
そのスープの味は本物です。
だって、豚骨スープとカレースパイスに加えて、なんと
ココナッツミルク
まで入ってるんですから。
つまりタイのスープカレー状態なんですよ。
シャバシャバカレー好きな私の脳天を直撃してきました。
このスープだけお持ち帰りに出来ないかな?ってくらい美味い。
でもトンカツとポテトは要らないかな(笑)。
おすすめは、このカレーラーメン(標準)を頼んで、麺を食べきった後に白飯をぶち込むことですね。
これが最強です。
おそらく私のように白飯を2杯くらい頼んでしまうことでしょう(笑)。
で、ご飯を入れたら、こいつで辛さをさらに増々にできます↓
「唐辛子オイル」(真ん中)と「カレースパイス」(右)です。
カレーラーメンを頼むと、これが付いてきますが、最初から入れちゃ駄目ですよ。
まずは豚骨の旨味とスパイスのハーモニーを楽しんでくださいな。
はい、というわけで本日は中王ラーメンを紹介しました。
ここの大将、すごく腰が低くて丁寧な接客をされてます。
ちょっとした受け答えに人柄がにじみ出ているというか。
常連客しかいなさそうだし、外から店内が見えないし、駐車場がどこか分からないので、初心者には非常に敷居の高いお店です。
しかし、全然怖がらなくていいです。
お客さんへの対応に失礼があることはまずないでしょう。
駐車場は前田小児科の目の前にある砂利の大駐車場に停めて歩いて1分ですから、そこに止めるのが間違いないでしょう。
それから以前使っていた券売機は壊れたのか、今日は使ってませんでした。
普通に席に座っていつものように注文すると良いですよ。
それでは玉名ラーメンを楽しんで、お気に入りの味を見つけちゃってくださいな。
Simackyでした。
それではまた!